マンUについて
今年もあまり期待されていないマンU。もはや、ビッグ6と云っていいのかどうか。
アーセナルがようやくポストヴェンゲルで浮上しているいっぽうで、ポストファーガソンで全然浮上できない人たち。これはクラブ運営レベルの話だよなあ。金も名声もあるのに、それを活かせていない。
そんな彼らもこの夏は大きな投資をしており、不要な選手の整理も積極的に行っている。
彼らの補強で興味深いのは、大金でフロントに獲得した3人が3人ともアーセナルのターゲットだったこと。ギョクレスとともに長らく交渉していたBenjamin Seskoは云わずもがな、Bryan MbeumoもMatheus Cunhaもアーセナルがシリアスに検討していたと云われる選手だ。お互い似たようなニーズがあったということか。それで攻撃がどれほど強くなっているか。
しかし、彼らが直面している大きな問題は攻撃ではなく、MFやDFという。
まず、MFではBruno Fのパートナーとして適任者をいまだに探している。ここが彼らの大きな悩みどころだそうで、フースコの試合予想では彼の隣にCasemiroが予想されているものの、彼ももう33才である。MainooやUgarteといった若いMFはいるのに、33才がスタートするに妥当と思われているのが苦しさを表す。
それとDFについては、昨シーズンの彼らはベストなDFの組み合わせをシーズンを通して探していたということ。2CBか3CBかすら決められなかったのだから、アーセナルの悪い時期みたいである。
そしてこの試合ではLisandro Martínezが不在。
フースコでは、なんと去年アーセナルアカデミーから去っていったAyden Heaven(18)が3CBの左でスタートするという予想。なめとんのか。調べたら、彼は去年PLで4試合プレイ。なめとんのか。目の前にはブカちゃんやぞ。
アーセナルなら絶対いないだろう場所に彼がいる。それもまた彼らのアンバランスさというか、苦しさが見える気がする。いや、彼が突然PLレベルのCBになっているのなら、それはそれでべつにいんだが。
ということで、アーセナル御一行には、OTとはいえ、格の違いを見せねばならない試合でしょう。彼らのフロントはかなり脅威なので、失点は覚悟しなければならないかもしれないが、こちらはそれより多くゴールを決めればよい。
Sesko代理人「本人が望んでいたのはずっとマンUだった」
そうそう、マンUといえばSeskoのことを書かないと。試合プレビューからちょっと脱線お許しを。
この夏アーセナルの足元をさんざん観て、そっぽを向かれたBenjamin Sesko。結局£74mとも云われる巨額でマンUに移籍した。
その後、ベルタらアーセナル側と彼らの代理人で「ソリが合わなかった」と交渉の舞台裏を暴露されていたように、今回の件では彼の代理人のやらかしがかなりあるんじゃないかと推察できるが、そんな代理人がわざわざ公の場に姿を表してマンU移籍の経緯を説明をしていたという。
🚨🎙 | Šeško’s Agent on Arsenal Talks & Choosing Man United:
🗣 “Benjamin’s dream was always Man United .” pic.twitter.com/XfkKRwXdaf
— UTDCursey (@UTDCurse2013) August 14, 2025
(アーセナルとの交渉ではあなたや選手からの要求が高すぎた? なぜ破談に? 彼らとの交渉では何があったので?……)
BS代理人:正確に説明するのは難しい。どんな交渉もうまくいかないときはいくつもの理由があるものだ。最終的には起きるべきことが起きたということ。
重要なことはBenjaminの希望だ。彼はもう何年にも渡りマンUを望んでいた。彼はこの移籍に際しては、喜んでペイカットすら受け入れた。選手のエイジェントとしては、彼の望みを実現したかった。
言うに事欠いて、選手は最初からマンUに行きたかったと。ペイカットすら受け入れたってうちのヴィクトルを意識してんのか? これはさすがにウケる。おまえら何年アーセナルと交渉をつづけていたんだよ。とくに代理人のキミよ。エミレーツで撮ったセルフィーをノリノリでシェアしていた代理人よ。選手が望むクラブだからこそ、長期に渡り交渉してたんでしょうに。
