何度退団すりゃ気が済むのか。
ボスは言いたい放題のアンリにおかんむりだ。TVのパンディットとアーセナルのコーチどっちを取るのか迫られた挙句、結局TVのお仕事を取ってU18コーチをファイヤード。お給金0ポンド(※0円)のコーチ稼業と年間400万ポンド(※5-6億円くらい)といわれるTV解説業を比べられるはずもない。
とはいえ、アンリはいまコーチライセンスを取得するために勉強中の身であるので、そのためにはほかのクラブに行かざるを得ない。生きる伝説である。引く手はあまただろう。シティに行きそう。同じロンドンでチェルシーもふつうにありえそうで怖い。
ところで彼はSKYのパンディットであったが、EUROではBBCのパンディットとしてリオ・ファーディナンドらとともにTV出演していた。結構柔軟な契約なんだなと感心した。
こんな記事も来ていた。いつものメトロ。
こんなこと言ってっからボスの逆鱗に触れたんじゃねえのかという、アンリの暴言をまとめた記事。
以下、抄訳。アンリ氏のこころの声を忖度して少し追加した。ジルーについての暴言も追加。超訳あしからず。
ティエリ・アンリ氏、アーセナル愛ゆけの暴言の数々
アンリ 2015年4月の暴言
「アーセナルは4人のプレイヤーを買う必要があるね。背骨になるプレイヤーね。背骨がないんだよ。わかるだろ? まずゴールキーパー。センターバックもいまだに要るね。ホールディングミッドフィルダーも。それとね言いにくいんだけどさ、リーグをもっかい取るにはトップトップクオリティのストライカーが必要だよ。だってうちはストライカーがとくにしょぼいんだもん。」
「チェルシーを見てごらんよ。やつら去年はリーグを取るのに苦労していたけどさ。クロトワ、マティッチ、セスクにコスタを買ってタイトルを取ったんだよ。」
「ジルー? ジルーはすごくよくやってるよ。でもジルーでてっぺん取れると思う? おれはそうは思わないね。」
アンリ 2015年7月の暴言
「だ・か・ら、チェルシーみたいになるにはあと4人必要だって。何度言ったらわかんの?」
「どうしてもおれがいたときと比べちゃうよね。例えばさ、おれがアーセナルに初めて来たときなんかなかなかプレイできなくてさ。だってベンチにはベルカンプやカヌー、シルヴァン・ヴィルトールとかダヴォル・シュケルなんかがいたんだぜ。」
「まあとにかくこのおれですら60分はベンチだったっていうね。このおれがだよ?」
アンリ 2015年11月の暴言
「今日はオジルはボックスに入っていったね。点も取った。けどみんなが喧々諤々やったり問題だと思ってんのは、オジルはいまだにボックスに入りたがらないということなんだな。」
「もしワールドクラスになりたいんだったら、アシストだけしてりゃいいわけないんだよ。わかるっしょ?」
アンリ 2015年12月の暴言
「ようやっと、オジルが将来どんなプレイヤーになりうるか見ることができてきたんじゃね? いまのオジルが実際どんなプレイヤーなのかも。ファースト・シーズンは使えなかったけど、いまはちゃんとやってるよ。」
「去年はさんざっぱら叩かれたけど、大したプレイもしていなかったんだからしょうがないよ。」
「彼についてただひとつ言えることは、とにかく点取れってことかな。まじ点取れよ。アーセナルでそのポジションにいて得点の意識が低いってありえないから。」
アンリ 2016年2月の暴言「チェルシーが苦しんでる。シティも苦しんでる。アーセナルにとってイージーなシーズンになるはずだった。でもイッツノットハプン。わかるだろ?」
「メンタリティが問われてんだよ。クソみたいなチェルシーとやっても1点すら取れやしない。勝たなきゃいけないゲームだよ?」
「3ポイント取れよ。それがきみらの仕事だろ。長いことタイトルから遠ざかってる。ほんとにそんなメンタルでリーグを取れんのかよ? いい加減に目を覚ませよ。やるったらやるんだよ!」
アンリ 2016年3月の暴言
「ちんカスみたいなユナイテッドに3点取られて負けるとか……。とても優勝する気のあるチームには見えないね。チンコついてないんじゃないか。」
「まだタイトルレースに残ってるのが唯一の慰めだけどね。」
「まじでもうちょっとなんとかならないの? グーナーはどうやってチームを信じればいいんですかね?(机を叩きながら)」
アンリ 2016年3月の暴言<別の日>
「エミレーツでスウォンジーに負けた水曜の夜だけど、アーセナルのサポーターがこんなに怒ってるのはまじ初めて見たよ。」
「選手交代しただけでブーイングが出たし、パスミスやタックルが失敗するたびにため息が出てた。たしかにいつもよりちょっと辛抱が足らなかったと思うよ。でもしょうがないよ。こんなしょぼいアーセナルじゃ。ほんとしょぼいなお前ら。インヴィンシブルズに謝れよ。」
まさに言いたい放題。あと、ボスにとって決定的だったのかもしれないのは、ジルーがEUROドイツ戦でやらかしたときのコレ。
Henry and Ferdinand laughing about Giroud’s pace #GERFRA pic.twitter.com/zrmPlbEsMo
— Real Simon (@IRealSimon) 2016年7月7日
メディアはもちろんファン含めて世界中がコケにしたよ。でもアンリは身内じゃないか。シアラーやファーディナンドに合わせて笑っちゃだめでしょ。むしろジルーにもジルーをバカにしたやつらにも怒れよっていう。
ただ、これらの放言の数々は暴言というべきものではあるけれども、グーナーの気持ちを代弁してくれている部分があることも認めなければいけない。実際このメトロの記事末には「ヴェンゲルがアンリをサックは正しかった?」というVOTEがあって、ほぼ半々の支持率となっていた。ボスが圧倒的優勢かと思ったけど、最近のアーセナルはヴァーディに振られるなど移籍マーケットで後手後手の印象があるし、ただでさえ旗色の悪い時期だからしょうがないかも。
ちなみにアンリはヴェンゲルのこの判断を「リスペクト」している模様。
今後もアンリは解説者としてお茶の間の人気ものでありつづけるわけだけれど、彼の解説者としての力量については、あまり話題になっていない。
気になったのは、ギャリー・リネカーがヴィンセント・コンパニをパンディットとして褒め称えたという記事。
元名古屋グランパスのリネカー氏によれば、現役引退後のコンパニはきっとシアラーのような立派な解説者になるであろうとのこと。
アンリがこれまで誰かに解説者として優秀であるとか、彗眼だとかいわれたことはあるんだろうか。個人的にはちょっと若干どもり気味にしゃべる感じは、あまりTV解説者に向いているとは思えないのだけれど。MNFのギャリー・ネヴィルやジェイミー・キャラガーといった口が達者な名物パンディットたちと肩を並べるまではいってないと思う。
とにかく、かつてのアンリのファンとしてはフットボール以外の部分で注目を浴びるということはあまりいいことのように思えない。さっさと監督になって大成功をしてほしい。