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Arsenal, Controversy

The Telegraphがアーセナルおよびアーセナルファンを盛大にけなす記事を掲載

これが、いわゆる炎上商法というやつなのか。

カラバオカップSFの勝利のあと、TWを眺めていたら、ぼくのTLにやけにネガティヴオーラを放つグーナー系アカウントによるポストが連続して流れてくる。それは、すべてThe Telegraphの昨日のとあるコラム記事を引用したものだった。

なにやらアーセナルファンの逆鱗に触れる内容のようだ。

チャールズ・ワッツ「今日のTelegraphのアーセナルについてのコラムは、もう長らく観たことがないほどのクソ煽り(ragebait)記事だ。だまされちゃいけないし、シェアもしないように。彼らの思う壺だから。記事とも呼べないまったくのジョーク」。

ソーシャルメディアで、これほどの反応を引き出している記事とはいったいどんなものか。読んでみた。読んでみたので共有しよう。いちおうリンク。炎上商法なのでクリックしなくて大丈夫。

The Telegraphのペイウォールはやや甘いので、リロードした瞬間から課金を促す壁が現れるまで数秒あり。おれはものすごい速読できるマンなのだ。



「わたしはアーセナルファンであり、アーセナルファンはフットボール界でもっとも我慢がならない」George Chesterton

以下に要約する。

ハイバリーの時代から評判は地に落ちた。恥ずかしいTifo、パニック発作、そして陰謀論。それらが試合体験の一部になった

  • アーセナルファンが、古き良き尊敬できるクラブのファンから、我慢ならないほど大げさに振る舞う連中に成り下がっている
  • 彼らは傲慢で、ヒステリックで、パラノイドだと批判されている
  • その批判には、正当な理由があることが多い
  • 恥ずかしいTifoから画期的なAFTVまで、クラブのサポーターはますます品のない変人だと思われるようになった
  • ハイバリーのMarble Hallsにあった伝統と品位というアイデンティティからは程遠く、心理的迷信(psychological woo-woo)による集団不安になった
  • オーバーセレブレイティング、PLでポイントを落とすたびに起こすパニック発作、根拠なき陰謀論。それが彼らをフットボール版の「地球平面論者」にしている
  • さらに悪いのは、ミケル・アルテタに触発されたスタッフ。ファンにつられて自己陶酔のタンゴを踊っている。それがクラブをまるで10代のhypochondriac(※病気に過剰に不安になるひと)にしている

 

  • 明かしておくべきは、わたしは<元>アーセナルサポーターなこと。だから、わたしはこれらを距離をおいて眺めている。もっとも、感情的にはいまもチームとその運命は気にしているが
  • いまのアーセナルのチームには好ましいところがたくさんある。ピッチのうえでは、ついにうまくスクワッドを築いたし、鉄で鍛えられたクリエイティヴな選手もいる
  • だが、そのどれもがクラブの認識に変化を及ぼすことはない
  • じつに残念なのは、アーセナルサポーターの大部分はかつてのままなのに、つきあいによって汚染されてしまっていること
  • スパーズのシーズンチケットを持つ友人もこう云っていた「古いアーセナルファンはまあいい、新しくファンになったやつらが……」

 

  • 文化のなかに根本的な変化がある。それはアルテタのリーダーシップに対するアプローチのせいでもある
  • それは、リヴァプールやバルセロナのように、アーセナルにも高位の目的があると思い込むこと
  • 思慮深いひとなら不合理だと思うだろう「それ以上の意味」や「クラブよりも」といったコンセプトは、アーセナルの自己イメージに投影されてきた
  • しかし、それはアーセナルのアイデンティティの一部だったことは一度もない。リヴァプールやバルセロナにある例外主義の歴史的理由が、単純にノースロンドンにはないのだ

 

  • ほかのクラブのファンは、アーセナルがTifoを盗用するところを嘲笑しながら観ていた(彼らの評判は昨シーズンのCL PSGで披露されたあの小さな大砲からほとんど回復していない)
  • ブラスバンドとアンセムNorth London Forever、それが採用されたのは2022というはるか昔のこと
  • “Ashburton Ultras”が、エミレーツにヨーロッパ流をもたらそうとしたが、それはまがい物のようだった
  • 悲しいのは、アーセナルには自分たちの歴史があるのに、まるでほかの誰かになりたがっているように行動していること
  • これは成金サポーターや観光客には役立たないどころか、悪影響ですらある
  • ノースロンドンの無知な夫婦が中年になってフットボールに興味を持つようになったのは、ある日曜日の午後、義理の息子がキヌアサラダを食べながらその話をしていたというだけだから

 

  • アルテタが先日明かした、ホームでマンUに3-2で敗けた後のチームMTG(ただのグループハグである)ほど、彼らの臆病ぶりを示すものはない
  • 困惑するファンを落ち着かせるために、この「励みになり美しい」集まりで選手たちに語ったことばを彼が明かさざるを得なかったということが、彼らがマインドを失いつつあるという印象を強めている
  • いまの彼らのPLとCLでの状況にも関わらず、ほんの一部ではあるが、実際チームにブーもあった。それもまた彼らの最悪の振る舞いのひとつ
  • アルテタが云った「わたしが望むのはこのクラブに関わる全員、とくにサポーターに、ボートに飛び乗ってほしいということ。なぜなら、これがこのあと4ヶ月のわれわれの生き方だから」。こうも云った「われわれにはそのような生き方がふさわしい」。回答はハガキでお願いします
  • この感情的・感動的傾向は、ほかのクラブのファンに馬鹿にされている。彼らはそれを、イングランドで伝統的に定義されているファン文化に反する、粗野なものとみなしている。禁欲主義、諦め、そして苦労して勝ち取った成功に対する尊敬
  • アーセナルファンが、とくに好かれたり憎まれたりしているわけではないが、ロンドンのライバルからは当然敵視されている。まずなによりスパーズ、つぎにチェルシーとウェストハム
  • 加えて、健全に覇権を競った競争相手とも。1980年代後半のリヴァプールや1996年からのヴェンゲル時代のマンU

 

  • アーセナルの新しいファンダムのルーツは、ヴェンゲルがエミレーツでひどい時代を過ごしていたときに遡る
  • とくに2012年に登場したAFTVは、ファンエンゲイジメントの先駆者。もっともヒステリックで、もっとも自己認識に乏しいYT上のショウケイス
  • 2018年まで下降期にあったヴェンゲル時代は、一部のアーセナルファンが不正義や陰謀論のナラティヴに傾倒した時期でもある。レフリー、リーグ、UEFA、TV、ラジオ、すべてが彼らに敵対していると
  • アルテタも助けにならなかった。昨年5月のCLセミファイナルに敗けたあと「彼らのベストプレイヤーはGKだった。わたしの意見ではベストチームが敗けた。だがそれもフットボール」
  • 違う、フットボールはそういうものではない。アルテタはLinkedInマネジャーだ。Jake Humphreyのスペイン人版だ

 

  • エミレーツには、廊下中に大きな文字で心理学用語が貼られている。“This is our time.” “Our non-negotiables: discipline, leadership, dominate, compete.”
  • アルテタは素晴らしいコーチであり、もし彼が今シーズン大きなトロフィを取るなら、すべてのことは正当化されるだろう
  • だが、それこそが問題なのだ。当然。アーセナルがPLかCLのタイトルを勝ち取るまで、その発奮スローガンがクラブ全体にストレスを与えるだけであり、他者に彼らをキライになる理由を与えるだけなのだ
  • アーセナルは過去3シーズンを2位でフィニッシュしており、それがパラノイアの最大の源泉になっている
  • 皮肉なことはアーセナルは落伍者ではないこと。彼らは弱かったから2位なのではなく、2番めに強かったから2位なのだ
  • もっとも愚かな支持者たちのこうした視点の欠如は、自己成就の予言という危険を生み出す
  • アーセナルは、しばらくぶりにベストチームになっている。そしていまや優位なポジションにいるからこそ失敗の可能性がある
  • ミケルには気の毒に思うが、いまもまだ悪化するかもしれないのだ。アーセナルはスパーズになるかもしれない

