試合の論点
ブレントフォード vs アーセナルのトーキングポインツ。
ブレントフォードのフレッシュなエナジーでアーセナルのフォーム低下が浮き彫りに。タイトル争いのプレッシャー、増えるケガ、重なる疲労。4つのコンペティションを戦うシーズン終盤に向けて暗雲
試合が始まってから、アーセナルはらしくないパスミスが目立った。
メモによると、3分のガブリエル、7分のヨクレス、14分のトロサール、22分のラヤがパスをしくじっている。
このなかでも、ラヤは相手セットピースからのカウンターを試みて、ライスにありえないようなスロウをやり、逆に危険なエリアで相手にボールに渡すというとびきりヤバいミスだった。自分でセイヴできたからよかったものの、相手のビッグチャンスを招き、あわや大惨事。
アーセナルの選手たちが、この短時間にこれだけのミスを繰り返したことには、やはり精神的な理由が疑われる。
前日にシティがフラムに3-0で勝っていたため、2位とのポインツ差は一時的に3ポインツに縮まっていて、なんとかトップを維持しつづけたい選手たちにはかなりプレッシャーがかかっていたことは否めない。プレッシャーがあるとき、よく選手の視野が狭くなっていると感じるものだ。周囲が見えていないので、なんでもないようなところでパスをミスる。そこは時間がたち身体が温まるに連れて改善されていったのでそれはいいとして。
それと、この日のアーセナルはいかにも攻撃がうまくいかないという印象が強く、とくに前半はボールを持っても有効な攻撃が繰り出せないでいた。
なかでも大きな問題に見えたのが、やはりエゼ。ケガをしたハヴァーツのかわりにスタートとなり、試合前はこの機会にもっともステップアップが期待された選手だったわけだが。。
エゼは、PLでは12月のウォルヴズ以来のスタート。そして、アーセナルでの彼の平常運転でチームプレイのなかに入って行けず。前半だけで交代させられてしまった。45分間でのタッチは17。
彼のパフォーマンスはちょっと深刻に思える事態だ。チームプレイのなかで相変わらず異物感があり、ビルドアップのフェイズでは10としてライン間でボールを待つも、パスがまるで彼に届かない。アーセナルでもう半年もたっているのに改善されるきざしが見えない。
あんなパフォーマンスをみれば、そんな彼をアルテタがなかなか使わない理由もわかるというものだし(使わないからよけいチームプレイに慣れない悪循環)、今回彼を起用せざるを得なかった状況のほうを恨みたくもなる。
後半オーデガードが入って攻撃がかなり好転したことかれもわかるように、このチームのあのポジションの選手に必要なのは、やはり潤滑油になることだろう。攻撃専門のピュア10ではなく、ビルドアップにも貢献する8/10ハイブリッド。オーデガードはもちろん、ハヴァーツもメリーノもその役でプレイできるが、彼らはここにいない。もしオーデガードが今回の試合中のケガを引きずるようなら、状況はけっこう深刻だ。試合後はワネーリをローンに出したことを嘆くファンの声があふれていた。まあそれも後知恵にすぎないけれど。
そして、チームにケガ人が続出しているおかげもあり、選手の負荷がかなり高まっているだろう。
この試合の終盤は、かなりオープンになりお互いにカウンターの応酬のようになっていたが、ライスやティンバーの疲労は明白だった。
アルテタはノーガードやホワイトをあまり使おうとしないが、このままではいずれ誰かがケガをしてしまいそうだ。いまライスやティンバー、あるいはズビメンディ、あるいはサリバやガブリエルのようなキープレイヤーが離脱したら、間違いなくタイトルには黄色信号がともる。それでは、例年の繰り返しである。
BBC Sportが、アーセナルのシーズン終盤の失速について興味深い記事をアップしていた。それによれば、直近5シーズン、最後の12試合の結果でアーセナルは一度もチャンピオンチームを上回っていないという。
2位とのマージンは現状4しかない。残り12試合で、チャンピオンと4ポインツ差以内の結果だったシーズンが3/5。今年はどうなるか。
正直、いまこの瞬間、アーセナルにポジティヴな材料が見当たらないという気がする。
ケガ人が全員戻ってきたみたいに喜んでいたのが、ついこないだなんだが。どうしてこうなった? 急転直下とはまさにこのこと。
アーセナルは、このような状況で4つのコンペティションを同時に追うべきなのかどうか。
最近は、今シーズンのマンUの試合数が死ぬほど少ないことが笑いのネタになっていたのだが、アーセナルはこの状況を笑えなくなってきたかもしれない。
10日後のNLD(A)まで、アーセナルはこの試合を含めて3試合あるのに対し、ToTはその日まで試合なし。なんと12日間のブランクがあるという。アーセナルは前の試合から中3日しかない。
今回のブレントフォードやそのほかの試合が示すように、フレッシュなチームとの対戦はかなりトリッキーだ。
アルテタとコーチは、今後シーズン終了に向けては賢いスクワッドマネジメント(ロテイション)が求められる。
ところで、The Athleticのある記事では、アーセナルは毎度スターティングを変更しすぎなのではないかという指摘もあった。
ちなみに、前回の試合からスターティング4人を交代した試合は今回が2試合めで(前回はフォレストA)、アーセナルはそのどちらも勝てていないという。
チームは変えたほうがいいのか、変えないほうがいいのか。どっちやねん(笑い)。
エゼ???
Telegraphのサム・ディーンが、いまのアーセナルのエゼとシティのJack Grealishの状況の類似性を指摘していた。同じように期待されて移籍したものの、新チームへの適応にはだいぶ苦しんだスター選手として。ただし、後者は結局適応してトレブル達成に貢献したが、エゼはどうなるかと。
ところで、ふと考えてしまうのは、エゼは試合中どういうインストラクションで動いているのかということ。
あの周囲に相手選手が多数いるポジションで、後ろからボールが来るのをひたすらに待つのは、アルテタの意向どおりなのだろうか。
エゼがアーセナルに来たとき、アーセナルにいないタイプ(右足、左サイドのAM)として大いに期待されたわけだが、アーセナルに彼の役割の選手がいなかったのは理由があったのかもしれない。だってチームプレイの蚊帳の外なのだから。
ヨクレスにも同じことが云えるのは、彼らの得意なプレイスタイルとアーセナルのプレイスタイルがどうにも合っていないこと。それぞれ、スポルティング、パレス、彼らはアーセナルとは全然違う。それでも、エゼのようなクリエティヴな選手に、アーセナルで適応問題が起きようとは想像もしなかったのだが。
だから、周囲の選手がヨクレスに合わせようとしていたように、エゼも周囲の選手が合わせてやる必要があると思うのだが、どうもチームにそういう意識があるようにも観えず。だから、毎度極端にすくないタッチで試合を終えることになる。
タッチが少ないということは、つまりチームプレイに関与していないということだ。ヨクレスのように、相手DFを引き付けてスペイスをつくるようなオフザボールでの貢献も彼にはない。というか、彼はどうしたってオンザボールの選手だろう。No.10、クリエイターとはそういうもの。
エゼ本人ももっとボールを受ける動きをすべきだろうし、チームも彼を信頼して、あるいは狭いスペイスにいる彼に勇敢になってもっとボールを預けるべき。お互いが歩み寄れば、改善のきざしも観えてくるように思えるのだが、現状はそうなっていない。
アルテタらコーチたちが、当然その問題を見逃しているはずもないし、いったいどうなっているんだろう。エゼ次第だと思っているのか?
エゼは、年齢的にいまがキャリアのピーク。ここを逃すと、それ以上の進歩は望めない。いや、まれに年を取ってどんどんよくなる選手もいるけど、ふつうはそうならない。
メリーノ、ハヴァーツがいないいまのMFの危機的な状況もあり、エゼへの期待はかなり高まっているところ。オーデガードになにかあれば、さらにそうなる。
この試合のエゼははっきり期待はずれだった。前半だけで交代させられるほど。だが、今後に向けては彼にもきっちり仕事をしてもらわねばならない。
アルテタは彼にはかなり頭を悩ませているはず。これから、好むと好まざるとに関わらず、彼のプレイ機会が増えて、それによってブレイクスルーが起きればいいのだが。それも、なにかきっかけとなるような変化が必要だろう。ここまでを観ているかぎり、それは自然には起きそうにない。
マルティネリ。ああマルティネリ。マルティネリ
試合を決める決定的チャンスを外しちゃった。
アルテタも激おこ。ちょっと前にもあったな。12月のウォルヴズでのヘッダー。あのときは試合結果に影響を及ぼさなかったが、今回は2ポインツ逃した。
この試合については以上











