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24-25プリシーズンフレンドリーOL。セットピースFCアゲイン。カラフィオーリがAFCデビュー

こんにちは。

プリシーズン最後の親善試合となったエミレーツカップのアーセナル vs オリンピック・リヨネ。ご覧になりましたか。

試合は、アーセナルが前半のサリバ、ビッグガビのふたりのコーナーキックからのゴールで2-0勝利。新シーズンもまた、われらのセットピースは期待できそうである。

対するリヨンは、パリオリンピックで最近までプレイしていたラカゼットは残念ながら不参加だったものの、ヘイルエンダーのAMNがエミレーツに凱旋。RWで90分プレイし、元気そうな姿を見せていた。

この試合は、フルタイムの結果に関わらずペナルティ戦が予定されていたのが、今回もまた先方都合でキャンセルに(試合中に急にやりたくなくなったらしい笑)。せっかくAMNのペンが観られると思ったのに残念だった。

そしてアーセナルは、ついに先日加入したリカルド・カラフィオーリがアーセナルデビュー。スタンドは大変に盛り上がった。

試合をざっくりと振り返ろう。



アルテタの試合後コメント「どこでもプレイできる選手の時間は増える」

試合直後のインタビューとプレス会見の要約。AFC公式サイトより。

  • 暑さでチャレンジングなコンディションのなか、最初の30-35分はとくにとてもよかった
  • 2-0にしてからややオープンにしてしまったが、とても満足。チームでも個人でも調子はよさそう
  • (セットピースからのゴールに満足)あれは練習していた。オープンプレイからもゴールしているべきだったが
  • (カラフィオーリのデビュー)大きなステップアップ。とてもやる気も見せた。元気いっぱいで情熱的。非常に賢い選手
  • (プリシーズン全体)チームには4-5の異なるグループがあるため、日程的にもとてもチャレンジングだった。だがクラブやスタッフのおかげでうまくいった。とてもポジティヴなプリシーズンだった
  • (PLスタートまで一週間をきった)ここからはシーズンを力強くスタートするためにハードワークしていく。ここからだ
  • (カラフィオーリにファンの歓迎)素晴らしい。彼もすぐに愛情と尊敬を感じ、応援されていると感じた。クラブに来る選手にとり素晴らしいプラットフォームがある
  • (セットピースの進化)すべての面で進化している。今日はセットピースから2ゴールで自信になるし、相手には脅威になる
  • (ティンバーの不在?)大丈夫。彼はいま個人ワークに取り組んでいて、来週には戻れると思う
  • (トミヤス?)残念ながら数週間かかる(a few weeks)。彼は我慢しなきゃいけない
  • (ライスとパーティの間にあるダイナミック)チームのトッププレイヤーたちには、ベストでいっしょにプレイしてもらうことを期待している。今日の彼らはお互いをよく補完していた。とくに前半は、マーティンとのMFはとくによかったし、よりオプションと脅威があるのがいい
  • (アプフロントのデプス)決断をするポジションがあるのかどうか、どうなるか観てみよう。現時点ではない
  • (ハヴァーツのヴァーサティリティ)彼はオープンでいる必要がある。彼のクオリティとヴァーサティリティ、MFとしてチームにもたらす数字があり、彼もMFでのプレイを理解している。わたしが彼と話したときは、彼はどちらのポジションにもとてもオープンだった。試合の状況、結果、チームのニーズに合わせて、彼はどちらのポジションからでも脅威になれる
  • (彼をMFからストライカーに変更することで違いがうまれる?)彼は楽しんでいると思う。彼がヴァーサタイルであればあるほどプレイ時間は増える
  • (トロサールとマルティネリの時間配分?)ほかの選手と同じ。プレイするにふさわしくなれるようやれることは何でもやる必要がある。そして、われわれは正しい判断に努める
  • (カラフィオーリがチームにもたらすもの)彼は大いにヴァーサティリティをもたらしてくれる。なぜなら、彼は2-3のポジションでプレイできるから。とくに攻撃では、彼はディフェンダーだからいろいろなスペイスを占領できる。彼の存在感、フィジカリティ、デュエル、信じられないものだ。彼はチームを進歩させられる選手だと思う
  • (スタートからプレッシングでトーンをセットする)今日のスタートも観てもらえたらわかるように、そのとおり。それを95分継続することであり、そこが目標。今日のパフォーマンスもまたポジティヴだった

エディ・エンケティアの去就?

