トミヤスがLBに選ばれる理由? by r/Gunners
今回このエントリを書こうと思ったのは、redditのガナーズ板であるr/Gunnersのとあるスレッドを観たからだった。
「これがいまミケルがトミーを優先している理由?」。なかなか興味深かったので、ユーザの反応も含めて少し紹介しよう。
『HITC』 の記事より引用(コメント部分はThe Sunday Mirror)。
トミヤスは日本で、地元のクラブAvispa Fukuokaで頭角を現したが、そこではセンターバックとホールディングMFとしてプレイしていた。そのあと移籍したベルジャンのSint-Truidenでは、センターバックとして起用されたが、Bolognaではフルバックとして試されている。
トミヤスはアーセナルでどんなポジションでもプレイするとしているが、彼のMFとしての能力は覚えておくべきだ。
「日本にいたころ、ぼくはよくナンバー6としてプレイしていた。ボローニャにいた3-4年前にフルバックとしてプレイを始めた。でもどこでプレイしようが関係ない。ぼくは、チームを助けるためにピッチでプレイできるのがハッピーだから」
現在トーマス・パーティがホールディングMFとしてプレイしているが、彼にはカヴァがいない。サンビ・ロコンガはそのエリアで適応に苦しんでいる。
もしアルテタがMFに困っていて、ロコンガが単独6でプレイできると考えないなら、トミヤスも念頭に入れるかもしれない。
トミヤスがMF(DM)でプレイ経験があるというのは、アーセナルのファンのあいだではあまり知られていなかったようで、だから、いまKTより彼を優先してLBで使っているんじゃないかと。
以下、このスレッドのめぼしいユーザコメントをいくつかピックアップしよう。()内はUpvote(※高評価)
トミヤスは187cmの両足使いのDFで、クイックで、1v1に秀でていて、ボール扱いもソリッドで、空中もいい。この能力が、彼をバックラインのどこでもプレイできるようにしている。
彼はダイアゴナルボールも蹴れるし、ジャカがプッシュアップすればMFにも入っていける。またマルティネリがインサイドに入ればタッチラインでもプレイできる。
それが彼がティアニーよりも好まれる理由だ。KTはもっと伝統的なオーヴァーラッピングFBであり、ビルドアップでボールにあまり触れず、トランジションのオフザボールにもあまり関与しない。
追記:ティアニーはESRが復帰すれば、ワイドに張る役として好まれるかもしれない。ESRはジャカよりもインサイドチャネルの高い位置でプレイできる。(596)
↑これはKTを腐すわけじゃないが、トミヤスのフットボールIQはとんでもなく高い。とても賢い選手だし、ボールも上手。フルバックのポジションにこんなデプスがあってうれしいね。(312)
↑トミーは、KTよりちょっといいというだけだろ。ティアニーは深いエリアからボールを前進させるのがあまり上手じゃないし、守備もそう。彼が得意なのはスルーボールへのランと、クロス。(149)
KTは、キャシュリー・コールやクリシーみたいなオールドファッションなLB。トミーはモダンなFBで、いろんなことができる。アルテタのアーセナルは、ヴァーサタイルでフットボーリングIQある選手を必要としてて、ひとつのトリックだけやるんじゃダメなんだ。だから、とりあえずはトミーだ。(106)
トミーはティアニーよりもプレスレジスタントということでもある。トミーはプレスを受けているなかでボールが来たときに、たいてい解決策を持っている。ワンタッチパスとか、前に出そうとしたりとか。ティアニーは、しばしばプレイを止めてしまうか、バックパス。(7)
フォレストの試合では、トミヤスは何度かパーティとダブルピヴォットをやってたな。(137)
↑ガブリエルがLBで、パーティがLCB、トミーがDMみたいなときもあった。(87)
↑すべてのポジションでなんちゅう流動性なんだよ。(74)
↑それがつまり、アルテタがいかに複数ポジションでプレイできるヴァーサタイルな選手を好んでいるかということなんだろう。それが彼のゴールだと思う。(18)
アルテタが夢見ているのは、11人全員が「DMとしてもプレイできる」なんだよ。これは、ヴェンゲルがウィンガーをストライカーにし、CMをウィンガーにしたみたいなののアルテタ版だ。
パーティ、ジャカ、ジンチェンコ、ホワイト、トミヤス、エルネニー、ロコンガ。そんなのが7人もいる。(69)
