アルテタ発言のポインツ
今週はほとんどブログを書かなかったので、書くべきことがたくさんある。
AFCONへ行かなかったパーティと代替議論
結局、彼は云うほど回復はしていなかったのだね。だからナショナルチームもあきらめた。ソーシャルメディアでは、いかにももうすぐ復帰するみたいな雰囲気だったけど。
アルテタは彼が戻るまで“weeks”と云っているので、今月中には復帰をするかもしれないが、まああまりに期待しないでおこうか。5-6 weeksかもしれない。
そういえば、彼のAFCON辞退のニュースでは、手術をほのめかす報道もあったりしたが、この会見でその話題は出ていないみたいだ。
パーティといえば、彼の代替のNo.6獲得について今週は何人か話題になっていて、そのなかのひとりがエヴァトンのAmadou Onana。以前からアーセナルのターゲットと云われていた選手でもある。
だが、Onanaはどちらかといえば守備に定評あるCDMであり、パーティの重要なスキルセットであるパスやボールプログレッションのような長所はない。
Onana, Palhinha?
Great players. But is this the type of player we need right now? We had the best XaG record in the league
until the last few games.Rice does this, and much more. I think what we need is a player closer to Partey’s abilities. Big miss.pic.twitter.com/Mn5zFflbit
— 🇳🇴 kimmoFC (@kimmoFC) January 5, 2024
オープンプレイからのゴール不足など、今シーズンのチームの攻撃不調をパーティ不在と結びつける言説も最近はよく見かける。おそらくは夏になるだろうが、レギュラークラスのNo.6選びにはそうとう慎重になる必要がありそうである。
冬ウィンドウでまったく動かない??
その可能性もあると述べたアルテタ。きっと、それが本音なんだろう。
こんな危機的な状況でも、一応なんとかレギュラーチームを保っているし、ギリギリでやりくりしているといえば云える。ストライカーについては、もっともヘヴィに投資するエリアだろうし、いずれにせよ夏になるはず。
唯一、ほんとうにやばそうなのがレフトバックで、ジンチェンコがいてさえ不安定だったのに、いまはケガで不在。このタイミングでトミヤスは日本代表へ行ってしまった。レギュラーLBのファーストからサードがいないという状況。
LBのキヴィオールはフラムでのパフォーマンスもあり、やや株を下げている。アーセナルはアヤックスの17才Jorrel Hatoに本気だそうで(18才になるまでは動けない)、彼のポジションがキヴィオールとかぶっていることもあって、キヴィオールの将来は危ぶまれているところだ。
現在ソシエダにローン中のキーラン・ティアニーは、契約上アーセナルはこのタイミングで彼を連れ戻すことができるらしく、それも話題になっていたが、本人が否定していた。
ジンチェンコがこの試合に間に合う可能性もあるそうなので、彼が戻りさえすればひとまずは安心かもしれないが、彼のフォームもあまり楽観はできない。
サカについてPGMOLに抗議の件。サカが守られていないのは事実
これもしばらく前にニュースになっていたこと。だが、今回アルテタはそれを否定している。サカについて彼らに抗議などしていないと。
サカを相手のバッドタックルから守れ、というのはファンのあいだではもうずっと叫ばれていること。彼はもう毎試合のように、相手DFに厳しくチャレンジされて痛んでいる。
ところで、今週注目されていたOpta発のこのスタット。
🔢 – Most cards drawn in the Premier League this season (fouls won in brackets):
14 – Raheem Sterling (31)
9 – Morgan Gibbs-White (32)
8 – Josh Brownhill (18)
8 – Luis Díaz (22)
8 – Anthony Gordon (38)
7 – Phil Foden (33)
7 – Bukayo Saka (43)Grievance. pic.twitter.com/SiUpTXGrQK
— OptaJoe (@OptaJoe) January 4, 2024
今シーズンのPLで受けたファウルに対して、どれほどカードが出ているか。14枚と突出して多くのイエローカードを誘っているSterlingが14/31(45%)に対し、サカが7/43(16%)。シティのFodenはサカと同じだけ相手にカードを出させているが、ファウルの数は10も少ない。
まあ、ひとつひとつのファウルはコンテキストも違うので、一概にこれをアンフェアだとは云えないかもしれないが、そういう傾向があるというだけでも、ひろく周知してレフにプレッシャーをかけていく必要がある。
No More Redキャンペーン実施中
Meet those thriving through No More Red initiative
この期間、アーセナルのWEBサイトもモノクロ仕様。スペシャルコンテンツも。
そして今回チームは、ホームで真っ白のキットでプレイすることが決まっている。ホームでこのキットを着るのは初めて。
One team. We are The Arsenal ⚪️
We will wear an all white kit, drained of our iconic colours on Sunday in support of the No More Red campaign.
