ヒンカピエの基本プロファイル
以下、TMより。
- 名前: Piero Martín Hincapié Reyna
- 誕生日(年齢): 09.01.2002 (23)
- 出身地: Esmeraldas Ecuador
- 身長: 1.84 m
- 国籍: Ecuador
- ポジション: Defender – Center-Back
- 利き足: left
- エイジェント: AS1
名前の発音は、ぼくが観たハイライトリールの動画では、わりと「ヒンカピ・エー」のように呼ばれていた。最後の“é”にアクセントを置く。
英国人はヒンカピエだろうか。あるいはヒンカペ(オーンステイン)のようにも聞こえた。ここでは「ヒンカピエ」とカタカナ表記することにした。
年齢は23才。エクアドル出身で、エクアドル代表のチームメイトにはMoises Caicedoがいる。そんな選手いたっけな。
左足で、ポジションはCB(LCB)ながら後述するようにLBでのプレイも少なくはない。
エイジェントのAS1は、南米やポルトガルの有名選手がずらり。MV順では彼もその上位顧客となっている。
エクアドルNTではすでに46キャプスという常連。調べたら、彼は2020年にはフレンドリーで日本代表ともプレイしていた。
現在の彼のMVは€50m。ちなみにこのMVは、CBのMVとしてはワールドワイドで12位(タイ)にランクされている。ビッグガビの€75mは4位。サリバの€80mはトップ(タイ)。アーセナルのCBめっちゃ優秀だな。
ヒンカピエのスタッツ
過去365日の基本スタッツ(vs CB)。すごい緑。ただしよく観ると、緑は攻撃とポゼッション方面で、守備パートはかなり優秀というわけでもない。
ちなみにこれがvs FB。
今度は守備方面がグッとよくなり、攻撃とポゼッションは悪い部分も出てくる。
キミの新しい兄貴、ビッグガビとの比較。
ビッグガビはFBではプレイしていないので、あまり意味のない比較かも。
「ドイツのインヴィンシブル」のメンバー
ヒンカピエは、23/24ブンデスリーガでシーズン無敗でリーグタイトルを勝ち取ったチームの一員だった。本家インヴィンシブルなチームのファンとしては、若干くやしい気持ちもあるが、あのチームはやはりけっこうすごかったんだろう。
そのときのスクワッドのメンバーがいまどうなっているかといえば、リヴァプールへ超高額で移籍したWirtzやFrimpongらを筆頭に、その少なくない部分がビッグクラブへ移籍していった。もちろん、ヘッドコーチのXabi Alonsoもとっくにレアル・マドリッドへぶっこ抜かれた。
そのような歴史に名を残すチームでレギュラーでプレイしていた選手が、アーセナルのチームに加わった。
ヒンカピエがアーセナルにもたらすもの
ピエロ・ヒンカピエがレヴァークーゼンでプレイしていたポジションは、メインはLCB、そしてLBという。
つまり、この夏ポルトに移籍したキヴィオールの直接の代替になる。
カラフィオーリも彼とほとんど同じポジションをカヴァできるので、いまやアーセナルの左サイドDFはやや贅沢なデプスとも云える。今シーズンここまでLBのスターティングポジションを奪われているMLSが、MF(6/8)へのコンヴァートが検討されてもおかしくない状況ではある。もともとMFの彼なので、コンヴァートというか復帰?
キヴィオールの代替ということは、当面彼はガブリエルのバックアップDFということになるだろう。CBは試合中に交代はあまりされないので、プレイ機会には多少忍耐も求められそうだ。
彼がガブリエルのレギュラーを脅かすには時間はかかると思うが、本人はCBのほうが自分の強みを活かせると述べていることもあり、今後は注目ポイントかもしれない。
ヒンカピエがアーセナルにもたらすものとして、The Athleticの記事(Thom Harris)を引用しよう。
- ヒンカピエは、アナリティクスで簡単に評価できる選手ではない
- バック3の左、あるいはウィングバックでも、彼のアウトプットはしばしば戦術的役割で左右されるから
- レヴァークーゼンでは2023夏にAlejandro Grimaldoが加入したことで、彼の役割はより深いものになり、ビルドアップにフォーカスするようになった
- しかし、それでも彼は左サイドの複数のポジションでたくさんのプレイ経験がある
- ポジションが深くても、彼はプッシュアップして前にいるチームメイトとよくポジションを入れ替え、オーヴァーラッピング/アンダーラッピングのランでアタッキングサードに侵入していった
- 彼はふたつのポジションでハイスタンダードでプレイできる、まさにヴァーサティリティがある
- 成熟したポゼッションプレイとパワーを兼ね備えた稀有な例
- アーセナルのバック3ではLCBとしてすんなりフィットするはずで、ハイラインを維持しているときには、そのペイスとパワーで新しい次元をもたらす
- だが、アルテタのチームの左サイドに足りなかったのはワイドでの爆発。彼が左ワイドをオーヴァーラップしていくとき、止めるのは難しい
- そしていまやアーセナルの左サイドには、ヨクレスのチャネルランがあり、マドゥエケのダイレクトドリブリングがあり、エゼの個人技がある。LBでは、MLSとカラフィオーリとロテイトのオプションにもなれる
- アーセナルは右に比肩できる左フランクを築こうとしている
以上。なるほどっす。
攻撃のヒンカピエ。いいね。
Piero Hincapie – Attacking quality pic.twitter.com/zJxs9axij4
— – (@imzftbi) August 29, 2025
アーセナルは左サイドにもアタッキングFBが必要?
アーセナルでは、ティンバーやベンジャミンの右サイドでのオーヴァーラップが効果的だったり、本来は中央にいるエゼがLWでプレイする可能性もありで、左にも積極的に攻撃参加するアタッキングFBが必要ではないかという議論がしばらくある。
ジンチェンコのInverted FBがアーセナル再生のきっかけになって以来、それが一周して、ワイドエリアを激しく上下動するKTの時代に戻ってきたような錯覚をおぼえる。
その意味で、今シーズンのLBでのカラフィオーリの優先は興味深いと思う。彼はあきらかにCMポジションにInvertするだけのLBではなく、より柔軟に攻撃にからんでいるだろう。アーセナルのLBは、チームのなかでもかなり戦術的制約が多く課されたポジションだろうが、それよりももっと攻撃の自由を与えられているというか。カラフィオーリはそれをうまくやっている。
そこにウィングバックとして、攻撃脅威になれるヒンカピエが入ってくる。
アルテタが彼に期待しているのは、守備のクオリティはもちろん、やはり攻撃での魅力ではないだろうか。相手DFに敗けない走力と左足のクロス。ハイライト動画を観ると彼とヨクレスの相性がよさそうで彼らの連携がイメージできる気がする。
エゼが入ることで、アーセナルの左サイド攻撃は活性化しそうであり、さらにヒンカピエもそれを促す可能性があるとすれば、これは非常に楽しみになってきた。
早く彼がデビューする姿が観たいものである。
Pieroよ、Welcom to The Arsenal!