hotいま読まれているエントリ

Arsenal, Behind The Scene

エドゥ後任の噂

こんにちは。

今月はじめのエドゥ突然辞任からしばらくたって、ここまでに後任スポーティングダイレクターの噂もそれなりに出てきているので、今回はそれについてまとめておこう。

いま、アルテタを含めたAFCのえらい人たちグループが、KSEとの会議のためにUSに出張している真っ最中ということで、エドゥ後任も重要な議題になっているっぽい。

※ちょうどこのエントリを書き始めたのと同じタイミングで、The Athleticがこのテーマで記事をアップしていることに気づいた。せっかくなので参考にさせてもらう



エドゥ後任のうわさまとめ

わたしの観測範囲から。

トマス・ロシツキーとペア・メルテザッカー

先週の『Foot Mercato』によれば、アーセナルでエドゥの後任候補にふたりの元AFC選手の名前が上がっているという。

これは以前にこのブログでもすこし触れた。

が、いま出ているうわさのなかでは、信憑性はもっとも低そう。なぜなら、ふたりとも経験がない(浅い)から。

クラブのスポーツ面を率いるSDとして、クラブの価値を知っていることは重要な資質ながら、当然それだけでは仕事は進まない。

Jason Ayto(現AFC暫定リクルート部長:内部的解決策として)

The Athleticの記事(ジェイムズ・マクニコラス)によると、AFCが外部の人材に頼らずクラブの内部から後任を選ぶとすれば、それはJason Aytoになるだろうという。

Aytoは、もともとAFCにヴィデオアナリストとしてやってきて、その後エドゥの右腕として活動してきたスタッフで、去年のリクルートチーム再編ではアシスタントSDに任命されている。

Aytoは、すでにここ数年の移籍ウィンドウでは選手との交渉で非常に大きな役割を果たしてきており、ポルトガル語を流暢に操れ、ヨーロピアンフットボールの世界でも広く知られている。つまり、クラブのなかではエドゥの後任にもっともふさわしいと考えられる人材。

KSEやアーセナルがクラブとして、エグゼクティヴのタイプかあるいはTDのタイプか、どのようなタイプのSDを望んでいるかも彼の指名に関わるということで、そこが今週のUSでの会議で話し合われている模様である。

ところで、ジョッシュ・クロンキがエドゥの辞任に際して「変化と進化はクラブの一部」と述べたのは、今後も自分たちは変化を恐れないという決意にも聞こえる。

彼をそのままエドゥの後任として昇格させることは、クラブマネジメントの安定という意味ではたしかに有効かもしれないが、アーセナルがよりアグレッシヴなクラブ運営を目指すなら、外部の優秀な人材の獲得にあえてチャレンジするほうが、理にかなっているという気はする。冬ウィンドウは迫っているものの、そこまで切羽詰まっているということもなさそうだし。

Tim Steidten(WHU/テクニカルダイレクター)

こちらも同じく、以前に触れた。ウェストハムのテクニカルダイレクター。元レヴァークーゼン。現在45才と、エドゥ(46)とほぼ同じくらい。※アルテタが42才

しかし若くても、テクニカルダイレクター(選手リクルート)として、選手の才能や将来性を見る目は実績からして申し分なさげ。

アーセナルが探しているのは、エドゥの後任であるスポーティングダイレクターだが、エドゥ自身もアーセナルでテクニカルダイレクターとしてスタートしているため(2022にTDからSDに昇格)、その点は問題はないのかもしれない。

Roberto Olabe(レアル・ソシエダ/DoF)

おとつい、デイヴィッド・オーンステインがブレイキング。レアル・ソシエダのディレクターオブフットボール、Roberto Olabe(57)が今シーズンかぎりで辞任というニュース。

ソシエダもクラブ運営やタレント輩出に関しては定評あるクラブだけに、ヨーロッパのトップクラブが軒並みこのニュースに注目しているという。当然、エドゥを失ったアーセナルもそのひとつ。

アーセナルとレアル・ソシエダといえば、近年もキーラン・ティアニーのローンや、ミケル・メリーノの移籍で取引関係にあり、かつてはナチョ・モンレアルのやりとりもあったりした(代理人になった彼が果たす役割があるかも?)。

それと、重要なことはソシエダはアルテタがかつて選手としてプレイした古巣クラブでもあり、実際彼を2004年に獲得したのはこのOlabeだという。彼とアルテタとは20年来の付き合いがある。

The Athleticが彼のキャリアの詳細と今後についてリポートしている。

Why Roberto Olabe’s Real Sociedad exit will put Europe’s top clubs on high alert

Olabeは、GKだった選手時代からソシエダでプレイし、そのままコーチに。その後はカタールやエクアドルと何度か外国へ行くこともありながら、結局ソシエダに戻るという一筋の人生。ちなみに彼がエクアドルで構築に尽力したというユースシステムからは、現チェルシーのMoises CaicedoやレヴァークーゼンのPiero Hincapieといったスターが生まれているという。

また彼は、アルテタだけでなくウナイ・エメリやXabi Alonso、Javi Graciaといった現在ヨーロッパのクラブで活躍しているマネジャーら、あるいはJuanma LilloやTxiki Begiristainとも旧知ということで、非常に顔が広い。2023夏にMonchiを招聘したヴィラ(エメリ)も、当初はSDにOlabeを検討していた。

彼のソシエダでの大きな功績は選手育成で、Alexander Isak、オーデガード、メリーノといった選手を育て、それにユースからMikel Oyarzabal、Martin Zubimendi、Robin Le Normandがファーストチームへ。PLで活躍したDavid Silvaやナチョ・モンレアルも彼の下でリーダーシップを発揮した。

最近またアーセナルが夏にZubimendiに向かうという報道もあるので、そのあたりは気になる。もちろんIsakも重要なターゲットと云われ、もしOlabeがその交渉に関わるなら、それなりの効果は見込めそう。

このアーセナルからの関心について、本人がインタビューに応えている。バスクの新聞『noticias de Gipuzkoa』より。

Roberto Olabe:(辞任表明は)今後のことを考えて決めたことじゃない。

わたしも今シーズン、いまのこのプロジェクトのために働いていくことが重要だと理解している。いまこの瞬間はわたしはワクワクしているし、今シーズンを終えることにコミットしている。6月に何かを勝ち取れ、何かよいことが起きるように。

そのあと、わたしも海外などほかの話を聞く必要がある。ほかのプロジェクトについて知り、何が起きるかを観ていく。

これから何が起きるかはわからない。わたしにはまだ何もない。予定も何もない。議論をするような日程は。いま何か影響を受けるような外部のことは何もない。

彼は、家族とゆっくりしたいとも云っているので、それが転職に影響を与えるほどかはわからないものの、この話しぶりだと、来年夏にアーセナルあるいはほかのクラブに行くことは考えられそうではある。Txiki Begiristainも今年かぎりらしいから、シティなんてのもあるのかな。3部リーグでよければ。

ところで、彼のキャリアについて詳細を取材しているThe Athleticの記事では、記事のおわりあたりに興味深いことが書かれている。引用しよう。

強いパーソナリティも彼の将来の選択に影響を与えそうだ。サン・セバスチャンで彼をよく知る人物はこう話す。「Robertoはまったく予想できないひとだ」。

ほかにも彼の近くにいた人たちは、彼が批判に対してセンシティヴであり、メディアからの注目をあまり好まないと述べている。彼にとってもっともやりやすいのは、彼がやろうと考えていることに対して時間と空間を与えること。

だが、フットボールのトップレベルになるほど、それが与えられるとは限らないものだ。

アーセナルが悪かったときのエドゥのメディア対応を思い返すに、彼は批判に対してはかなり耐性を見せたほうだろう。責任ある立場として矢面に立つ気概を示した。

批判にセンシティヴな性格で、とくにアーセナルのような超注目されるビッグクラブで、この仕事が務まるのかどうかは、彼に白羽の矢を立てるかどうかの重要な判断ポイントかもしれない。

Thiago Scuro(モナコ/CEO)

こちらは、カルチョ情報のTier1、ディ・マルツィオのスクープ。ASモナコのCEO、Thiago Scuro(43)がエドゥの後任に検討されている。エドゥと同じくブラジル人。

Scuroは、2023夏にRBグループのRB Bragantinoからモナコに転職。ニューカッスルに転職したPaul Mitchellとは入れ替わり。当初はSDとしてクラブに加わったという。マネジャーとして20年の経験あり。

モナコでは高齢化していたスクワッドの再編に尽力。Denis Zakaria、Folarin Balogun、Thilo Kehrerといった若い選手を迎え、チームを若返らせ、また Axel Disasiのような選手をチェルシーに€45mという大金で売却、それでもリーグのポジションを維持しているという(※モナコはリーグ・アンで現在2位)。CLでも現在3位タイと好調。12月なかばにはアーセナルとも対戦する予定。

ディ・マルツィオのリポートによると、Scuroはタフネゴシエイターとして知られる一面もあるそうだ。チェルシーやミランが彼との交渉に手を焼いた。

リポートにあるこの部分も興味深い。

レッドブルの哲学を受け継いだ、若者に対する熱狂的な取り組み。スクーロは、同グループのブラジルのクラブであるブラガンティーノのディレクターを務めただけでなく、南米のスカウト活動の総合コーディネーターでもありました。

そして、これに加えて、エクストラフィールドの管理にも注目が集まっている。アーセナルがエドゥの後継者として彼も考えているのは偶然ではない。

Simon Rolfes(バイヤー・レヴァークーゼン/マネイジングディレクター)

これは、昨日のSami Mokbel(Mail Sports)。エドゥの件をスクープしたひと。記事はペイウォールで読めないが、今回もreddit有志がサマリーを共有していてtskr。

ウェストハムのKudusやチェルシー戦のライス(痛み止めを飲みプレイした)など、いくつかのニュースのなかにあるこれ。

バイヤー・レヴァークーゼンのmanaging director of sportであるSimon Rolfesが、エドゥ後任探しを始めた彼らのあいだで名前があがっている。

ソシエダのDoF、Roberto Olabeもその候補に入っているとみられる。Tim SteidtenとThiago Scuroの名前の言及もある。

Simon Rolfes(42)は選手時代ドイツ代表でもプレイしているようなので(26caps)、知っているひともいるかもしれない。わしは名前も初めて聞いた。

コーチキャリアはレヴァークーゼン一筋で、2018年以降アカデミーマネジャー、スポーティングダイレクター、2022年からマネジングディレクターオブスポート。

前述のTim Steidtenもそうだが、レヴァークーゼンがあれだけ成功すると、マネジャーレベルでも高い評価が得られるということなんでしょうな。

 

現時点では、このようなうわさがある。ニュースの熱量的には、ソシエダのRoberto Olabeがもっともアツい感じ。ほかにも言及されている名前があるのかもしれないが、ぼくは知らない。

今後どうなるか。ひきつづきエドゥの後任人事のうわさは追ってゆこう。

しかし、いろいろ記事をみていたら、クラブのディレクターがシーズン中に転職するケイスというのは、かなりまれだそうで。そうなれば、ここに名前があがっている人材をシーズン中にぶっこ抜くのもかなり難しいはず。エドゥはなんでそういうことができたのだろうか。

 

おわり



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *