「アーセナルがストライカーのオプションとしてViktor Gyokeresにますます興味」by デイヴィッド・オーンステイン
こちらもThe Athletic。要約しよう。
- 多くのクラブが夏ウィンドウで検討しているGyokeresは、アーセナルの新SDアンドレア・ベルタが長らく注目している選手
- アルテタはAlexander Isakの大ファンだが、ニューカッスルは選手売却の意思なし。彼らに売却を検討させるだけで巨額が必要になる
- アーセナルは、またRB LeipzigのBenjamin Seskoも熱心に追いかけている。彼はよりコスパのよいオプションだが、彼らが複数候補のなかで彼に行くかははっきりしない
- Gyokeresは、以前に思われていたよりも、より明確な候補になった
- この26才のスウェーデン代表は、2023にCoventry Cityからポルトガルに移籍して以来、ヨーロッパでももっとも生産的なアタッカーになっている
- Gyokeresは、スポルティングでの92試合で85ゴール、26アシスト。去年はプリメーラ・リーガのタイトルに貢献。今シーズンは26試合で30ゴール
- ハヴァーツとジェズースの離脱でメリーノがCFでプレイするいま、アプフロントの補強はアーセナルには急務
- ヴィラのOllie Watkins獲得には失敗し、検討していたミランのAlvaro MorataもGalatasarayへ
あーやっぱり、以前とは状況が変わったということなのか。
ベルタが彼を望んでいるというのは、なんだかわからなくない。彼は新しい職場でも評判どおりのやり手として認められるためにも、すぐにでもわかりやすい結果がほしいわけで、21才のSeskoのような将来性に期待するproject signingより、いますでにゴールマシーンである超即戦力のGyokeresを呼んだほうが手っ取り早いと考えてもおかしくない。実際の獲得もIsakよりもだいぶ現実味ある。
もっとも、彼もまた果たしてEPLのようなトップの環境でもいまと同じようにゴールを量産できるのか、それが心配されているわけだが。
Gyokeresはアルテタっぽくないような?
個人的にGyokeresがいいと思うのは、われわれアーセナルファンもCLのスポルティングで目の当たりにしたように、彼の独善的なところ。ひとりよがりで、強引で。ボックス周辺では、可能性の低そうなシュートも遠慮しないタイプ。
ああいう成分はいまのミケルのチームにない。ハヴァーツが草食動物なら、こっちは完全な肉食動物。先日書いたコントロール/ケイオスの話じゃないけど、隅々まで整いすぎた彼のチームでは意外性という意味で必要な成分だと思う。
彼がつねに強引にゴールを狙っていれば、相手もある程度は彼に集中せざるを得ず、そうなればほかの選手がゴールするチャンスも増える。それは、シティがHaalandでやっていることだろう。
彼には、このチームに何が起きるかわからない予測不可能性を持ち込んでほしい。
そう考えると、アルテタはGyokeresのことは気に入っているのかな?と思う。アルテタがこれまでに求めてきたフォルス9やウィング兼業みたいなストライカー像からすると、Isakは納得だが、Gyokeresは比較的それっぽくない選手のように思える。
まあしかし、この案件がもしアルテタ主導じゃなくてベルタ主導だとしたら、なおさら賛成できるかな。このチームは、ミケル100%にしちゃいけないとわたしは強く思う。
Isak, Sesko, Gyokeres
ゲーデル、エッシャー、バッハ。云いたいだけ。
現時点では、アーセナルの夏のストライカーターゲットはこの3人に絞られたような感じがある。もちろん以前から名前が頻繁に取りざたされてきた3人。
クラブとアルテタの本命はもちろんIsak。PL実績も申し分ない、ティエリ・アンリの正統後継者。間違いない。ただし、彼は移籍金が£120mとか£150mとか云われ、そもそもニューカッスルが売る気がない。ましてや来年の彼らにCLがあれば完全にノーチャンス。
アーセナルの夏の補強ポイントは9だけじゃないので、彼ひとりに150m突っ込むかといえば、それはやはり難しいだろう。それに移籍金だけでなく、多くのビッグクラブが彼を狙っているということは、選手側にオファーする給与もかなりいい金額になるのは必至。
