hotいま読まれているエントリ

Arsenal, Arteta, EPL, Match

【マッチレビュー】24/25 EPL アーセナル vs エヴァトン(14/Dec/2024)痛恨のドロウ。トップに近づくチャンス活かせず

試合の論点

アーセナル vs エヴァトンのトーキングポインツ。

ぼくたちはゴールができない(リプライズ)

まず最初に認識しておかねばならないことは、この試合、アーセナルが勝っていた可能性だってかなりあったということ。

もちろん、不満な点や足りない部分はいくらでも挙げられるが、同時にそれで勝っていてもまったくおかしくない内容ではあった。それがフェアな見方だろうと思う。

アルテタが選んだスターティングは意欲的で十分支持できるし、MLSのPL初スタートもよくぞ決断してくれたと思う。多くの批判があるサブに関しても、ぼくは受け入れられる。あそこでワニエリに期待したくなる気持ちもわかるし。まあ、彼はオーデガードといっしょにプレイさせたかったけど。

もし、みんな期待したであろう、最後にネルソンのウィナー@ボーンマスみたいなことが起きていれば、試合後の雰囲気は180度変わり、誰もネガティヴに振り返ることなどしなかった。むしろ、チームのレジリエンスが称賛されていたに違いない。

だから、試合後のチームに批判的な意見すべてが正当というわけではないとは思う。そのうえで。

この試合の最大の論点は、やはりフィニッシュ。ゴールが決まらなければ、どんなに優勢で、クオリティ高いプレイをしようが、試合には勝てない。それが、オープンプレイだろうがセットピースだろうが、とにかくゴールが必要だ。それができていない。

とくにアーセナルが苦しむ傾向は、わりとはっきりしていると思う。相手がボールを持って攻撃する意図のあるチームの場合は、ゴールにはさほど苦しまない。先日のCLモナコがそのいい例で、オープンプレイから3ゴールを決めた。これは彼らがけして弱かったからではなく、アーセナルが攻撃で使えるスペイスを与えたからだろう。

だが、問題は自分たちの意図より相手の長所を消すほうを優先するタイプ。フラムもエヴァトンも典型的なこのタイプだった。アーセナルにいくらボールを持たれようが、ゴール前で仕事さえさせなければいいと割り切っている。それも極端なほどに。アーセナルが最近結果が出ないのはフォームの問題じゃなく、相手(のスタイル)が大きかったということだろう。

彼らは、守り方も心得ていた。

フラムとエヴァトンのPL2試合で強く感じたことは、サカを封じようとしてきたこと。われわれはそれをやられると途端に攻撃の脅威が低下してしまうことが、この2試合で証明されている。アーセナルの毎度の右偏重の攻撃は明らかなのだから、そこを放置するほうがどうかしているので、彼らのやることは非常に理にかなっているとも云える。それに、これまで多くのチームがサカに仕事をさせないようとしてもそれに失敗してきたということは、その点でも彼らはとてもうまくやったのだ。

いまのアーセナルのチームで、ファイナルサードで脅威になれる個人は実質的にサカしかおらず、彼個人や右サイドを制限されるとアーセナルの攻撃力はぐっと下がる。そして、そのことを相手チームもどんどん学習するようになっている。フラムとエヴァトンのアーセナル対策は直近の成功例。

とはいえ、そういったことはアーセナルにとって新しい問題というわけではない。これまで何年も何年もそうしてプレイしてきた。それに、ファイナルサードのスペイスを消されるなど、支配的にプレイする強者の宿命でもある。アルテタが最近よく云っていたセットピースも含めて「どのアングルからもゴールできる」ことは、だから重要なのだ。ひとりがゴールを独占せず、多くの選手でゴールをシェアすることも。それができないとき、こういう結果になる。

しかし、この2週連続のPLでの失敗は、いろいろ考えさせられる。同じようにやられた。固い守備ブロックをこじ開けるのは、アーセナルにとってはつねにある課題だが、どうして2試合連続で似たようなことが起きたのか。やっぱりサカと右サイドへの攻撃依存度が大きすぎるんじゃないかとか。いまのアーセナルの攻撃はあまりにも予測可能になっているんじゃないかとか。

ファンのあいだで攻撃の補強を求める声が日増しに高まっているのも当然だろう。ここ数年、アーセナルの補強はだいぶ守備に偏っていて、実際攻撃の選手の補強はだいぶおろそかになっている。ラカゼット/オバメヤン以降でアーセナルが取った9は、ジェズースしかいないのだから(ハヴァーツはMFとして獲得された)。ジェズースとて最初からゴールスコアラーとして定評あるFWではなかった。

その後、アーセナルは9(Seskoら)やWG(Mudrykら)に動いて取れなかったということはあるので、意識的にアタッカーを補強しなかったわけではないだろうが、このようにサカに相手が集中してしまう状況では、そろそろ本気で必要かもしれないとは思う。彼を解放させないと。

 

今回はリヴァプールもポインツを落としたので、まだPLのタイトル争いは終わっていないという考え方もあるが、アーセナルが1月のウィンドウで動くかどうかでファンの期待度はだいぶ違ってきそうである。

しかし、PL16試合で半分の8試合でポインツを落としていたら、ふつうタイトルを取れるとは思わない。今後全勝する必要があると云ってるそばからこれでは、これからも期待はできない。絶望した。

それにしてもゴールできないというのは、やっかいな問題だなあ。

たしかアーセナルは昨シーズンも、タイトルを狙うチームにしてはゴールレスの試合が多すぎるという指摘があったと思うけど、直近でもトップ4チームのなかではダントツにゴールレス試合が多いという。

今シーズン、アーセナルはほぼ20%の試合でゴールできていない。リヴァプールの安定ぶりを見るに、残念ながら現時点ではタイトルにふさわしいのは彼らだ。

それと、アーセナルは年々攻撃力が落ちているというスタッツもある。以下、この3シーズンの16試合までの数字。

BBC Sport

 

3シーズンの16試合までの成績とポインツ比較。OMG.

WDLPts
22/23141143
23/24113236
24/2586230

 

この試合については以上

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

4 Comments on “【マッチレビュー】24/25 EPL アーセナル vs エヴァトン(14/Dec/2024)痛恨のドロウ。トップに近づくチャンス活かせず

  1. ずっと思ってるんですがアルテタ政権はゴールパターンが少ない
    トロサールより絶不調のマルティネッリの序列が上なのでまぁ点取れないよなぁと。
    ハヴァーツも純正9番ではないし脅威にはならず。
    去年も同じ問題抱えてましたんでこれは監督の根本的な問題かなぁと思ってます

  2. いつも楽しく拝見しています。このブログは今の状況を上手に言語化してくれるので、ぐちゃぐちゃになった気持ちの整理ができます。(泣)

  3. バルサ、バイエルン、シティ、リヴァプールに、どうすることも出来ずに絶望したあの頃。
    今は、どうして点が取れない。何とか点を取ってくれよというフラストレーション。
    あの頃とは違い、何かで変わるはず。
    この冬、良い知らせがありますように。

  4. あんなクソバカ戦術やるなら、ティアニーにクロス任せりゃいいのに。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *