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【マッチレビュー】20/21UEL QF 2ndレグ スラヴィア・プラーグ vs アーセナル(15/Apr/2021)完勝とヘイルエンダーズ

試合の論点

スラヴィア・プラーグ vs アーセナルのトーキングポインツ。

個人のちからとヘイルエンダーのふたり。試合を決めたもの

このクウォーターファイナルの2レグスにおいては、ふたつの試合でだいぶ結果も違っているが、何が最大の決め手になったかといえば、やはり得点を決めるべきところで決めたかどうかだろうと思う。

前述したように、アーセナルのチャンスの量は2レグスで大差ない。むしろファーストレグのほうが少しチャンスは多かった。だが、結果はまるで違うものになった。

この試合の最初のポイントは14分のESRの幻ゴール。VARによって取り消されたものの、オフサイドはラインズマンがオンサイドだと信じるくらいには非常にタイトなものだった。つま先?

そのきっかけになったのがサカのショットで、あれは藪から棒のようなすごいショットだった。

あの時間帯は、むしろスラヴィア・プラーグのほうがボールを持っていて、アーセナルは果敢にプレッシャーをかけるも、オーガナイズされた彼らのバックスはなかなかボールを失わずにしっかりとビルドアップをやっていた。アーセナルは絶対に得点が必要なのだから、最初から攻撃的に相手を押し込んでプレイするはずだと信じていたので、少し不安になったくらいだった。相手のほうがむしろ積極的にすら見えた。

しかし13分。相手のハイプレスからオウンハーフで奪われたボールをさらに奪い返すと(パーティ)、一気にトランジションに。

ボールを持って上がっていくESRが、右ワイドを並走していたサカにボールを渡す。サカはボールを持ってカットインサイドしていく。相手のDFはいちおう揃っている。ボックス際を横切りながら、つぎはどう展開するのかと思ったらいきなりショット! GKの手をかすめてポストにヒットしたボールをESRが押し込むが、一度認められたゴールはオフサイドで取り消され。

あのプレイは、チームを大いに勇気づけただろう。自分たちのプレイをつづけていれば、必ずゴールを奪えると。ファーストレグとは違うと。サカとESRのふたりにとっては、さらなる自信にもなった。

そして、そのがっかりのあと、信念がすこしも減退しないうちに最初の得点ができたことが大きい。

18分ペペの得点は、アーセナルがプレッシングでボールを奪うところから始まった。今度はアーセナルのビルドアップの番で、スラヴィアのハイプレスもキツかったが、だからこそ我慢強くつなげばかならず裏にはスペイスが生まれる。

アーセナルは粘り強くボールを回し相手ハーフに入っていくと、ペペが左サイドでDFと1 v 1の勝負へ。相手をすっかりボックス内に押し込んだ状況で低いクロスボール。クリアされるものの、そこからはセカンドボールを拾ってチェンバースがボックス内で団子状態のなかにいるESRへ。ショットを打つがブロック。だがそれもまた彼がひろい、密集地帯のなかでボールをキープ。瞬間的にはなんと6人に囲まれていた。しかし奪われない。

ESRはショットを打つと見せかけたりフェイクを入れながらも左のペペへやさしいパス。彼はいわゆるZONE14の電話ボックスのような狭小スペイスのなかで、ふたりの股間を抜いた。

そしてDFより先にボールの前に入ったペペは身体で相手をブロックし、落ち着いてGKをかわしてゴール。

信念が確信に変わるまでわずか5分程度しかなかった。ESRの幻ゴールはVAR確認の時間もあったため、実際はもっと短い。この短時間にそれだけ相手にやられたことでスラヴィアの選手たちに与えた心理的な影響も大きかったに違いない。

そしてつぎの得点はなんとその3分後。リスタートから最初のチャンスが即ペナルティ。またESRとサカのコンボ。

これをラカゼットが落ち着いて決めて決めて2-0。Mr.スーパークール。彼はアーセナルに来てから7つのペナルティはひとつも外したことがないという(最後にペナルティを外したのは2017年4月のリヨンで)。

アーセナルの最近のパニック問題は、圧倒的有利と思える局面から突然おかしくなってしまうことだ。ここで2-0になったときに、ふつうならもう勝ったも同然と思いそうなものだが、ふつうをふつうにできないのが最近のアーセナル。ここから3点を取られなければ大丈夫という圧倒的に有利な状況でも、事故っぽいレッドカードとか、ふとしたきっかけでおかしくなってしまうのではないかと若干の不安が脳裏をよぎるが、それも3分とつづかなかった。

