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EPL, Match

EPL4位争いを左右するレフェリング

昨日リヴァプールがアウェイでウエストハムを下したおかげで、イングリッシュプレミアリーグの4位争いはついに最終節まで持ち越されることに。次のサンダランドに勝てば、おれたちにはリバポをやっつけてくれる超絶ドリブラー、アダマ・トラオレ(ミドルスブラ)がいる。

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臆病になるレフェリー

こういう状況だからアーセナルしか観ないぼくも普段観ないような試合を一生懸命観ている。そして思ったのであるが、なんか微妙な判定ばかりが印象に残ったなと。この最終節近いクラブのシーズンを決するような試合で、レフェリーもPKやレッドカードみたいな非常に責任の重い、大胆な判定を下すことにビビっているんではないかと。

マンチェスター・シティVSレスター・シティの微妙な判定

まず岡ちゃんが超絶ボレーを叩き込んだマンシティVSレスター。

リヤド・マレズがPKを失敗したせいでレスターが惜しくも敗れたあの試合の66分、レスターのオルブライトン選手がマンシティのフェルナンジーニョに肘鉄を喰らったシーンは、ファールにすらならなかったのが不思議なほどに危険なプレイだった。

マンシティに好意的に見れば「故意ではない」ということになるが、その後のオルブライトンの顔面を見るに激しい接触は明らかで、公平に見て一発レッドカードが出されてもおかしくはない場面だった。ここでマンシティにひとり退場者が出れば形勢は大きく逆転していただろう。

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※写真はガーディアンより

結局珍しい「ダブルタッチ」で失敗してしまったが、マレズがPKを獲得したクリシーのファールなんかを見れば、この試合に引き分ければよりリアルな4位争いに引きずり込まれるという立場で、1点を追いかけられるプレッシャーのなかマンシティの選手たちは普段の調子を出せていなかった。それくらいの空気だったのだ。

試合が終わってしまえばこの判定はレスターのファン以外にとっては大きな問題にもなっていないが、もしレフェリーが66分のフェルナンジーニョへレッドカードを出していたならば、このレフェリングはマンシティのシーズンに影響を与えた可能性もあり、大きな注目を浴びていただろう。レフェリーも空気に抗えなかったということか。

ウェストハムVSリヴァプールの微妙な判定

もうひとつは、昨日のウェストハムVSリヴァプール。

リヴァプールが5戦勝てていなかったというウェストハムに0-4と見事勝利をもぎ取ったこの試合。これも62分にコウチーニョが決めた3点目のシーンがかなり奇妙なもので、これこそレフェリーの判定が影響したといえるものだった。

このゴールはウェストハムのコーナーキック攻撃からリヴァプールの素早いカウンターが決まったものだが、これはカウンターの起点になったリヴァプールPA内での「判定」の混乱から生まれたものだ。

まずリヴァプールのペナルティエリア内でコーナーキックのこぼれ球を競り合ったウェストハムのフェルナンデスに対し、手からボールに行ったリヴァプールのワイナルドゥムはフェルナンデスにエルボーを食らわせたかたちで、スタジアムにいたウエストハム(とアーセナル)のファン全員が「ハンボー!(handball)」と叫んでファールをアピール。

すわPKかと一時騒然となったスタジアムに選手たちも一瞬足を止めてしまう。得点はその隙を突いたカウンターからだった。

ウェストハムの選手たちはどう見てもまだプレイが続いていることに混乱していて、ゴールが決まったあともまだあれがノーファールだということが信じられないという様子だった。

コウチーニョがゴール前であれだけ余裕を持ってシュートできたのは、リヴァプールの選手が4人もいるのに対して戻りが遅れたウェストハムのディフェンスはなんと2人しかいなかったからだ。

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問題のシーン。このあとWHUのフェルナンデスは顔を押さえてPA内にぶっ倒れた

レフェリーはこのプレイを目の前で見ている。ハンドも危険なプレイも見逃しているようには見えない。

これが普通の試合だったらファールを取ったんじゃないだろうか。

この試合は結果こそ0-4とリヴァプールの圧勝だが、前半まではウェストハムがかなりがんばっていた。たしかにリヴァプールも何度かクロスバーを叩くなど押してはいたが、ウェストハムもなぜか得点できなかったが決定的なチャンスを二度ほどつくっていて、チャンスの数はほとんど同等に見えたし、得点差がつくまではどちらかといえばリヴァプールのほうが4位争いのプレッシャーで固くなっているように見えた。

問題のシーンはすでにリヴァプールが2点を先行していた場面だが、そのまま2-0で進行したとしてウェストハムのホームで仮にウェストハムがこのあと1点を返したならば、1-2となり雰囲気はがらりと変わったはずだ。つまりここでPKを取るか取らないかが試合に大きく影響した。このタイミングでの失点はウエストハムにとってあまりに痛かった。

3点めはこのファールがスルーされたことに起因しているのは間違いなく、PKを取れないだけでなく失点までしてしまったのだからまさに踏んだり蹴ったり。レフェリーも心の中でウェストハムに対して気の毒に思ったかもしれない。



レフェリーを萎縮から解放するにはVARの導入しかない

こういうある種のビッグゲームでレフェリーが萎縮してしまうのは、あり得ないことでもないように思う。とくにこのネット社会の世の中で顔出し・名前出しで、どんな結果であれ憎まれ役にならなければならないというのはかなり大変なことだろう。とくに今回のようにそのクラブのシーズンに影響するようなビッグ・デシジョンは。チャンピオンズやW杯のファイナルで笛を吹くなんてどんな肝っ玉なんだという話である。マイク・ディーンだってきっと大変なんだよ。

でもそういうことは理解できたとしても受け入れたくはない。フェルナンジーニョにはレッドカードが出されるべきだったし、ワイナルドゥムにはレッドカードを出してさらにハムにPKを与えるべきだった。そしてアーセナルは4位に入るべきだ。

ここから導き出される結論は、EPLは早くVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を導入しろということに尽きる。レフェリーだって人間だもの。言い訳がほしいのだ。機械がああいってるよっていいたい場面がいっぱいあるんだ。それで試合後に負けたほうの監督からねちねち文句をいわれることもなくなるだろう。

それに比べれば試合のテンポがどうなんて小さな問題である。

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