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【マッチレビュー】22/23EPL アーセナル vs ノッティンガム・フォレスト(23/Oct/2022)まさかのリース・ネルソン大活躍。アーセナルは流れを変える大勝

試合の論点

アーセナル vs ノッティンガム・フォレストのトーキングポインツ。

10月の超過密フィクスチャを乗り切ったヤングガナーズ

いやあ、われらはキツイ月間をどうにかやり遂げたんじゃないか。経験値をたくさん積んでレベルアップの音が聞こえるようだ。

10月はこんな日程だった。一ヶ月で9試合もプレイしたのだから、ほぼ週3回である。

すべてのコンペティションで、P9 W7 D1 L1。

PLに限れば、P5 W4 D1 L0。5試合でポッシブル15ptのうち、落としたポインツはたった2ptのみ。サウサンプトンでは敗けた気分だったけど、じつはあれドロウだった。つまり敗けなし。タフだタフだと嘆きながら、結局かなりいい結果だった。消耗はしても、あらたに致命的なケガでレギュラー選手を失うようなこともなかった。

今回のフォレストまでのチームのフォームについては、もう何度も書いているので繰り返さないが、とにかくフォームは着実に落ちていた。もちろん最低限の結果もあったし、はっきり落ちたと云えるほどではなかったが、そのままでは悪いほうへ向かいかねないような流れだった。だから今回も、本来なら一息つけるはずだろうボトムチーム相手とホームでの試合にせよ、けっこう危機感はあったと思う。

いつものように試合開始の60分前、スターティング11人が発表されてから、アルテタのチームセレクションに文句をつけるtweetを見かけたが(ボトムチーム相手に全員レギュラーをスタートさせるとは何事かと。ジェズースもサリバもカードあと1枚でサスペンションなのにと)、このコンテキストを考慮すれば、選手を温存するようなそんな余裕はまったくなかっただろう。

このあと11月に入ってからもワールドカップまでタフな日程があるなかで、ここでいい結果を出すことがどれほど重要だったか。

そして、前日に奪われた1位をふたたび取り戻さねばというプレッシャーを背負いつつ、それをみごとにやり遂げたのだから、このチームのレジリエンスに拍手喝采するよりない。若く未経験なチームが。

以前、エドゥが「(若いチームを編成して)このチームで4シーズン、5シーズン、6シーズンとつづけていきたい」と述べていた。直面する状況が厳しければ厳しいほど、さらに経験を積み、さらに団結する。こういう厳しい状況をチームとして、いっしょに、くぐり抜けていく。

アーセナルのユースプロジェクトはまだ始まったばかりではあるが、初期のこのステイジから、すでに貴重な体験をたくさんしていて、それはほんとうに将来に向けてプライスレスに思える。いまこの瞬間、金では買えない体験をしている。そして、それがチームをさらに強くしていく。

ヤングといえば。

アルテタのアーセナルでの最初の試合から、アーセナルではU-21の選手がPLで56ゴール。これはほかのチームより24も多いのだとか。

チームを救ったのは意外な選手。リース・ネルソン

この試合は、開始早々のマルティネリのゴールもあり、かなりいいスタートだった。1-0でリードしつつ、ほとんど相手ハーフでプレイし、内容でもフォレストを圧倒していただろう。

が、そのあとのゴールがつづかず。前半1-0で終えたアーセナルはショッツ(10)で、SoTが2しかなく。いっぽうで、あれだけ支配されたフォレスト(ポゼッション28%)は、ショッツ4でSoTが1あった。

また前半終了まぎわのアーセナルは、ディフェンスが自分たちのゴール前で慌てて、らしくないミスをするなど(42分ガブリエルのあの軽率なクリアはさすがに危なかった)ちょっと不穏なHTへの入り方だった。今回も1-0のまま試合が進んで、後半どこかで偶発的に同点にされるんじゃないかみたいな悪い展開になることも脳裏をよぎった。1-0というスコアはなんでも起きるし、もはやPLでは全然安心できない。

サカのケガのため、ネルソンがベンチから入ったのは27分。

そろそろキッズ枠から外れる22才にして、ここまでずっと冷遇されてきた彼には、ここは千載一遇のチャンスに思えたもの。だが、サカのポジションでそれなりにボールにも触るが、相手DFと対峙する状況でも、期待に反してバックパスを繰り返すなど、あまり自信があるようには観えなかった。つまり、最近のたまにチャンスを得たときの彼の印象どおりのプレイだった。

ところが、後半に入り48分に最初のゴールを決めると、その3分後に2点め。一気に試合を決めてしまった。最初のゴールはジャカとジェズースの利他的なお膳立てあってこそだが、フェイクに相手DFがふたり引っかかるなど、個人スキルも観せた。

