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アーセナルが獲得を検討すべき7人の若手ディフェンダー【2018秋】

このところアーセナルは継続して結果を出している。にも関わらず、どうも試合の内容がパッとしない。

さまざまなスタッツデータもアーセナルの結果の「幸運」を示しており、攻守にわたってエメリが引き続き取り組むべき課題はまだまだ多いということだ。

ここ数試合ではおもに攻撃での停滞(アタッカー陣の組み合わせや配置)が話題になっていたが、相変わらず敵に多くのチャンスをつくられていることや簡単に失点してしまうというこれまで通りの守備の不安定さも当然指摘されなければならないだろう。

PL7試合で失点数は「9」とトップ5では最多(※シティとリヴァプールはともに3失点しかしていない)かつ、昨シーズンの失点51に近いペースでの失点であり、ヴェンゲルからエメリにマネージャーが変わっても守備強化についてはなかなか成果が現れていないというのが現状だ。

守備強化にあたっては、当面は既存チームでの守備戦術の浸透や個人のスキルアップに取り組むことがエメリの主題になるはずであるが、選手のアップグレイドが単純な解決策になってしまうこともまた真理である。

アーセナルでは主力に30オーヴァーの選手たちが複数いるという高齢化の問題、また選手自身のクオリティ(ムスタフィはいつになったら真価を見せてくれるのか?)の問題も残っている。いずれにせよ早晩、守備方面で大きな補強が必要になる。

今回はこちらのブログ記事を紹介したいと思う。

「未来への基礎づくり:アーセナルが老兵のリプレイスに検討すべきディフェンダーたち」

Future Foundations: Defenders Arsenal Should Target To Replace Their Old Guard – El Arte Del Futbol

センターバックとレフトバックの補強について界隈でちらほら見かける若手の名前をまとめてあり、われわれが今後チェックすべき選手を教えてくれる。なかなか興味深い記事だ。



アーセナルが獲得を検討すべきセンターバック

アーセナルのディフェンダーは、ベストな状態で復帰できるか疑問符のつくコシエルニ(33)を筆頭に、モンレアル(32)、ソクラティス(30)と30オーヴァーの選手が3人もいる。

また、本来ならいまごろはCBの要的存在であってほしかったムスタフィのパフォーマンスがなかなか安定してこないのももどかしい。ホールディングとマヴロパノスはもっぱら経験を積んでいる最中だ。

ジョナサン・ター(Jonathan Tah, 22yo) バイヤー・レヴァークーゼン

ドイツ(NT3試合)。22才。CB。194cm。右利き。現契約は2023年まで。

<特長>

  • グレイト・アスリート(長身、クイック、ストロング)
  • 空中戦に強い
  • 1 on 1デュエルに強い
  • ポゼッション

2015年、19のときにレヴァークーゼンと契約して以来、ターはブンデスリーガでもベストのDFのひとりとして自らの地位を確立した。サイズ、スピード、ストレングスのブレンドが彼の守備の基礎になっており、おそらくPLでも通用するだろう。この早熟なジャーマンは一対一に強いDFで、地上でも空中でも相手のストライカーよりパワーで上回る。

アーセナルは守備においてこのフィジカルプレゼンスを欠いてきた。とくにトップ6との対戦では代償を払ってきた。ムスタフィと年齢を増したコシエルニは、しばしばPLのトップクラスのストライカーたちにやられていた。ターは、22才にしてすぐにアーセナルの現在のオプションのアップグレイドになれるし、しかもこの「ロールスロイス」級センターハーフのベストはまだこの先にある。

エメリの指揮の下で、ターは大いに大成する可能性があり、世界中でもっとも求められるディフェンダーになれるかもしれない。アーセナルは彼の価値が高くなりすぎる前にサインすることを考えるべきだ。この22才が手の届かない存在になる前に。

カシム・アダムス・ヌフ(Kasim Adams Nuhu, 23yo) ホッフェンハイム

ガーナ(NT3試合1ゴール)。23才。CB。190cm。右利き。現契約は2023年まで。

<特長>

  • 長身、強く堂々
  • バックからボールをつなげる
  • パスレンジが広い
  • 9試合ごとに得点する
  • バックから攻撃開始できる
  • タックルのときもめったに倒れない
  • ポジションの嗅覚
  • インターセプト後の配球の速さ
  • リカヴァリーのスピード

アーセナルでは右CBでプレイするセンターバックは過密気味だが、カシム・ヌフ・アダムスはエメリの下でプレイするなら間違いなく左CBのほうが合っている。スペインとスイスで頭角を現したアダムス・ヌフは9Mユーロでブンデスリーガのホッフェンハイムへ移籍した。

バイエルンにかっさらわれる前に、スヴェン・ミズリンタットはこの選手を注意深く観ておくべきだし、なんなら早く彼に動き出すべきだろう。

アブドゥ・ディアロ(Abdou Diallo, 22yo) ドルトムント

フランス(U-21 NT 13試合)。22才。CB/LB/DMF。188cm。左利き。現契約は2023年まで。

<特長>

  • 左サイド&左利き(現在のアーセナルのCBはみんな右利き)
  • ディフェンスからドリブルで進める
  • 左から右への正確なロングパス
  • スピードがある
  • 一対一に強い
  • フランスU-21のキャプテン(リーダーシップ)

2018年6月に25Mポンドでボルシア・ドルトムントへ移籍。ノースロンドンクラブはアブドゥ・ディアロを安く買うチャンスを逃したかもしれないが、アーセナルは彼にレイダーをとどめておくべきだろう。ディアロはマインツで素晴らしい活躍をし、リヨンや(皮肉にも)アーセナルといったたくさんのトップクラブの注目を集めた。そして彼を射止めたのはドルトムントだった。

まずディアロは左利きで左CBである。ガナーズの現在のシニアディフェンダー4人はみな右利きだけで、怪我で離脱しているコシエルニだけが左CBで快適にプレイできるCBだ。この若いフランス人はアーセナルのバックラインにいいバランスをもたらすだろうし、そうすればソクラティスを彼の好きな右CBで使うこともできる。若干トリヴィアルな話だが、セントラル・ディフェンダーが得意でないサイドでプレイしていることは、アーセナルのバックラインが安定していない理由のひとつでもある。

エメリが今シーズンバックからボールをつなぐことにやけにフォーカスしていること、それに苦しんでいることは、ヴェンゲルの守備哲学から大きくシフトしていることでもある。ディアロはボールを運ぶことができる選手で、ピンポイントのロングボールが得意なことはショートパスの試合のなかにあって素晴らしい。

守備面でもこの元モナコの選手はアーセナルのスタイルにフィットするだろう。彼はスピードがあり、ピッチの高い位置でも積極的であり、センターからワイドに行くときも快適にプレイできる。188cmという長身は自陣でも敵陣でもボックスでも内で脅威になれ、ブンデスリーガでは3ゴールしている。

ディアロはもう安くはならないだろうが、アーセナルは彼を獲得できるチャンスが訪れることに備えておくべきだ。

マラング・サー(Malang Sarr, 19yo) ニース

フランス(U-21 NT 3試合)。19才。CB/LB。182cm。左利き。現契約は2021年まで。

<特長>

  • 左サイド&左利き(現在のアーセナルのCBはみんな右利き)
  • 試合を先読みできる
  • インターセプションと素早い配球
  • ライン間にパスできる。バックから浮き玉やダイアゴナルで
  • フィジカルでバランスがいい
  • スピードがある

17才でニースにやってきてから、マラング・サーはニースのバック4の完璧な一員となっている。CIESフットボール・オブザーヴァトリーで「世界でもっとも将来有望な選手」の第5位に選ばれており、アーセナルが左利きの左CBを求めるならパーフェクトな選択になるだろう。

アヤックスのマティアス・デ・リフトがヨーロッパでもっとも価値の高い若手CBかもしれないし、ティロ・ケーラーがPSGに37Mポンドで移籍したときはメディアの話題をかっさらった。しかし、この馬鹿騒ぎのなかでも、サーはずっと過小評価されている。

ニースは財政的な危機にあって、パトリック・ヴィエラのチームにとって30Mユーロほどの提示を断ることは非常に難しいだろう。ガナーズにとって、19才に投資することは大きなリターンを得られるチャンスだ。

アーセナルが獲得を検討すべきレフトバック

レフトバックは、コラシナツが期待どおりだったら補強の必要性はこれほど叫ばれなかったかもしれない。残念ながらここまではそうではないということだ。

モンレアルは今シーズン限りの契約で契約延長するかわからないし、いずれにせよ高齢問題は不可避。AMNのバックアップは心強いが、彼はCM/DMが本職で、できれば来夏までにはモンレアルを代替できる有能でレギュラーを任せられる攻撃/守備に安定したLBを獲得したい。

キーラン・ティアニー(Kieran Tierney, 21yo) セルティック

スコットランド(NT 11試合)。21才。LB/CB。178cm。左利き。現契約は2023年まで。

<特長>

  • 短距離・長距離を素早くカヴァー
  • グレイトなスタミナ
  • ヴァーサタイル:LB、LWB、バック3でのLCBでプレイ可能(モンレアルの後継)
  • ウイングでドリブル突破
  • クロス精度が高い
  • リーグで3ゴール6アシスト

ブレンダン・ロジャースの指南の下、セルティックのキーラン・ティアニーは間違いなくスコティッシュPLの際立ったタレントになっており、EPLへのステップアップの準備は万端だ。ティアニーはLB、LWB、3CBのLCBでプレイでき、彼の戦術的柔軟性は、アーセナルにおいてスイス・アーミー・ナイフみたいに進化していった32才のモンレアルのリプレイスメントに完璧だ。今後のクラブへの貢献についても21才という年齢とクオリティを考えれば、モンレアルのアップグレイドとなる。

ティアニーの左サイドでの走りは攻撃の武器になる。ウイングで敵を抜き去る十分な速さがあり、危険なクロスを放つ能力もある。

バック3ではビルドアッププレイでも能力を見せていて、バックからドリブルでらくらくボールを運べるし、アタッカーたちに向けてライン間へボールを持ち込むこともできる。しかし、このレフトバックはディフェンスにおいてもサボることはしない。彼のスピードは守備のディシプリンを維持することにも貢献し、ワイドの選手にはタックルをお見舞いしようと狙っている。こういった属性が合わさったユニークなコンビネイションは、エメリのアーセナルにぴったりだ。

ティアニーは子どもの頃からのセルティックファンであり、PLクラブの注目を集めるなかであっても、いまはセルティックに残ることを選んでいる。しかし彼のタレントならいずれステップアップをしたくなるときが来るだろう。そしてガナーズに移籍するのは賢い判断だろう。

ジョーダン・アマーヴィ(Jordan Amavi, 24yo) マルセイユ

フランス(NT 0試合)。24才。LB/LMF。176cm。左利き。現契約は2021年まで。

<特長>

  • 両足でドリブル、パス
  • 深く切り込めるしカットインも。予想が難しい
  • グレイト・テクニック
  • ワイドの狭いスペースでもボールを持てる。プレッシャー耐性が高い
  • 6アシスト。ボール扱いではエンドプロダクト
  • いい加速

アマーヴィは2016年に大怪我をしてアストン・ヴィラが降格してしまい、マルセイユに移籍していまは復活の最中だ。このフランス人にはとてもユニークなタレントがいろいろあり、それはすべてのフットボーラーのなかでも珍しいが、とくにフルバックとしてはさらに珍しい。

トゥーロン生まれのレフトバックは足元の技術が高く、踊るように敵を抜けるしリンクプレイも得意だ。ワイドから左足でクロスを上げることもできるし、あるいはインサイドに切れ込んで右足でフォワードにパスを出すこともできる。これは彼の動きを予測不能なものにしている。彼は17/18シーズンにはリーグ1で27試合で6アシストしており、これは彼の能力を完成させていることを示している。この見事なテクニックはヨーロッパのトップクラブが狙うもので、ガナーズもまたベレリンとモンレアルをちらりと見てしまうくらいだ。

彼は24才にしてはディフェンス面でまだ成長の余地があるが、アマーヴィがアーセナルにやってきてインパクトを残すには完璧な年齢だ。エメリはフルバックをオーヴァーラップさせて使うので、彼の攻撃のクオリティは貢献するだろう。ビッグクラブが周囲を嗅ぎ回る前にアーセナルは彼を捕まえるべきだろう。

ファーランド・メンディ(Ferland Mendy, 23yo) リヨン

フランス。23才。LB/LMF。178cm。左利き。現契約は2023年まで。

<特長>

  • モーレツなスピード
  • 左MFや左ウイングでもプレイできる天性のドリブル
  • グレイトなパスレンジ
  • いいバランス
  • 嗅覚
  • バック4でのポジショニング
  • 強守備

「メンディ」と聞くと例のオールアクションLBの彼を思い浮かべてしまうが、ファーランド・メンディはル・アーヴで耳目を集め、OLに5Mユーロで移籍したあともおもにLBでプレイしている。

23才で、メンディはリーグ1のフルバックのお買い得物件となっており、アーセナルは早く動き出す必要があるだろう。この若さですでにチャンピオンズリーグレヴェルの選手だ。

予算の制約もあって2シーズン連続でCLを逃しているアーセナルは、スター選手として価値が確定する前にサインするようにしなければならない。リヒトシュタイナーやソクラティスといった契約は、短期的で一時しのぎ的なものでしかない。アディダスとの魅惑的なキット契約は成立しそうで、アーセナルが選手に賢く投資するだろうし、こういった選手との契約はファーストチームを進歩させるだけでなく、リセイル・ヴァリューもある。

以上。

どうだろう。ハイライト動画を貼ったのでざっくりと彼らのプレイスタイルも確認してもらえると思う。

ぼくはディアロとティアニー以外はほとんど名前も聞いたことがないというレヴェルだったので、なかなか興味深かった。

唯一、最後のファーランド・メンディだけ、別の場所で彼のようなLBがモンレアルの後釜に理想という記事を読んだのがこのブログを紹介しようと思ったきっかけになった。

ガチムチからテクニシャンまでいろいろで、われわれにはどの選手も魅力的に思えるが、お気に入りの選手はいただろうか。

いつものようにTMの評価額についてはあまり鵜呑みにはできない。このほぼ全員がビッグクラブが狙う注目株だとすると価値はまだ上がる余地があるだろうし、それに全員長期の契約を残しているためアーセナルがお得に買える選手はなかなかいないかもしれない。とくにPLのトップサイドがみんな狙っているようなキーラン・ティアニーのような選手が実際に12.5Mユーロで取り引きされるとは思えない。

しかしこうやってビッグクラブが注目するという若手有望株の現在価値を見ると、ジャカやムスタフィの30Mポンド超えの移籍金がいかに高額だったかがわかるというものだ。ユーロに換算すると40Mとかだからね。3シーズンたってもまだ投資分を回収できていない。。

無名のマヴロパノスやゲンドゥージを連れてきたスヴェン・ミズリンタットの手腕はさすがだが、このあたりの目ざといメディアやファンからすでに名前がちらほら挙げられるくらいの、ほかのビッグクラブがほぞを噛むような選手を、もしアーセナルが獲得したら痛快なのになと思う。

とりあえずは1月。どうなるか見てみよう。

 

PS
この記事だとRBがスルーなのだけど、リヒトシュタイナーが1年契約で来夏までなのだから、実質ベレリンしかいないRBだって十分補強対象なんだよね。リヒトシュタイナーはしれっと契約更新すんのかな。それもありそう。



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

2 Comments on “アーセナルが獲得を検討すべき7人の若手ディフェンダー【2018秋】

  1. 左のCBは中々難しい交渉になりそう
    有名なターとティアニーはまだ移籍金を抑えて狙えそうなので一考して欲しいところです
    ただCBはチェンバース含めて頭数は余剰とも言えるのでムスティやコシェの売却でもないと厳しそうですね

  2. この冬か夏はてこ入れのためにもビックネームを獲得してもらいたい。と思います。個人的にロマニョーリ気に入ってるんですけどどうでしょうか?
    (インシーニェ欲しい…)

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