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【マッチレビュー】22/23EPL ブライトン&ホーヴ・アルビオン vs アーセナル(31/Dec/2022)7ポインツクリアで年越し

試合の論点

ブライトン vs アーセナルのトーキングポインツ。

難敵に競り勝ちリーグトップをキープ。リードをさらにひろげる。シーソーゲイムを制したアーセナル

この試合前、シティがエヴァトンに、ニューカッスルがリーズにそれぞれポインツを落としていて(※1-1、0-0ドロウ)、アーセナルはリードを広げる絶好の機会だった。

だから逆に少し不安になった。ポインツを落としたライヴァルに付き合ってしまうというのも近年のアーセナルあるあるだから。

しかし結果は、3ポインツ。みごと勝利で、2位のシティに7ポインツ差。なんと。

ただ、この勝利はどうみても簡単じゃなかった。サカが云うところのローラーコースター。試合の趨勢を振り返ると、こんな感じだ。

1分にサカが、自分の前にボールが転がってくるという、ごっちゃん状況からゴールすると、ボールはブライトンが持つように。1-0。

だが、そんななかでもアーセナルはボールを持てば危険な攻撃を繰り出し、ボールを持って試合を支配するブライトンと、ボールを持ったときには効率的に攻めるアーセナルという構図になっていった。

そして38分には、オーデガードがコーナーからこぼれてきたところをスキルフルなショットで押し込む。2-0。

さらに後半開始直後には、マルティネリの逆足ショットからのGKこぼれ球をエンケティアがゴール。まさに彼らしい嗅覚がものを云う、至近距離からのタップインでのゴールだった。これでアーセナルの3-0。楽観的ムードに。

このゴールで、アーセナルが試合を殺したかに観えた。しかしまだ終わらない。

得点差がついてやや守りに入るアーセナルに、CFでプレイしていたトロサールは下がったものの、ブライトンもプッシュして徐々にチャンスをつくるようになっていく。その流れで64分にはミトマのゴール。3-1。

このゴールで勢いづいたホームチームは、サポーターの声援もあってエナジーを回復、危険な攻撃を繰り出すように。この時間帯はトミヤスが入ったこともあり、ミトマとトミヤスのマッチアップも何度か観られた。ミトマはトミヤスとヘッダーを競り合って勝っていたのがすごい。

3-1リードとはいえ、試合はまだ20分もある。アーセナルはここで失点するとまずい。いやな空気。

そんなとき、ブライトンの勢いに押されていたアーセナルがうっちゃりのカウンターを発動。70分。キャプテンMØのしびれるようなダイレクトパスから、スペイスに飛び出したガビ・マルティネリが相手DFを引き連れつつ、ショット&ゴール。目の覚めるようなカウンターアタック。あの時間、ブライトンはあきらかに前がかりで、マルティネリには、単独で並走していたサカに出すオプションもあったほど。4-1。

このゴールでさすがに試合を殺したかに観えたが、ブライトンのプッシュは止まらず。マルティネリのゴールの6分後に、サリバのエラーからブライトンがゴール。ラムズデイルも止められないというおまけつき。4-2。

奇跡を信じるホームチームがさらにプッシュ。またしてもミトマがゴール。4-3。88分。ここまで来るともうわからない。だが、VARでミトマのゴールは取り消しに。4-2に逆戻り。

結局その後も試合終了までポイントを追いつづけたブライトンに対し、アーセナルが逃げ切ったかたちで試合終了。なんという試合だったんだろう。。

熱心なファンならなおのこと、4点のリードというのは、アーセナルファンにはトラウマというかPTSDチックな記憶が結びついてて、なお心臓に悪かった。

試合後、ブライトンのボスは「アーセナルはラッキーだった」と述べていたようだが、半分同意で半分同意できないという気がしている。

88分のミトマの2点めのゴールが認められていればスコアは4-3で、たしかに流れはさらにブライトンに加担した可能性はあるが、それでも試合終了まで残り数分である。アーセナルが逃げ切る可能性のほうがずっと高かっただろう。それに試合を通して、アウェイチームのほうが良質なチャンスをつくったのはあきらかで、その点でもアーセナルの勝利はラッキーだったと云われるに値しない。

いずれせよアーセナルは、タフな接戦を制した。

試合前にこの試合から始まるタフな4連戦について書いたが、理想に近いかたちでスタートできたのではないだろうか。引き分けと勝ちではだいぶ違う。

ところで、ミトマはすごかったね。この試合でも存在感はバッチリだった。サラーは云いすぎかもしれないが、あの生産性は個人的にはちょっとアルシャヴィンを思い出した。彼がもっとボールに執着するようになったら、もっと脅威になれる気がする。チームのなかでの立場もあるんだろうが、ボールを持ったときにすぐにパスをしてしまう淡白な部分は、ちょっとだけ気になった。

ワールドカップでも注目されていたし、この調子だと彼は、来年はもっといいクラブに引き抜かれるかもしれない。彼が左足のRWならアーセナルにも推薦したかった。

フロント4の輝きアゲイン。キャプテンMØがスーパーフォーム

サカ、マルティネリ、エンケティア、オーデガードのフロント4がみんなゴールに絡んだWHU戦につづいて、この試合でもフロント4がみんな仲良くひとつづつゴールするという。

こんなことってあるのかね?

マルティネリは、WHUのときよりはいいプレイをしていたと思うが、それでもショットはだいぶブロックされていて。対峙したブライトンのRBランプティにも手こずった。でも結局あのカウンターからのゴール。

サカとエンケティアもしっかりゴールで結果を出した。サカは後半はすこし消えてる印象もありつつ、それでもあのゴールはさすが。チャンスを逃さない。

エディも、ゴールだけでなくチームプレイに貢献していた。彼が中央でボールを持って右か左か展開するサイドを選べたシーンが何度かあって、アルテタが望むストライカーとして以外の貢献度も高いなと。ちゃんとジェズース不在を感じさせないプレイができている。

そして、この試合で誰よりも輝いていたのがやはりキャプテンMØでしょう。G1 A1。文句なしのMOTM。ちまたでは、いまヨーロッパでもっとも好調なNo.10という評価もちらほら。

38分のショットは、試合後「エジルバウンス」みたいに云われていて、やっぱりあれはスキルだったんだなと。一瞬まぐれにも観えたけど。

要するに、コーナーで密集したボックスエリアを避けるために、わざと地面にバウンドさせて混雑した頭上をいくボール(シュート)を蹴ったという。アーセナルのファンなら、エジルがやっていたやつとしてピンと来てしまうやつ。

彼はゴールセレブレイションで、バスケのジェスチャをしていて、あれは意図的(狙ったショット)だったんだなと思った。まさに3ポインツ。

オーデガードといえば、70分のマルティネリのゴールアシストも。あのパスにはほんとうにしびれた。

前がかりになるブライトンに対し、ほとんどの選手がアーセナルのハーフに入っているような状況でボールを奪うと、ジャカからのパスをダイレクトでそのまま相手ハーフのスペイスへ。あれはピッチを俯瞰で捉えていないと出せないパスで、類まれなヴィジョン、天性のクリエイターというプレイだった。

映像はすぐ消えそうだけど。ほんとにパス一発で形勢を変えた。マジシャン。

今回もまた、1月のアーセナル加入が噂されるミハイロ・ムドリクが、試合中にアーセナル愛をアピールしていたのが話題になっていたが、彼はこのチームのなかに入っていけることが楽しみでしょうがないのかもしれない。ひとりのストライカーだけが活躍しているようなチームよりも、いまのアーセナルのようにアタッカーみんなでゴールをシェアしているほうが、はるかに自分もそのなかに入りたいと思えるんじゃないか。

絶好調のアタッカーたちが、みんなでアーセナルを勝たせてくれている。今後もそれがつづくよう願ってやまない。

サリバの2試合連続エラーズ

やらかしちゃっている。WHUでペナルティを与えてしまったのにつづき、今回もなんでもないように観えたボールの処理を誤って、失点。ここは、さらにラムズデイルが抜かれるというアンラッキーも。あのゴールは、ブライトンをさらに勢いづかせる結果になってしまった。

チャールズ・ワッツは、サリバのこの2試合の「らしくない」エラーに対し、ワールドカップの影響を指摘していた。それもありそうではある。

ただ、WHUもこの試合も、幸いにもどちらも致命傷にはなっていない。以前やったOGもそう。ファンとして、今後とくに彼のことが心配になるという気はまったくしていない。

この件について、かつてのヴェンゲルさんのコメントが話題になっていた。

AW:若い選手の教育にはポインツの代償を支払うことになる。もしわたしが20才のCBをプレイさせるなら、彼でシーズン中にいくつかポインツを落とすことはわかっているし、それに立ち向かう必要がある。

もう少し才能のない28才をプレイさせれば、ポインツの損失は少なく済むだろう。

だが、彼が、23か24才になったら(立派な)選手がそこにいる。

ヴェンゲルさんのこのコメントはなんとなく覚えてる。

つまりTrust the processということですな。いまこの瞬間試合でやらかそうとも、そこで若い選手が学ぶことのほうを重要視する。選手の成長のために。幸いなことに、われわれにはそれを待つ余裕が多少はある。

目先の利益ではなく、将来のことを考える。いまのプレイっぷりを観ただけでも、数年後のサリバがワールズベストのCBになっていても全然おかしくないのだし。

これは、アーセナルのスクワッド全体を観ても重要な視点だ。本来はいまのフェイズではみんなもっとやらかして若さと未熟さを観せてるチームのはずだったが、そうでないので忘れられがちだけど。

みんな致命傷にならない範囲で、若いうちにどんどんやからして、どんどん学んでほしい。

 

この試合については以上。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

4 Comments on “【マッチレビュー】22/23EPL ブライトン&ホーヴ・アルビオン vs アーセナル(31/Dec/2022)7ポインツクリアで年越し

  1. 明けましておめでとうございます。
    最高の試合で年明けして嬉しい限りです。
    シティは15日直接対決までに、チェルシー、TOT×2、ユナイテッドを消化するのでいくつか落とすのでは??生まれて初めてスパーズを応援することになるかもしれません笑

  2. 明けましておめでとうございますm(__)m

    ローラーコースターゲーム、見事に勝ちました。
    ブライトンはホントにいいチームでした。好感がもてるチーム。
    はからずしもジェズスアウトのこのタイミングで前線の攻撃がケミストリーな件、なんかすごいです。
    自信が自信を生み、確信へとかわっていく的な。
    次も楽しみですね。
    ユナイテッドほろびろはげしく同意です。

  3. ブライトンはカイセドもマクアリスターもいなかったのだから、ほんと恐ろしい。

  4. おめでとうございます。素晴らしい試合でした。エディが何気に覚醒しているのが本当にすごい。あとジンチェンコ、やっぱり彼が入るとオフェンス活性化しますよね。さあ、ニューカッスル戦もCOYGです。

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