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エドゥとアルテタ、アーセナルFC再構築のプランのなさへの懸念 by ティム・スティルマン

3日前のArseblog、ティム・スティルマンのコラム。Project mayhem。「プロジェクト大混乱」みたいな?

Project mayhem | Arseblog … an Arsenal blog

これをすでに読んでいるひとは、ぼくの最近のブログエントリはこれにインスパイヤされちゃってると思ったひともいるかもしれない。

そう、最近わしはこの記事のことがなんだか頭から離れなかった。

そのうちブログに書こうと思っていたが、あまりタイミングが遅いとフレッシュさが減ってしまうので(最近のアーセナルだけじゃなく、ここ数年に渡ることについても書いているのでこの記事の賞味期限が短いとはまったく思わないが)、いまここに紹介しよう。

全文は訳さない。それはオリジナルの記事を読まれてほしい。



「明確なプランがないまま再構築を進めるアーセナル」ティム・スティルマン

Tim Stillmanは、Arseblogにコラムを定期的に書いているほか、『the Guardian』『the Telegraph』といったメディアにも寄稿しているフリーランスのフットボールライター。このブログでもちょくちょく彼の記事に触れている。南米フットボールや女子フットボールにも詳しい。

以下、大幅に要約しているのでポエムみたいになっている。気にしないでください。※見出しは訳者による。

アーセナルはいまの体制でスクワッドを再構築できるか不透明

アーセナルはタレントの能力を引き出せていない。PLでも10位にいるべき選手たちじゃない。

アルテタの評価はますます難しくなっている。大きく退行しているとまでは思わないが、問題はアルテタがこれからクラブを前進させられるのかどうか。

クリスマス以降では明確な進歩の兆しがある。だがその進歩は、クリスマス以前のチームが基準になってしまっている。

アルテタにはマネジャーとしての経験がないので、彼がこれからどうなるのかは想像するほかない。

アーセナルのマネジャーとしての仕事の核心は、スクワッドの再構築にただちに対処すること。マネジャーとテクニカルダイレクターの仕事は山積している。

AFCのエグゼクティヴたちは若い。CEOのヴィナイ・ヴェンカテシャンが40才。テクニカルダイレクターのエドゥが42。マネジャーのアルテタが39。アカデミーマネジャーのメルテザッカーが36。彼らが未熟というわけではないが、アーセナルのレヴェルのクラブの再構築を担った経験はない。われわれはこれからの彼らを見ていくことになる。

この点に関して、かなり安心できるとは云えそうもない。VVは昨夏にアルテタをヘッドコーチからマネジャーに昇格したことで、経験不足を露呈した。彼は、FAカップのタイトルに浮かれてやってしまったが、それは不必要だった。

オバメヤンの巨額契約のちぐはぐ

アーセナルは夏に大きな決断をせねばならないし、縮小したマーケットでの補強も必要。いくつかの決断はエドゥとアルテタの仕事だが、心配がある。まず、オバメヤンに巨額契約を与えたが、それ以来彼の強みを生かしたチームにしていない。

もしオバメヤンのような選手と契約を更新しないのならそれはそれで大きな決断だった。それは怖い決断だったし、スクワッドビルディングに悪影響を与えたかもしれない。

だが、29才のオバメヤン、ミキタリアン、エジルに巨額を投じた決断はどうなのか。一緒にプレイできないストライカーズに£100Mを投じたこと。一方で、サンチェスやラムジーには投資を拒否した。

オバメヤンのような選手にした決断はとても明解。サラリーのサイズからすれば彼の巨額契約は、すなわち「キミを中心にしてチーム全体をつくる」ほどのものであるはず。その価値のない選手なら、そもそもそんな大金は使わない。31才の最高給の選手に、いろいろなシステムでいろいろなポジションでプレイを求めてはいけない。

