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【マッチレビュー】25/26 UCL クラブ・ブルージュ vs アーセナル(10/Dec/2025)マドゥエケ、マルティネリのゴラッソでリーグフェイズを突破。ジェズースの復帰

試合の論点

クラブ・ブルージュ vs アーセナルのトーキングポインツ。

苦しい試合になんとか勝利。個人のタレントが試合を決める

クラブ・ブルージュはけっこう強かったと思う。

けして派手さはないものの、基本に忠実でシンプルなプレイというか。狭いスペイスを使って、しっかりとボールをつないでビルドアップしていくスタイルには、感心させられた。

アーセナルも悪くないスタートだったが、25分のマドゥエケのソロゴールはちょっと出来過ぎだった。change of paceで単独突破からのゴラッソ。なかなか決まるゴールじゃない。

しかし、アウェイチームがリードしたあと、しばらくすると今度はホームチームがプッシュするように。あの時間帯は、ちょっとまずかっただろう。アーセナルのほうはブルージュにくらべてエナジー不足は否めなかった。

とくに彼らのRW(9 Carlos Forbs)がやっかいで、トランジションではたびたび深くまで侵入されるなど、彼がボールを持ったときに危険になる場面も少なくなかった。ラヤがセイヴを強いられたりして、ケパじゃなくてよかったかもと思ったものだった。

前半はそのようにして終わり、ブルージュのチームは後半に向けてかなり自信を持ったに違いなかった。

ところが後半、いきなりアーセナルが2点めを決める。

47分、DFと対峙してやや苦しまぎれのようにも見えたズビメンディの左からのクロスが、GKの頭上を越えてファーサイドのマドゥエケにドンピシャで届く絶妙なラストパスに。頭でタップイン&ゴール。2-0。これは両チームともに唖然。

そして、勢いを取り戻したアーセナルがその後の時間を支配し、そのおよそ10分後。これまたマルティネリの左ワイドからのカットインサイドでソロゴール。

彼はなんとこれでCLで5試合連続ゴールの偉業達成。

前半のネリは、観ていてかなりフラストレイションのたまるパフォーマンスで、HTにはぼくも「なぜ彼にはカットインサイドのオプションがないんだろう」と考えていたところだった。彼は左サイドの1 v 1ではほとんどの場合縦への突破を狙っていて、ほどんとの場合相手DFにそれを読まれている。この日の前半もそんな感じだった。

しかしこのゴールはまさにカットインサイドからのショット&ゴールで、なんだか、そういう疑念を見返してくれたような気もしている。

そのゴールで3-0となり、実質この試合は終わっただろう。

だが、ホームチームはそこからあきらめずに戦い、ビッグチャンスもつくった。

だから、この試合で彼らがひとつもゴールを奪えず敗れたのは、あのような3つのゴールで勝ってしまったチームのファンとしてはなんだか罰の悪さもおぼえる。アーセナルがこの試合に勝てなかったとは思わないが、2-1くらいのもうちょっと接戦みたいなスコアがふさわしかったかもしれない。

ただ、冒頭にも書いたように、これがビッグクラブらしさだなと。チームとしても強いうえに、個人としても優秀な選手が揃ってる。だから、アルテタが云うようにいろいろな勝ちかたができる。

今回は、やや特殊だったが、こういう試合だってあっていい。われらだって、これまで長いあいだ、ビッグクラブにはさんざんそういう戦いかたをされてきたのだ。いくらいいプレイをしても、最後には個人に敗けるみたいな。

いまアーセナルがこのようなチームになっているのは喜ばしいことである。

アーセナルはCLリーグフェイズ6連勝で(ほぼ)ノックアウトラウンドへの進出を決める

ここまでのテーブルは以下。トップと6ポインツ差とのチームまで(9位のリヴァプール)。

このあと、アーセナルは残り2試合で0ポインツだと、6ポインツを稼ぐチームにはポインツで並ばれる可能性があるが、GDがかなりあるので(リヴァプールとは13差)、このあとの結果に関わらず、実質的にアーセナルがトップ8から落ちることがないという。

ちなみに、CLのレギュレイションをおさらいすると、リーグフェイズのトップ8でフィニッシュしたチームが、ノックアウトラウンドへ直行できる。

そして9位から16位、17位から24位までが、ノックアウトラウンド進出をかけたプレイオフ2試合を戦う。つまり、トップ8フィニッシュは、このよけいな2試合を回避できるわけだ。これは試合数の多いトップチームほどありがたく貴重なものになる。

トップ8の確保こそ、アルテタが求めていた状況だろう。

たぶん今回はこのためにチームセレクションも多少無理をしたんじゃないか。ユース選手をひとりもスタートさせなかったし、ケパやワネーリもベンチ。その分、メリーノやズビメンディなど連戦でプレイしているレギュラー選手にはリスクをかけることになったが、結果としてリターンは大きなものになった。

CLはひとまずこれにてお仕事完了である。お疲れちゃんだ。

マドゥエケ、マルティネリ、ジェズース

マドゥエケとマルティネリは、正直ファンの信頼を完全に得ているとは云えないふたりで、そんなふたりがここで揃って結果を出せたのはよかったと思う。

とくにマルティネリは、あのゴールを決めたあと、前半とは人が変わったみたいに生き生きしだして、左サイドの1 v 1で何度も相手DFを翻弄していた。

ふたりとも、それをぜひPLでやってほしいんだよなあ。

それとガビー・ジェズースにとっては、まさに特別な日になった。11ヶ月ぶり? 長過ぎる。そしてそのブランクの長さをまったく感じさせなかったのがすごい。

しかし、このチームではもう過去のひとになりそうだったジェズースながら、この試合では彼の価値を思い出したよね。

ちょうどこのGIFにあるシーン。彼がひょいっとボールをDFの頭上に浮かせてボックスに侵入しようとする。ここは印象に残っているひとも多いと思う。小気味良くスピーディにボールを回すチームプレイのなかでのできごと。

残念ながらこれはうまくいかなかったのだが、あんなプレイができる/やろうとする選手はこのチームにはほかにいない。あんな即興プレイ。発想。アイディア。いやもしかするとマドゥエケあたりはやるかもだが。それにしても。まさしく、ケイオスクリエイターの面目躍如という感じである。

アルテタの会見でもやりとりがあるように、これはヨクレスとはまったく違う個性だなと。そこがいい。ハヴァーツはふたりのキャラとかぶっている部分もありつつ、それでいてまた全然違うところにいるみたいな。

彼は1月に売却の可能性も噂されているものの、あのようなプレイが毎試合でできるなら、シーズン後半に彼がいるととても心強い攻撃オプションになりそうだ。周囲の選手たちも、楽しくプレイできる。

今年はトロフィを取るシーズンなのだから、ぜひ彼ともいっしょに祝いたい。

その他の選手について

ノーガードはよかったんじゃないか。

今回はチームの緊急事態でCBでもプレイできるヴァーサティリティも見せ、少ないプレイ機会でも彼があのチームのなかでプレイする違和感はほとんどない。

ゴールを守る時間もそれなりにあった試合で、守備ではとても安定していたし、ビルドアップでもCBとして期待される部分はそつなくこなしただろう(多少悪いパスもあったか)。彼のパス成功率は93%。タックルは3/3、地上デュエルは3/4。まったく悪くない。

こうしてプレイする機会さえあえれば、チームにとって価値ある選手だということを示せる漢。アルテタも、もうちょっとくらい彼を信頼してもいいと思う。

アシスト2のズビメンディ。隠れMOTMでは。お疲れなのに。

ぼくが当然のようにスタートを予想したワネーリは、結局20分しかプレイ時間を与えられなかった。ガビーン。

これはすぐ消えるかも。

もちろん最高とまでは云わないが、彼もまったく悪くない。そして惜しいショッツがふたつほど。どちらもGKのセイヴに阻まれた。そしてジェズースのポストにヒットしたショット。あれがもし決まっていれば、ワニーのアシストだった。

彼にもうちょっとチャンスを与えてほしい。マジで。このクオリティで毎週ベンチで試合を眺めているだけなんて。それが無理なら、ローンに出そう。

 

この試合については以上

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