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【マッチレビュー】19/20 FAカップ ボーンマス vs アーセナル(27/Jan/2020)ヤングガンズでつぎのラウンドへ

試合の論点

ボーンマス vs アーセナルのトーキングポインツ。

パーフェクトに見えた前半と盛り返される後半。求められるゲイムマネジメント

前半はやりたいプレイがすべてできたという感じで、5分と26分の得点で2-0に。ボーンマスはオウンハーフに押し込められる時間がつづき、ほとんど何もすることができなかった。

しかし、前半のおわりころからはボーンマスが逆襲するようになり(彼らの最初のシュートが38分)、最後にはシュート7本づつと同数で終わったということは、そこからそうとうに盛り返されていったということだ。

90分を通しての一貫性という意味では、アーセナルはあらためて課題を残すことになった。

どんなチームだって全員がハイインテンシティを90分キープできないのは当然で、フィットネスが落ちていく時間をどうマネイジするか。今後もそれが求められるということだろう。アルテタが来て以来の試合は、はっきりいい時間とはっきり悪い時間が混在するという、ずっと同じような試合展開がつづいているのだから。

さらなる肉体改造+試合を殺すやり方を身につけること。

今週末のPLバーンリー(A)のあとには、ドバイキャンプが決まっているようだが、アルテタが来てから初めての長いブレイクになる(まる2週間)。アルテタはアーセナルに来て以来、時間がないことをずっと嘆いていたのでこれはいい機会だ。チームワークにまた磨きがかかることに期待したい。

今回ボーンマスに引き分けて、このブレイク期間にリプレイが入ることをだいぶ懸念していたようだが、ひとまずはミッションコンプリートで肩の荷が下りたことだろう。

ところで、来週と再来週のこの2週間のPLの休みについて、各所で“Winter Break”と呼ばれているが、これはいわゆるPLにもウインターブレイクが導入されるというアレなんだろうか。たしかにこの期間はナショナルチームの試合はない。だとするとほかのヨーロッパのリーグが休む年末年始から少しずらして導入したということか。ぼくがそのニュースを完全にスルーしていたので、いきなり来たという気がしている。

このブログでもちょうど2年前にウインターブレイクについて「検討中」と伝えていた。

イングリッシュ・プレミアリーグがウインターブレイクを検討中 | ARSENAL CHANGE EVERYTHING

「ウインターブレイクなんて導入したってどうせアメリカやドバイに金稼ぎに行くだけ」というファンの声を紹介していて笑える。今回もぜったいドバイで地元クラブとフレンドリーマッチやるだろうなあ。。Arsenal Playerでライヴが観られるといいね。

The Kids are Alright

やあ、若い息吹が。すごいでんなあ。今回のスタート11人のうち、20才が3人で18才がふたり。なんならこの子ら高校3年生と大学2年生ですぞ。

  • エンケティア 20 G1
  • ウィロック 20
  • ゲンドゥージ 20
  • サカ 18 G1 A1
  • マルティネリ 18 A1

全員を称賛したい。順番にひとりづついこう。

エディ・エンケティア。アルテタが彼を称賛したがる気持ちも大いに理解できる。

ラカゼットばりのファーストディフェンダーっぷりで、相手のビルドアップ時にはずっとボールを追いかけていた。いちどは相手のオウンゴールを誘発しそうになるくらい。

ゴールはタップインだと謙遜しているが、いいときにいい場所にいるアウェアネスもストライカーの素質のうち。アルテタも彼のポジショニングに言及しているので、それはストロングポイントのひとつだと認識されているということだ。

個人的にはもうちょっとポストプレイやビルドアップに絡んだ動きが観たかったが、ああいうロングボールでMFを省略して攻撃がいつもウイングから始まるような展開では仕方がない。

彼にはこれからもどんどんチャンスを与えてほしい。

今回は攻守にハードワークし、まさにミニ・ラカゼットのおもむきがあったが、しっかり得点を決めてしまったので本家のプレッシャーがまたさらに……。

♫フユゴナコール。

彼は戻ってきてほんとうによかった。世界最高のマネージャー(になるかもしれない人物)の下にいたほうが、下手なローンに出るよりもよほど有意義。

ジョー・ウィロック。BBC SportsのMOTM。

No.10ポジションで輝いた。最初のサカの得点の起点になったボールの受け方(いわゆるハーフターン?で身体を入れて相手をブロック)や、ボックスに侵入しシュートまで持ち込んだ個人技(これも同じ動き)などやはり非凡な才能。

試合の終盤はマルティネリとともに試合から消えてしまったのは課題ながら、今後はもっともっとよくなるだろう。だって屈強な身体を作り上げていくのはこれからなのだから。

今回のポジションならやはりエジルと比べなければならないが、おそらく彼のもっとも優れているところはあのポジションでインテンシティあるプレイができるということ。No.10としてゲイムメイキングもプレッシングもできるよりモダンな存在であり、かつてウナイ・エメリが求めた理想のNo.10のプレイスタイルでもある。エジルより彼を重用したがった理由だ。

またカウンターでは、相手選手と競り合いつつボールを持ちながらひとりでボールを運べる強さ、速さがある。それもまたエジルの特長とは異なるものだ。この試合でもそういったプレイを見せていた。

移籍市場ではこのポジション(AM)のマーケットヴァリュは非常に高い。KDBのようなエスタブリッシュメントは云わずもがな、マディソンやグリーリッシュだっていまやハンパな額ではない。

もちろんエジルがいるあいだはチャンスは限られるだろう。しかし、もしJWがこのまま正しい方向に成長していきアーセナルでレギュラーでプレイできるような選手になれば、クラブの財政的な面でも貢献は計り知れない。

マテオ・ゲンドゥージ。今シーズンの彼のベストパフォーマンスだったともっぱらの評判。

オフィシャルサイトの試合レヴュー動画『The Break Down』では、ホストのエイドリアン・クラークが彼を「メインマン」だったと称賛している。

ほとんどワンマンMFだった時間帯もあったように見えたが、何度もボールをリサイクルし、タイトなスペイスでもそれを奪われず味方に正確に配球した。パス成功率は90%。試合によっては彼がMOTMだっただろう。

ゲンドゥージといえば、試合前GFFNのアニキが『Téléfoot』の取材映像(ズーマ、エンドンベレ、ゲンドゥージ)についてこんなエピソードを伝えていた(スレッド)

水曜の朝、マテオ・ゲンドゥージはアーセナルのヴィデオアナリストから、彼のiPhoneに直接ヴィデオコンピレイションを受け取っていた。そのフッテイジには彼の前夜のチェルシー戦でのプレイのすべてが収録されていた。

ゲンドゥージ「とっても助かるね。だってピッチにいれば試合をしているのだし、どううまくやればよかったかなんてわからないから。そのときぼくが見ていなきゃいけなかった選手はいたかとか。そういうの」

この試合の彼はディシプリン(規律)を称賛するひとがたくさんいて、ぼくが観た中継のコメンタリでも試合中にそのような言及をされていた。そのすぐ後にわりとひどいファウルをやって、ぼくはアレ?と思ったのだけど。。

彼が悪いときはポジショニングのまずさを指摘されることが多く、ミッドフィールドでの規律のある動きというのはいわば彼の課題であった。

かつてスヴェン・ミズリンタットもロリアンの彼をスカウティングしていたとき「ピッチ全体をむやみに駆け回っていた」と評していたくらいである(笑い)。

それがアルテタのインストラクションで変わろうとしている。そう思っていいのだろうか。

アルテタが来てから、CMにおける彼のペッキングオーダーがファースト・シーズンより下がっているのはあきらかで、ぼくはこの試合も彼はスタートしないと見ていたが、久々のスタートでまったくボスを見返したかっこうである。

最後のシュートが入ればなあ。

この項まだつづく。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

8 Comments on “【マッチレビュー】19/20 FAカップ ボーンマス vs アーセナル(27/Jan/2020)ヤングガンズでつぎのラウンドへ

  1. リバティスタジアムは試合観終わった後の帰りの終電バスの時間帯が怖いんですよねー

  2. ムスタフィは思い切りよくいいパスを出してたし、マークも外してなかったと思う。難しいマークを最後までついていくからこそケガもするわけだけど。。。ガッツを見せた人間は報われてほしい。軽症であることを祈ってる。