— Arsenal (@Arsenal) January 4, 2024
リヴァプールはホームキットでプレイするのだろうか。それはちょっとどうか。
「エミレーツの雰囲気を敵対的なものにしてほしい」
この件でちょっと興味深かったのは、r/Gunnersの当該サブの反応。
そもそもチケットの値段も上がっていて、すでにスタンドは庶民的でなくなっているし、それと25年もホームに通いつづけているファンが、近年はチケットが抽選制になったことで半分しか行けなくなったなどの意見を観かけた。
いちばん熱狂的であるはずのサポーターが、TV観戦を余儀なくされているという現実。この話ももう何年も前からされていて、いまに始まったことではないが。
スタンドの熱狂的な雰囲気がどんどん薄れているのは、アーセナルだけでなくPL共通の傾向でありつつ(あるいは世界的な?)、いっぽうではどのチームもスタンドの雰囲気にサポートしてもらいたがっている。クロップがアンフィールドの雰囲気に物申したのは、ついこないだのこと。
フラムでは、アウェイサポーターの声援がけっこう大きく聞こえたのが印象的だった。あんな試合でも声を枯らしてくれるひとたち。チームはそれに報いる必要がある。
ミッドシーズンブレイクはドゥバイ。夏のプリシーズンはUSへ
アーセナルは、このウィンターブレイクにドゥバイキャンプを計画しているそうである。
ただ質問にも出ているように、この試合がドロウに終わりリプレイになる可能性もあり。
それと、ブレイク中の計画といえば、来シーズンのプリシーズンは今年もまたUSへ行くことが決まったとか。
オーナー理由が大きいとはいえ、毎年同じところへ行かなくてもいんじゃないか。
ESRやエンケティアその他、移籍の憶測
ESRの移籍に関する質問「夏の移籍が近い?」は、どストレイトでちょっと笑ってしまった。この状況で、みんなが思っていたことだけど、アルテタには聞きにくかっただろうに。
PL2連敗以降、ファンベイスにおいては、ネルソンやESRらヘイルエンド卒業生について、現状はほぼ戦力外という認識で一致という感じがしている。まあ、アルテタが彼らを信頼していないのはほとんどあきらかではある。
今回のアルテタの回答でも「いつも選手の思い通りになるわけではない」と、プレイタイムに不満を持っているだろう選手たちにとっては、かなり手厳しいコメントになっている。
今週、複数メディアが伝えていたのはエディとクリスタル・パレスとのリンク。昨日は、Tier 1のBBC Sportまでそれを報じていたので情報の確度は高い。ただし、この冬にアーセナルが彼を手放しそうにはない。
この件については、ぼくもこのブログで「どうして彼らをもっと使ってくれないんだ」とつねに嘆いてきたのだけど、ここ最近はちょっと考えをあらためるようになった。
誰かが云っていたのは、どのクラブもアカデミー選手の99%はものにならず、そこから輩出される優秀な多くの選手も売却して資金の足しになるだけ。アーセナルだと、いまサカ、ネルソン、ESR、エンケティアとアカデミー出身者が4人もファーストチームにいることは十分なヒット率であり、ここからサカだけが残っても何もおかしくないという。それが特大ヒットであるだけまだすごい。
まあ、チェルシーがあれだけの金をつかってもFFPに抵触しないのは、アカデミー選手の売却益が大きいからという理由もあるようだし、アーセナルもそれにならうなら、たとえ愛着あるヘイルエンダーでも無慈悲になる必要があるのかなと。われらは、とにかく売るのが下手すぎるからね。
ただ、だとしても、彼らをできるだけ高く売るなら、価値を落とさないためにも、やはりプレイするチャンスはある程度与えるべきだと思うのだけど……。エミールは、アーセナルのNo.10ですぞ? 二束三文とか許されない。
今シーズンのアタッカーの生産性低下
とにかくゴールが決まらない。チャンスはつくっているのに。
アルテタがこれについてトリッキーだと述べているのは、つまりピッチ上で起きるいろいろなことについて、ある程度はあらかじめ想定できるが(選手たちも彼が云うことがピッチで実際起きると繰り返し述べている)、ことゴールを奪うことに関しては、スペイスのほとんどないファイナルサードではほんの小さなディーテイルが決め手になるからだろうと思われる。
「それをエミュレイトするのが難しい?」と訊かれたアルテタは、まさにそのとおりみたいに答えている。
これも今週はたくさんの議論があった。
ひとつおすすめしたいブログ記事がある。ここでも何度も紹介しているBBQ氏のエントリ。これがすごい力作で、読んでも読んでも終わらない(笑い)。Arseblogまで、このブログは登録する価値ありと言及していたナイスピース。がんばって読もう。
WHAT AILS ARSENAL
Here’s my enormous excavation after a deflating end to the year, looking at tactical evolutions, attacking dynamics, luck and variance, the wingers, both boxes, and what must change to reach the heights we seek.
➡️ https://t.co/g7LO46QJgL pic.twitter.com/XHGbudeXRE
— Billy Carpenter (@billycarpy) January 4, 2024
このひと、いまアーセナル界隈ではもっともアツい書き手かも。すごいぞビリー。
トップチームのデプスとローテイション
アルテタの会見でCLとPLの両立についての質問が出ているように、今シーズンのアーセナルにその経験が乏しいのは、ネガティヴ材料になっている部分はある。93%かどうかはわからないが、ほとんどの若い選手は数日ごとにCLとPLをプレイする経験がない。
ところで、今シーズンの去年の年末まで、リヴァプールとシティとアーセナルの選手のプレイタイムをランキングしたグラフが興味深かった。
これによると、シティがかなりレギュラーチームを固定化している様子がうかがえるし、アーセナルもその傾向はかなりある。アーセナルで基本的に出ずっぱりみたいなサカよりもプレイタイムが多い選手がこれだけいるということは、リーグだけでなくカップ戦でもレギュラーチームを使いつづけているということだろう。
いっぽうでリヴァプールの選手が軒並み下のほうにランクされているのは、それは彼らがそれだけプレイタイムをシェアしているからということになりそうである。カップ戦ではかなりヘヴィにロテイトしているとか。
彼らはそれだけスクワッドデプスがあり、ベンチに信頼できる選手がいるということかもしれない。
アルテタは、師匠にならってペップスタイルでレギュラー選手を酷使しているが、未経験な選手たちがそれに順応できていないという側面も無視できないように感じる。
フラムでは、チームは肉体的・精神的に疲弊していたように観えたし、それが如実にパフォーマンスに反映されていた。














