グラニト・ジャカを不当に貶めるような記事、Talk Sportsによる元チェルシー選手のトニー・カスカリーノのインタビュー記事「グラニト・ジャカはシーズンでワーストクラスの契約」。
コメントも短いし「ひとことお願い」みたいな軽いノリで発言されたものかもしれない。クリスタルパレスに3-0で敗れたあとのコメントらしく、破れかぶれっぽいいくぶん誇張している雰囲気もある。が、センセーショナルな内容だったからか各メディアで引用された。
要約すると、
- アーセナルは今夏90Mポンドも使って誰一人としてものになってない
- ルーカス・ペレスはいい選手っぽいけど試合に出てないんじゃしょうがない
- グラニト・ジャカにいたっては、今シーズンで最悪の契約だよ。もしかしたら史上最悪かもね。彼はずっとひどいよ
ぼくはこの記事を見て、最近の彼のプレイについてそんないうほど悪いかなと思ったものだ。
たしかにこれまでこのブログでも何度かジャカの軽率さを批判してきたけれど、ここしばらく見せている彼のプレイを見れば、ここでいわれているような批判をそのまま受け入れられるものではないとわかるはずだ。ていうかあんた誰?
グラニト・ジャカはいうほどダメな選手じゃない証拠
そんななかで、ちょうど今朝Squawkaがジャカを擁護する記事を投下。
「ジャカを擁護する7つのスタッツ。あなたが思っているほど悪くない」。前段はすっ飛ばして、スタッツの部分だけざっくり紹介しよう。成績はすべて今シーズン(16/17)のここまでのものである。
1 90分でもっともパスを成功させている
90分あたりのSuccessful Passesで1位。2位以下は、ジョーダン・ヘンダーソン(リヴァプール)、モハメド・エルネニー(アーセナル)、アンデル・エレーラ(マンU)、ヤヤ・トゥレ(マンシティ)と続く。
これは当然、相手を押し込んでパスを回しまくるアーセナルのプレイスタイルゆえの成績だろう。3位がエルネニーである。
2 ドリブル(take ons)成功率が84%
19回中16回成功。
ドリブルというとジャカがそんなドリブルしていたっけと若干の違和感があるが、ボールを奪いに来た相手選手をかわすようなプレイもtake onsには含まれるようだ。
ドリブル(take ons)の定義についてはこちらを見てほしい。
意外に知らない「チャンス・クリエイテッド」「キー・パス」とはなにか。Optaによるスタッツ定義
3 ファイナルサード外からのスルーボール2位
ファイナルサードの外側からのスルーパスはポール・ポグバ(9本)に次ぐ2位(8本)。ポグバは3本、ジャカは2本が得点につながっている。
4 タックル成功はアーセナル内で1位
ガナーズのなかでジャカ以上にタックルでボールを奪い返した選手はいない。55回。
ここで言及されていないコクランとの比較をしてみたところ、コクランのタックル成功は42回。出場時間はそれぞれ2013分と1647分。成功率でみてもジャカのほうがやや上だ。
5 アーセナルの守備陣でもっともクリエイティブな選手
ファイナルサード外からのチャンスクリエイテッドが8回。※これ3とかぶってる。
6 ロングボールのスペシャリスト
ロングパスの成功数でリーグ5位。上位は上から、ヘンダーソン(157)、アルダーワイレルト(154)、ダイヤー(153)、ポグバ(152)、ジャカ(139)。
7 アーセナルでジャカよりチャンスを作っているのはエジルだけ
3月以降(※元記事では2016となっているがたぶん2017の間違い)、エジルが5試合で12のチャンスクリエイテッド、ジャカは7試合で10。
以上。
まとめながら、ジャカに有利なスタッツだけを選んだちょっと雑で恣意的な記事だなあと思ってしまったけれど、 まあとにかくジャカはそんなに悪い選手じゃないという部分だけは同意だ。
もちろん彼はもっとできるはずだとも思っているし、すぐにカッとなる気性の荒さも改めるべきだ。逆にそのあたりさえ乗り越えれてもらえれば、彼のようなプレイスタイルもまたアーセナルにとって貴重である。
最後に一応中立な立場での成績比較も載せておこう。記事中で比較されている選手たちを選んだ。
ジャカの見た目の印象とそう遠くない。妥当な結果ではないだろうか。
ポゼッションスコアが突出しているが、これはアーセナルのプレイスタイルが大きいだけだと思う。ジャカをエルネニーに変えてもトップを取りそうだ。
問題はディフェンススコアが「かなり」低いことだ。攻撃参加も辞さないB2BタイプのCMならまだしも多くの時間でCB前に陣取るアンカータイプの選手としては致命的である。ポジションに最適化されたプレイができるように来シーズンに向けて改善が必要だろう。
たしかに今シーズンは、こうしてEPLのトップMFたちと比べればジャカが決して優れているとはいえないが、彼がまだプレミア1年めということもまた忘れてはいけない。アーセナルのファンとして、彼のプレイの成長のきざしは見逃していないつもりだ。
但し、ワールドカップロシア大会で、双頭の鷲のポーズをしたことは許されるものではない。
ワールドカップ前にも行った奇行により、セルビアの大統領が代表たちに絶対に勝つことを願ったうえでの試合で、
双頭の鷲のポーズ(アルバニア国旗のあれ)こんなことをされたら、ただでさえ不安定なセルビアとコソボ間の関係がややこしくなる。 つまりこの選手は先のことを見る力が非常に乏しい最低なアスリートだ。
その後、FIFAから罰金処分となる。
だが、ここからが問題。 政治的メッセージとして処分するのは不当としこともあろうに、アルバニアの首相が募金を呼びかけ口座を作った。さらにコソボの大臣が送金したと発表した。
コソボ アルバニアの方に特大ブーメランが飛んでいくのであった。