つぎのゴールが決まったからである。

またしてもリスタートから最初のチャンス。そしてサカだった。GKは一歩も動けず。なんというゴール。

それと、この試合映像を見返せるかたはもう一度観てもらいたいが、ビルドアップ時のESRのワンタッチパス(23:40のシーン)。まったく見事だった。

これで実質的に試合は終了した。試合はしっかりと殺された。

アルテタは、試合後ESRとサカのふたりについて「joy to watch」とコメントしていた。まったく同意しかない。このふたりがボールを持ったときには、いつも何かが起きそうな予感がある。

このプレッシャーがかかる大舞台で、もっとも若いふたりが大活躍して勝利に貢献。アーセナルの未来も、ヘイル・エンドの未来も明るい。

この試合のプレヴューエントリの最後のほうに、r/Gunnersでのチェコ人のAMAについて書いたが、彼は「アルテタは個人のブリリアンスに頼りたい」というようなことを書いていて、今回はまさに個人のブリリアンスによって得た結果だという気がしている。

強いチームならチームプレイが洗練されているのは当然で、そのなかで違いをつくるものは、さらにもう一歩洗練されたチームプレイであり、あるいは個人クオリティである。チャンピオンズリーグの試合などを観ていると、とくにそう感じる。ボールをネットに入れるフィニッシュというのは個人クオリティそのものだ。

今回は、個人の輝きがチームに自信を与え、またそれが個人を輝かすという好循環があった。すばらしい試合だった。

その他試合について

  • スラヴィア・プラーグはこれでホーム33試合無敗が終了
  • レンジャーズのグレン・カマラがアーセナルの勝利tweetにLIKE
  • アーセナルはこの勝利(SF進出)で£2Mの賞金。ここまでのELの賞金は£12.3M
  • アルテタはRBをずっとロテイションしていて固定せず、RBの選手を信頼していない証拠だなんて云われていたが、KTがいなくなり今度はジャカをLBに置いて、レギュラーのフルバックが誰もいない状態に。結局彼は現状のフルバックスのなかではKTしか信頼していなかったんだなと。チェンバースは今回もかなりよかったが今後はどうなるだろうか
  • CBコンビについても最近よく議論を見かける。ホールディングとマリーのコンビはかなり安定している。ガブリエルはマリーよりも優秀だが、彼はルイスのようなリードしてくれるタイプと一緒じゃないと輝けないとか。ルイスの契約延長、サリバの復帰など、来シーズンのCBがどうなるかみものである。RCBが夏の補強ターゲットという噂はあまり信じたくないが
  • マルティネリにも大きなチャンス(86分)。あれを決めてくれたら最高だった
  • 観客が入ってた? ズルくね?
  • ラカゼットとペペがオバメヤンにトリビュートで「A」のジェスチャ。うつくしい

この試合については以上。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

2 Comments on “【マッチレビュー】20/21UEL QF 2ndレグ スラヴィア・プラーグ vs アーセナル(15/Apr/2021)完勝とヘイルエンダーズ

  1. ミキが因縁のマンU下して、決勝で会えてもアーセナル的にはいいストーリーですね。ウーナイには勝ちたい。当然、アルテタはヴィジャレアルのことはよーく知っているはず。アウェイでスタートだから、いくつアウェイゴール取れるか、がポイントかもしれませんね。いずれにせよ、もうサカ、ESR、ペペは外さないでほしい。トーマスの中央の存在感も増してきたし、明らかにチャンバースの方が守備力がペジェリンより上(左もジャカが入ると、高さでセットプレー対策に安心感が)。個人的には契約延長したフロより、リース出して欲しかったんですが・・・。選手のプレータイムを配慮する、まだ余裕がボスにはないのかな?COYG

  2. あれ結構みんな冷静?w僕はすごい喜んでる

    たしかに点差ほど実力差はなかったと思う。
    ほんの少しの精度の差、あと一歩を競り勝ってボールをつなぐ→個人技で仕留めた感じ。
    しかし90分間きちんと拮抗を作ったからこそこういう決まり方をするので、チーム全体がいい試合してたと思う。

    言えばプラハが少しナーバスだったかも。1点目の直後とか。
    フィジカルもプレー精度もギリギリの戦いで、ほんの少しだけ弱気になるとどうなるか?我々もイヤというほどよく知ってる。

    しかしこの試合の我々は90分間強気だった。あれを淡々とやるのは見た目ほど楽ではないと思う。
    僕はこの試合かなり評価してる。
    こっちが同じテンションでやり続けた結果、相手がこらえきれず崩れた。こうでないと。

    これがPLのボトムハーフ~中位くらいの実力だとすると、この後はPL上位クラスが出てくる(モノホンの2位も)。でもこういう試合をしてれば十分チャンスはあると思う。
    ウエストハム戦以降で、初めてそう思った。

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