ジャカ、レノ、ベレリンのような選手の契約はもっと難しい。夏にアーセナルは今後なにをやっていくか明解なプランがなく、契約更新の状況を迎えようとしている。

オバメヤンとウィリアンで同じ過ちを繰り返すアーセナル

最近のアーセナルは“status anxiety”(※訳注:status anxietyとは周囲と自分との社会的な境遇を比べて不安になること) が見られ、ミステイクを繰り返している。夏にはウィリアンをフリーで取ったことでも、アルテタとエドゥに大きな?マークがついている。

ウィリアンは今シーズン、おもに右フランクでスタートしたが、それはニコラ・ペペと同じポジションだ。ふたりの同時起用できないストライカーズを抱えて、打撃を受けている最中だというのにも関わらず。まったく同じエラーを繰り返している。いまアーセナルでは4人の最高給の選手がふたつのポジションにいる。

ウィリアンは最近は左でプレイしていて、アルテタによれば、彼のヴァーサティリティが彼を取った大きな理由だ。つまり、彼が異なるシステムで異なる役割を求められつづけているということであり、それは、アルテタとエドゥにはこの巨額契約の選手に対して明解なプランがなかったということになる。

ふたりの最高給の選手に対し、アーセナルはどう使うかどちらも明確なプランがない。あるいはそのプランがあったとしてもすぐにダメになった。これは悪い兆候だ。

プランのなさと悪い判断

加えて、アーセナルは10月にムスタフィに新契約をオファーして断られたという。また、GKコーチが彼の電話番号を知っていたからという理由で獲得されたルナー・ルナーソン。ウィリアム・サリバの悪いハンドリング。

今度はエディ・エンケティアだ。ELのグループステイジでトップスコアラーで終えて以降、彼の価値は下がりつづけている。

1月にエンケティアに(ウォルヴズから)オファーがあったとき、彼の契約は残り18ヶ月だった。彼は完全に非売品だというのが、アルテタの意向だと報じられた。彼はそれ以来ファーストチームでプレイしていない。プアな決断。彼は夏に向けて価値を失っていき、結局クラブに何ももたらさない。

より懸念されるのは、エドゥがマネジャーのこうした決断に口を挟まないこと。このことは彼の役割として健全なチャレンジがないことを示唆している。

わたしもすべてのディーテイルを把握しているわけじゃないので知らないこともあるし、ここでは悪い面ばかりをハイライトしている自覚はある。オーデガードのローンや、マルティネリやマリの獲得など、いいワークもある。

しかし、オバメヤン、ウィリアン、ムスタフィ、エンケティア、ルナーソンはこの8ヶ月の取り組みに対する事件簿になっている。これはもちろん警告だ。Covidもあるマーケットで、エドゥとアルテタのTo doリストはレナード・コーエンの曲より長くなっている。

しかし、どの要素への懸念も今夏に残っている。このチームの再構築はアーセナルの中期的な将来を決定する。エドゥとアルテタのふたりは学習能力が高いことを証明しなければならない。

以上。

いかがでしたか?

アーセナルのマネジメントの怪

この記事は、4/7に公開されたもので、衝撃の結果に終わったELスラヴィア・プラーグの前日だった。

が、結局その試合でも「今シーズン最大の試合」で、スクワッドのなかでもっとも高いサラリーをもらっている選手、しかもキャプテンを、もうひとりのストライカーを使うためにベンチに置いておくという決断を強いられた。

このクラブでは何かがおかしい、というのはアーセナルのファンなら誰しもが感じていることだろう。試合結果やパフォーマンスのことだけではなく、チームマネジメントそのものがヘンだ。

まあアーセナルのファンならこれも見慣れた光景で、どこか感覚が麻痺している部分もあるかもしれない。だが、ふつうに考えれば、クラブ史上最高の巨額(日本円にすれば100億円以上だ)を投資したウィンガーがこの最重要の試合だけでなく、毎試合のようにベンチに座っている時点で、十分スキャンダラスなのだ。

£27Mを投資した若いCBは2シーズンつづけてローン。今年前半にはチャンスがあったにも関わらず、彼を試しもせず、これから将来を託そうという彼のかわりに、契約延長を断って退団が決まっているというピークを過ぎたシニアCBを優先した。

ライヴァルクラブが3年契約を頑なに固辞したウィンガーに、気前よく希望どおりの契約を与え、もしワークしなかったら?という不安は的中。

2年以上前からほぼ戦力外扱いだったプレイメイカーには、毎年£18Mのサラリーが発生していた。冬にようやく解放されたと思いがちだが、各種報道によれば、いまはまだ彼のサラリーはAFCが満額負担しているはずである。

この数年の間に、クラブの舵取り役が変わっていることもたしかで、いくらか同情できるところもある。

だが、深刻なのは、今度こそ任せて安心だと思いたかったエドゥやアルテタのような人物が、まだ現在進行系でやらかしているということ。それをいくつかの事例で指摘しているのがこの記事である。

アーセナルは今年1月にリチャード・ガーリックというDoFを指名しているはずだが(※アルテタも彼の存在は認めている)、ぼくの知るかぎりでは、その後に彼の名前が話題にのぼったことはほとんどない。

いま試しに“Richard Garlick Arsenal”でググってみたが、検索結果としてトップに出てくるのはほとんどが彼のDoF指名を伝える今年1月の記事ばかり。

ディレクターオブフットボールといえば、フットボールクラブにとってはクラブ運営の重職ではないか。今年もまたこのチームの目標達成が絶望的にもなっているような状況で、DoFのこの存在感のなさは非常に奇妙に思える。AFCのオフィシャルサイトにも彼の名前は載っていないようなので、もしかしたら彼のDoF就任は結局実現しなかったのかもしれないが、それならそれでニュースになるはずだろう。

つまり、仮に彼がDoFに就任していたとしても、現状のクラブ運営のストラクチャのなかではその程度のプレゼンスしかないということだ。VVとエドゥとアルテタ(とメルテザッカー)の体制と何も変わっていない。そんなふうに見える。

いまのような時期こそアーセナルにおいては、DoF格のエグゼクティヴが必要なのではないか。経験豊富で優秀な誰か。

いずれせによ、このままズルズルと悪いマネジメントを自覚もせずに継続するようなことはあってはならない。

今後どこかでリセットできるのか。見守るよりない。

 

おわり



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

4 Comments on “エドゥとアルテタ、アーセナルFC再構築のプランのなさへの懸念 by ティム・スティルマン

  1. やらかさない人間なんていない
    未来のことは誰も分からない
    オーバメヤンの契約延長は頼みの綱だったから妥当
    ウィリアンの獲得も前年までの活躍を考えたら妥当
    エンケティアをこの冬に市場価格かそれより少し低い価格で買ってくれるクラブなんて存在しない
    批難したいための批難って感じる

    若い人材に託して時間を与えずに即解雇することが
    最も一貫性がなくてプランが欠如してることだと思う

  2. いろんな意見があっていいと思ってます。
    あたしはこの懸念についてはドンピシャで同意とゆう意見です。
    ずっとアーセナル見てきたので当たり前だと思ってしたが、やっぱちょっと異常な感じなんですね。
    キャプテンと高額契約を結んだ時点でそうゆう覚悟を決めなきゃならなかったのか、クラブとして。
    ウィリアンまでとったのならなおさらですよね。
    ラカゼットはハートも熱いし大好きな選手ですが、売っておくべきだったのかも。エディもガビもいたし。
    現実を突き付けられたような、なんとも言えない気持ちになりましたけど、もうアーセナルなしでは生きていけないので、応援するしかないです。

  3. レギュラー以外への出費が異常に多いのは間違いないですよね。
    お金が無いと言いつつこれではねえ…

  4. オーバもラカもCFWなのでラカは今シーズン初め売るべきでしたね
    あと右SBシーズン初め3人もいたのに誰も売却しなかった。これも悪手
    アルテタとフロントはスカッドの整理下手すぎです、ビジョンが無いんでしょうな

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