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【マッチレビュー】20/21EPL アーセナル vs フラム(18/Apr/2021)アンラッキー? それとも?

試合の論点

アーセナル vs フラムのトーキングポインツ。

大胆ロテイションが裏目に? 「アティチュード」を重要視しすぎること

チームには試合開始から自信が感じられ、彼らがいいフォームのなかにいることがよくわかるようなパフォーマンスだった。

もしVARがなければらくに勝っていたかもしれない試合なので、この結果にはアンラッキーの要素はかなりある。

オフサイドで取り消されたセバーヨスの幻ゴールも大変にタイトな判定だった。

またペナルティになったガブリエルのボックス内でのファウルも、あまり責められないように思う。

たしかにあれをやらかさないCBもいるが、いまポジションを争っている彼の置かれている状況からすれば、いいところを見せたくてついやってしまったのも同情できる。まあボックスのなかでは安全第一であるべきなのだけども。いずれ彼はコシエルニになるのだから、大目に見たい。

あのペナルティがなければ、フラムのxGが0.08しかなかったということは、アーセナルはほぼ完璧な試合をやったということだ。アーセナルのつくったチャンスも、2.86 xGは最近でもかなり多い。

ただ、これをアンラッキーで済ませていいのか、あるいはそれ以外のサムシングをそこに見出すべきなのかは、判断がちょっと難しい。

それ以外のサムシングのひとつは、大胆なロテイションだ。選手を大幅に変えれば、当然パフォーマンスに影響は出る。正直アルテタがここでここまでやるとは思わなかった。そこまで勝ちに貪欲じゃなかったんだろうか。

ファースト11で最大のサプライズはもちろんマット・ライアン。GKをロテイションするとは珍しい。

アルテタはライアンの起用について「彼はビーストのようにトレインしていたから」と理由を述べていたので、彼の起用は純粋に選手のアティチュード(姿勢)に報いたことになるが、そこは個人的には若干モヤモヤするところがある。

要するに「がんばっている選手にはご褒美をあげないと」と云っているのに近いのだけど、それよりも重要なことがあるんじゃないかと。それは選手のクオリティやフォームやフィットネスなんじゃないかと。いつも感じている。

この試合のライアンは悪くなかったし、最後のエンケティアのゴールに関わったことは重要だったので彼に問題はない(そもそもフラムのショッツ3では、GKの仕事もたいしてなかった)。だが、モー・エルネニーの起用はマイナスの影響があったと感じた。パーティとのクオリティの違いは明白すぎた。

r/Gunnersでも話題になっていたし、試合を観ていたひとならおぼえているだろう11分のエルネニーのシーン(11:46)。象徴的だった。

相手をオウンサードに全員押し込んで、アーセナルがボールを辛抱強く回しているところ。ボールが左サイドから、右サイドに回ってきて、ベレリンが右ライン際でボールを持つと、スペイスに走り込んできたエルネニーにいいパスが渡る。その瞬間にはESRが相手DFのラインをまさにやぶろうと走り始めたところで、エルネニーには目の前にスルーボールを出す絶好のチャンスがあった。ポケットに入ったのでとくにプレッシャーもなかった。そのボールが通れば大きなチャンスになっていただろう。にも関わらず、彼はすぐボールを後ろに戻してしまう。

誰もがため息をついたであろうこのプレイ、ベレリンはもちろん、ESRのような選手ですらエルネニーに不満をあらわにしていた。

エルネニーらしいといえばらしいプレイだが。彼は結局こういうプレイをしてしまうので、どんなに単発でいいパフォーマンスの試合があろうとも、いつまでたってもブレイクできない。スクワッドプレイヤー以上になれない。

選手本来の能力よりも、トレイニンググラウンドでのアティチュードを重視すると、いまのアーセナルではこういうことが起きる。

それは、ぼくの数少ないアルテタに同意しない原則のひとつだが、今回はそれをやりすぎると、手痛いしっぺ返しを喰らうという好例のように思える。エルネニーだけのせいではないが、もしエルネニーがパーティなら試合の結果は変わっていた可能性はわりとあると思う。

選手の努力や姿勢に報いるというのは、もちろんチームのモラルを保つためにそれが必要なときもあるだろうし、それに全面的に反対というわけではない。だが、チームセレクションは多くの場合でより無慈悲になるべきところだろう。