そして、その怒涛の2ゴールの5分後にはパーティのあの美しいショットをアシスト。10分以内のあいだに、G2 A1を決めるという、彼にとってもまたミラクルな時間だったろう。この試合の勝利に決定的な仕事をした。

アルテタは試合後にかなり彼を称賛するコメントを残してはいるが、このチームにおける彼のここまで扱われかたからすれば、ほとんどアーセナルでの将来は絶望的に観えていた。残り契約1年を切って新契約オファーの噂もなし。下手をするとサカはおろか、ペッキングオーダーでは19才のマルキーニョスにも先を越されそうで、彼のアーセナルライフはこのままフェイドアウトでも驚かなかった。

それがどうだい? この超重要な舞台で、いきなり主役。

ネルソンはこの試合のなかですら、時間が進むにつれ、タッチが増えるにつれ、どんどん自信をつけてプレイがなめらかになっていった。彼にもっとも足りなかったものは、たぶん「自信」で、それさえあれば見違えるようにパフォームできることを示しただろう。

もちろん、彼はもともとアーセナルアカデミーの元ワンダーキッドであり、クラブのなかでも彼の本来の才能に疑いはなかったと思う。ただ、どうしてもそれを現場で発揮できなかった。

もし彼が今後も、あのレヴェルのパフォーマンスをコンスタントに発揮できるとなれば、いまのチームに与えるインパクトはかなり大きい。なかでもとくに右ウィングは課題のエリアだったのだから。そういえば、今回彼はいったんLWになってまたRWに戻ってみたいな感じだった。どっちも遜色なくプレイできるという評価か。

アルテタのコメントを信じるならサカのケガは軽症のようだが(それにしてはワールドカップが絶望になったみたいな大げさな退場のしかただった……)、デプスはいくらあってもいい。来年ESRが戻るまでは左だって薄い。ネルソンがその解決策になるのなら、これほど歓迎できることはない。シーズン中、しかもゼロコストの補強みたいなもの。

彼は、ワールドカップまでの4試合でどこまで印象を残せるか。もし、この間のパフォーマンスで冬ウィンドウの戦略に影響を与えるようなことがあれば、それは最高のシナリオ。もちろん新契約も待ったなし。

しかし、本人にとってもなんというターンアラウンドなのだろうか。これはエンケティアやジャカの事例につづくレデンプションのきざし。みんな絶対に最後まであきらめるなという教訓。すごい。もっとも、彼のほんとうの試練はこれからだ。つぎのチャンスでまた平凡なパフォーマンスしかできなければ、また元のもくあみである。彼はせっかく得たこのビッグチャンスをつぎにつなげていかないと。

ゴール後のセレブレイションで、シャツのバッジにキッスしてアーセナルへの愛情を示したネルソン。彼の境遇を思えば健気。。愛さずにいられないぜ。

わしはこのブログを本格的に書き始めたころが、彼がアカデミーで注目されだした時期とかぶっているので、なんだか思い入れがあるのだよね。まじがんばってほしい。

ネルソンはたった8分で、親友のサンチョの今シーズンPLのG+A(10試合でG2 A1)に並んでしまったという。

サンチョの現在のMVは£67.5m。アーセナルは、ネルソンの価値が誰にも気づかれないうちに、さっさと新契約を結んでしまったほうがいいかも?

ヌーノは仲良かったのか。

ジェズースのゴールなしつづく

この試合の勝利とともに、最大の課題のひとつがジェズース(エンケティア)のゴールだったのだが。結局ならず。

オーデガードらチームメイツも、どうしても彼にゴールを取らせたいというようなプレイだったので、とても残念だった。アルテタもほんとは早い時間に彼を下げたかったろうが、やっぱり彼自身のことも慮って、ためらわれたんだろう。ゴール不足に悩むチームの絶対的エースに、ゴールという薬を飲ませたかった。

これで7試合連続ゴールなし? うーん。

ジェズースに関しては、ちょっと自信を失っている様子もある。今回も、GKと1 v 1になるようなかなりいいチャンスはあるのだが、なぜか入らない。そういうところは、シーズン当初のなにをやってもゴールみたいな勢いのなさを感じる。

ただ、それでもアシストが2。ゴール以外でのチームの攻撃への貢献は、これまでと変わらない。このひと守備でもすごいからな。今回もえらいタックルがあった。

彼のゴールは、つぎのチェルシーまで温存したとしておこう。そして大爆発のケチャップ。

あるいは、その分ゴールとアシストをみんなでシェアしていると思えば。ここまで4人でG18 A14。Win together.