以上

 

あらためて読むと、やべえな。

大手メディアがアーセナルにネガティヴな論調の記事を載せる機会は当然あるが、どのような批判でも、中立からの視線という前提を崩さないよう、それなりに抑制的な書き方になることが多いだろう。

しかし、このコラム記事は、とても中立的な視点があるとは思えず。

アーセナルファン批判、アーセナル批判、アルテタ批判。なにを云ってるかわからない部分もある。なんでスローガンがクラブを嫌う理由になるの? ドレッシングルームに“Believe”って掲げてあったらムカつくとか? もはや、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの域。

まともなメディアでここまで躊躇ないストレートにネガティヴな記事は、観たことがないという気がする。

記事のタイトルに「わたしはアーセナルファン」と入れたのは、バイアスのない意見だと主張したかったのだろうが(※文中でじつは元ファンだと告白していてそれも意味がわからず)、文章の端々には中傷のニュアンスすら読み取れる。小馬鹿にしたり、嘲笑したり。そもそも「我慢がならない」のは、あなたがアンチアーセナルだからでは?

しかし、いっぽうでこの記事がある意味よく出来ていると思うのは、最初のTifoなど、アーセナルファンが触れられたくないポイントを(それと知りつつ)つかんでいること。AFTVとか(笑)。文章のむすびには「(あなたたちの大嫌いな)スパーズみたいになるかも」とまで書いて、どう書けばアーセナルファンの怒りを掻き立てられるか、わかっている。

この記事が出てきたタイミングを考えても、これは非常に悪意のあるネガティヴキャンペーンだと思う。

いま2月。PLは残り14試合で、アーセナルは6ポインツクリアでトップ。22年ぶりのタイトルを目指してもう毎試合がファイナルのようになっていて、チームは精神的な強さを試されている真っ最中。それがわかっていて、さらにプレッシャーをかけようとこんな記事まで書いてハードワーク。すごい負のモチヴェイションだな。

だから、これは(元)アーセナルファンとしての視点というよりは、世にはびこるアーセナルヘイターたちが共有している視点と観るべきなんだろう。

強いアーセナルが憎くて憎くてしょうがないひとたち。退屈だ最悪だと罵りながら、なぜか毎回アーセナルの試合を欠かさず観ているひとたち。かわいそうに、キライなのに気になって仕方がないんだね。

 

このコラムの筆者は、George Chesterton(@geochesterton)。TelegraphのSenior Features Writerで、もとはEvening Standardの編集/記者とのこと。政治や歴史に造詣が深いというので、フットボール専門のライターではないのだろう。

しかし、元とはいえ、アーセナルファンを名乗るライターなのに名前も初めて聞いたし、それと、2010から使っているというTWのフォロワーが現在2375人。いや、おれより少ないんだが。。そんな立派な仕事をしているライター様が、15年もTWユーザーでそんなフォロワーが少ないってことある? まさか実在しないAI人格だったりして。

この記事は冒頭のチャールズ・ワッツをはじめアーセナルファンには、ragebait(怒らせることで注目を集める)認定されているわけだが、実際この記事にリンクしたTelegraphのTWは、現時点でRTが3.5k、LIKEが13k、リプライが1.2kと、ふだんの彼らの記事よりもはるかに反応が多いはずで、炎上商法としてはちゃんと目的を達成していそうである。

しかし、このコラムを書いたライター氏はともかく、これを載せようと思ったTelegraphの編集は、いったい何を考えているのだろう。このような低級な記事を掲載して、自分たちの評判を落とすだけだと思わないんだろうか。それとも(アンチアーセナルな)マジョリティにウケる記事を掲載して注目が集まって、チャリンチャリンすればそれでいいのか。

Telegraphのアーセナル担当としてはSam Deanがいる。彼がこの記事をどう思っているのかとても気になる。

 

アーセナルは、トップを目指してピッチでハードワークするだけでなく、ピッチの外ではこういう輩とも付き合っていかねばならない。

たいへんである。

 

おわり



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