ミケル・メリーノ、アーセナル移籍の舞台裏「アルテタはハヴァーツがふたりほしかった」
最後は、メリーノのアーセナル移籍の経緯について。The Athletic(ジェイムズ・マクニコラス)の記事より。ポインツを箇条書きにて。
- 移籍金£31.6mは残り契約1年の28才には払いすぎで、アーセナルらしくない補強
- しかしこれは短期的にマンシティからこのあと数年のタイトルを奪うための契約
- トロサール同様、若いスクワッドの基礎に経験のひと味を加えるもの
- そしてメリーノにはPLの経験があり、オーデガードともプレイしていて、アルテタのポジショナルな戦術システムへの理解もある
- 2023冬、メリーノはクラブにPL復帰の夢を伝えたが、ソシエダはつい最近まで彼の慰留に努めていた
- それが難しくなったのは、彼にアーセナルからの興味が伝わったから
- アーセナルが最初に非公式に接触したのは、7月初旬のソシエダ日本ツアーのとき。メリーノがアーセナルに来たがっていることも把握していた
- ソシエダは彼にはアトレチコからの興味があるのを知っていたが、選手の望みはアーセナルだけだった。アルテタはメリーノにノースロンドンでの将来について語った
- しかし実際のオファーは8月。なぜこれほど遅れたか?
- アルテタがメリーノを説得していたとき、アーセナルの上層部では28才の加入が正しい取り引きなのかどうか検討していた。すでにチームにはパーティ(31)やジョルジーニョ(32)がいる
- だがアーセナルには6でも8でも、ほかに獲得できそうな特定のMFターゲットがいなかった。たとえばクラブが長期に興味を持っているZubimendiは、€60mのリリースクローズがあるものの先払いが条件だった
- それとアーセナルは交渉を進めるより先に選手が放出されるのを待った。この夏はスクワッドを拡張するのではなく、よりよいものにすることに集中した。カラフィオーリはESR売却のあと、メリーノはエンケティアの話が固まるのを待った
- 最初のオファー€30m+5mはソシエダに断られた。その後交渉はつづけられ、ひとつの問題は€1mほどの連帯保証金に関するものだった。最後には€33.5m+5mで決着した
- アーセナルは、メリーノが、ハヴァーツがなるはずだったMFになることを期待している
- ハヴァーツを獲得した当初、アーセナルは彼をMFとして起用するつもりだった
- しかしシーズンが過ぎるにつれ、ハヴァーツはますますCFのほうがいいことがわかってきた
- ハヴァーツが前へ行くと、ライスも前へ行った。ライスはもともとNo.6として契約したが、チームの進化に伴い、左8になっていった。6はジョルジーニョやパーティに託される
- それはうまくいっていたが、それでもアーセナルはMFにハヴァーツのようなプロファイルを求めていた。フィジカルプレゼンス、デュエルでの支配、スタミナ、賢いラン。アルテタはハヴァーツがふたりほしかった
- それがメリーノに白羽の矢が立った理由。ハヴァーツとメリーノの長所の類似は顕著。彼の獲得でアルテタは「プランA」に戻ることができる。アーセナルは12ヶ月たってもまだ言及される「ジャカロール」をメリーノで埋められる
- ただしそれは厳格に運用されるわけではない。近年のアーセナルは流動的で、今シーズンもライスは8でもプレイするだろうし、メリーノは必要あれば6でもプレイする。しかし、MFの3人は、このライス、メリーノ、オーデガードで決まりだろう
- この契約でもアーセナルのMFの課題は残ったまま。いずれ若い選手を入れる必要があることはわかっている
- だがトロサールが示したように28才は遅すぎる年齢ではない。イアン・ライトもアーセナルに来たのは28才。彼は、ジャカよりも4才若い
- メリーノとの契約は、ワニエリやルイス・スケリーがファーストチームに来るまでの時間稼ぎにもなる
以上
ハヴァーツがふたりほしかったのかあ。なるほどなあ。
そして、メリーノが入るフォーメイションは、やっぱりライスの6の前にオーデガードとメリーノのふたりの8がいるというかたちになると思われている。
ライスの6については、ファンのあいだで、とくに攻撃面での課題(配球)が指摘されがちであるが、彼が昨シーズンに8としてどんどん進化していったように、6としてもあらためて新境地を開拓できればいいと思う。まだ若いしな。
メリーノがアーセナルのあのチームのなかで、その中心でどんなケミストリを起こすのか。いまから楽しみでならない。
おわり
となると、昨シーズン終盤や今シーズンここまでのトーマスのアンカーは減っていくんですかね?ジョルジの出番はもっと減る?
アルテタにはありとあらゆる組み合わせを試してほしいものです。