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アーセナルで着々と進むスクワッド整理。レノがフラムへ。トレイラ、マリーも移籍間近【22-23夏ウィンドウ】

アーセナルはなぜに選手売却がこんなに下手っぴなのか?

さて、今回の一連のニュースで、あらためてアーセナルの移籍ウィンドウにおけるビジネス下手が注目されている。

レノやトレイラの移籍金は、最終的には受け入れねばならない条件だったとしても、本来アーセナルが望むような金額ではなかっただろう。Covid禍のせいばかりでもない。アーセナルはこの世界でも、とりわけ移籍ビジネスが下手らしいのだから。

手前味噌ながら、弊ブログ去年のエントリでもそのあたりについて書いている。過去5年のアーセナルは「商売ベタクラブ」のワースト5位。リストを見てもらうとわかるように、ビッグクラブばかりが名を連ねるワースト10クラブのうち、もっともIncomeの少ないのがアーセナル。

もっとも商売上手なフットボールクラブはどこだ(過去5年) | ARSENAL CHANGE EVERYTHING

もちろん、収支なので、近年のアーセナルは支出が多くなった(移籍市場で金をつかうようになった)ことも関係があるが、この規模のクラブのなかでは、やはり収入(選手売却)が少なすぎるのではないか。この5年程度を思い返しても、悪い判断はいくつもあったように思える。£50Mのオファーを蹴って、結局フリーで手放したアーロン・ラムジーなどはその最たるもの。

だいたいここ数年でまともな金額で売れたのが、チェンバレン、イウォビ、ウィロックくらいしかいないなんて。

AFC選手売却歴代ベスト10。TMより

前述したミズリンタットの獲得した8人の収支は、(※トレイラは噂どおりとして)£129Mの支出に対して、収入が£26.5Mということ。その差額は100ミリオン。この間、その8人で£100M分を使い倒したと、果たしていえるだろうか?

アーセナルの商売ベタについては、このブログでもこれまで何度も繰り返し書いてきたので、ここであまり突っ込んで書くつもりはない。が、ざっと考えられる理由だけ挙げておくと、

  • 選手のクオリティ特定(スカウティング)
  • 売却タイミング
  • 選手の給与設定

のようなものがあるだろう。

とくに最近アーセナル言論界隈で見かけたのは、そもそも買った選手が、その後に高く売れるほど優秀ではなかったのではないかということ。スカウティングのまずさ。

典型的なのは、やはりニコラス・ぺぺだろうか。アーセナルが買ったときがMVのピーク。これは移籍ビジネスにおける最悪のパターンだ。まあ、ぺぺはアーセナルとの相性問題もあるだろうから、ここで彼のクオリティについて云うのは不公平かもだが。ムスタフィやゲンドゥージ(こちらは人間性笑)のような名前も思い浮かぶ。

それと、高い給与。平凡な選手にも高いサラリーを与えすぎ、というのはもうおそらく何年も前からアーセナルが指摘されつづけてきたこと。いま現在も財政難の世の中で、依然としてそのことが選手売却の足かせになっている。アーセナル、あるいはPLのビッグクラブなら当然でも、ヨーロッパのほとんどのクラブは同じようなサラリーを払うことができない。したがって、その選手を買うことができない。買い手がいないから売れない。

聞くところによれば、たとえばフランスのリーグアンでは、£100kpwのサラリーを受け取る選手というのはリーグ全体で18人しかいないのだそうだ。そしてそのうち16人はPSGの選手。それほど、アーセナルを含めたPLのビッグクラブ・ヨーロッパのエリートクラブとそれ以外では、世界が違っているという。

だから、移籍ビジネスのことも考えれば選手の給与設定には、かなり慎重になる必要がある。

悪しき流れをリセットする

というような悪い流れが、アーセナルにはずっとあったとして、エドゥとアルテタの時代になって、いまそれを劇的に改善しようと取り組んでいる最中なのではないか。

とくに、ウィリアン&ダヴィド・ルイス以降は、それが顕著に思える。高給の選手たちは、つぎつぎと退団している。

去年の夏、数々の疑問を呈されながらもアーセナルはU-23の選手しか取らなかったし、ジェズースとジンチェンコが25とはいえ、その方針はほとんど今年も維持しようとしている。

獲得する選手は基本的に、若く、優秀で、アーセナルのフィロソフィに合っており、野心があり、アティチュードがあり、給与が安い。リセイルヴァリュの期待できない選手はここにはいない。

先日エドゥが述べていた、「26才以上、高給、パフォーミングしていない」選手をグループのなかに入れないためには、そういうやりかたでリクルートをしていくことが重要になる。

スクワッド全体が、エドゥとアルテタの意向を反映した選手たちで占められるようになるまでは、損切のような痛みを伴う改革が必要であり。おそらく、いままさにそれをやっているのだろう。彼らは、アーセナルの新しいスタンダードをつくろうとしている。

高く選手を買って、毎回二束三文で売るような移籍ビジネスは、クラブとして持続可能ではない。現在、KSEが強力なバックアップをしているのも、きっとそれが期間限定だからと説明を受けているからに違いなく。彼らは儲からないことなんてしないのだから、将来のビジネスにつなぐために投資している。

この夏の売却案件には、その条件にがっかりさせられることも多いが、健全なクラブになるために環境をリセットをしている最中だと考えれば、受け入れられる。

エドゥやアルテタは、クラブとチームを前進させるだけでなく、こうした大げさにいえば「負の遺産」を整理するタスクも同時にこなさねばならないのだから、それにしてもたいへんな仕事である。

リスペクト。

 

おわり



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2 Comments on “アーセナルで着々と進むスクワッド整理。レノがフラムへ。トレイラ、マリーも移籍間近【22-23夏ウィンドウ】

  1. まだ特に何も成し遂げてないエディに給料上げ過ぎの契約延長をプレゼントしたのは少し疑問かと思いますけどね。
    恐らく1stはジェズスですし
    まぁ活躍してくれれば問題無いんですけど

  2. ACモンツァはかの有名な元ミランの黄金タッグであるベルルスコーニとガッリアーニが再度手を組んで、数年で下部リーグからセリエAに昇格させたチームみたいです
    相当面白いビジョンでもあるんでしょうね笑

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