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【マッチレビュー】21/22EPL ワトフォード vs アーセナル(6/Mar/2022)サカ躍動でトップ4へ前進

ラカゼットの貢献

それと今回アーセナルを試合に勝たせたゴールズについては、ラカゼットの貢献を忘れてはいけない。

本人はふたつのショッツ(枠外)があっただけで、今回もゴールすることはできなかったが、ふたつのアシストを記録。どちらもまさにアシストという感じで、ゴールを決めたサカとマルティネリが感謝したくなるような、非常に気が利いたものだった。松木安太郎でなくても、彼にゴールの何%かをあげたくなってしまう。

ハードワークのうえに、これをやってくれると、アルテタはますますラカゼットを外せない。

ラカゼットはこれで今シーズンのアシストが7。PLで彼より多くアシストしているのは5人しかいないということは、6位。しかも直近9試合でこの7アシスツを記録しているということで、最近の彼もまたインフォームなひとりと云えよう。チームに大きく貢献している。足りないのはゴールだけ。

来シーズンの契約更新の可能性については、彼のキープについて問われたアルテタの「前進するために決断をする(we’ll decide what we do to move forward)」という試合後コメントが、若干意味深長な気がしたのは、深読みか。

ラカゼットといえば、今回もペナルティ疑惑があった。73分。

ここに貼ろうとしていた映像が消えてしまったので貼れないが、たしかにスロウでよく観ると、相手DFがラカゼットの足を蹴っている。蹴られる前にラカが転びそうになっているかどうかが焦点になりそうで、VARでチェックしたら、ペナルティだった可能性はわりとありそうに思える。少なくともファウルの疑いがあるのはたしかで、スルーされるようなプレイではなかった。

そして、われらは今回のレフが、あのクレイグ・ポウソンだということを思い出すのであった。。ラカはあんなに痛がっていたのに、無関心。

この試合がもし悪い結果だったら、この事案はもっと注目されていたに違いない。

高いポジションのジャカ? 左サイドがワークせず

この試合のネガティヴな面は、やはり守備。試合があれだけオープンだったのは、要するにこちらのエリアにも相手が使えるスペイスがたくさんあったということだ。

攻撃はソリッドでクリエイティヴで、守備は……という、かつてのヴェンゲルさんのアーセナルっぽくもあったかもしれない。だからおもしろかったのかも?

とくにマルティネリ・ジャカ・KTの左サイドは、かなりカウンターにさらされた。回数はカウントしていないが、一度や二度ではなかった。あのワトフォードのファインゴールも左エリアに深く侵入されてのクロスから。

前半が終わった時点で、これは後半修正しないとと思わずメモを取ったが、後半もとくに大きく変わったようには見えなかった。スコアでリードして、ジャカはすこし下がったんだろうか。

試合前にも、このブログでジャカとKTの役割が変わっているのでそこに注目しようと書いたし、自分も注意して観ていたが、正直なところ、いつもとどこが違ってどこが取り立てて悪かったのか、素人のぼくにはよくわからなかった。

ただ、ジャカがわりと消えてるなとは感じた。それもそのはずで、彼の90分でのタッチ(54)は、パーティ(93)、オーデガード(91)と3MFのなかでも目立って少ない。それと、興味深いのが、彼が左サイドの選手とあまりリンクアップできていなかったという件。

ジャカからティアニーのパスが4、マルティネリへはたった1。これはマジなのか。さすがにそれほどとは思わなかった。

マルティネリも、ゴール以外では見せ場があまりなかった理由はこのあたりにもあったのかもしれない。70分すぎに退いたとはいえ、彼のタッチはサカの半分にも満たない(それぞれ66と29)。

今回の左サイドの攻撃は、サカ&MØのケミストリで活性化した右サイドとは対照的だったし、相手のカウンターに何度もさらされたということは、ボールを失ったときの守備ストラクチャもどこかおかしかったのだろう。アルテタはそれに気づいて、試合中に直接ジャカに指示を出したりしていたのだろうが、あまり改善されたように見えなかったのも少し気がかりな部分ではある。アルテタ本人もこの試合の守備がなぜ悪かったのか、原因がわからないと述べている。

ジャカはここ最近はずっと悪くないし、今回1試合少し問題があったくらいでとやかく云うつもりもないが、パーティをアンカーにしてジャカとオーデガードが前めにいるような3人のMF構成を考えたときに、ジャカをあのポジションで使うメリットがどれだけあるのかは、やはり考えてしまう。

彼はアーセナルではずっとパッサー(ディープライイングプレイメイカー)であり、それでアーセナルのパスゲイムを支えてきたところがある。それが、今度はパスの出し手から受け手に役割が変わったことで、チームのなかで存在感がめっきり薄くなっているという。

個人的には、彼が悪目立ちしなくなったことはいいことだとは思う。しかしそのいっぽうでは、あのポジションでは、彼の最大のストロングポイント=パスが十分に活かされているかどうかは疑問に思うところもある。彼の類まれなパス能力が発揮されるのは、ボールを持ってこそだから。もっといえば、パスを出す時間と空間があればこそ。ピッチで高い位置へ行けばいくほどそれは限られる。

パーティは、フォームが上がるにつれ、この若いニューアーセナルのなかで居場所をしっかりと確立しているように見える。現在の彼は役割からしても、チームの中心でかなり存在感がある。

それに比べると、ポジションを上げたジャカは、よくも悪くもチームの中心だったかつてと違い、いまのチームプレイのなかでは存在感が薄まっているように思える。

来シーズンのチームづくりへの伏線なんだろうか。

その他試合について

  • ワトフォードはなかなかいいチーム。イスマイラ・サーがいなくてもつよい。冬に新しく取った選手というのが、サブを含めて何人もプレイしていたようで、補強も当たっているのでは
  • 最近はガブリエルのプレス耐性がちょっと心配に。ウォルヴズでもキツいエラーをやったし、ここ数試合はバックでのパスまわしで危ないシーンが目立つような。彼はボールを蹴り出すまでに何度かこまかくタイミングをあわせる?みたいな動きが癖のようで、プレスされたときに怖い。けっこう単足だし
  • ラムズデイルは、この試合もいいロングボールがありつつ、オウンハーフで相手にボールを渡してしまうような雑で危ないパスもいくつか
  • ジャカとパーティが揃って宇宙開発。今回も期待していたのに
  • パーティはあまりマンマークされていなかったので、少しやりやすそうだった。ワトフォードはなぜ彼をピッタリマークしないのか
  • クレイグ・ポウソンは、試合をとおして比較的アーセナルに好意的なジャッジをしていたように感じた。それで、ラカゼットのペナルティも取らずでバランスを取ったのかも
  • エンケティアがポストにヒット
  • ロブホはクローザー
  • I miss youトミヤス

この試合については以上

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

10 Comments on “【マッチレビュー】21/22EPL ワトフォード vs アーセナル(6/Mar/2022)サカ躍動でトップ4へ前進

  1. お疲れ様です!
    またHotなうちにレビューが出てきて感激です!

    文句のつけようのないゴールズ!ただこれは相手もなんですよね~。1点目はともかく2点目は余計だった。よりによってシソコだし。
    しかしまぁあれだけ素晴らしい攻撃を見せてくれた上にまだ改善点がある、上積みできるということを前向きにとらえて3位フィニッシュを期待しましょう!COYG!

  2. エンタメ性あふれる試合でした!

    ジャカがシットディープなブロック内部で受け手として消えるのは、ターン下手だからだと思ってます。
    ボールを軸に小さくくるっと隠すようにターンするのがあの位置でプレイするのに必要なスキルで、ウーデゴールやラカゼットはこれがチームで一番うまいと思います。
    彼は単足性とターン下手(左足で何回も切り返す)のがずっと改善しなくて、アンカーとしても前に向けない理由だと思ってます

  3. またポジティブなブログが見れるようになって嬉しいです。エメリ暗黒期からアルテタ絶望期を思うと最近はキレイにビルドアップしてシュートまで行ったり、高い位置でプレスして奪い返したりするだけで泣いちゃうんですけど。絶対CL行きましょう!

    1. 正にエンターテイメント、正に決勝戦。
      そして勝つ。すばらしい。
      アルテタもナイスアシスト。
      ほんとに3つともすごいゴールでしたね。
      開始20秒のあのシーンにはやられましたけど。
      トーマスのロングスローにもしびれました。
      初めてじゃなかったかな。
      ジャカは存在感ないくらいがちょうどいいのでは説。あのポジションならロコンガためしてほしい。
      2点目の失点シーンがジャカの中途半端なサイドチェンジを奪われてからだったのは見逃せない。
      なぜあそこでマルティネリに出さなかったのか。
      このあたりが左サイドが停滞する理由なのかも。
      次のレスターにはトミヤスやスミスローがもどってほしいですね。
      しかし勝つってすばらしい。COYG

  4. お疲れ様です。

    懐かしいですね、この中盤から面白いパスがポンポン出る感じ。
    エメリ以来アーセナルに足りなかったものが帰ってきたなと。

    ジャカは本当は後ろからの方がいいパス出るのかもしれないけど、そうすると今度は守備の負担増えてストレス溜まってやらかす可能性が出てくるからなあ…。難しい。

  5. ジャカを高い位置にあげている理由のひとつは、すでに指摘されているように、守備時のジャカの負担を減らすためだと思います。ティアニーが後ろに残っておいたほうがよい。それから、両サイドバックが最初から高い位置を取らずに、ウィンガーが相手と一対一になった時にオーバーラップをするということが徹底されていたと思います。前線に5枚並んだうえで、タイミングを見てプラスαの一枚をオーバーラップで加える。そうすると5バックのチーム相手にも量的有利を瞬間的に作り出すことができる。ジャカにライン間で受ける残る役割が合っているとは言えないけれど、この試合のパフォーマンスは全然悪くなかったと思います。ちゃんと首を振って、簡単にはたけるし、いて欲しいところにちゃんといてくれる。どちらかといえばマルティネッリの球離れの微妙さが気になりなりました。スミス郎みたくボールを循環させられるわけではない。まぁ批判するような出来ではないのですが、左の停滞を一因にはなっているのかなと。ジャカの位置にスミス郎を使ってもいいと思います。

  6. 守備がひどすぎたと思う。また攻撃も、ワトフォードの守備があれだけ緩ければ追い風参考と見たほうがいいと思う。僕にはワトフォードが良かったようには見えなかった。もちろん良いパスがズバズバ通って楽しい試合ではあったし、サカも素晴らしかったし、3ポイント取れたのも良かったけど。

    マンU対ワトフォードの引き分けを見たけど、内容ではウチよりもマンUのほうがずっと良かったと思う。それでも決定機を外し続けたマンUが悪いんだけど、じゃあ今後に向けて喜べるかというと。。。長いシーズンこういう気の抜けた試合もあるもんだけど、もう今シーズンは成功したなんて選手が勘違いしてるとしたら、それは間違いだと思う。ネジを巻き直してほしい。

  7. ひとつずつ、丁寧に。勝つべき試合を勝つ。これが出来ているのはまさしくアルテタの手腕。若いチームをうまくマネジメントしているなと(規模は違えど同じマネージャーとしては良い刺激に)

    そしてホームのレスター戦も、勝つべき試合。そして否が応でも気にせざるをえないのが、その次。

    元旦のシティ戦がたまたまじゃなかったことを、次の1週間で示してほしい。4位云々より、ファンとして、純粋に楽しみだ。

  8. 観てる方からしたら楽しい試合で、アルテタからしたらイライラした試合だったろうなーと思います。
    お互い上手くいく部分、上手くいってない部分が試合通して変に噛み合ってましたね

    以前の記事で紹介されたショットロケーションの話が念頭にあったかのような、崩して2列目が決める観てて楽しいアーセナルway!
    そして得点以外が恐ろしいハイクオリティなラカゼット。
    ホントリンクアップ、守備、アシスト、、いい選手だなぁーと。
    ここにきてアルテタの口調が契約更新へ強めの期待な感じですが、どうなることか。
    ラカゼットの役割できて更に得点できる選手ってどんな奴なんだろうなー。。

    今季はもうこれ4位キープでいけるでしょ!

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