個人的にはエンケティアやネルソンにチャンスが与えられないことには不満があるが、彼らよりもふさわしいオプションがあるというのなら、そういうボスの無慈悲さをファンは受け入れるべきだとも思う。

選手の努力に報いることはチームにはいいことだが(それで勝てるなら最高にうつくしい)、それよりももっと重要なことはチームを強くする選手を選ぶこと。そのために誰を選ぶか。

エルネニーのプレイを観ていたら、今回はやはりパーティを使ってほしかった。パーティをスタートから使うことはためらわれた理由があったんだろうか。ひさしぶりにこのあとつぎの試合まで1週間あると思えば、なおさらそう思う。

パーティはまだフィットネスに不安があるのかね。ぼかあ、サカのほうがよほど心配だ。アルテタは試合前、サカ(とESR)に頼りすぎだと認めていた。

ラカゼットがケガしてしまった

ハムストリング。

もしかしたらここで1ポイントしか取れなかったことよりも、ラカの離脱はチームにとって大きなダメッジになる可能性がある。

だがもっともがっかりしているのは彼自身に違いない。最近の彼はあんなにもファインフォームをつづけていたのだから。なんなら、アーセナルに来てから初めてというくらいいいパフォーマンスをつづけていた。初めてOL時代の彼になったのかもしれない。

直近6試合で6ゴールズ(※すべてのコンペティション)というだけでなく、確実にチームプレイのなかで重要な役割を果たしていた。

気になるのは契約だ。夏に残り契約1年となり、ずっと売却されるという見方が優勢だったが、一説によれば最近の活躍でクラブは考えを変えるかもしれないと。

ただの噂だし、個人的には大賛成というわけではないけれど(エジルやオバメヤンの例を見れば、スター選手にキャリア最後の大型契約を与えることにはかなり慎重にならねばならない。これにウィリアンを加えればなおさら)、そうなってもおかしくないという状況はある。ラカゼットがいまチームにもたらしているものからすれば、彼の代わりはいないから。

以前エンケティアがラカゼットと同等(同質)のものをオファーできると云われていたが、さすがに、いまのインフォームのラカゼット役を代替するのは簡単ではない。

いまオバメヤンがちょうど不在でふたりがいなくなるのはまずかったが、もしオバメヤンが週末のPLエヴァトンに間に合うようなことがあれば、当然彼がラインをリードすることになる。ケガをするタイミングとしては最悪ではなかったかもしれない。それは不幸中の幸い。

その他試合について

  • ここ数試合は「フロント6」でプレイしている。それでいてボールを失ったときに大きなピンチにもならないのだから、安定している
  • サカがヤバい。ヤバいったらヤバい
  • ペナルティで、ライアンのあの左右に大きく揺れる動きはいいのか。あんなふうに動いたら落ち着いたキッカーなら簡単に逆を取れそうな
  • マルティネリが左サイドでボールを持って孤立するときがちらほら。LBのジャカが上がらないので、セバーヨスがポジションをインサイドにしているとああなるようだ
  • エンケティアはせっかく結果を出したのに、ゴールセレブレイションをやっている暇があればリスタートに戻れとか怒られて、なんだか気の毒
  • サウスゲイトが見に来ていた
  • フラムはアーセナルのホームで勝ちなしが継続(30試合)。どんだけ
  • アーセナルは今回の1ポイントでチャンピオンシップ降格を免れたとか。どんだけ

どんだけ

試合については以上

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

One Commnet on “【マッチレビュー】20/21EPL アーセナル vs フラム(18/Apr/2021)アンラッキー? それとも?

  1. お疲れ様です。
    これを言うと批判されるかもしれませんが、
    ロスタイムに同点になった時、すぐにボールを持って戻りませんでした。
    VARの時間があったので、結果的には関係ありませんでしたが、セレブレーションしてる彼らを見て、
    『こんなんじゃ、勝てるわけ無いな』と思いました。

    勝たなきゃ意味の無い試合だったと思います。
    そして、何度もそういう試合を落としてきました。
    継続したパフォーマンスと、勝利者のメンタルが欲しいです。

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