その他試合について

  • 試合前、ゴールで、パブロ・マリーのトリビュート。本人もうれしかったに違いない。チームの団結を示した
  • サカは交代するまでベスト選手だった。ケガがたいしたことないことを祈る
  • パーティ最高。PLのベストNo.6。あんなゴールをまた決めたとなると、今度からパーティが危険なエリアでボールを持つたびに“Shoooo!”の声がかかりそうである
  • みんなパーティの頭を叩いているなか、なぜにマルティネリは彼の髪をむしろうと?
  • オーデガードもスーパーブ。G1
  • セドリックは、ひさしぶりにチャンスを得られてよかった。木曜のEL最終戦ではスタートしてほしい
  • ボールボーイ(ボールパーソン?)の少年がフォレストのスロウのたびに、たびたび塩対応ナイス
  • リンガード(笑)
  • 最近はふくらはぎに穴あけたソックスが流行っているので?

Score guyのひといつもありがとう。

試合については以上

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

8 Comments on “【マッチレビュー】22/23EPL アーセナル vs ノッティンガム・フォレスト(23/Oct/2022)まさかのリース・ネルソン大活躍。アーセナルは流れを変える大勝

  1. > ところで、このひとはいつまでトーマス・パーティのNo.5呼ばわりをつづけるんだろか。

    「~呼ばわり」という書き方からして、気に食わないということなのでしょうが、ご自身によるリスペクトの欠片もない無神経なチーム名いじりは放置でよいのですか?

    https://arsenal-chan.com/2022/10/review-2223uel-bodo-glimt-arsenal/

    ↑ の記事にコメントをしておいたのですが、読んでもいらっしゃらないのでしょうかね。

    1. 一部読者の気に入らない表現があったからといって必ず対応しないといけないわけじゃないし、書かれたコメントに全部反応しなければならないわけでもないでしょう。
      個人のブログに対してあれこれ指図するご自分がズレているということに気づいた方がよいと思います。

      1. 無神経なチームいじり?
        古臭い中学校の教師みたいなことをいちいち書くな。
        くだらない正義感の時代遅れめが。

      2. fujisan さん

        > 個人のブログに対してあれこれ指図するご自分がズレているということに気づいた方がよいと思います。

        私のコメント、本当にお読みになりましたか?
        リンク先記事でのコメントは、私の考えを述べつつブログ主さんの考えを問うものでした。
        そして、今回のコメントは、↑ に対して何の反応もなかったので、改めて考えを確認するものです。
        たとえば記事の修正を求めるような内容など、どこにも書いておりません。

        すなわち、指図などしておりませんので、見当違いのコメントはご勘弁願います。

        なお、私は私が指摘したことに対するブログ主さんのお考えを伺えるのを「期待」しておりますが、応えるのが義務だなどとも考えておりません。
        あなたの仰るとおり、個人のブログですから。

        ただ、このようなコメント欄は一般的にコミュニケーションが目的の一つになっているものでしょう。
        こちらが問いかけたり、それを無視されたときにもう一度問い直したりするのは、何らズレたことではないのでは?

        コメント欄を荒らすのは私の意図するところではありませんので、以後、私は書き込みを控えます。

  2. 熱量伝わる文章ありがとうございます!
    ねー まさかのネルソンでまさかのスーパーな活躍!
    なんすかこの出来すぎな感じ?笑
    AoN 今季も密着してて欲しいほんと。
    ネルソン周りのエピソード 素敵ですねー
    アルテタ 相手監督 いいなー

    シティのときに見てた感じのゲームでした。
    対策ユルく試合入ると、サンドバッグ状態になって、ゴールがどっかのタイミングでポンポンと入る、、強いチームの試合でしたね~

    いや、なんも文句無し!
    しいて言えばビエイラがやっぱ気になるけど、まあ時間かかるのは承知の上だろうし!

    最高のレジリエンス見れました!

  3. 毎回楽しみに読ませていただいてます。

    昨日の試合は前半終了時には不安が少しだけありましたが、大勝でよかった。

    ネルソンのゴールはずーーーっと応援してきたので、涙が出そうなくらい嬉しかったです♪

    今週も連勝でいきましょー!!

  4. 今シーズンはランチタイムに氏のブログを読むのが一層楽しみです。

    KTやらジェズスのゴールやらサカの状態やら気になるところも多く、ホント飽きさせないチームですがW杯前までに首位キープできたら優勝の2文字を意識しても良いかなーと思う今日この頃。

    東の果てのしがないオジさんグナですが、彼等に夢をもらってます。

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