実際に試合を観てれば、その理由がはっきりわかるだろう。トミーは前回の試合で実質CMとしてプレイしていた。両足が使えて、ボールもうまい。ティアニーはいいLBだが、トミーのほうがジンチェンコに近い。(183)
↑これだな。彼はジンチェンコの代替だ。相手のトランジションにより対処できる。これは、われわれがリサンドロ・マルティネスをinverted FBとしてほしがった理由でもある。しぶといDFでありながら、ボールもうまい。(105)
などなど。
トミヤスは、ほんとうにどこでも評価が高い。
フォレストの試合前には、twitterではトミヤスのLBはあまり歓迎されていない様子もあったが、結局あの試合も大勝して、トミヤスはLBとしても評価を高めた(ネガティヴな意見が見えにくくなっている)。
トミヤスのLBスタートは、ジンチェンコが復帰するまでとは思うが、そのあと、「どこでもプレイする」というトミヤスがこのチームにどのようなかたちで貢献していくのか。楽しみである。
KTのアーセナルでの将来
そして、トミヤスの今後が楽しみないっぽうで、ティアニーの今後はどうか。
個人的には、KTのアーセナルでの未来については、かなり悲観的になっている。
彼がいい選手かどうかは関係なく、ただアルテタのスタイルに合っていないのが大問題。ジンチェンコがチームに加わったことによって、そのことがはっきりわかってしまった。
そして、彼自身もこのままの扱われ方で、今後アーセナルで市場価値を高めるとは思えないので、来年夏はシリアスな放出候補になりうるのではないかと想像する。
もちろん、KTもまだ25才。これからのキャリアのピークを迎えるフットボーラーで、いまのアーセナルでの状況を甘んじて受け入れたがっているとは思わない。仮に、選手としてのクオリティだけの勝負なら、まだがんばりがいもあったろうが、そういう問題じゃない。なんなら、チームのなかで風向きが変わったことをいちばん実感しているのは彼である。
以前レアル・マドリッドが彼に関心を持っているというような噂もあったように、もし彼が売却対象になれば、彼をほしがるビッグクラブは少なくないだろう。いまのアーセナルとKTの状況を観ていれば、彼自身になにか問題があるというわけでもない。チームのスタイルによっては、十分以上の戦力になりうる。
ちょっと前までは、アーセナルの有力なキャプテン候補だったというのに。なんということだ。まさに一寸先は闇。
彼のようなファンから愛されている選手が、こうした状況に陥るのはもちろんうれしくないことだが、いまならアルテタを支持せざるを得ないというのが、ファンとしてまたなんとも云えない。
今シーズンのこれから、そして来年夏、どうなるか観てみよう。
おわる
フォレスト戦だったかpsv戦だったか忘れましたがKTが中盤入って高速サイドチェンジを決めてました。
あの辺はジンチェンコ、富安にも無いスキルやなーと思います。
性能の塊だらけなんで皆んな残って皆んな成長して欲しいです。
ティアニーと冨安を比較すると、ビルドアップの能力は大差ないと思っていて、冨安が使われる理由は守備での貢献度かなと思います。相手のエースを無効化できるし、相手陣地でのファーストディフェンダーとしての役割も完璧にこなせる。
ティアニーも冨安も中に入って、ビルドアップしようと試みているけど、どちらもジンチェンコのようには出来ていないし、むしろ出来る選手は世界を探してもほぼいないかと。
さすがに冨安にジンチェンコと同等のゲームメイクを求めるのは酷なので、左ジンチェンコ、右冨安でみたいですね。
今年はDFにいい選手が揃っているので、替えのきかないパーティさえ長期離脱しなければ大崩れはしないと思います。
久々に期待できるシーズンです。
ビルドアップ面でティアニーと冨安が同等とは思えません。
redditのコメントにもありましたが、プレス耐性がまず段違いに冨安の方が高いですし、ポジショニングも素晴らしいし、たまに出す縦パスも気が利いてます。
守備に関しては、高さという面を除けば、むしろティアニーの方がいいはず。
なんせティアニーは確か昨シーズン、被ドリブル突破ゼロです。
サラーを完封したことがセンセーショナルすぎて、守備目的で冨安を起用しているという見方が多くなっていますが、左サイドの守備に関しては間違いなくティアニーの方が信頼度が高いはずなので、アルテタが冨安を使っているのはやはりビルドアップ面の評価が高いからだと思われます。
このままならKT移籍もやむなしだけどLB候補3人ともがいつ怪我するかわかんないからなあ……