AFCのサイトでは割愛されていたが、マルセイユ行きが噂され、今回はベンチで出番がなかったエディ・エンケティアについてのやりとりもあったようだ。エンケティアの去就について訊かれたアルテタは以下のように答えたという。

アルテタ:ここにいるすべての選手は、チームに残る大きなチャンスがある。だから、彼らはここにいるのだ。

各種報道によれば、OMのオファーを一度お断りしたアーセナルながら、あらためてOMに交渉の余地があると伝えたとかなんとか。

8月9日のオーンステイン。€30mの買取義務付き一年ローンでどうですか。このあとのフランス方面からの報道によると、OMは相変わらずエディに€30mは払う気はないということで、今後どのような着地点があるのか。本人はすでに移籍で合意しているというのだから、なんとか解決策を見つけられれば、移籍は成立しそうである。

今回のプリシーズンでもずっとプレイしてきた彼が、今回ベンチだったことは交渉の進捗と関係があるのかないのか。続報を待とう。

ティンバーとトミヤスのケガ状況

ジュリティンは、来週からトレイニングに復帰できるとあるので、シリアスなケガではなさげ。もしかしたら今週末のPLウォルヴズもベンチ入りくらいは期待していいのかもしれない。

いっぽうのトミーは、ここから“it takes a few weeks”ということで、あんまり軽症でもなかったようだ。当然シーズンスタートにも間に合わず。これにはがっかり。アーセナルファン界隈では、「日本代表の試合にはきっと間に合うから大丈夫」などと嫌味を云われる始末である(笑い)。

彼には、また厳しいシーズンスタートになってしまった。

ヴァーサタイル&オープンマインド

ところで、ハヴァーツのヴァーサティリティに関するくだりでは、ちょうど今回OLの一員としてエミレーツに来たAMNのことを考えてしまった。

いま、アルテタのチームを構成する重要な要素のひとつが、複数ポジションへの適応(ヴァーサティリティ)であり、どのポジションも受け入れるオープンかつ謙虚な姿勢があること。AMNは、フルバックとして若くしてアーセナルのファーストチームに台頭してきた選手だが、彼は当時MFでプレイしたいあまりに、自分のポジションに対する不満をメディアで公言したりしていた。いまのチームでは考えられないことである。そのような選手がアルテタのチームにいることは、ちょっと想像できない。時代はほんとうに変わった。

いまのチームならハヴァーツやサカなど、守備ポジションで起用されても文句のひとつも云わないアタッカーすらいる(※サカはこの夏のEuroでウィングバックやフルバック起用については多少ネガ寄り発言をしていたかも?)。

今回のプリシーズンでLBとして何度もチャンスを得ている17才のMLSも、自分のチームではCMがメインで、当時のAMNの境遇と似ていなくもない。もちろんそのときとは、FBの役割もだいぶ変わっているだろうが。

ぜひMLSには、ボスの云うことを信じて受け入れる謙虚さをもって、これからもプレイしてもらいたいものである。それが成功への近道。

ウィリアム・サリバの試合後コメント「セットピースで多くの試合に勝てる」

G1。ファンが選ぶMOTM。AFC公式サイトより。

サリバ:セットピースで試合に勝たなきゃいけないようなときもある。今日はそれがうまくやれた。

昨シーズンもあって、ぼくらは今後もセットピースはかなりうまくやらなければならないし、今日はスタートからすごくよかった。こんなふうにつづけていく必要がある。セットピースで多くの試合に勝てる。

チームがうまくプレイしていたのがよかった。今日はかなり暑かったから簡単ではなかったし、相手も悪くなかった。ぼくらは自分たちの仕事をした。もちろん、もっとゴールは取れたはずだけど。来週のウォルヴズにいい準備になった。

(カラフィオーリ?)そうだね、ぼくもうれしいよ。まだ始まったばかりだけど、彼は若くとてもいい選手だ。彼が来てくれてすごくうれしいし、チームでいいシーズンを過ごせたらと思う。

(彼がボールを失ったときにすぐに奪い返しに向かったこと)コーチはあれが大好きだから。彼はぼくらがボールを持っていないときは、あれをやるように奨励している。すぐにボールを奪い返す。そして、つぎのレヴェルは奪ったボールをすぐにゴールすること。

(PLが楽しみ)もちろん。新シーズンが始まるのをとても楽しみにしている。とてもいいシーズンになると願う。

このひとは、若いのにシニアグループに入っても基本的に態度がでかいというか、全然物怖じしないタイプだけども、ついにカラフィオーリという自分よりさらに年齢が若いDFが入ってきて本当の先輩になってしまった。サリバの先輩キャリアもここから始まる。

スターティング11

SofaScoreより。

4-3-3

マルティネリ、ハヴァーツ、サカ

ライス、パーティ、オーデガード

ジンチェンコ、ガブリエル、サリバ、ホワイト

ラヤ

サブは、カラフィオーリ(64 ジンチェンコ)、ジェズース(64 ライス)、ジョルジーニョ(77 パーティ)、ネルソン(77 サカ)、ワニエリ(77 ハヴァーツ)、キヴィオール(78 サリバ)、MLS(78 ガブリエル)、トロサール(78 マルティネリ)

 

ティンバーとトミヤスのほか、今回ベンチに入らなかったヴィエラは、アーセナルからの説明によると腰(hip)にちょっとした問題があったようだ。

今回のスターティング11は、PLの本番にかなり近い11人を選んだように思える。これがPL初戦ウォルヴズのラインナップと云われても驚かない。ウォルヴズは今週土曜で、もう一週間をきっていることから実際それを想定したのかもしれない。インテンスなハイプレッシングなどパフォーマンスもスタートから本気度が高く、本番を見据えたテストに観えた。

そして、後半はカラフィオーリ登場。前回のレヴァークーゼンでのサカ同様、タッチラインでウォームアップを始めるだけでスタンドがどよめくみたいな状況で、ファンが待ちに待ったという雰囲気がひしひしと。

今年のプリシーズンも、ユース選手たちの存在感はかなりあったのだが、さすがに本番が近づいているこの試合ではピッチに入ったユースはふたりだけ。ワニエリとMLS。やはりこのふたりは現在のアカデミーのなかでも別格なようで、この試合を含めてプリシーズン5試合すべてでプレイ。彼らはローンに出さずにファーストチームの近くに置いておくのかもしれない。

ちなみに、アヤックスから来た新GKのトミー・セットフォードは、一連のフレンドリーでプレイ機会こそなかったものの、新シーズンはファーストチームのサードGKに入る可能性があるようだ。

試合の雑感

まず、新シーズンのスタートが間近に迫っているということで、この試合はチームの準備具合を気にして観てみた。

けっこう仕上がっているんじゃないだろうか。

とくに、ハイプレスはかなり積極的で試合後のアルテタも述べていたように、チームは序盤からかなりよかっただろう。リヨンのバックの選手たちは、元々のクオリティなのかフィットネスなのかコンディションなのか、アーセナルのハイプレスにまったく対処できていなかった。

あのチームのなかではサカとライスが合流が遅れた分、前回のレヴァークーゼンではフィットネス調整も遅れている感はありありと観られたが、この試合のライスはかなり調子が良さそうで、サカも100%には観えなかったものの、前回よりは確実にフィットしてきた感じはあった。PL初戦までには、もっとフィットしているだろうと期待できる。

8-9月のヴィラ、ToT、シティのアウェイなど、今年のアーセナルはシーズン序盤のPLがかなりタフなので、異例のプリプリシーズンのように、それに備えておく必要があるはずで、そういった意味でもこのタイミングである程度のフィットネスが観られたことはよかった。オーデガードなんかほんとにもうシーズン中みたいである。それでもこのような試合で彼を90分プレイさせるのはさすがにどうかと思ったけれど。。

スターティングについては、このプリシーズンでもファンからやや批判的な目線で観られがちだったジンチェンコやパーティについて、不安もないわけではなかったが、今回の彼らは良さをかなり発揮していたんじゃないか。ジンチェンコの攻撃的なセンスはやはり非凡なものがあるし、パーティもライスの6にはないパスの展開力を見せつけた。トマっさんはパスの軌道が美しいよ。

今回の試合後のファン反応なんかを観るに、パーティについては、前回の批判一色の反動のように彼を称賛する声が多かったように感じた。まあ、いつも脊髄反射的に選手をけなしてはいけないということやね。おれも反省しよう。

とはいえ、もちろん彼らにまったく不安がないわけでもなく。ジンチェンコもパーティも、なんならジョルジーニョも、攻撃と守備のトレイドオフが発生しがちな選手たちであり。こうした親善試合では問われずとも、強敵、あるいはビッグゲイムで、そこが露呈するリスクはつねにある。CMエリアで攻守でより完成度の高い選手への置き換えは、いまもアーセナルの課題として残りつづけている。

その意味では、この試合のライスのL8もやはり良くて、チームが攻撃的にプレイするにはできれば彼をあのポジションでキープしたい。となると、後ろを任せられる6が非常に重要なわけで、Mikel Merinoがその解決策にならないのなら、いずれにせよどうにかする必要がある。もし、アルテタが6はパーティとジョルジーニョ(とライス)でシーズンを乗り切ろうとしているのなら、ちょっと危険に思える。

 

コーナーキックからG2。もしかして今回のプリシーズンフレンドリーでは、セットピースからのゴールは初めて?

サリバとガブリエルがヘッダーで。ともにライスのコーナーキックから同じようなかたちで。わかっていてもやられるやつ。彼のコーナーは正確でいいね。高い軌道でカーブして落ちてくる相手DFがもっとも嫌なタイプでは。

アーセナルの新シーズンの課題(昨シーズンの反省)としてオープンプレイからのゴールがあり、そちらはそちらで改善しなければならないが、同時にセットピース脅威は昨年にひきつづき今年も続ける必要がある。なにしろ試合展開や流れとはほとんど関係ないところからゴールできるのがありがたすぎる。どんなヘボい試合をやっても、コーナーでズドンすれば勝ちである。

プリシーズンではとくに変わったやりかたには観えなかったが、新シーズンでどんなルーティーンが観られるのか。ニコ・ヨヴァーの発明に期待。

最後に、短い時間ながらついにAFCデビューしたカラフィオーリ。よかったんじゃない。

彼は、すごいやる気まんまんな感じがとても好感だった。ボールを持てばペネトレイションを狙うし、ボールを失えばすぐに相手に食らいつき奪い返そうとする。絶対いいところを見せてやるという勝ち気な姿勢。そういうところは、トミヤスやキヴィオールにはない部分だろう。

それと、彼は身体がでかく観えて(188cmだから実際でかい)、対人で当たりも強いし、オーラがある。アルテタさえ「存在感」を口にしていたほど。

今後の活躍が楽しみすぎる。

 

この試合については以上。

 

そういえば、昨日エドゥが移籍ウィンドウについてたいへんに興味深い発言をしていたとか。

「ガマンしてください。最後にはがっかりさせませんので」とエドゥ。

エドゥがBBQ的なクッキングをほのめかしているということ。信じていいのかな?

アーセナルのこの夏の移籍ウィンドウで今後ありそうな大きな案件というと、やはり9かウィング。昨日は、バイエルンのKingsley Comanをローンで取るみたいなニュースも出ていた。

OsimhenとかWilliamsとかビッグプレイヤーがもし来たら…… ビッグサマー間違いなし。

夏ウィンドウはまだ時間ある。楽しみに待っていよう!

 

PLが始まる週末までに、毎年恒例で書いてるメディアのシーズン予想まとめを書きたい。今年は、アーセナルを本命に予想するひとはかつてないほど多いんじゃないかと思う。それもまた楽しみである。

 

ではまた。COYG!



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お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

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