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【マッチレビュー】25/26 EPL アーセナル vs チェルシー(2/Mar/2026)シーズン終了まで醜く勝ちつづける?

試合の論点

アーセナル vs チェルシーのトーキングポインツ。

シーズン終了まで醜く勝つ?

この試合のスタートは、いつもと違う感じはあった。NLDでの勝利からのいい流れをちゃんとつかんで、前半は攻撃に積極的で、相手ハーフでは何度もいい状況をつくっただろう。

とくに右サイドのサカとティンバーのコンビネイションがよく、狭い中央エリアを使ってのワンタッチプレイなども何度もみせた。エゼ効果もあったかもしれない。

チェルシーは試合が始まってからもそのような自信満々のアーセナルを目の前にして終始自信なさげで、エナジーもなく。プレッシングもゆるい。さすがに近年の対戦成績からも、アーセナルへの苦手意識は拭えないのか、正直トップチームのひとつには観えなかった。

とくに悲惨だったのが、彼らのGK。ボールを持ちすぎてヨクレスに直接奪われそうになったり、プレッシャーに窮してパスミスをしたり、スタンドがざわつくほど繰り返し不安定なところを観せた。アーセナルはそこからひとつぐらいはゴールを決めているべきだった。

そのなかで、アーセナルはコーナーからゴールも奪って、概ねいい時間を過ごしていた。

だが、この試合の問題は個人のミスがあまりにも多かったこと。相手のせっかくのミスに、自分たちもミスを重ねて、なぜかつけこめない。

もちろんチームの攻撃への積極性は、つまり失敗のリスクをかけているのと同義だから、チャレンジングなプレイが成功しないのはいいとしても、それが多すぎたように感じる。せっかくいい状況、惜しい状況をつくりながら、ラストパスもフィニッシュも精度を欠いた。相手が不安定でこちらに勢いもあるのに、いちいちそういう細かいミスで勢いを削がれる。

その時間帯で目立って印象が悪かったのが、ズビメンディ。今回も不用意なバックパスでボールを奪われそうになった。トロサールもため息が出るようなパスミス。もともとこのチームの課題だった個人エラーは、この試合でむしろ増えてしまったようだ。

それとヨクレスは、いまさらこれを指摘するのは彼にはアンフェアかもだが、やはり彼は基本的な技術レベルがチームのスタンダードには達していないだろう。相手DFと1 v 1でことごとく勝てないし、アーセナルのほかの選手たちならなんなくこなしそうな難易度のパスが成功しない。

これまでゴールまでのひとつのプレイフェイズで、彼のワンタッチパスが決定的になることもなくはなかったが、やはり全体としての成功率は低そうだ(※この試合の彼の相手ハーフでのパス成功率は45%。posession lostが14)。何度もため息を誘った。彼にしかできない役割では当然彼の存在はチームにとって貴重。しかし、チームプレイの歯車のなかのひとつとしての働きを考えると、そういった彼のレベルがチームの足を引っ張ってしまうこともある。

そういう自分たちでチャンスを浪費するような時間を長く過ごしていると、往々にして勢いというのはシフトしてしまうものだ。

45+2分の彼らのイコライザー(ヒンカピエのOG)は、コーナーになった時点でかなりいやな予感がした。あれだけのチャンスを自分たちで無駄にしつづけていれば、どこかの時間でかならずしっぺ返しはある。そう思っていたから。

そして悪い予感は的中し1-1。ゲイムオンからの後半。チェルシーがすっかり自信と勢いを取り戻してしまっている。前半ほとんどの時間でなにもできなかった彼らが攻撃を始めた。後半試合が始まってからの彼らのチャンスではラヤの活躍がなければ、失点の危機ですらあった。

そして後半もアーセナルは個人ミスがなくならない。トロサール、サリバもやらかしそうになったし、後半交代前のライスは疲労からか、ありえないパスミスをやり相手にコーナーを献上した。

だが、それでも65分にまたコーナーからティンバーがゴール。2-1。

その後チェルシーには、4分間のあいだにカードを2枚もらったアホがいてくれたおかげで、11 v 10に。試合はホームチームの圧倒的有利になったかに思われた。しかし、さにあらず。

信じられないことにアーセナルのチームは、試合終了までまるで自分たちがひとり少ないような怯えたプレイに終始。最後の10分間くらいは、パニックといってもいいほどだった。最後にまたラヤのビッグセイヴもあってなんとか逃げきったものの、試合後の後味はとても悪かった。既視感。

このチームは同じことをずっと繰り返している。相手を圧倒しなんならゴールも決める。だが、その時間につくったチャンスを十分決めきれないでいると、いつの間にか勢いがシフト。失点。失敗の不安にさいなまれパニックに陥る。

