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「ヤング・アシュリー・コール」コーエン・ブラモールArsenalに来る

イングランド・ノンリーグ・フットボールから、いきなりプレミアリーグの強豪Arsenalとの契約を勝ち取ってしまった20才のシンデレラボーイこと、コーエン・ブラモール(Cohen Bramall)が話題だ。

そのシンデレラストーリーはすでにさまざまなメディアでも伝えられているとおり。プレイビデオでは顔まではわからなかったが、本人がSkyに出演した際のビデオを見るとなかなか童顔で少年ぽさの残るかわいい系の見た目である。

BBC SPORTSでもインタビュー記事が上がっていて、なかなか面白かったのでブラモールの発言部分だけ超訳した。正しく読みたい方はどうぞBBCへ。

www.bbc.com

クルー(Crewe ※クルーはリバプールやマンチェスターのやや南に位置するイングランドの地方都市)にあるベントレーのこうば(工場)で働いてたんだよね。

ライン工だよライン工。ガスだのブレーキフルードだのウォッシャーだの。日がな一日。マンデイトゥフライデイ。朝の6:30から夜の5:15まできっかり。

いやいや、そんな人生も悪くなかったんだよ。けどさ、そんなシフトで働きながら火曜と木曜はトレーニングでクルーからバーミンガムまで行ったり(※車で1時間)、土曜には試合もあるみたいな生活ってさ、いい加減疲れちまうだろ。

クリスマス直前にいきなりベントレーを首になったんだ。火曜日だったな。ありえないって思ったよ。だってそのとき何が起きてるかぼくは知らなかったんだから。

ぼくはフルタイムの仕事が必要だったんだ。ヘネスフォード・タウンでのプレイみたいなバイトじゃなくてさ。新しい仕事を探さなきゃって思ったよ。

そしたら次の日の水曜に代理人から電話があって、アーセナルでトライアルを受けられるっていうんだ。あのアーセナルだよ?「は?」ってなったよね。解雇の翌日だったから。そりゃあびっくりもするだろ。

すぐ荷物をまとめてここへ行けって代理人がまくしたてるもんだから、1時間もかけないで準備して死に物狂いで駆けつけたよ(※クルーからロンドンは車で3時間)。ちょっとだけ寝て、気づいたらもうファーストチームと一緒にトレーニングしてたんだからまいったよね。あっはっは。

何もかもが次々と起こって、とにかくすごかった。このチャンスを絶対ものにしなきゃって思ったよ。

シェフィールド・ウェンズデーのU23チームにいて、2週間前にバーミンガム・シティと戦ったことがあったんだ。

そしたらそこにブライアン・マクダーモットっていうアーセナルのスカウトが来てたんだ。彼は普段そんな程度の試合に顔を出すようなスカウトじゃないよ? 世界を飛び回って次世代のスタープレイヤーを探し回ってるような敏腕スカウトさ。もし彼がそこにいなかったら、こんな事態にはなってなかったんだろうね。

ぼくはすべてのノンリーグ選手にただただ信じて、がんばり続けろっていいたいね。とにかくがんばらなければチャンスは来ないんだから。がんばり続けていつも110%で戦って自分を信じる。自信を持って、謙虚にやり続けるんだ。

ぼくはアーセナルにやって来た。ジャージ一式ももらった。準備万端だよ。これからたぶんU23スコッドに入ることになるだろうね……。でもさ、ファーストチームと一緒に練習したんだぜ? このぼくが。信じられるかい?

狂ってるよ。ああ狂ってる。インスタでしか見たことがないような人らだよ? MOTDでしか見たことがないようなさ。この世に実在したんだ!って思ったさ(笑)。 クレイジーな体験だろ?

ダニー・ウェルベック、チュバ・アクポン、アレックス・オックスレイド・チェンバレン、そんなトップフットボーラーたちがすげえ歓迎してくれて、ぼくの名前まで知ってたんだ! まじビビったよね。そんな人らに名前を覚えてもらえるってだけで最高なのに、一緒にプレイまでできるなんてほんとうに光栄だよ。まるで夢がかなったみたいだ。

ああ、最初にOne-twoをしたのはアレクシス・サンチェスだったと思うよ。

ボスにも会った。とくに会話らしいものはなかったけど、とりあえず握手してさ。「やあ、よろしくコーエン」て微笑んだよ。神かよ。

とにかく会えたことが信じられなかった。ヴェンゲル監督といえば世界のトップ・トップ・マネージャーのひとりじゃん? そりゃテレビではよく見るよ。でも実際にそんな人と面と向かうってのはまじ「WOW」って感じ。そりゃ誰だってぶっ飛ぶぜ。

2日間のファーストチームとのトレーニングだったけど、とにかくあっという間に過ぎた2日間のセッションだったね。ボスとは少しだけこれからどうなるのかってことも話した。

もうね。ここで起きたことについては頭がついていかなかったよ。たぶん自分がどこにいるのかすら理解できてなかったね。

まあ、とりあえずは誰とトレーニングしたかなんてミーハーなことは忘れて自分の身体とメンタルに集中することにするよ。たしかにスターたちと一緒にいたけど、いまは自分にできることを一所懸命にやって、まわりにとらわれないようにしなくちゃね。

彼らとプレイできることは名誉だ。でもぼくは自分を見失わないようにする必要があるんだ。



ノンリーグからプレミアリーグで大活躍といえば、去年のジェイミー・ヴァーディ氏が記憶に新しい。当然、ヴァーディの活躍あってこその注目だろう。

今回のコーエン・ブラモールの獲得報道で、限りなく一般人に近いノンリーグのフットボーラーが、プレミアリーグの強豪にスカウトされるということがどれだけ特別なことか、いろいろ察せられて興味深かった。文字通り家族は泣いて喜んじゃうし。

プレミアリーグでは、イングランド国内からスターを発掘することが今後のトレンドになるんだろうか。

ちなみに今回の移籍金4万ポンド。現在のレートで日本円にして約571万円になる。契約更新を渋っているアレクシスが要求している週給は25万ポンドだとかいわれているので、彼の日給みたいな額である。

普段われわれが目にしている人気フットボーラーの移籍金は、だいたいミリオン(百万)単位で語られることが多いので、桁が違うということだ。あえてミリオンで表記すれば、0.04Mポンドになる。

浅野拓磨の移籍金はたしか5Mポンドだったような。アサノの100分の1以下しかかかっていないことになるわけだ。

さあ、ネクスト・バーディはキミだ! がんばれコーエン。

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