Mbeumoは最初からマンU希望でアーセナルは早々にあきらめたというが、Seskoは違うだろう。
この代理人は、マンUサイドからは“ruthless negotiator”などと云われているようだが、こんなの代理人としては無能なだけだろ。押したり引いたりのネゴシエイションで引き際を完全に間違えた。二択でアーセナルがギョクレスに行くと思わなかったから終始強気の交渉だったのだろうし、そのアテは外れたのだ。
罪のない?選手にはかわいそうかもだが、彼にはマンUでHojlundなみの大惨事になってもらいたい。
この試合では、彼と彼の代理人におもいきり後悔をさせてあげねばなりません。AmorimはSeskoはPLでスタートする準備はできているというので、この試合でスタートするかもしれない。
しかし、Amorimがほしかったギョクレスがアーセナルで、アルテタがほしかったSeskoがマンUというのは、偶然にもおもしろいことが起きたものだと思う。しかも、どちらも(プレイするなら)PLデビューで初戦で対戦するのだから。事実は小説よりなんとやら。
チームニュース
Lisandro Martínez、Noussair Mazraouiがアウト。
Joshua Zirkzee、André Onanaがダウト。
Onanaはハムストリングをやってプリシーズン試合をすべて欠場したようだが、この試合で復帰する可能性があるとのこと。
ギョクレスについてRuben Amorim「彼がビッグクラブにいても驚かない」
元スポルティングのふたり。試合前会見でマンUボスがアーセナルの新9について語った。
RA:(ギョクレスはPLに適応できる?)それはミケルに対する質問だろう。ヴィクトルが違うリーグにいたのは確か。フィジカリティも異なる。
スポルティングでは、とてもいいスカウトグループがある。なぜなら彼らは生き残りをかけて選手を買い、売るのだから。
わたしは彼はとてもいい選手だと思うよ。(アーセナルに)違うキャラクタリスティクスをもたらす。
彼をイングランドのビッグクラブで観ても驚きはない。
Head to head
マンUは、アーセナルとのPL直近6試合で、W1 D1 L4。
もうすでにアーセナルにとって、マンUはかなり相性のいい相手になっている。
とはいえオールド・トラフォードでの対戦に限ると、いまもアーセナルの勝率は低い。OTでのPLアーセナル戦は、直近18試合でマンUのW10 D6 L2。アーセナルはたった2試合しか勝っていない。そのどちらもがアルテタの時代なので、今回も期待していいとは思える。
ちなみに、マンUはアーセナルに通算99勝しているそうで、もしこの試合で勝てば100勝め。絶対阻止。未来永劫阻止。
追記:マンUの戦術について by エイドリアン・クラーク
AFC公式サイトより。
AC:相手がバック3のとき、つい3CBのサイドのエリアを狙いたくなるもの。なので、ボールがあってもなくても、ギョクレスはチャネルに入っていくことを狙うだろう。ブカヨ・サカが単独で1 v 1をやっているときのアーリーパスも観てみたい。
アーセナルは攻撃の野心と守備の団結のあいだでバランスを見出す必要がある。Sesko、MbeumoとCunhaは際立つクオリティ。アーセナルのMFペアは、彼らへのパスをスクリーンすることが求められ、またトランジションでそのカヴァも必要になる。ここは興味深い。規律あるポジショニングが極めて重要になるはず。
アーセナルがプッシュバックしているとき、ユナイテッドのスター選手たちに距離あるシュートを打たせてはいけいない。Bruno FとCunhaはふたりとも去年ボックス外から5ゴール決めている。それはリーグトップタイの成績で、SeskoとMbeumoもまた距離ある場所から効果的になれる。そこを閉じておく必要がある。
Amorimには、彼のアイディアをチームに浸透させるためのフルプリシーズンがあったし、去年も強いチームに対しては強さを見せた。
しかし、わたしはアーセナルが、彼らの弱みであるMFとバックを狙うことに集中しポジティヴにプレイすると予想している。
サカがやるかはわからないが、ギョクレスのためのアーリークロスはアーセナルがやるかどうか興味ある。アルテタはカットバックへの強いこだわりがあり、アーリークロスはこれまで全然やってこなかったことだから。戦術としてそれを意識的にやろうとするなら、すぐにわかるだろう。