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アーセナルが新スポーティングダイレクターにアンドレア・ベルタを任命す。ベルタはViktor Gyokeresがお気に入り?

こんにちは。

昨日ついにクラブから正式発表があった“Big Berta”ことアンドレア・ベルタ(Andrea Berta)。彼がアーセナルのスポーティングダイレクターに就任した。53才のイタリア人。

Andrea Berta joins Arsenal as Sporting Director

彼はすでに契約にサインして、アーセナルでの仕事を始めていると云われていたので、今回の発表までやや時間がかかった。

彼との契約の舞台裏についてもさっそくリポートがあるのでそれも紹介しよう。

そして、そのニュースよりもずっとセンセイショナルだったのはこちらですよね。キタコレ。

ベルタのお気に入りで、アーセナルがViktor Gyokeresに強い興味とオーンステイン。

もちろん彼はこれまで幾度となくアーセナルともリンクされてきた注目のストライカーだが、わしの記憶が正しければ、彼はオプションのひとつというだけで、アーセナルはそこまで彼をシリアスに追っていないと云われていたような? それともベルタで状況が変わったのか。

ビッグベルタでビッグサマー。



アーセナルが新SDにアンドレア・ベルタを指名

公式発表。となりのリチャード・ガーリックもにっこり。

アンドレア・ベルタがスポーティングダイレクターとしてクラブに加わりました

アンドレアは、フットボールの世界では極めてリスペクトされる存在であり、豊富な知識と経験をクラブにもたらすでしょう。彼は、イタリアのCarpenedolo、Parma、Genoaでテクニカルロールを担いつつ、最近まではアトレチコ・マドリッドにいました。

彼はアトレチでほぼ12年間過ごし、彼らのスクワッドの躍進に大きく貢献しました。13/14と20/21にはラ・リーガのタイトル。2018にはELタイトル。またCopa Del Rey、UEFA Super Cup、Supercopa de Espanaにも勝ちました。UCLでは2度もファイナルに進出しています。

アーセナルの全員が、彼と彼の家族をクラブに歓迎します。

本人の弁。

アンドレア:こんなにもエキサイティングな時期にアーセナルに来ることができて、わたしはとてもゾクゾクしています。

わたしは、近年のアーセナルの進化、その素晴らしく興味深いやりかたを観ていました。そして、クラブをヨーロピアンフットボールの最大勢力にまで復活させたあの情熱的なハードワークに、いたく感心していました。

このクラブには偉大な価値と豊かな歴史があり、わたしはこの偉大なチームとともに将来の成功の一部になれることをとても楽しみにしています。新しい役割での仕事を始めることが待ち切れないし、エミレーツでサポーターたちとの最初の試合が楽しみです。

オーナーシップより。

ジョッシュ・クロンキ:フットボールを知る誰もが、アンドレアを素晴らしい人物だと知っている。彼はこのゲイムの幅広い知識があり、素晴らしい記録、強いネットワーク、ウィニングチームをつくる飽くなき渇望をもっている。

アンドレアはクラブにとって素晴らしい補強になるだろう。彼は、われわれの価値もわれわれが何を支持しているかもわかっている。彼がわれわれの後押しになることは疑いがないし、大きなトロフィを取るためのつぎのステップになる。

われわれは、リクルートメントプロセスがどのようなものかを理解しており、すべてのSD候補のレヴェルには感銘を受けた。だが、アンドレアの経験と成功は際立っていたのだ。

彼との仕事をとても楽しみにしている。アーセナルファミリーへようこそ。

アーセナル新SD、アンドレア・ベルタ指名の舞台裏

いつものThe Athletic。ジェイムズ・マクニコラスのリポート。要約しよう。詳細はオリジナル記事(※要サブスク)を参照されたい。

長いシメオネとの経験

  • ベルタが、ワールドフットボールでも最高給のディエゴ・シメオネと仕事をしてきたのは、彼にとって完璧な準備になったかもしれない
  • アトレチコのスクワッドビルディングにおいて彼のインプットはかなり大きなもので、彼もまたそこでマネジメント、いかにプッシュしいつ引くか経験を積んだ
  • アルテタは、いまはまだシメオネのレヴェルにはないものの、彼のアーセナルでの影響力はそれと比較できる。ベルタには幅広い責任があるが、そのキーパートはアルテタの具体的な要求に応え、スクワッドをかたちづくること

エドゥのいきなりの退団

  • エドゥの退団は公には藪から棒に見えたが、クラブ内部ではもうすでに以前からその兆しはあった。彼はより広範な役割、国際的な役割への野心を隠さなかった
  • とはいえ、彼が決心し行動したタイミングにはショックがあった。彼の退社はその24時間以内には公表され、48時間以内にはロンドンコルニーの彼のデスクは引き払われていた
  • そこからアーセナルの代役探しが始まった

SDとマネジャーに上下関係はない

  • 理論上は、アーセナルはそのような指名は楽にできそうだった。まずManaging directorのリチャード・ガーリックはPLでDoFの経験もあり、WBAやアーセナルでも高位の役職で、SDに必要な知識も経験もある
  • 当初から、マネジャーのアルテタがそのプロセスに関与した。外部からするとマネジャー/コーチが立場的に上にいるはずのSD選びに関わるのは異例のことで、外部からは「アルテタがボスを面接している」と不思議がられた
  • しかし、アーセナルは決してそのようには観ていなかった。アルテタが2020にヘッドコーチからマネジャーに昇格してから、組織的な構造に変化があった。クラブはエドゥはアルテタのボスではなかったし、新SDもそうならないと捉えている。SDとマネジャーはパートナーシップ。したがって、新SDの選考にはアルテタとのケミストリが人選における重要な要素になった
  • その重要な候補のひとりは、Jason Aytoだった。元スカウトからアシスタントSDにまで登りつめ、暫定SDも務めていた
  •  新SDの指名プロセスですぐにはっきりしたことは、まずそれが数ヶ月はかかることで、つまりそれは1月のウィンドウや女子チームのマネジャー選びでAytoがかなり重要になる
  • だが彼の能力についてはアーセナルの信頼はあったものの、クラブは、ベストな指名をするためには外部の人材を含めた完全なリクルートメントのプロセスを望んだ。プロセスの初期はリクルートメントエイジェンシーが候補を挙げ、そこからリストを絞った

その他の候補者たち

  • アーセナルが望む新SD像は具体的だった。テクニカルダイレクターの議論に戻ることはなかったし、より範囲が狭くなることもない
  • それは間違いなく魅力的なポジションだ。アーセナルの男子チームは、世界でももっとも価値あるスクワッドのひとつであり、エドゥが「クリーニング」と呼んだ選手の入れ替えはほとんど終わっている。今後のタスクは、保持と改良。アーセナルで働くアピールもある。ロンドン、素晴らしいステディアム、PLの予算、高名なマネジャーとの仕事
  •  そうはいっても、何人かの候補が表明したように懸念がないわけではなかった。アーセナルに加入するということは、つまりアルテタのサポート役になるということ。SDが全権を持つ文化から来たものには不安だった
  • だから、懸念を抱いていた候補者でさえもアーセナルでの仕事を検討していたということは、それがアーセナルでの仕事がもつ魅力の証明ともいえる
  • 初期段階で議論していた候補者。ソシエダのRoberto Olabe。彼なら自然にフィットしただろう。トマス・ロシツキーも。経験は少ないが、クラブでの評価や強いつながりもある
  • Olabeのソシエダでやったことからしても、アーセナルでは有力候補だと思われた。だが、彼はクラブに忠誠を誓い夏まではその仕事に集中する。アーセナルは移籍ウィンドウの前には新SDを指名したかったため、うまくいかなかった
  • Bertaは、1月初旬にアトレチコを去ったときに注目された。2024年1月にはアトレチコにはfootball managing directorが来て、よりいっそう複雑なストラクチャになっており、彼の決断が公になったのはその1年後だった。彼はPLでの仕事に備えて、今年のはじめには英語を進歩させるためにイングランドに来ていた。新しい仕事に準備もできている
  • SD選びのプロセスの後半では、候補はだいぶ絞られており、executive vice-chairのティム・ルイス、ガーリック、アルテタらでミーティングが重ねられた
  • 元ニューカッスル、元マンUのDan Ashworthも有力候補だった。彼はガーリックと懇意でWBAでも同僚だった。しかしながら、彼はほかの仕事のために身を引いた
  • Thiago Scuroも最終的な候補に残った。彼はモナコでSDからCEOに昇格しており、経験豊富なひとりだと観られていた