  3. ヤングガナーズ達が台頭して前線は凄く楽しみですね。
    DFラインもマリ・マトヴィエンコの2枚獲りでだいぶ安定する。サリバも来るし。
    セバージョスの去就が不明なAMF/CMFとトレイラとは違う特徴のあるDMF(ザカリアとか)が獲得出来れば来季はかなり期待出来そうです。
    後はオバ・エジル・ジャカ・パパ・ムスタフィ辺りを高値で放出出来るか、フロントの腕の見せ所かと。

  4. 確かに、ラカトップで、オーバとマルティネリを従えるエジルは見てみたい。ペペ、いまのところスペース与えてカットインか、フリーキック(彼のコーナーの精度はエジルより上)しか、ストロングポイントがない。あとはわれらがマネージャー、選手交代のタイミングがちょっと遅い気がするんですよね。もうちょっと早ければプレスやインテンシティーで主導権をキープできると思うのですが。そこが気になります。

  5. ペペのスキルとかを否定するわけじゃないけどボールを受ける位置を幅広くするともっと活躍できるんじゃないかな。
    ビルドアップとかでも中央寄り(やトップ下の選手がいるような位置)にも顔を出すことを少し増やしたらもっと彼にとっても全体としてもいい影響が出ると思う。
    アタッキングサードならドリブルの最初の1歩でPA内に入れる位置とかも。
    この試合の前半は少し中央寄りに来ることがあって期待したが、頻度を見るとどうも意図的ではなかったように思える。
    サイド(の端)に張る時間が多いのがアルテタの指示なのか本人の判断なのか気になるところ。
    もちろんサイドに張ることによって中央にスペースを作れるというメリットも考えられるだろうけど、
    そのスペースを使う意図が明確にあればいいんだけど、この試合はウィロック個人のポジショニング特性でそこは割と使ってたけど、戦術としてそうしているのかは疑問(ここ数試合見ててもそうとは思えない)。
    (戦術に詳しい?)r/Gunnersの人たちならペペとかこの辺にも言及してるんかな?
    そこの人達がどう評価しているのかも気になりますね。

  6. ンケティア、ウィロック、サカ、マルティネッリはお互いに次どう動くかというのがよくわかっている気がします。
    全体的に攻め急ぎが少なかったのも良かったですね。

    ゲンドゥージはこの日は役割がはっきりしていたのが良かったのかなと。
    攻撃の時も高い位置を取ることを求められず、ビルドアップでも中央の位置を任されることによって迷いがない。
    徐々に自信を持ってプレイしてたのも大きい。
    ウィロックのような前に出ることを身に付けて役割を使い分けられるようになったら文句なくすごい選手になると思っています。
    (アーセナル加入直後はもうちょい積極的だった印象もあるんですが)
    終盤ミドル撃った後の笑顔が印象的でした。攻撃やゴールにも楽しみを覚えてくれるといいなと。

    ウィロックはフィットネスがやっと戻ったのかなとも。
    逆にセバージョスはフィットネスがまだ本調子じゃないんじゃ?という印象も。
    どうもスプリントが不自然というかスピードに乗りきらないというか。

    ホールディングがちと心配になる場面も…

  7. ジャカとトレイラの2人は、アルテタのシステムで輝いていますよね 私はトレイラのNO8肯定派でしたが、ここまでのフィット振りを見るに、NO6が適正ポジの選手だったと認めざるを得ません
    アルテタがジャカのためのチームを整えた、までは言い過ぎでしょうけど そう思えるほどに、ジャカが気持ちよくそのポテンシャルを活かせているように思えます
    選手に合わせたシステムを操れる監督が、選手とのコミュニケーションも上手く取れていけるのなら。。。私たちのアーセナルは、本当に、かつての競争力を取り戻せるのかもしれませんね

  8. ジャカが攻撃の時にバックラインの位置に下りることについて
    そうしないと攻撃が上手く回ってないのは気になります。
    そうやって意図的にボランチ2人の位置を調整しないとポジショニングが適正にならないというか。
    アルテタ以降でこれをしていない試合もちょくちょくあって、大抵バックラインからのビルドアップに苦労している印象。
    個人的にはこれはオプションであって欲しいし。

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