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2019夏ヨーロッパの移籍市場が終了。アーセナル夏のスクワッド大整理を総まとめ

2019夏の放出選手について雑感

残念だったことは、ラムジーやウェルベックのような選手のフリー退団や(ふたりを適切なタイミングで売却していれば今回の収入も倍以上にはなっていただろう)、事実上の戦力外を伝えられているのにクラブに残ることを決めたムスタフィ、それに高すぎる給与のためクラブが売却の道を探っていたというエジルの残留。また、アメイチやダレイ・キャンベルといった、これからアーセナルでキャリアを築いていくはずだったヤングプロスペクトの退団も。もちろんクラブレジェンドのジェンコの移籍も涙なしには。。

しかし、それ以外はおおむねうまいことやったのではないだろうか。

いずれにせよ近いうちに放出となっていただろうキャリア終盤の選手や、チームに必要のない選手をかなり整理できた。これでアーセナルのスクワッドはかなり若返り、理想に一歩近づいたと思う。まさに新生アーセナルである。

放出のハイライトはアレックス・イウォビの高額売却(エヴァートンへ€30M)と、デッドラインデイぎりぎりに発表となったヘンリク・ミキタリアンのローン(ASローマへ)か。

イウォビの移籍はほんとうに驚いた。彼はアーセナルでファンに文句を云われながらも生え抜きとしていつまでもプレイしつづけるものだと思っていた。ぼくは彼の大ファンというわけでもなかったが、彼の成長していくさまを見るのは楽しかった。エヴァートンでグッドラックを祈りたい。青いシャツは似合わないけどな!

そして、このウィンドウの成功をつよく印象づけたのはウィンドウクローズ間際のミキタリアンのローン移籍だ。チームにおける彼のペッキングオーダーは確実に下がっていて、大きなサラリーが負担になっていた。これはでかした!と云いたい。

一説によれば、ローマはミキタリアンのサラリー(約£10M/年)全額を支払い、かつローンフィ(€3M)も支払い、契約にはローン終了後の買取義務オプションまでついている(※25試合以上の出場で発生)というのだから、売りポジションは明白だったアーセナルにとっては渡りに船、破格の条件と云えそうだ。いったいどんなタフなネゴをやったのかと。サンレヒなのか、ライオラなのか。ふたりでなにかネタを掴んでローマを脅迫したのか。こわい。

アーセナルの若返り

大整理と書いたけれど、放出した人数としてはこの夏(19/20)がそれほど目立って多いというわけでもない。

Arsenal FC – All transfers

TMで過去の移籍ウィンドウにおける放出選手を確認してみると、ユースの選手なんかはここに含まれていないこともあるようなので正確な数はわからないが、10/11シーズン~14/15シーズンくらいまでは毎年かなりの人数が退団(ローン含む)している。

今回このアーセナルの移籍市場を「大整理」と呼びたい理由は、アーセナルがこれからキャリアのピークを迎える若い選手たちに積極的に活躍の場を与えようという、方針の転換を明確に打ち出しているからだ。

£100M以上かけて獲得した選手6人のうち25才以上は、その場しのぎとも云える短期契約のダヴィド・ルイスのみだし、しかもそのうちふたりはまだ10代だ。そしてコシエルニ、モンレアル、チェフら、去年レギュラーでプレイしていたヴェテランの高齢選手が揃って退団となった。

象徴的なのはミキタリアンの退団(ローン)だ。彼のポジションにはネルソン、ウィロック、ESRにTJJやマルティネリとヤングタレントが目白押しで、ミキの不在が彼らにファーストチームの門戸を開くとメディアやファンベイスでももっぱらポジティヴに受け止められている。

以前にこんなエントリをアップしたことがある。ちょうど去年の夏だった。

選手の年齢分布に見るチームビルディングの健全さ | ARSENAL CHANGE EVERYTHING

スペインとイングランドの主要チームの選手の年齢分布を比較したツイートを紹介したもので、アーセナルはチームの中心選手が比較的高齢選手に偏っており、エイジプロファイルとしては「不健全」なチームになっていた。

