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【マッチレビュー】24/25 EPL ブライトン & ホーヴ・アルビオン vs アーセナル(4/Jan/2025)怪我・病気・疲労・審判

試合の論点

ブライトン vs アーセナルのトーキングポインツ。

これは不運?

ライスのレッドカードでポインツを落としたシーズン前半のブライトン。今回は、その雪辱を果たすことを誓ったはずながら、同じような非常にフラストレイションのたまる結果になった。そして、奇しくも今回もレフリーの判定が試合結果に大きな影響を及ぼすという、繰り返される見慣れた光景。

今回の敗因(※敗けたも同然だから)を考えるに、まずはケガと病気によって選手が足りていないという現実があった。

サカがいないだけでも大打撃なのに、ハヴァーツもおらず、さらにオーデガードまでいなかった。攻撃のキープレイヤーがことごとく不在。PLでこの3人がいないのは今シーズン初めてなのでは。

ティンバーもそう。彼自身の不在も痛かったし、パーティがRBに移動したおかげで6でプレイできないのも痛かった。相手がリスキーなハイプレス/ハイラインを仕掛けてきていたので、裏のスペイスはけっこうあり、パーティがいつものポジションでプレイしていたらと思わずにはいられなかった。

この病気が蔓延する前から、アーセナルではすでにベンチに攻撃の選手が足りていないということは起きていたが、今回は病気でさらに追い打ちがかかった。このような不足したスクワッドでも、あのペナルティ事案がなければ、もしかしたらギリギリ勝っていたかもしれないので、むしろ十分立派といえるのかもしれない。

それと、とくに後半はわれらには疲労感が目立った。こちらは前回の水曜の試合から中二日。相手は月曜なので中四日。だいぶ差があった。まあ、われらはあらゆるコンペティションで残っているトップチームだから、試合のなかでそういうギャップがあることは珍しくないが、今回は相手のインテンスなスタイルもあって、肉体的疲労は隠せなかった。終盤は、もう1点を取るつもりが、むしろ相手の勢いに圧倒されて飲み込まれたみたいだった。

そして、試合を決定的に決めたのがサリバのペナルティ事案。これは後述するとして。

というような原因がある。

これらは一見して、どれも不可抗力の、あるいは不運なできごとのようにも見えるが、実際どうだろう。ケガと病気はしょうがないか。オーデガードやサカがケガで長期離脱して、Mo Salahがケガしないのはほとんど運だろう。細かいことを云えば、オーデガードは事故で、サカは過負荷とすれば、後者はマネジメントで避けられたかもしれないが。

疲弊したチームになった試合日程も文句は云えないか。いや、シーズン序盤の厳しすぎるフィクスチャなど、ちょっとくらい文句は云いたい。が、それも多少の不公平感はあるとはいえ、偏ったフィクスチャスケジュールを設定されているチームはなくはないので、これも不運の範疇かもしれない。これは、タフな試合が早いか遅いかだけで、その分後半楽になるメリットもある。

ペナルティ。これもまあ個人的には不運かな。それを認めないと、レフリー全体がアーセナルを敵視している陰謀論になる。あれは、100%ありえない判定だとアーセナルファン界隈は騒いでいるが、すこしでもその余地がある事案を起こしてしまったことは事実。微妙な判断が要求される場合、どちらに転ぶかはそれこそ運次第なところはある。アーセナルでは不利な判定が多すぎると思うし、ファンとしては許せないけど。いずれにせよサリバは責められない。

逆に、こんな不運が重なったときにチーム/クラブとしてできたことがあったろうかと考えてしまう。

このアタッカー不足のスクワッドを観てすぐに思い浮かぶのは、ヴィエラとESRの放出。エンケティアも? アルテタは、そのふたりの放出はワニエリのキャリアパスのためだったと述べていたが、こうなると気前よく放出しすぎたという感じはある。たしかにワニエリは、それなりのプレイ時間を得ているので彼らがいないことの恩恵は受けているが、十分な代替もいないのにふたりとも出してしまって、今度はそのワニエリまでケガをしてしまい、攻撃のオプションがほとんどなくなってしまった。

バックアップのためだけにシニア選手を残すかどうかは難しい判断だったのは理解できるが、少なくとも慎重ではなかったとは思う。想像もしなかったことは、いつだって起きるという教訓にせねば。

またまた試合を決めた疑惑の判定

59分に起きた事案。サリバが、ボックスでJoão Pedroに頭突き。Pedroがネイマールばりに頭を抱えてもんどり打って、ペナルティ。

その直後は、ぼくもサリバがやっちまったと思ったんだが、試合後の反応を見るに、あの判定はだいぶ議論の余地があるものだったらしい。

まず、ボックス内の接触でも頭同士は通常ファウルが取られないこと。アルテタも述べているように、自分もそういうペナルティはこれまで観たことがないし、選手たちも観たことがないと云っているという。

あれが起きたとき、周囲にいたブライトンの選手たちですらペナルティを要求していなかったという指摘もある。あれがペナルティの判断になることは、敵味方含めて選手たちにとってもそれだけ意外だったということを物語っている。

それとこのプレイが無罪として決定的に思えるのは、ふたりが接触する前にサリバがボールに触れていること。リプレイ映像を見れば、たしかにそのとおり。アングルの違う映像も観たが、それだとかなり無罪に見えた。

ある中立?のファンが、頭も足もボールを扱える部位としては変わらないのだから、これはサリバがドリブルしているPedroの足を引っ掛けたのと同じだと主張していたが、その場合サリバがボールに触れているかどうかは判定の決定的な材料になりうる。守備側の足がボールに触っていれば、ボールにチャレンジしているとされ、たとえ攻撃側に足がかかっても無罪になることが多いから。あの判断はVARでレビューはされたんだろうか?

某TWユーザの解説コメントがスポットオンのように思えたので、それを引用しよう。

この手の接触がファウルになるのは、このうちのどれかが要件として必要。不注意(carelss)、無謀(reckless)、あるいは過度な力が入っていること(excessive force)。

そして、レフがカードを出さなかったことから、これが無謀でも過度な力が入ったとも認定されなかったことがわかる。そうなれば、Taylorがこれを不注意だとみなしたことになる。

まず第一に、一般的に人は頭をだいじに扱うので、頭同士がぶつかるのは極めて珍しいことだ。頭同士の衝突というのは、すごく痛いから基本的に避けられる。だから、こうした衝突でペナルティが与えられるのは、非常に珍しいことになる。ほとんどすべての試合でペナルティにはならない。

それがあり得ないということではない。可能性があり、技術的にはありえても、変だというのだ。

しかしそれも、それがありえるとすれば、サリバが選手の前にボールに触れていなければだ。

サリバがボールに触れているということは(そのディフレクションでだいぶ軌道も変わっている)、つまりそれを無謀なチャレンジと認定することは不可能ということなのだ。

ボールを勝った選手選手がいるなら、つねにファウルになるものだと云うひとたちがいる。それは事実。しかし、なぜここでそうなる? もし、明らかに相手より先にボールに触れているとき、その選手が「不注意」でファウルになったのをあなたは観たことがあるのか? もしそれが、クリーンなタッチじゃないなら、それもあるかもしれないが。

あるいは、そのチャレンジが無謀だったとすれば、そのボールがきれいに接触されていてもファウルにはなるだろう。

しかし、サリバは選手との接触の前にボールに触れているし、ファウルを取られたような不注意ではありえない。

ファウルの認定は、clear and obviousなエラーでなければならない。判定は覆るべき。

これは「これまで観たことがないペナルティで、今後も見ることがないペナルティ」というのは、パンディットなど非アーセナルファンも含めて多くのひとが言及している。アーセナルではよくあることだけど。

はあ。またかよ。アーセナルはほんとにこんなのばっかりだな。

だが、仮にこれが不当な判定だったとしても、アーセナルはこの試合でだいぶ苦しかったのは事実、あの劣勢のパフォーマンスで勝つにはそれなりの幸運が必要だっただろう。もし勝っていても、勝負強さみたいな褒め方をしなきゃならなかった試合。それは理想的ではなかった。

ところで、今回のレフのAnthony Taylor。

HTの時点では、彼はカードを出すのをだいぶ我慢していて(前半は1、後半は4)、そのことで褒めているアーセナルファンもいたほど。じつはぼくもそう感じていて、いつもならいかにもカードが出そうなところで出ないと感じたことが何度かあった。カードをすこし我慢するだけでもだいぶヨーロッパ基準のレフリーに近づいて見えると感じたものだ。

このひとは、シーズン前半になんの試合だったか、PLの単一試合のカード記録をつくっていたので、その影響もあるんじゃないかとコメンタリが云っていた。心を入れ替えた。

しかし、結局はこうして疑惑の判定をやってしまい、試合後のアーセナル界隈は罵詈雑言の嵐。わずかな称賛を得たまま、なにごともなく試合を終えることはできなかった。

なんだよこの小首をかしげたポーズ(笑)。

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