こんばんは。ニュースというにはちと出遅れてしまった。
アーセナルファンとしてここ数日はだいぶ静かに過ごしたが、待ってたニュースがようやくやってきた。
アーセナルとのリンクが伝えられるや、ファンのあいだで激しい賛否両論を巻き起こした漢、ノニ・マドゥエケ(Noni Madueke)。ついにアーセナルから獲得が発表された。
Noni Madueke signs for Arsenal
今週月曜にはメディカルが済んでいたと云われるので、この金曜の発表まではしばらく時間がかかったことになる。
さあ、いったい彼にはこれからどんなアーセナルライフが待ち受けているのか。
アーセナルがチェルシーからノニ・マドゥエケの獲得を発表!
AFC公式サイトより。
われわれは、イングランド代表のNoni Maduekeが長期契約でチームに加入したことを喜んで報告します
この23才のノースロンドン生まれは、92試合プレイしたチェルシーからやってきた。
彼はクリスタル・パレスとトトナム・ホットスパでユースキャリアをスタート。そのあとネザーランドへ渡ると、2018年にPSV Eindhovenに加入。このパワフルなウィンガーは17才にしてすぐにファーストチームでブレイクし、ダイレクトなアタッキングスタイルを印象付けた。
ノニの急速な成長はつづき、2023年1月にチェルシーに移籍するまでPSVではファーストチームで80試合でプレイ。イングランドユースの各年代でもプレイし、去年の9月にフィランド戦でシニアデビューも飾る。そのファーストキャップではアシストも決めた。これまで彼はスリーライオンズで7試合プレイしている。
えらいひとたち。
アンドレア・ベルタ:われわれは、ノニ・マドゥエケというとても大きな才能ある選手との素晴らしい契約を締結でき、とても満足している。ここ数シーズンのノニのパフォーマンスの数字とアヴェイラビリティは際立つものであり、それは彼のクオリティとプロフェッショナリズムを反映している。
ノニはダイナミックでヴァーサタイルなワイドFWで、彼の力強い技術はわれわれのスクワッドをかなり強化するだろう。
ノニには、すでにトップレヴェルでの価値ある経験があり、われわれも彼がアーセナルでビッグインパクトをもたらせるとわかっている。クラブの全員で彼をアーセナルに温かく迎える。
ミケル・アルテタ:われわれはノニ・マドゥエケをチームに迎えることができて、とてもうれしい。
ノニはエキサイティングでパワフルな若い選手だ。彼の直近のシーズンにおけるパフォーマンスと数字は、安定して高水準にある。彼はPLでももっとも才能あるワイドFWのひとりだ。
わずか23才にして、ノニはすでにクラブフットボールと国際フットボールの経験をもたらしている。彼はPLもよく知っている。最近のシーズンで彼のことを注意深く見ていれば彼のクオリティがわかる。彼がチームに加わり、われわれもとても興奮している。
ノニは、彼のよく知るイングランドのチームメイトや、ほかの知っている選手たちのグループに加わることになる。彼もすぐにここがホームだと感じることだろう。彼の加入はわれわれのスクワッドを非常に進歩させるはずだ。それが楽しみでならない。われわれ全員が、彼と彼の家族を歓迎する。
合わせて発表されたシャツナンバーは20。ムスティの後継者? それは🔙🔛🔝。
公式にも彼の合流はアーセナルのアジアツアーのあと、8月初旬と伝えられている。ちなみに、本人はアジアツアーの途中からでもチームに加わる気マンマンだったが、クラブとしてCWCで休暇が短縮された分もあり、あと2週間の休暇を取るように説得したということ。やる気マンマンマン。
マドゥエケのファーストインタビュー「ノースロンドンに戻ってこられてとてもうれしい」
アーセナルメディアのインタビュー。5分くらいの尺だから、今回も全訳いってみよう。
(ノニ、アーセナルへようこそ。いまはようやく終わったという感じ?……)
NM:そうだね。すごくうれしいよ。とてもワクワクしている。このあとはちょっと休暇もあるけど、戻ってきてみんなに会って、トレインを始めるのが待ち切れないよ。
(この契約が完了するまでの最後の2-3日はどんな気分だった?……)
リラックスしていたよ。ぼくはただグリーンライトを待ってただけ。そして今日ここへ来て、やっと現実味が感じられた。とてもうれしいし、とても誇らしい。すごい瞬間さ。
(イングランドのチームメイツにも相談して、アーセナルの選手たちはここについてどんなふうに云っていた?……)
そのとおり。デック(ライス)、マイルズ、ブカヨ、それにユリアン(ティンバー)とも話したね。みんながこのクラブとカルチャーについてアメイジングと云っていた。いかにあったかくて、どれほどファミリーか。だから、さっきも云ったように、ぼくはアーセナルファミリーの一員になれてとてもうれしい。
(デックからウェルカムレターをもらっていたよね?……)
そうそう、もらってた。彼はとてもナイスだし、あれはナイスなレターだった。
(キミは家族と友人を連れてきたけど、タイリース・ジョン・ジュールスもいっしょだったね、どういうつながりか訊いても?……)
いちばん親しい友だちのひとりなんだ。いっしょにたくさんのことをしたり、遊んだりする仲。イングランドでもいっしょだった。彼がここにいっしょに来てくれてうれしいよ。
(キミはノースロンドンで生まれ育ったんだよね。キャリアのこのステイジで地元に戻って来るのはどんな気分?……)
