日曜のPLリヴァプールを目前とした金曜日。その日を入れて夏ウィンドウが閉じるまであと4日というタイミングで、われらが懸案としていたポジションがまたひとつ解決したようだ。
ヤコブ・キヴィオールとPiero Hincapie。左サイドDFであるふたりの動きはリンクしていると云われ、アーセナルがレヴァークーゼンからHincapieを獲得するためには、まずキヴィオールを売却する必要があったなか、昨日このふたつの案件でそれぞれに移籍合意が伝えられた。
アーセナルは、Hincapieを入れてこの夏は8人を獲得することになり、しかもその全員がそれまでのスクワッドの弱点をカヴァするポジションという。ビッグサマーと云おうか、パーフェクトサマーと云おうか。
アンドレア、あなたなのですね?
キヴィオール移籍でFCポルトとアーセナルが合意
まずはヤコブ・キヴィオー。クラブと選手側の個人条件はすでに合意と伝えられていた。
🚨 Porto reach agreement with Arsenal to sign Jakub Kiwior. Personal terms also in place for 25yo to join #FCPorto in deal worth guaranteed €25m, max €27m. Move depends on #AFC finalising acquisition of Piero Hincapie from Bayer Leverkusen @TheAthleticFC https://t.co/yi4ghgRlU0
— David Ornstein (@David_Ornstein) August 29, 2025
🚨🐉 Jakub Kiwior to FC Porto, here we go! Deal agreed with Arsenal on loan with obligation to buy.
€2m loan fee, €17m obligation to buy plus add-ons and sell-on clause up to potential fee over €25/27m.
Kiwior scheduled to fly in next 24h as soon as documents are approved. pic.twitter.com/uAtqBDMRcX
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) August 29, 2025
一年のシーズンロングローン+来年夏の買取義務で、ポルトとアーセナルが合意した。
オーンステインが伝える金額は、€25m + 2mアドオン。ただし、これを成立させるためには、アーセナルがHincapieの取り引きを完了させる必要ありとしている。
ロマーノは、€2mのローンフィに、€17mの買取義務で、条件によりそれが€25-27mまで上がると伝えた。アドオンが€10m近いということ? それはナンセンス。
(ところで、ロマーノの使っているグラフィックはAI的なやつだろうけど、キヴィオール本人と似ても似つかないような?)
移籍金について、最終的に合意した最大で€27m(£23m)という金額は、彼の現在のMVである€28mに近いので、結局妥当なところに着地したのかもしれないが、アーセナルにもっといい条件でオファーするクラブもあったようだ。たとえば、Ezeでお世話になったクリスタル・パレスは、キヴィオールに本気オファーをしていたという。
ただ、これは早々に伝えられていたとおり、本人が海外移籍を望み、FCポルトに移籍先を絞ったこともあり、アーセナルはポルトが支払う以上のものを得るチャンスはなかったのだった。
ポルトはもちろんポルトガルリーグで、トップ5リーグよりクオリティは下がる。ポルト移籍のなにが彼にそれほどアピールしたのかは気になる。
ロマーノのリポートには、この契約にはアーセナルが彼の将来の移籍金%を得るセルオンも含まれるとあるので、これが事実ならアーセナルには悪くない条件だろう。
ポルトはきっと1-2年後に彼をこの倍の金額でよそに売るので(そのときはなぜか本人も納得してPLに戻る。エヴァトンとかありそうすぎる笑)、そのときわれらにもチャリンチャリンがある。
Piero Hincapie移籍でレヴァークーゼンとアーセナルが合意
そしてこちらも。キウイのニュースからおよそ10時間後にブレイキングされた。彼のほうも、クラブと選手側の個人条件はすでに合意と伝えられていたとおりで、あとはクラブ間の合意を待つだけだった。
🚨 EXCLUSIVE: Arsenal reach agreement with Bayer Leverkusen to sign Piero Hincapie. Season-long loan from #Bayer04 + buy option. Package worth €52m & 10% sell-on. 5yr deal upon permanent transfer. Set to travel this weekend for #AFC medical @TheAthleticFC https://t.co/PgboU46oVT
— David Ornstein (@David_Ornstein) August 29, 2025
🚨 BREAKING: Piero Hincapié to Arsenal, here we go! Deal in place with Bayer04 after agreement done with the player.
