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FBrefとOptaが突然の破局。インターネットに棲む市井のアナリストたちに衝撃はしる

こんにちは。

おととい知ったこのニュース。

なんとなんと、フットボールのスタッツデータを無料で公開していたFBrefが、データの供給元であるOptaからデータ使用の差し止めを請求され、これまでと同様の詳細なスタッツデータが提供できなくなったという。

FBrefは、この世にいくつかある同種のサービスのなかでもデータの詳細さやユーザビリティが際立っており、一般人からプロまで多くのユーザに支持されていただろう。

FBrefというWebサイトになじみのないひとでも、あの「緑のバー」はソーシャルメディアなどで見かけたことがあるはず。このブログでも、噂になった選手や新加入選手のキャラ分析などで頻繁に利用していた。

例:24/25のよくれす(FWテンプレ)

対照群のなかでの位置を示す「Percentile(パーセンタイル)」の相対評価も、いまではすっかりおなじみになったと感じるが、その普及にも彼らは一役買ったのではなかろうか。少なくとも、ぼくはFBref以前ではあまり見かけてはいなかったやりかたと思う。

分析や考察のためのデータ参照に制限がかかれば、フットボール批評の世界にも影響が小さくない。この事件、いったいなにが起きて、今後どうなるのか。



いきなりデータへのアクセスを禁じられたと憤るFBref。スポーツファンにも影響が

今回のことで、彼らは1月20日づけで声明を発表している。

FBref & Stathead Data Update | Sports-Reference.com

FBrefは、サッカーだけなく野球やホッケーなど人気スポーツのスタッツデータを扱うSports Referenceのなかの一部門という位置づけのようで、この声明はSports Referenceとして出されている。

要約しよう。ちなみにアメリカのサービスなので、フットボールはサッカーである。

  • Sports Referenceとして、われわれは7年にもわたり世界中のサッカーファンの知見を拡げられたことは大きな誇り
  • しかしながら、残念なことにわれわれの詳細サッカーデータの供給源から、彼らのデータフィードへのアクセス禁止と、現在サイトにある彼らのデータの即刻削除を要請する書面が送られてきた
  • 結果として、われわれは彼らの要求に応じて、それらのデータをFBrefとStatheadから削除した
  • データプロバイダの主張では、われわれはデータ利用で規約違反があるとされている
  • 彼らの要求はこの長年の信頼関係にも関わらず、われわれには寝耳に水だった
  • われわれは、これらのサイトを今日まで一貫したやりかたで運営してきたし(この契約よりもかなり以前から)、このサイトの運営方針についても、つねにオープンでフランクな議論を歓迎してきた
  • この詳細データへのアクセス維持を求めたところで、コストがかかり、今後も不透明。この状況で、われわれはこの解約通知に従うことを決定した

後略&以上。なんだか文面をみると穏やかじゃない。Optaは規約違反の理由も明かさず、不当な要求をしていると云わんばかり。怒りと戸惑いがにじみ出ている。

そう、声明のなかではOptaの名前はいっさい出ていないが、“data provider”というのは、あのOpta社のことらしい。

今後も彼らのサイト運営はつづくが、提供できる詳細データは大幅に減少するということ。それはつまり、仮にこのままなら、サービスとしてはほとんど終了ということだろう。致命傷。

ただ、この世界のデータプロバイダはOptaだけではないので、他社からデータ供給を受けて生き残る道はありそうである。

r/Soccerでの議論を観ていたら、彼らは2018年のローンチ当初はStatsBombからデータ供給を受けていたそうで、それが4-5年前にOptaに切り替えた。なので、いまは急いで他社との協業を模索しているところかもしれない。

しかし、いずれにせよひどいことになったものだ。

FBrefもこれだけの規模のサイトならそれなりに社員もいただろうに。しかも、よりによってシーズン中。いきなり爆弾が飛んできた。

せめて、Optaも規約違反というのなら、どこで何が抵触しているのかその内容を顧客に伝えるべきだろうし、シーズン終了までの改善が観られなければ……のような猶予期間を与える穏当なやりかたもできただろうに。

このニュースに衝撃を受けているのは、おもにソーシャルメディアに棲息するData nerd(データおたく)とかTactico(戦術おたく)などと蔑まれる呼ばれる人たち、あるいはぼくらのようなブロガーだろう。あるユーザは「これは戦術クラスタには911」とすら述べた。

もちろんそれだけじゃない。フリージャーナリストやライターのようなプロだってFBrefを利用していたはず。メディアの記事のなかで、参照元として言及されることもある。

この声明のなかで使われている印象的な単語がある。“Data Democratization”(データの民主化)。それはこのスポーツサークルのなかで、非常に重要な価値観だ。

企業やプロしかアクセスできなかった高度なスタッツデータに一般人が無料でアクセスできることによって、ファンのあいだでも多くの議論や批評が生まれ、スポーツの楽しみがさらに拡がっていく。試合を観るだけじゃない。書き、話す。それを地元のパブだけでなく世界規模の空間で行っているのが、インターネット時代のプロスポーツ文化というものだろう。われわれの知識やリテラシーは、間違いなくそれ以前より上がっている。

そういったサークルを支えていたひとつの重要なサービスがFBrefであり、それがなくなるとしたらとても残念なことだと思う。

 

おわり



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