いままさにアーセナルは、アトレティコやリヴァプール、シティのような、これからピークを迎える選手がもっともプレイタイムを得られるような、いつも数年先まで明るい未来が見えているような「健全」なチームに生まれ変わろうとしている。おそらくはあと1-2年でこの傾向はさらに進むことだろう。現時点で30才を超えている、ルイス、ソクラティス、エジル、オバメヤンのような選手たちが数年先もプレイしているとは思いにくい(オバメヤンはもしかしたら)。

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7 Comments on “2019夏ヨーロッパの移籍市場が終了。アーセナル夏のスクワッド大整理を総まとめ

  1. ミズリンタートが離れ、補強資金が限られていると報じられ、EL決勝で敗れたときには、どうなることやらといった感じでしたが、アーセナルは確実に前進しているのではないでしょうか。

    長期的に見ると、
    高齢化が進み、中途半端な補強が多かった前体制から、
    将来性があり、確実にチームを強化する現体制に移行していますよね。

    目ぼしいタレントがいない左SBにティアニー、アシストとゴールの両方を期待できるウイングにぺぺ、
    推進力にかける中盤にセバージョス、ビルドアップができるCBとしてダビ・ルイス、
    将来性豊かなCBのサリバとウイングのマルティネリ

    これからも意図のある補強をしてくれるだろうという確信を持てる移籍市場でした。ありがとう、サンレヒ。

    残る補強ポイントは、ベジェリン以外に本職のいない右SB、フィジカル系MF、ポストプレーのできるFW、
    一線級のCB、最終ラインならどこでもできるプレーヤーといったところでしょうか。

    フロントがしっかりと仕事をしたので、あとはエメリの手腕に期待するだけですね。

  2. 夢と希望がたくさんつまってた夏でしたね。
    シーズン前のサンレヒとカテシャンの対話をこのブログで見せてもらいましたが、写真からどう見ても悪役のボス対談みたいにしか見えませんでさしたが、マーケットの立ち回り方はこれまでのアーセナルでは全く味わったことがない的確な取引ばかりでした。正にビジネスマン。今でこそあれですけど、個人的に一番のサプライズはルイスでした。
    そのサンレヒの目に、ジャカやエジルがどううつってるのか気になります。
    それにしてもトットのエリクセンはどの面下げてプレイするんだよってゆう。

  3. ミズリンタットが退社したときは、ダイヤモンドアイ捨てて大丈夫かよ・・・。フロントもゴタゴタして暗黒時代到来の雰囲気を醸し出したかと思いましたが、蓋を開ければ放出・補強ともに文句なしという。サンレヒさん!すいませんでした!!

    さすがにここまでスカッドをお膳立てしてもらったからには、エメリはCL権確保しないと確実にクビでしょうね。がんばってほしいものです。

    あとは、オーバの契約延長?もしくは放出の判断と、セバージョスの買い取りに向けた活動をお願いしたいところですな。

  4. このブログでも紹介されていたSD候補としてあがっていたリヨンのSDでしたっけ?
    その人の言う通りのフロントリッチで後ろはアレな補強そのままだったなあ、と
    ティアニーとサリバという若い逸材は獲得したけれど、かたやケガ持ち、かたや一年レンタルの18歳

    急激な若返りで20代中盤の働き盛りでリーダーになるべき年代が主力に少ないのもバランス的にはいかがなもなのか
    その年代がムス、コラシナツ、ジャカと批判の対象になる選手が多いのが…

    冬と来夏にこの懸念を吹き飛ばして欲しい
    そのためにCL権獲得が必須だと思うけど

  5. 唐突なこんまりメソッド

    アヤックス視点の記事で「オーフェルマルスが必死にアーセナルへ売り込んでいたシエシュも買ってもらえなかった」と書かれていて、そういう見方もあるんだ、と思いました。だからどうした、と言われればそれまでですが、、、。

  6. ローンとはいえミキを出せたのがナイスだったと思う。
    プレーメーカーとして見れば決して悪くなかった(余剰だっただけで)と思うし、ローマで居場所を見つけて欲しい。

    ウィロックが順調に成長してセバージョスの完全移籍が実現すれば、1月にエジルがMLSに引き抜かれても問題ないかも。
    各ポジションに未来予想図が見えてきた夏でしたナ。

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