hotいま読まれているエントリ

Arsenal, Player, Tactics

ニコラ・ぺぺのプレイスタイルと戦術プロファイル

ぺぺ加入が既存選手の去就に与える影響

ここからはぼくの考えを書いていこう。

ぺぺが入ったことで、いまいるアーセナルの選手たちにどのような影響があるか。

TMによれば、ぺぺは左足の選手で基本的には右のウイングでプレイしており(ロッベンタイプ)、CFでプレイすることもある選手。

彼の加入で直接的にもっとも大きな影響を受けるのは、まずはヘンリク・ミキタリアン。

ぺぺがケガで離脱などがない限り、またはエメリがロウテイションでもしない限りは、これでほとんど彼がPLでスタートする機会はなくなったと考えてよいだろう。もともと当落線上にいたわけで、今回それが確定した。200kpwのベンチ要員という。

それとリース・ネルソン。彼は右足のウインガーだが右サイドでプレイすることが多い。当然影響はある。

ミキは相変わらず放出の噂も根強いが、もし彼がこの夏に残るようならネルソンがローンで出ていく可能性が高まる。彼はキャリアのなかでプレイタイムが必要なフェイズにおり、アーセナルでファーストチームのベンチに入れるか入れないかみたいな状況なら、むしろ残ってはいけない。経験のためにローンで出るべきだろう。

ぺぺは、もしかするとエンケティアについても影響を与えるかもしれない。

ぺぺはセンターフォワードでもプレイできるということは、エンケティアはCFでプレイできる選手のなかでは4番手になることを意味する。

イウォビやウィロック(あるいはESR)といったフォワードの後ろでプレイできる選手の存在も考えると、エンケティアの出場機会が阻まれる可能性はある。そうなれば、ネルソンと同様にファーストチームの経験を積ませるためにローンで出されるという可能性はある。エメリは残すと云ったけども。

おそらく、エンケティアやネルソンの去就はミキタリアン次第ということになるのではないだろうか。ミキが残ってさらにこのふたりが残るとはちょっと考えにくい。とぼくは思う。

4-3-3がレギュラーのシステムになったら。エジルの将来

エメリが4-3-3を使う可能性についても検討しておきたい。

4-3-3というのは、いうまでもなく一般的にワイドプレイヤーありきのシステムだ。

ぺぺのような選手が入ってきたということは、アーセナルがシティのような、リヴァプールのような、より自然な4-3-3システムを採用できるようになったということ。

エメリの気に入りは4-2-3-1で、4-3-3は必ずしも彼が積極的に使いたがるシステムではないが、かりに4-2-3-1がうまくいかなかったとき、あるいは試合のなかで流れを変えたいときに3MFを使いたくなることは当然あるだろう。これまでもそういった試合中のシステム変更はよく見られた。ましてや、この夏にはダニ・セバーヨスが加入して、MFは充実しているのだから。むしろそれが大きな動機になりうる。

4-3-3システムの採用でもっとも大きな影響を受けるのは云わずもがな。No.10のエジルである。4-3-3にNo.10の居場所はない。

4-3-3の3MFでそのなかにエジルを入れるアイディアもあるだろうが、ふつうに考えればエジルをCMのひとりとして使うにはワークレイトに疑問がある。いくら彼が守備でがんばろうとしていたとしても。

いまコウチーニョの獲得(ローン)の噂でアーセナル界隈はもちきりだが(ぼくはまったく信じていない)、もしわずかでも可能性があるとすれば、そのときは最高給のエジルの放出とセットでしかありえず、だからこそこの件はありえないのである。

ただ、エジルの将来を考えると、アーセナルがコウチーニョのような選手に秋波を送っていることは興味深く思える。

近い将来にエジルがいなくなったとき、彼の代替としては、No.10専門などという融通のきかない選手スペシャリストではなく、まさにコウチーニョのようなCAMでもサイドでもプレイできるヴァーサタイルな選手が理想だからだ。

エメリはハードワークと戦術的柔軟性を兼ね備えた選手のほうが好きなのは明らか。

アーセナルがコウチーニョに本気だとはまるで思えないが、そういう意味ではおもしろい動きだとは思う。

ということで、ぺぺが加入したことはアーセナルの既存の選手たちに与える影響は小さくないんじゃないかなとおれは思います。

以上



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

3 Comments on “ニコラ・ぺぺのプレイスタイルと戦術プロファイル

  1. 良い選手が入ってくるのは当然喜ばしいことですが、若手の育成という面では阻害要因になり得る事を改めて認識しました。
    一定以上のレベルの選手はよそから連れてくることは出来ず(レアルやバルサ等のクラブ除く)、育成するしか無いと思っているので、エメリには育成も頑張って欲しいと期待しています。

  2. ペペのプレーを見てるとWB とのコンビネーションがどうなるのか気になります。
    裏への飛び出しからフィニッシュまで出来る選手ですから、はたしてナイルズやベジェリンの攻撃力が活かせるのか

  3. 今のスカッドのバランスを考えたら、4-3-3が理想なのは事実だと思います。
    ただ、オーバをワイドで使えば得点能力という武器が鈍るし、エジルの居場所はほぼなし。
    トレイラはアンカーに相応しい選手だと思うけど、彼の前にハードワークしつつスペースに飛び出していける選手が2人はいない。ジャカはアンカーとしても前に出るセントラルとしても短所が厳しいし、セバージョスはよしとしても、ゲンドゥージとウィロックに過大な期待をするのも難しい。

    一方で、4-2-3-1の両ワイドにオーバとペペというのは現実的じゃない。

    あちらが立てばこちらが立たずといった感じを受けています。そもそも4-3-3を試してないですし。

    どうなりますかね。イウォビもいるし、3人の同時起用にそこまでこだわらず、柔軟に回すのがいいかなとは思いますが。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *