試合の論点
アーセナル vs サンダランドのトーキングポインツ。
A super Saturday 🌟
Watch highlights from our 3-0 win over Sunderland 📺 pic.twitter.com/C5bgJP5U69
— Arsenal (@Arsenal) February 7, 2026
サンダランドが強すぎで3ポインツの価値が高い
3-0という試合結果は、この試合の内容を語っていないと思う。
サンダランドがあんなに強いとは。今年の昇格チームですぞ? 毎度書いてしまうが、PLのレベルはほんとうにおかしい。どうかしている。
最近は、タイトル争いのプレッシャーにさらされているなかでは「アーセナルの最大の敵はアーセナル」だったが、今回の敵は自分たちじゃなくて、相手だった。
試合後のソーシャルメディアでは、アーセナルが「ロウギアで勝った」「それこそタイトルを取るチームのしぐさ」みたいな称賛もあって、それはたしかにそうなのだが、この試合はサンダランドがかなりよかったし、アーセナルがあまりよくなかったのは、見た目からもスタッツからも明白だろう。
ちなみに、このようにアーセナルを称賛していたサンダランドのファンがいて(女性?)、あまたのアーセナルファンからの「いやいやそちらも強かったですよ」のリプライに感激して、いちいち感謝のリプライを返していたのがすごいほっこりした(笑い)。わたしたちにはこういうインターネットが必要だ! っと、それはいいとして。
アルテタがよく相手コーチを褒めるときに云う「やりたいことがはっきりしている」。今回もそれがじつによくわかった。彼らはやることがシンプルで迷いがなく、基礎に忠実でミスが少ない。だからボールが奪われずによく回るし、困ったときはロングボールに躊躇もない。前半すこしとはいえ、アーセナルがポゼッションで上回られた理由もそこにある(48% vs 52%)。
それと、今回はアーセナルのDFたちは相手のアタッカーにだいぶ手こずらされていて、とくにサリバは前半にカードをもらってしまったし、カラフィオーリもたびたび後手になった。DFの個人が相手にやられているのは最近のアーセナルの試合ではあまり観ない光景と思う。
この点について、Sam Deanが指摘していた。
Very rarely see a forward player attach themselves to William Saliba in the way that Brian Brobbey has so far today. Most strikers try to avoid Saliba. Sunderland keep going long to Brobbey’s feet as he tries to pin the Arsenal defender. Good battle.
— Sam Dean (@SamJDean) February 7, 2026
FWの選手があんなふうにサリバにくっついているのはあまり観ない。それをここまでBrian Brobbeyはやっている。ほとんどのストライカーたちはサリバを避けようとするのに。サンダランドは、しつこくBrobbeyの足元に長いボールを出していて、アーセナルDFを釘付けにしようとしている。いいバトル。
Brian Brobbey(24)という選手は、試合前にチェックしてゴールもアシストもそれほど目立つ数字でもなかったので(G5 A1)、気にもしていなかったのだが、あのDFを背負ってのホールドアッププレイはそうとう優秀だと思った。11月のアーセナル戦でも最後の最後にイコライザーを決めたのが彼だった。来シーズンはもっと大きなクラブに行くかも?
アーセナルのDFが今回のように相手FWのホールドアッププレイに手こずらされた数少ない試合としては、最近のCLインテル(A)が思い出される。ひょっとすると、サンダランドのコーチはあの試合から今回のやりかたの着想を得たのかもしれない。並のFWなら、サリバにもビッグガビにも勝てないのだが、互角に渡り合えるFWがいるとなれば、悪くない戦略かもしれない。
そういう相手だったので、アーセナルはかなり苦しかった。安定したアウェイチームのパフォーマンスと相対的にこちらのミスが目立つくらい。後半に入ってからも、彼らは1-0でリードされているはずなのに、アーセナルよりずっといいプレイをしていて、コメンタリが「サンダランドのほうが冒険的で創造的」と述べたときは、とても悔しい気分になってしまった。
しかし、それでもですよ。
サンダランドがよくて、アーセナルがあまりよくないとしても、試合の状態としてはせいぜい50/50。アウェイチームがはっきり優勢というほどでもなかった。だから、ズビメンディの42分のあのファインゴールが試合の流れを決めるにはとても重要だった。
MFらしい、正確無比なパスのようなショット。GKが伸ばす手の届かないぎりぎり、ゴールポストの内側にヒットして入った。あのコース、あのスピードじゃなきゃ入らないやつ。まさにインチパーフェクト。
アーセナルは、すでにブロックが整っている相手守備に対し、なかなかゴールできずに長い時間を過ごすこともめずらしくないが、あのズビメンディのゴールはまさに均衡を破るゴールだった。トロサールのパター(ゴルフ)みたいなパスに対し、ズビメンのショットはまるでビリヤードみたいだった。ぼくはビリヤードをまったく知らないから、こういうとき気の利いたたとえができなくてくやしい。
そして後半もあきらめないアウェイチームに対し、60分に入ったヨクレスがその6分後に2-0となるゴールを決める。
サンダランドのブロック守備を前に忍耐強くボールを回すアーセナルが、トロサールからボックス内のハヴァーツへパス、急所にいたハヴァーツはすぐさまゴール前にいたヨクレスへ。ややタッチが大きくなったものの、それを倒れるように足を伸ばしゴール。うーん、いかにも泥臭い彼らしいゴール。ゴールさえ決めてくれたら、多少ドジだろうが許される。
2-0になってもサンダランドはまだあきらめない。緊張感ある時間がつづき、最後はきれいなカウンターでネリ&ヴィクが3点めを決め、これでやっと試合終了。ノーガードはクリアボールのつもりだったかもしれないが、ネリにはいいパスになってくれた。
ということで、結果としては順当に3-0勝利。3ポインツで2位に9ポインツ差をつけたのだった。
アーセナルは、前回のリーズで4-0なので、マンUに敗けてからPL2試合で7-0。しっかりバウンスバックしている。
ヨクレスの2ゴール。サブで本領発揮? スーパーサブに活路
試合後のいくつかある話題のなかで、やはり注目はヨクレスだろうか。サブからのプレイ30分で、2ゴールを決めた。
これで彼は、2026年で最多ゴール(タイ)の選手に。もちろん2026年はまだ一ヶ月くらいしかたっていないのだが、それでもいま彼の調子が上がってきたことは事実。直近8試合で8つのゴール貢献がある(G6 A2)。
もちろん、そのなかにはCLのKairatやPLではリーズやサンダランドといった昇格チームが含まれるので、ライバルチームのファンは価値を認めようとしないだろうが、そんなことはどうでもよろしい。
今回の試合後に議論されているのは、ヨクレスの役割の変化。すなわちサブからのプレイ。アルテタが云うところのフィニッシャーとして。9が彼しかいなかったときはできなかったこと。それがいまできるようになった。
以前から、彼はスーパーサブとして活躍できるのではないかという声はあったが、実際に今回はサブからプレイすることで大きな恩恵を受けているように見えた。
まず、ジェズースやハヴァーツといった9が復帰してきたことで、彼のサブからの機会もこれからは増えていくことが予想されるが、そのおかげで彼がひとりで背負っていたプレッシャーから解放されること。過去の評判もあり、アーセナルでなかなか結果を出せずにいたことで、彼はこれまで数々の批判にさらされてきた。しかし、いまはほかのFWがプレイしてゴールしたりしなかったりで、彼ひとりに注目が集まることは自ずと減る。心理的な負担がが軽くなることはストライカーにとり、まったく悪くない。
それと、フィジカル面でのメリットも大きい。試合終盤で相手選手が疲れているときに、トップスピードでスプリントできる。これは、相手が追いかける状況で攻撃にリスクをかけていればいるほどスペイスがあり、彼の走力が活きやすい。今回の2点めは象徴的だった。
彼はもともとスペイスがあるほうが活きるタイプ。彼自身もビッグマッチで結果を出すのは今後の課題だが、チームとしてはとてもいい武器を手に入れた。
ほんの数試合前、ハヴァーツが戻って来るタイミングで、彼のプレイ機会は減っていってしまうのではないかと危惧していたが、この流れだとまだまだ彼に期待できそうである。
そういえば、ヨクレスの2ゴールめで、ゴールが決まったあとに相手の悪質なタックルがあり、あれはなぜにカードの対象にならないのかと疑問の声がかなり多かった。たしかに、レッドカードに値するファウルにも見える。
The tackle is ignored because he scored.
We’ve seen many examples of this, and it’s wrong.pic.twitter.com/j7ELKfDBOj https://t.co/RJYjNSUlJQ— 🇳🇴 kimmoFC (@kimmoFC) February 7, 2026
ゴールが決まったあとだとファウルはファウルにならないのかね。ゴールが決まっているとこのようなプレイがあってもあまり議論にはならないが、まれによく見る光景ではあるので、ルールをはっきりさせてほしい気はする。















