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アーセナルのタイトルチャンスは今シーズンしかない

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17-18 EPL開幕戦のレスター・シティ戦はなんとか勝ったおかげで罵倒をされずに済んだが、各メディアを見渡すかぎりでは今季もやっぱり”Same Old Arsenal”と揶揄されている。

ギャリー・ネヴィルやキャラガーらは一貫してアーセナルの守備について疑問を投げかけているが、ホームゲームでポゼッションで圧倒した相手に3失点と、その問題が今回も改めて露呈し、またしても彼らの指摘の正しさを裏付けてしまった。

アーセナルは守備を改善する気がないのか

コシエルニ、ムスタフィ、メルテザッカーがいないという緊急事態での急造3CBだったという言い訳はできる。だが、プレシーズンにも試したことがないフォーメーションを大事な開幕戦でぶっつけで試すというのは冒険すぎないだろうか。

いや、このCBの組み合わせは予想はできたし(やるとは思わなかったが)、メルテザッカーが出場できなかった時点でほかにオプションはなかったのかもしれない。だが、であれば、なぜこういうことも想定してプレシーズンマッチで試さなかったのだろうか。サスペンションのコシエルニとコンフェデ杯で合流が遅れたムスタフィが開幕戦に間に合わないのは事前にわかっていたことなのに。

3人のコンビネーションだけじゃない。2点めを取られたときのような強烈にプレスをかけられたときのMFとのコンビネーションだってしっかり実戦で確認しておくべきだったんじゃないのか。エルネニーをCBで使って彼にディフェンスの練習をさせることはそれほど重要だったんだろうか。



この試合で、モンレアルとコラシナツ、ホールディングの3人のCBの働きが最悪だったとは思わないが、ヴァーディのような早くてスペースを見つけるのがうまいFWに対応が後手後手になった感は否めなかったし、慣れないポジションの影響もあったはずだ。

そしてこの結果はホールディングという若手選手を信頼しすぎた罰でもあると思う。FAカップなどで活躍したホールディングの評価は高かったが、トップレベルの試合経験の少なさはどうしようもない。彼がこの試合で得た経験は大きかっただろうが、そうやって選手の成長を悠長に待っていたらシーズンが終わってしまう。そうやってアーセナルはじりじりとここまで弱体化してきたのだ。

ぼくは昨シーズンの終盤に、アーセナルのスリーバックについて「アーセナルにはまともなセンターバックが3人いないのが問題」ということを書いたことがあって、その後にガブリエルやホールディングがスリーバックで活躍したのを見て考えを若干改めた気でいたが、やっぱりレギュラーCBには、優秀で経験豊富な「エンドプロダクト」が必要なんじゃないだろうか。コシエルニは怪我を抱えていて1シーズンを通してプレイできるかどうかわからないと認めているし、今回のような事態はこれで終わりではないだろう。

なぜヴェンゲル監督はコシエルニとムスタフィのほかにもう一人、即戦力の完成されたCB、ディフェンスリーダーになれるくらいの選手を獲ろうとしないのだろうか。ファン・ダイクは売りに出ているし、ルディガーなんてチェルシーに移籍するというのにアーセナル愛を語っていたくらいだ。べつに評論家たちのために補強をするわけじゃない。だが、コシエルニとムスタフィとあともう一人彼らと同レベルでプレイできる選手がいなくては、アーセナルは守備を改善する気がないと疑われても仕方がない。

 

アーセナルはサンチェスを残すなら今シーズンこそがタイトルチャレンジに本気になるべきとき

今季限りで退団が決定的なサンチェスをフリー移籍も視野にいれた上であえて残すというのは、アーセナルにとっては数十億円を賭けた一世一代の大博打のはず。ヴェンゲルも今度こそ成功を信じて(進退を賭けて)契約を更新したはずで、はっきりいって今シーズンほど本気で優勝を目指さなければいけないタイミングはないはずなのだが、そういった決意のようなものがここまで見えていない。サンチェスというリーグでもっとも優れた選手が在籍しているのは今季限りなのだ。

※ちなみに個人的にはサンチェスは今月中に移籍すると思っている。新契約はもう諦めているだろうし、移籍したい選手をチームに残したって士気を下げるだけだ。もし奇跡的に残っても冬には放出だろう。サンチェスがフリー移籍するのは、夏に残してなおかつサンチェスの活躍で冬の時点でタイトルを争っているときだけのはず。

ここまでラカゼットもコラシナツも補強は成功だったと感じさせるプレイをしている。だが、まだ本気でリーグ優勝するクラブの補強には見えない。本来なら20年ぶりにUCLを逃して、リーグで一番金を遣ったっておかしくはないのだ。一方でマンシティやマンUの補強は本気で優勝する気があるクラブのものだ。

初戦で負けるという最悪の事態は免れたものの、指摘されていた問題は残されたまま。アーセナルは本気でタイトルを狙いますかと問われれば、もちろんというだろうが、本人たち以外は誰からも本気だと信じられていない。

 

開幕戦の教訓

開幕戦で我々が知ったのは、兎にも角にもディフェンス強化の必要性である。

昨シーズンのアーセナルのリーグ失点数は44。7位のエヴァートンと同じ数字だ。1位のチェルシーは33。2位のToTに至っては26である。失点を10点以上減らさないと優勝はできないと思って良い。

リーグ38試合。平均して1点以下に抑える必要がある。開幕戦ですでに3失点。この結果を楽観視できるなら、監督業なんて止めてしまえばいいのだ。

まあ毎試合、失点以上に得点すれば全勝優勝できるんで、守備より攻撃を重視するというのは戦略としては間違えてないのかもしれない。でも、だったらレヴァンドフスキやオバメヤン、スアレスぐらい獲らないと。攻撃力で圧倒するのは守備を改善するよりももっと難しいだろう。

 

 

 

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