もし、そんなふうに彼に一点突破でヘヴィに投資して、長期のケガでもされたらそこで終わってしまう。彼の大きな不安点のひとつはケガであり、そういったことが絶対に起きないとも云えない。そこが£100mの投資を決断したライスとは違うところだ。クラブとして、どこまで財政リスクを取れるか。
Seskoに関しては、ほかのふたりよりもずっと低リスクなオプションだろう。21才と若いし、若いということはリセイルヴァリュもある。将来、いま以上の価値を生む可能性すらもある。
ただ、アーセナルはこのフェイズでこれまでと同じようにローリスクなやりかたが正しいのかどうかという議論はある。チームがここに来るまで、たとえばいまから2-3年前なら両手を挙げて賛成できたやり方だが、いまはどうか。
ジェイムズの記事中にもあるように、アーセナルの5か年プロジェクトでは、いまはほとんど最終フェイズだろう。スクワッドが整い、PLとCLをマジに競えていて、あとはメジャータイトルを取るだけのチーム。
現状のスクワッドからしても、ストライカーは最後のピースであって、ここで取る選手はハヴァーツやジェズースよりも確実に優秀で頼れる選手でなければならないし、これからいっしょに育っていきましょうというタイプに投資する時期ではない。タイミング的には、いまここでチームが最強にならなきゃならない場面で、このタイミングを逃すと、またいままでの繰り返しになりかねない。
もちろん、Seskoが即戦力にならないとは思わないが(来るならそうなってもらわないと困る)、ほかのふたりの絶対的な優秀さや実績にくらべるとやや説得力に欠ける部分は否めない。
そしてGyokeres。こちらも26才の超即戦力。
まあ、彼に関してはいろいろ云われているが、最大の懸案はPLでも輝けるか。それに尽きる。いまの彼の得点フォームがPLでそのまま再現できたら、ふつうにタイトルが約束されたようなものだが、そううまくいかないのがEPLの厳しさ。外国から鳴り物入りで来たアタッカーが苦しむ姿は、PLではあまり珍しくないものだ。
とくにポルトガルリーグがちょっと怪しいと思うのは、やっぱり直近のリヴァプールのDarwin Nunezの例があるから? €85mも投資してアレはキツい。彼らは、ちょっと似た雰囲気もある。
彼が来てチームと実際にプレイするまでわからないが、21才のSeskoと違い、来てだめだったときはダメッジが非常に大きい。仮に27才と5年契約、£200kpwみたいな待遇だとして、それで突然スランプに陥ったら。高給・高齢・ワークしないの<エドゥ三原則>で、売ることもできない負債に。ぐえー。すでにPL provenのIsakと違い、そういう怖さはある。
そういったもろもろのことや、いまアーセナルが置かれている状況を考えても、やっぱりライスより少し高いくらいの投資でIsakというのが、この三択なら理想という気がする。ニューカッスルがCLを逃し、本人が熱烈に移籍を希望して、彼らには要求をやや妥協してもらって。この場合、PLの新興勢力であるニューカッスルの足を引っ張れるのもナイス。今後数年、彼らは直接のライバルになりうる。
アーセナルにとってはクラブレコードになるほどの大きなコストはもちろんリスキーだが、彼にはそれをかける価値がある。SeskoやGyokeresと違って、彼の場合はフロントならどこでもプレイできるプロファイルもプラス材料だ。場合によってはLWの予算を含めて彼に行くとか。Nico WilliamsとSeskoでも100mは超えるのだし。しかし、当然2人分のコストを1人にかけるのもまた大きな賭けにはなる。
難しい判断だ。
……と、そういったもろもろがありながら、とにかく、いまでしょ。
もうこのチームはビッグタイトルにふさわしいところまでこうして登りつめてきたのだから、来年こそは本気の本気でPL/CLのタイトルを目指さねばならない。3年連続リーグ2位で(※予定)、もし今度トロフィを逃せばいい訳もできない。だから、この夏が決定的になる。ストライカーがチームビルディングの最後のピースなら、かつてない最大のリスクをかけなければならない勝負どころ。
ビッグベルタがいる夏ウィンドウ。いまから楽しみになった。
おわり