地元に返ってくるのは素晴らしいね。うちの母さんや父さんとしても、ほら、うちの母さんはぼくを恋しがっていたし、家にいてほしかった。だから、ここにいるのは素晴らしい。
(わたしたちはキミが右でも左でもプレイしてきたことを観てきた。そのヴァーサティリティはとくに取り組んできたこと?……)
そうだね。間違いない。これまで、左からでも右からでも脅威になれるようにトライしてきた。
もちろん、左と右ではプレイするときはちょっと違うんだけど、両サイドで脅威になれるようトライしてきたし、ぼくはどこでプレイしようがとくに気にしない。
(スタッツが示すのはキミがボールを持って前に行きたがること。プッシュするのが好きだし、シュートを打つのが好き。それがキミのメインの能力なのか、それともほかにもある?……)
そうだね、間違いなくダイレクトネス。ぼくはボールが足元にあるときも、スペイスにいるときも頭のなかにあるのはひとつのことだけ。相手のフルバックと並んで彼を抜く。だから、そこは間違いなく自分のメインの強みのひとつだ。
(シュートもだよね。キミはそうしたスタッツで昨シーズンのPLでもトップ5に入っている。自分のスタイルをこのチームにもたらすことがどれほど楽しみ?……)
すでに素晴らしいチームで明解なアイデンティティもある。だから自分のスタイルをチームにもたらすことが楽しみだし、チームがネクストステップを踏めるようできるだけ選手たちを助けていくよう努めたい。
(キミは若干23才にしてかなり経験豊富。ふたつの国でプレイし、どのヨーロピアンコンペティションでもプレイ経験がある。どれほどチームに経験をもたらせる?……)
ぼくは、ここにいる全員がすでにPLの選手として確立されていると思うし、ぼくもそれは同じだと云いたい。だから、これもまた大いに経験になる。
(キミがネザーランドに渡ったのは16のときということはキミは挑戦を好むひとだ。新しい挑戦も恐れていない……)
そのとおり。ぼくは、多くの場合腹の底のフィーリングで動く人間だし、それでここまで方向性は間違ってこなかったと感じてる。
だから、これも違いはないと思う。すごく成功すると考えているし、ここに来ることができてとてもうれしい。
(キミのイングランドでの最初のシニアゴールはエミレーツでだったから、ここに戻ってきてホームで思い出をつくることを楽しみにしている……)
そうだね。今度はぼくはホームチームのためにそれをやるよ。
(キミはイングランド、クラブ、CWCでプレイしてきた。つぎのシーズンはどうなる?……)
すこし休んで、友人や家族とリラックスして、あと10日もしたらまた忙しくやっていくよ。フットボールにはあんまり休んでる暇もないし。だから、またここに戻って来たら、そのときは準備ができている。
(もうワクワクしちゃってる感じ? 早く戻ってきてワークを始めたい?……)
それは友人たちにも云っていたことで、休みもいらないみたいな。でも、ぼくの身体とかには癒やしも必要だとわかっている。
だから戻ってきたときには、準備万端だ。
(新シーズンとそれ以降の抱負は?……)
勝つこと。参加しているすべてのコンペティションに勝つ。ぼくはそれが可能なことみたいに感じている。だからチームを助けて、自分ができることはなんでもやり、選手としても人間としても成長する。
(最後に世界中のアーセナルサポーターにメッセージを……)
アーセナルファンのみんな、ぼくはエミレーツでみんなに会えるのが楽しみでならない。ぼくはここに来られてとてもうれしいし、きっと素晴らしい成功になるはず。
マドゥエケの移籍金、契約期間、給与
移籍金の総額は£52m(€60m)で、その内訳はちまたでは£48m保証の4mアドオンと云われている。€だと€55m+5mくらい。
ただし、BBC SportやThe Athleticは、彼の移籍金は£48.5m(アドオンで52mまで上昇)と云っているので、そっちが正確なのかもしれない。
このレベルの金額だと、いろんな選手がターゲットになりうるので(Lookmanはインテルが€40mで買うとか?)、まったく想定外のところからいきなりだったこともあり、当初ファンの反感を買ったのはある程度やむなしとも思う。
しかし、アーセナルの思惑はファンの初期反応とはだいぶ違ったようだ。チャールズ・ワッツも云っていたようにアーセナルはこの金額を完全に納得して支払ったし、投資に見合う選手評価もしているという。
とくにこの夏は、PLクラブもウィンガーにだいぶ散財しているという現実もある。チェルシーがJamie Gittensに、ToTがKudusに、ニューカッスルがElangaに、すでにそれぞれ€60mを超える大金を支払っていることもあり、それとくらべても特別割高というわけでもないという考えらしい。こうして具体的な名前を並べてみると、まあたしかにそうかもしれない。Gittensに大金とかギャンブルだよなあ。昨日はマンUがMbeumoに£70m出すとニュースになっていた。金あるね。
契約期間は2030年までの5年契約。
給与については、彼がチェルシーでもらっていた給与をそのまま受け入れるという報道が以前だいぶ話題になった。その金額が驚きの£50kpw。今日日のフットボーラーにしてなんという慎ましさ。トミヤスの半分である。
実際、アーセナルがこの金額で獲得できる選手というのは、旬を過ぎたベテラン選手か、あるいは無名選手以外にはいないんじゃないだろうか。彼のような若い有名選手の給与額としては、ちょっと信じがたい。彼がチェルシーをいかに去りたかったかの証左だという声も(笑い)。