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【マッチレビュー】25/26 EPL サンダランド vs アーセナル(8/Nov/2025)痛恨ドロウで連勝が終わる

試合の論点

サンダランド vs アーセナルのトーキングポインツ。

サンダランドのエナジーと勢い。ギリギリのスクワッドで戦うアーセナルが露呈

この試合はまずホームチームを褒めねばならんでしょうね。

サンダランドは、スタートからめちゃくちゃフィジカルでアグレッシヴでエナジー満タンで。前半アーセナルがまともに試合をコントロールする20分くらいまで、ずっとインテンスにプレスしていた。

そしてロングボール&セカンドボールな戦術がじつに徹底されている。試合前から云われていたあの毎回のロングスロウと、オウンハーフからのフリーキックを毎回GKがファイナルサードに放り込むことで、スロウインや遠いフリーキックがことごとく攻撃セットピースになるという、あの割り切り。彼らのじつに明快なやりかただった。

あれの成功率はさほど高くないだろうと思うものの、やられるほうはかなりいやだろう。ボールをボックスに放り込んであとは神頼みでも、あのように何度もやられると何が起きるかわからない。実際、彼らの最初のゴールもそこから生まれた。

また、守る時間はファイナルサードに全員入るみたいな極端なロウブロックをやる。いわゆるパーク・ザ・バス状態。アーセナルの対戦相手でも、あそこまでブロックの低いチームは多くないのでは。

わざと頻繁に試合を止めて(ストップ&スタート)リスタートに時間もかけ、相手にリズムをつくらせないなど、自分たちの戦術をじつに徹底してる。

それだけなら、強者に対する弱者戦術というか、昔のピューリスとかアラダイスみたいなダイナソーフットボールというだけなんだが、このチームが非凡なところは、それだけじゃないところ。GKとバックラインにはちゃんとプレス耐性があり、パスをつないでボールを前進させることもできるモダンさがある。これは強い。

いっぽうで、アーセナルはそんなアグレッシヴなプレイに苦しみつつも、いつもどおりプレイしようとしていたが、やはりどこかクリックしない。前半のアーセナルは69%ポゼッションでショッツは5である(後半は12)。

前半の問題としてHTには、ファンのあいだでメリーノのポジショニングについて指摘する声をけっこう見かけた。彼がよくMFエリアに下がってきてしまうこと。彼は9としても優秀なのだから、フォルス9ではなくふつうに9のエリアでプレイすればいいじゃないかと。一理ある。

それとエゼも。これまでの試合と同様、彼は相変わらずチームプレイへの関与が足りず(彼のタッチ41はメリーノ43と同等で、サカ73やトロサール55よりもかなり少ない)、パレスにいたときのようなチームへのインパクトに乏しい。

この日の彼のショッツは4で、それなりのチャンスでもあったし、べつにすごく悪いというわけじゃない。ただ、ここまでファンの高い期待に応じられていない。

しかし、後半になるとアーセナルの勢いがかなり増す。サンダランドはいきなりパーク・ザ・バスで、1ゴールのリードを守ろうとする姿勢が鮮明に。

その変化は歴然で、後半のアーセナルはかなりプッシュした。

HTにはエイドリアン・クラークが前半のポイントとして、アーセナルの「カットバックがゼロ」というスタッツを指摘していたが、後半からジュリティンが右サイド深くに侵入し、つづけてバイラインからクロスを上げるようになったりしていた。そこはチームのなかでも問題意識があったのかもしれない。

そして54分、ライスがハイターンオーヴァでボールを奪うと、エゼ、メリーノとつないで、サカが右足でずどん。エースらしいゴールで同点。

アーセナルはさらにプッシュして、ズビメンディ、エゼにビッグチャンスが訪れる。

そして74分のトロサールのゴラッソ。彼は毎試合で活躍してる。昇給したかいがあった。ちなみに、彼のボックス外からのゴールは2021年以来だったらしい。

これで2-1で逆転。安心するにはまだ早いが、安堵はしたかもしれない。間違いなく、タイトルを競うものとして逆境を跳ね返すレジリエンスは示した。だが、そこでホームチームのエナジーは尽きていなかった。リードしたアーセナルは一転してサンダランドの逆襲を許すことに。ラヤが救った場面も何度か。

ここで本来なら、逃げ切りたいチームは5人のサブをめいっぱい使ってでも、チームのエナジーやフレッシュさをキープしようとしただろう。だが、この日のベンチがそれを許さなかった。

ベンチの顔ぶれをもう一度。

88分にモスケラひとりだけ。これよりはできることもあったとは思う。前述したようにたとえばヒンカピエやノーガード。MLSはやらかしがあるからちょっと怖いか。

だが、アルテタがやったこともまあしょうがないように感じる。たとえ疲労していても超集中しているチームのバランスを、選手を入れ替えることで崩してしまうことを恐れたのではないか。

ところで、これはこの試合だけではないが、ぼくがいつも思っていたのはハヴァーツとかメリーノみたいなフィジカル強者な選手って、こういう最小点差しかない試合展開だと(そしてほとんどがそんな試合)どんなに疲れていてもセットピース守備のために最後まで替えにくいよね。これはどうにかならないか。ハヴァーツがプレイしていたときもいつも思ってた。この試合でもメリーノは9としてハードワークしていたし、できれば替えたかっただろうが替えられなかった。

その結果、あの時間に失点。

あれはサンダランドの勢いやエナジーがつくりだしたゴールのように思える。ビッグガビにあんなふうに勝てる選手はそんなにいないし、ラヤがあんなふうにミスをやらかすこともない。勢いとエナジーとスタンド全体の信念のパワーで、ああいうことが起きる。

そのあと、最後の最後にアーセナルがさらに引き離すゴールを決めていれば、われらのタイトルを信じる信念が勝ったとか云ってたかもしれないが、そううまくはいかなかった。

冒頭にも書いたように、ぼくはこの試合で去年のCLセミファイナルのPSGを思い出してしまった。

エミレーツでのファーストレグ、PSGの勢いとクオリティに面食らい、アウェイのセカンドレグでは、一転してかなりいいパフォーマンスを見せたが、最後には力尽き敗退したあの試合。

この日もアーセナルは結局、後半にちから尽きたという気がする。

ヨーロッパをプレイしているアーセナルは試合間も短く、これは連続アウェイ試合の3つめ。サンダランドは一週間に一度の試合で、前回もホームだったので、そもそもあちらに有利な状況はあった。トップチームとしてそれに文句を云えないのはわかっているから、ビッグスクワッドを持たねばならないのだが、それがこんなことに。

やるべきことはやった。しかし、スクワッドの総力で勝てなかった。アーセナルがこの日フルスクワッド、あるいはもうちょっとでもマシなケガ状況だったら、きっと勝っていただろう。もしこれらの選手がいればチーム全体の疲労は軽減されていたし、この試合もそうとうタフではあったが、アーセナルのチームに競争力は間違いなくもっとあった。

だから、むしろアーセナルの選手たちは、この試合結果を悔やむより、ここまでよくやったと自分たちを褒めるべき。こんな満身創痍で、ここまでやったことを。そういうメンタリティでいる必要がある。

そして、ここでIBはいいタイミングだった。2週間後にはこのなかから数人が戻って来る可能性があるというのだから。彼らがNTに招集されていないのもいい。

シーズン中、ここがもっともキツい時期だったと、あとで思い返す日が来ることを祈ろう。

またおまえかCraig Pawson

今回もひどかったんじゃないの。レフリー。

7分のペナルティ事案。なぜか無罪。

ダン・バラッドがボックス内でメリーノに肘鉄。故意じゃなくともふつうにダメなやつだろ。こんなに不自然に肘が上がってる。ガブリエルかサリバがこれをやってたらレッドカード出てたんじゃないか。

メリーノはこのあと4分くらい治療を受けていた。ダメだし危ない。ペナルティが妥当だった。

そして36分のズビメンへのカード。あれはほんとうに唖然とした。むしろクリーンなタックルにしか観えなかったから。ズビの足は完全にボールに行ってるし、ふつうにボールを奪ったいいタックル。

まあ百歩譲ってファウルとしようか、レフリーの判断は完全じゃないし誤審はあるから。しょうがないよね。でもそれがイエローカードとなれば。あれはどういう理由? タクティカルファウル? 開いた口がふさがらなかった。

ここでサンダランドが得たフリーキックから最初のゴールが生まれているのだから、ごめんなさい間違いましたじゃすまない。

この日、ホームチームのあれほどのインテンスな接触プレイがありながら、これが最初のカードというのだから恐れ入る。

グラさんよお。元ガナーの愛されがなきゃ鬼畜認定されてるぞ。

あと目立ったやつは最後のアレだが、これをファウルとするのはちょっち難しいか。VARレビューはしていたようだが、ノーファウル。もし逆の立場なら、絶対にノーファウルだから、ノーファウルでいいか。ムカつくのは、これが逆ならふつうにゴール取り消されてそうなところ。いかにもありそうじゃないか。High foot challenges.

しかし、CL試合だとレフリーに文句を云うなんてほとんどないのに、PLでは結果に関わらず毎試合のように文句を云ってる。

やっぱりPLのレフリーはクオリティ低いのでは?(重要な気づき)

 

この試合については以上

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