試合の論点
ボーンマス vs アーセナルのトーキングポインツ。
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— Arsenal (@Arsenal) January 3, 2026
ビッグガビがビッグミスもすぐに自分で挽回。見せた信念、トップチームの自覚
試合後にIraolaも述べていたように、この試合はかなり接戦だっただろう。アーセナルはお世辞にも試合をコントロールしているとは云えず。お互いにまとまった攻撃の時間はあったものの、とくに前半はボーンマスのほうが勢いをもって攻撃している時間のほうが長いと感じるほどだった。
それはアーセナルが望む試合展開ではなかったが、それをボーンマスに強いられた。彼らの巧みなプレス戦術によって。
彼らはリーグでもトップクラスのプレッシングチームとして知られ、アルテタも当然それに対応する準備はしていただろうが、ピッチ上の選手たちはとくにビルドアップフェイズではつねに苦しそうだった。
ところで、試合後にハイプレスの強度を示すPPDAのスタットを確認してみると(Cannon Stats)、15.6 vs 7.4とアーセナルのほうが優秀で、ボーンマスは並かそれ以下だったのが意外だった。
これがなにを示唆しているのかといえば、要するにそれが彼らのハイプレスのストラクチャなんだろう。
高い位置からボールを奪いに行くというよりは、つぎの展開を読んでパス先をタイトにマークし、相手のミスを誘うようなプレッシャーのかけかた。彼らのPPDAの低い数値からすれば、むしろボールを奪いに行かず相手のミスを待った。それが、バックからビルドアップしたいチームにはかなり効果的。
それによってガブリエルもどえらいミスをやらかしているし、ズビメンディすら連続でミスを強いられた。ボーンマスの非常に狡猾なプレス戦術であり、まんまと罠にはめられたかたち。Iraolaの功績。彼の評価が高いわけだ。
そんななかで、10分にいきなりビッグガビが目を疑うようなエラーをやる。
アーセナルのバックラインは相手のプレスによって、つねに綱渡りのようなパスまわしを強いられていたが、なぜかあの瞬間彼はサリバのほうを確認もせずにゆるい横パスを出して、それがちょうどゴール前にいた相手FWにナイスアシスト。あれは正直、開いた口が塞がらなかった。さすがのラヤもあれを止めるのは無理。リプレイを観ると、彼はもっと前にいたティンバーにパスを出そうとしたのかもしれない。蹴りそこねた。
今シーズンここまでのPLの“errors leading to goal”では、アーセナルはたった1で、ニューカッスルと並ぶベストチームだったのが、2に増えてしまった。PLのベストCBの呼び声高い漢が、まさかあのようなあり得ないようなミスをやらかすとは。
しかし、そこからがすごかった。やらかした直後のガブリエルのくやしがりようもすごかったが、あのあと「絶対に挽回してやる」という決意が、彼とチームの心の声として聴こえてくるみたいだった。
イコライザーはその6分後。
左ワイドエリアからのフリーキックのクリアが右に流れると、マドゥエケがSemenyoとの1 v 1をドリブルで制し、ボックスに侵入してカットバック。ヒンカピエ、マルティネリとシュートがつづけてブロックされるも、そのボールが転がった先にいたのが誰あろうガブリエル。左足でズドン。たった6分で汚名返上のリデンプション。1-1。
あれは、なんというか彼の本気(マジ)の信念が呼び込んだボールであり、ゴールだったなと。トップチームとしての意地があった。というか、あの展開からあんなゴールを観ると、このチームは本気を出せばいつでもゴールできるのでは?とちょっと思っちゃうよね。
しかしその後、せっかく1-1で振り出しに戻ったのに、追いついたアウェイチームではなくホームチームの勢いが止まらず。何度も危険な場面をつくられる。結局、ボーンマスが優勢を維持しながら前半を終えた。
この日のアーセナル的ハイライトはもちろん、後半。
54分と74分にライスがゴール。彼はこれでPLで初めての2ゴール。ヒザの腫れが引かないなんて信じられないようなパフォーマンスだった。これで3-1。勝つための安全マージンも取った。
アーセナルは、後半開始直後に取るゴールがけっこう多い印象があるなと思ったら、今シーズンのアーセナルは46-54分までのあいだ、つまり後半開始から10分間で10ゴールを決めているらしい。試合後のアルテタがハーフタイムの重要性について話していたが、その前半からの調整が反映された結果なのかもしれない。
これで3-1になり、このとき試合はほぼ終わったかと思われたが、なんとその5分後にはなんでもないところからボーンマスにファインゴールをぶっこまれる。3-2でゲイムオン。これぞPL。
その後10分くらいは、ボーンマスが1ポイントを追いかけてかなりプッシュしたが、アーセナルも負けずに対応。残り10分でピッチに入ったメリーノの貢献もあり、なんとか逃げ切りに成功した。
最後6分の追加タイム、ボーンマスがボールを持って最後の攻撃をしていた96分台でホイッスルが鳴ったことで、ボーンマスの皆さんは怒り心頭だったようだが、まあたまにはわれらにそういうことがあってもいい。ぜんぜんSame old Arasenalじゃないから。
試合を振り返ると、今回もこの勝利は非常に大きかったと思う。ボーンマスはしばらく勝てていないのが不思議なほど強いチームで、アーセナルがここでポインツを落とす可能性だって低くなかっただろう。とくにあのようなミスをやってしまっては。
しかし、この試合のなかで見せたのはトップチームとしての自信や自覚だと思う。選手たちは、自分たちが敗けるわけがないと思い込んでる。悪い結果をみじんも信じなかった。そういう気がする。PLヴィラの前までの、あの消化不良なチームとは違う。勢いがシフトした。それこそが、このチームに必要なものだっただろう。
これでアーセナルは、CLとカラバオカップを含めて7連勝。なんだかんだ、勝ちながら悪いときを乗り切った。
そして、今回アルテタも称賛していたように個人の活躍。この試合はビッグガビとライスが称賛されているが、オーデガードが3試合連続のゴール関与で(G1 A2)、サカもこの3試合ではA2。PLの直近5試合なら、A4である。チームとともに、選手たちのパフォーマンスレベルも上がってきた。
つぎのPLリヴァプールはエミレーツでの試合。これはいいタイミングだ。












