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【マッチレビュー】20/21UEL ダンドーク vs アーセナル(10/Dec/2020)ESRとバロガン

試合の論点

ダンドーク vs アーセナルのトーキングポインツ。

勝率100%でノックアウトステイジへ。ELの勢いをPLへ

全勝で終えたグループステイジの6試合を振り返れば、まず概ね楽勝といってよさそうだ。週末のPLで苦しみ、木曜のELで息継ぎをする。そんな日々だった。

この試合の前ですでにそうだったように、ヨーロッパのコンペティション(CL/EL)でここまで唯一の敗け/分けなしチームとなったアーセナル。今シーズンはどんな強いチームでもポインツを落としうるというのは、イングランドだけにとどまらない傾向だということか。一時はPSGやレアルのようなクラブがグループステイジで敗退する可能性があったなんて、じつに狂ったシーズンである。

「ヨーロッパの5メイジャーリーグでショッツが最低」「チャンスクリエイションがリーグ最低」のような、国内リーグでのウルトラバッドフォームとの落差が激しいが、やはりPLのレヴェルがそれだけ上がっているということもあるだろう。PLではミッドテーブルはおろか、ボトムチームにだって簡単に勝てなくなってきた。というかアーセナルがすでにボトムチームの一員だったりするのだし。。

それにしてもPLのチームとELのチームのプレイっぷりを観ていると、内容の落差は相手のクオリティだけが原因ではなく、そもそもの試合に取り組むメンタリティにも違いがあるように思えてならない。

いまアーセナルがELでプレイさせているチームは明らかにBチームだが、仮にPLでプレイするAチームとELでプレイするBチームが戦ったとき、Aチームはちゃんと圧勝できるかという疑問がある。

アルテタはPLでの戦いかたについても(たとえばクロスの多用)、完全に自分の思うとおりにチームをプレイさせていると明言している。だとするならば、そろそろ、その保守的な戦術から一歩進んだ戦い方を見出すべきだ。

選手がチャレンジすることを忘れ、プレイがどんどん保守的になり、そのくせ守備は逆に脆弱になっていくという、エメリっぽい悪循環にはまりつつあることは自覚しなければいけない。

改善のヒントはELチームのポジティヴな戦いかたにあると思う。まるごと同じことをやってPLで勝てるとはさすがに思わないが、ヒントはきっとある。

ELでのBチームのプレイだってアルテタが選手たちに忠実にやらせているプレイなのだろうから、そのなかの素敵なサムシングをPLのチームにも持ち込んでもらいたい。

今回試合後のプレス会見でも、今後ELの選手をPLで使うかどうかといった質問がされているが、多くのファンの希望を代表した質問でもあると思う。バッドフォームのどん底にいるこのチームに新しい風を入れるには、戦いかたを改めるのと同時に、大胆な選手起用も考慮してほしい。

つまり、ESRとバロガンをPLでも出してくださいプリーズってことである。なんならAMNも。

ESRとバロガン

このふたりはAチームの選手にないクオリティを持っている。

まずESR。

彼は後方からボールを受けて、FWにつなぐ役目。エジル以降ではせいぜいウィロックくらいしか(たまにウィリアンも?)その役割を与えられていないが、いまのチームのひたすらUシェイプな戦い方を見れば、どうしたって必要な存在だ。

ESRはライン間の狭いスペイスでプレイできて、すばしっこいランでファイナルサードにケイオスをもたらすプレイができる。ハダースフィールドのコーチは彼について「電話ボックスのなかでもプレイできる」と云っていたくらいである。

ハーフターンで後ろからボールを受けつつ同時に前を向いているという彼の得意なプレイは、この試合でも何度もみせていた。

アルテタは彼のNo.10適性をほのめかしているが、今回のようなワイドエリアからボールを持って中央にカットインサイドしていくプレイも彼には合っているだろう。

もし彼をPLで彼がもっとも得意とするポジションで起用するなら、膠着したチームに何か新しい変化や効果が観られるのではないだろうか。

アーセナルの1月の補強ターゲットはクリエイティヴMFだと云うが、ESRはそのカテゴリに入れるべき選手なのではないか。

(この試合を観ていて、アルテタが彼のPLでの起用を躊躇する理由の多くはディフェンスにあるのかもとは思ったが。がんばってはいたが非常に効果的には見えなかった。そこはアルテタのチームにおいてはたしかに進歩の余地はかなりある)

それとバロガン。この試合は30分でG1 A1と大活躍。MOTM。彼も明らかにオバメヤン、ラカゼット、エンケティアにはないものを持っている。

80分の落ち着いたストライカーらしいゴールも見事だったが、今回の30分程度のプレイのなかでとても目立っていたのは、やはり彼のホールドアップ&リンクプレイ。

彼はしっかり相手を背負ってプレイできる。

ゴールに背を向けて相手を背負ってボールを失わず、つぎのプレイに結びつけることができる。アーセナルではオリビエ・ジルー以来そうしたタイプのFWはいなかった。ラカゼットはいつもこれをやろうとがんばっているが、残念ながらすごく得意のようには見えない。

バロガンは今回ウィロックのゴールをアシストしているが、それもボックス内で相手DFを背負ったプレイから生まれたものだ。ああいったボックス内で身体を使う存在感はいまのストライカーたちにはあまり観られない。彼は身長がさほど高くないが(意外にも178cm)、あの強さは、試合終盤のプランB的な起用も有効かもしれない。

そしてこの試合でのESRとバロガンのプレイを思い返せば、ふたりのプレイはとくに相性がいいはずである。またこのふたりのプレイはきっと両サイドのウィンガーにも恩恵があるに違いない。

アルテタは、いまだに攻撃の3人(4人)のベストな組み合わせを見つけられていないとも云われている。

いまオバメヤンの後ろでラカゼットをNo.10で起用するなど、最近のアルテタのチームが試行錯誤をしていることは明白で、そういったチャレンジと調整を今後も行っていくつもりがあるならば、週末のバーンリー、あるいは今後の過密フィクスチャのなかで彼らを試してみてもらいたいものだ。彼らにトップレヴェルの経験を与えるためにも。

彼らこそがこのクラブの未来。いま彼らが得られる経験はプライスレスである。リスクをかける意義はかなりある。

継続は力なりも間違いではないだろうが(それでいつか成功すれば云うことない)、シニア選手に頼って裏切られつづけているいまがある以上、思い切って新しい方向性に目を向けることも前向きだと思う。

この試合の彼らのポジティヴなパフォーマンスが、アルテタにきっかけを与えることになれば素晴らしい。

その他試合について

  • エンケティアのゴールはアーセナルでのゴールでは再長距離からだとか(笑い)
  • エルネニーのスーパーストライク
  • ESRとAMNの左サイドのコンビ最高
  • AMNは調子乗りすぎ
  • ぺぺ空回り
  • 2失点でルナルソンがわりと批判されているがちょっとかわいそう
  • セドリックはクロス上手
  • ベン・コトレル19才。小柄
  • ネルソンが昨日21才の誕生日

試合については以上。

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