Aytoかベルタかの最終選考

  • 最終的に、アーセナルはAytoとベルタのどちらを選択するかで悩んだ。継続性、あるいは変化。どちらもジョッシュ・クロンキには面会している。そして、最後にはクラブが推薦するベルタを受け入れた
  • この決断には、候補者選びの後半から関わったアルテタの意見もかなり重視された。彼はベルタを望んだ
  • しかし、アーセナルがベルタを選んだことは政治的にはやや気まずい状況になった。Aytoは、ベルタの選考の始まりから発表まで彼のポストにいつづけている
  • というのも、アーセナルはAytoが長期にクラブに残ることを望んでいるから。彼は有力候補のひとりで、クラブは彼のスキルセットを維持したい。しかしAytoの高まる評判は外部からの興味も引き付ける。この状況はまだ解決されていない
  • 究極的には、クラブはベルタの経験とプロファイルを選んだ。ベルタのヨーロッパにおける確かな評判は、移籍市場でアーセナルに安定性をもたらす。彼は影響力あるヨーロッパのエイジェントたちといい関係がある

ベルタの今後

  • アルテタのチームは、5ステップ計画の5番めのフェイズに踏み込もうとしている決定的な段階にある。それは大きなトロフィを取ること。そんなとき、国内リーグ優勝とUCLファイナルがそれぞれ2回というベルタのアトレチコでの経験はアーセナルに違う視野をもたらす
  • 今回の発表の前、ベルタはアーセナルのスタッフたちにあいさつ回りを行っていた。しかし、彼はネイティヴのイタリア語とスペイン語ではいいコミュニケイターだが、英語はまだ改善の余地がある
  • そこがAytoのもうひとつの存在理由でもある。彼は複数言語を操り、ベルタとクラブのほかの部署との橋渡しができる
  • 交渉の詳細に関して、少なくとも短期的には、director of football operationsのジェイムズ・キング、head of recruitmentのジェイムズ・エリスらのサポートが必要になるだろう
  • 現在の計画では、ベルタは単独でやってきてクラブの既存のリクルートメントチームとともに働くことになる。もしベルタがその計画に加えたいことがあるなら、夏に向けての多くの準備はすでに動いている。もちろん彼も自身で観ている選手はいるだろうから、計画は変わりうる
  • サポーターたちが、クラブが攻撃の強化に失敗したことを嘆いているものの、選手の特定とリクルートメントは、エドゥのおかげもありアーセナルが2021から概ねとてもうまくやっている
  • そうはいっても、この手の指名でいくらかひっくり返ることはあるものだ。2019にエドゥが来てからは、それ以前のスカウティング部署は解体された。アーセナルでは、いまそういったオーヴァーホウルの計画はないが、それも既存部署とベルタのケミストリ次第
  • 最重要は、ベルタとアルテタのケミストリ。ベルタは、シメオネという厳格なコーチと働いた経験がある。彼らの関係にはときに波乱もあったが、最後には成功している。アーセナルも、この新しい関係性から似たようなものが生まれることを望んでいる

これは果たして要約なのか?と自問自答。

さて。いまいちベルタがどういうパーソナリティなのか(我が強いとかそういう)わからないのでなんとも云えないが、なんとかアルテタには、うまくやってほしい。それこそエドゥとの二人三脚のような良好な関係。まだ英語に不自由だという彼とアルテタが、スペイン語でやりとりできるのは大きい。

マネジャーとSDに上下関係がないというのもこの世界では常識外れでも、結局彼が指名されたということは、彼もまたそれを納得のうえ受け入れているわけでひとまずは大丈夫そうか。

マンUを半年でやめちゃったひとみたいにならないことを祈らずにいられない。理由はあるにせよ、なんだかんだ人選を間違えたってことだから、単純にクラブとして恥ずかしいよね。

そういえば、ベルタのネガティヴポイントとして、アトレチコでJoao Felixの売買にからんだ(※2019に€127mで獲得し2回ローンをへて2024に€52mで売却)ことを挙げて、やつは信用ならねえというひとがいるんだが、Sam Deanのリポートによると、彼の巨額での獲得は彼ではなく彼らのCEOが主導したとある。

安心したかね。しかし、そもそもFelixはどうなんだろう。いまはアレだけど、当時はやっぱりいい選手のように見えたとは思う。まあ100m以上の価値があったかはしらない。

これからのアンドレア・ベルタの活躍に期待しよう。まずは夏ウィンドウ。腕の見せどころだ。

 

このあと後半はGyokeresの件を。このひとってもしかしてスウェーデン語では「ヨケレス」なの? 英語でもしばしばそれっぽく聞こえる発音を耳にする。スウェーデン語に詳しいひとおしえて。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

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