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Arsenal, Arteta, Controversy

アーセナルのクリエイティヴィティ不足とチームの補強について語るアルテタ

クリエイティヴィティは選手だけの問題ではない

この件については、選手個人のクオリティがクロースアップされがちだが、アルテタはチームとしてのプレイ(ストラクチャ)も重要だと話している。それはそうだろう。

ただ、そこでプレイできるふさわしいプロファイルの選手がいまのアーセナルにいないのも事実で、アルテタもかつての名選手(笑い)の名前を挙げているくらいだ。

(エジルについてはまたことばを濁している。どう見てもこれは政治的なアレ)

そのストラクチャを今後どうしたいのかについて、もうちょっと突っ込んで訊いてほしかった気がする。ストラクチャというか、より具体的に戦術的なこと。

アタッキングミッドフィールドを語るなら、どういうスタイルやフォーメイションでプレイするかはとても重要で、そのことがこのクリエイティヴィティ問題に重大な影響を及ぼしていると思うから。

アーセナルにおけるアルテタ理想のスタイル?

個人的にもっとも興味深い部分は、アルテタがリヴァプールとシティを比較してMFを語っているところ。

先日の連戦のときにこのブログでも少し書いたように、ぼくはアルテタが今後アーセナルでチームをどういうセットアップでプレイさせるつもりなのか、もしかしたらペップスタイルではなく、クロップスタイルを目指しているのかもしれないと考えていた。

いまアーセナルはアタッキングMFがいない状態でプレイしているようなものだ。攻撃は、基本FWとウイングとWB/FBだけ。そこにロングボール。ジャカもセバーヨスもボックス付近で脅威になるよう指示されているようには見えない。ラカゼットはMFに落ちてプレイしているが、けしてファイナルパスの出し手ではない。クリエイトできないのも自明のような気がする。

MFのポケットを使うか/使わないかという意味では、このふたつの最強チームのスタイルはまさに正反対の両極端で、いまのアーセナルのチームのセットアップはどう見てもシティよりリヴァプールに近い。

いまふと思いついたが、ひょっとして、アルテタはエメリをリスペクトしてそれまでのスタイルをある程度踏襲しようとしているのだろうか。エメリがリヴァプールのやり方を意識していたのは明らかだが、アルテタが率先してそれをやりたがるようにも思えない。どうだろう。

アルテタはふたりのスタイルを例に、いろいろなフォーメイションでもうまくいっているとして、アーセナルにおいても最適解はひとつではないと示唆しており、どんなスタイルでのプレイが理想なのか本心はわからない。いろいろなフォーメイションを使えるようになりたいとは、まるでウーナイを彷彿とさせるコメントのように思える。

ただ、バック3についてのくだりでは、結果のために既存のチームに合う道を探ったと云っているのは興味深い。要するに将来的な理想は別にして、短期的なソリューションとしていまの選手プロファイルに合わせてバック3を採用していると云っている。プラグマティックに。

アルテタといえば、シティでずっとやっていたバック4(4-3-3)を得意にしているはずで、いまアーセナルでバック3を採用しているのはもっぱらダヴィド・ルイスのためというのが定説であるが(笑い)、たとえばルイス、あるいはジャカのような、戦術的柔軟性に非常に乏しい選手たちを起用しなければならないという制約から解放されれば、今後アーセナルのフォーメイションやプレイスタイルはかなり大きく変わる可能性があると考えてもいいのかもしれない。リヴァプールワナビーから、シティワナビーもとい、本来のあるべきアーセナルの姿へ。そしてそれは、大きな飛躍のきっかけになる……

いまも相変わらず騒がれているトマス・パーテイは、ぼくは来ないと思うが、もし彼のような優秀なCDMが来て、もしかしたらCAMも来て。ESRもいるし、サカもMFでプレイできる。なんならバーヨスも前目でプレイできると云っている(ほんとかな?)。CBにはラファエル・ヴァランもとい、ウィリアム・サリバがいて、パートナーのCBも取って。

夢は膨らむ。

チームを進歩させるなら、やはりアルテタがやりたい/熟知しているシステムを使うのが、一番いいに決まっている。いまの状況を強いられているのは、シーズン途中からマネージャーを引き受けたのである程度は仕方ないにせよ、このチームが理想に向かって進むには、アルテタはクラブからの手厚いバックアップを必要としている。

この夏、MFのクリエイターがどれだけアーセナルの補強プライオリティかわからないが、もし選手個人よりもチームのストラクチャのほうがより重要だというアルテタのことばを信じるなら、最悪誰も取らなくても、全体で攻守のバランスがいまよりもっとよくなっていけば、既存の選手でもクリエイティヴィティはいずれ改善していくのではないかというほのかな期待はある。

 

楽観的におわり



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