New defender joins #AFC on fee worth €52m plus sell-on clause with medical set to follow next, as @David_Ornstein reports.
One more top addition for Arsenal. 🇪🇨 pic.twitter.com/Gg3mVdrKJx
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) August 29, 2025
こちらもキヴィオール同様、基本条件はシーズンロングローンながら、こちらは買取は義務ではなく「オプション」となっている。
移籍金は、€52m(£45m)パッケージ。ロマーノはこの内訳について、€6mのローンフィに€46mと伝えている。
彼が去年の12月にレヴァークーゼンと新契約を結んだばかりだったことを考慮すれば、悪くない金額かも? 彼のRCは€60mが設定されており、レヴァークーゼンもその金額にこだわっていたというので、それよりは値引きしてもらった。
キヴィオールの売却で、彼の移籍金のちょうど半分くらいを賄った計算になる。これが妥当かどうかは、Hincapieのパフォーマンス次第である。
この夏のアーセナルのすべての獲得と同じように、Hincapiéもアーセナル移籍を熱望していたというので、このニュースにいちばん喜んでいるのは彼かもしれない。
ところで、今回レヴァークーゼンが彼の契約に10%のセルオンをつけたことについて、とあるアーセナルファンのコメントにウケてしまった。「レヴァークーゼンはおれたちを全然知らねえだろ?」。自虐。
Hincapie、ええやん。
Piero Hincapie – Attacking quality pic.twitter.com/zJxs9axij4
— – (@imzftbi) August 29, 2025
アーセナルはUEFAのFFPルールに抵触しそう? だからHincapieは「買取オプション」だった
そういえば、この取り引き成立が伝えられる前のThe Athleticで「なぜアーセナルは売却につねに苦労しているか?」という記事があって、たいへんに興味深かったのだが、この記事のなかに、現在アーセナルが財政ルールで直面している状況と、今回のキヴィオール/Hincapieの取り引き内容がこのようになった理由について言及されている部分がある。
記事から一部を引用しよう。
アーセナルが何らかの財務規制に抵触しようとしている場合、彼らが締結する契約の正確な条件、そして契約が技術的に該当する財務期間。それが決定的に重要になる可能性がある。
アーセナルは、キヴィオールの買取義務付きローンの可能性についてポルトと交渉を行っている。これによりポルトからの支払いは延期されるものの、実際に義務が課せられる場合、移籍金は今年中に計上されることになる。
アーセナルがHincapieとローン契約を結んだ場合も同様だ。買取義務で来年夏の完全移籍が保証されれば、その契約は今年の会計に計上されることになる。
しかし、買取オプションならこれが当てはまらない。アーセナルが2023年にラヤと買取オプション付きのローン契約を結んだ際、£27mの完全移籍契約は翌年に計上されることになった。
こうした取引のもう一つのルートは、条件付き義務(conditional obligation)である。これは、一定の条件を満たせば自動的に完全移籍となる契約である。このような場合、取引は保証されたものとはみなされないため、恒久的な移籍はFFPの観点から翌年に計上することができる。
つまり、アーセナルは財政ルールに抵触しないために、会計上の受取/支払タイミングが非常に重要で、彼らの契約もそれに適合するようなものにしたかったということですな。
キヴィオールの条件(買取義務)はローンでも本年度中の収入になり、Hincapieの条件(買取オプション)はローンでも来年度中の支出になる。同じローンでも会計のタイミングが違う。
Hincapieについては、買取義務を買取オプションにするために、もしかしたらその分も移籍金に反映されているのかもしれない。レヴァークーゼンにしてみれば、オプションよりも義務のほうがよかっただろうから。
FFPルールでは、どうもPLのPSRよりもUEFAのルール(UEFA Squad Cost Rule)のほうが厳しいようであり、ルール違反を避けるために、アーセナルもいろいろ苦労があるようだ。
デッドラインデイまでにアーセナルは全員売却できるか。ジンチェンコ、 ヴィエラ、 ネルソンの進捗
さあ、これでアーセナルのこの夏の補強はさすがに終わりだろうか。
あとは9月1日までに、選手整理のほうを進めなければならない。それがなせれば、まさに10/10ウィンドウ。
ジンチェンコ?
キヴィオールのリポートがあったあと、オーンステインはマルセイユとジンチェンコのリンクを伝えていた。
🚨 EXCL: Marseille working on deal to sign Oleksandr Zinchenko from Arsenal. #OM exploring permanent move for 28yo defender but complicated by Ukraine int’l #AFC salary – significant issue + solution needed for deal to advance; talks ongoing @TheAthleticFC https://t.co/21vfZFo5li
— David Ornstein (@David_Ornstein) August 29, 2025
分単位で移籍ニュースをリポートするロマーノと違って、オーンステインのリポートはひとつひとつが重い。このニュースにはアーセナルファンもとても喜んでいたのだが。
その後のフランス方面からのリポートによると、OMはWHUのEmerson Palmieri(31)と交渉が進んでいるようで、すでに契約が2年契約で合意したという。これが事実なら、OMはもうジンチェンコには動かない? それともLB以外のポジションとして動く? わからない。
🔵⚪️L’OM qui s’intéresse à Oleksandr Zintchenko avance plus vite sur Emerson Palmieri.
❗️Marseille et Palmieri ont un accord. Contrat de deux ans + un an en option.
Négociations en cours avec West Ham pic.twitter.com/SJ4NdaP5sK
— Fabrice Hawkins (@FabriceHawkins) August 29, 2025
オーンステインは、ジンチェンコのOM移籍の障害は高すぎる給与で、移籍実現にはそれを解決する必要があると述べている。Emerson Palmieriは彼らにはより現実的なオプションかもしれない。
うーん。ジンチェンコはこれだけ需要がないことを考えると、あまりいい結果は期待できないだろうか。最悪は残留。よくて二束三文で売却。ぎゃぼん。アーセナルで戦力外になっている現状が痛すぎる。
ヴィエラ?
ファビオ・ヴィエラについてはもうしばらくシュツットガルトとのリンクが伝えられているなか、昨日伝えられていたのは、ニューカッスルが彼らのストライカーNick Woltemadeを€70mのような大金で買う可能性があり、それがヴィエラのシュツットガルト移籍をプッシュするという。
Isakの移籍志願からのドミノエフェクト。
これが事実なら、アーセナルにはとてもいいニュース。ヴィエラ本人も移籍先がドイツリーグなら悪くないはず。
ネルソン?
ネルソンは一時フラム移籍が取りざたされていたが、先日£15mでのクリスタル・パレス行きのニュースがあった。
Crystal Palace are in talks to sign Arsenal’s Reiss Nelson for £15m. Deal with Fulham seems to have gone cold https://t.co/We5XFdCJHP
— Charlie Wyett (@CharlieWyett) August 27, 2025
これについてHOA。ネルソンとパレスはまだなんとも云えない微妙な熱量という感じか。
I am told Reiss camp are actively wanting the move while also exploring other options.
Crystal Palace are conservative as of today but are well informed on his availability and ballpark price.
Fulham stalled on committing to a loan with an obligation was the last I heard. https://t.co/vmEmYQx5LF
— HandöfArsenal (@HandofArsenal) August 27, 2025
クラブのためだけでなく、選手たちのキャリアのためにも、9月1日までになんとか解決することを願う。
おわり