今シーズンは、この同じパターンで何度もポインツを落としている。この悪夢なサイクルがいつまでも改善されない。今回は試合には勝ったので、チェルシーのようなチーム相手にも結果は出したのはポジティヴだが、今後のPL9試合についてはこのトラウマというかPTSDというか、こころの不安定さを抱えたまま試合をつづけることになりそうで、ファンとしては正直いまからうんざりしている。

うんざりしているが、それでも勝たねばならない。

そんなとき、試合後のパトリック・ヴィエラが興味深いコメントをしていた。「もしアーセナルが今シーズンPLを勝つなら、今後数年はつづけて勝てる」。

だから、いまのこの苦悩はいわゆる「産みの苦しみ」みたいなことかもしれないと思った。

もちろんこのチームにとってはPLタイトルは初めてで、前回のアーセナルのPLタイトルが22年前ということを考えれば、選手にもコーチたちにもその直接の記憶はない。まったく初体験のブレイクスルー。ここさえ乗り越えてしまえば、あとは黄金時代が待っていると云えば、選手たちには多少励ましになるだろうか。それが信じられるくらいの自信は彼らにもあるはず。

もちろん最大の問題は、このような苦しみのなかでも、このあともなんとか勝ちをひねりだしていかねばならないことだが。。

もう美しいとか醜いとかどうでもいいので、ただ勝つしかない。

今週のアーセナルヘイト集

この試合後のアーセナルヘイトをMagic Hat氏がまとめてくれていた。自力で書くつもりだったから、これは助かるナイススレッド。

「なんてこったい、ラヤがPedroをパンチした。これは間違いなくペナルティ」

この件でもっとも流通している一枚を観るに、これは典型的な切り取りだ。このTWに含まれる動画クリップを観ればわかるように、ラヤのパンチと関係なくPedroは首を振っている。ラヤがボールにパンチしたときのもっとふさわしいフレイムもあるのに、わざとミスリーディングな一枚を選ぶ悪意。

 

「これはあきらかにライスのハンドボール!」

これは、フェアにいえばライスはハンボーを取られても文句は云えなかったかも。肘がわずかに上がってしまっているから。U-NEXTの英語コメンタリも、これはあきらかにハンボーと云ってた。

でもこの件については、レフの一貫性はある。だって、つい先日のリーグカップSFでもFofanaのハンボーは見逃したのだから。ほぼ同じ。あのときFofanaがハンドボールだったと認めたCHEサポだけが石を投げてくれ。

 

「ライスがあきらかに選手をつかまえている! これななんてレスリング。こんなの許される!?」

これは、もういまPLならどの試合でも観られる光景だろう。今回のアーセナルに文句を云っているやつは、フットボールファンですらないんじゃないか。

ただ、これについては、ぼくも以前からおかしいと思っていた。守備側のマーカーが完全にボールを観ていないことなどいまや日常茶飯事だし、両手でしっかり相手をつかまえていることも少なくない。どういうわけか、そうした行為を隠れて行うこともなくなった。なぜか最近それが許されるようになっている。

アーセナルばかり、とかくラグビーだとかレスリングだとか試合を台無しにしているだとか文句を云われがちだが、間違いなくどのチームもやっている。アーセナルはむしろこれまでもっぱらやられるほうだっただろう。毎度あれでなぜファウル(ペナルティ)にならないのか疑問だった。

たしかに最近のセットピース流行とともにこの手のアグレッシヴ守備が増えているようには見えるので、GKへの接触を厳しく制限するようになったように、今後ルールになにかしら反映されるかもしれないし、そうすべきとは思う。

ライスがらみの議論だとこれもあった。ボールがちょっとでも線上にあればいいということなんだろうけども。これも個人的にはあんまり好きじゃない。なんでファウルを取られるリスクをかけてこれをやるんだろ? ジンクス?

 

「アーセナルはセットピースからしかゴールできない。セットピースFCがゲイムを殺す!」

これはデータで論破できる。

ここまでのオープンプレイゴールはリーグ2位タイ。

それと各所で引用されている数字には以下のようなものがある。今回アーセナルはリーグで16コめのセットピースゴールで記録をつくっており、たしかに数は多いが、オープンプレイゴールとの割合では、とくに依存というほどそれに頼ってはいないのであった。チェルシーのほうが依存度が高いというのが皮肉なところだ。

  • Crystal Palace: 30 goals; 15 set pieces (50%)
  • Newcastle: 40 goals; 19 set pieces (49%)
  • Leeds: 37 goals; 17 set pieces (46%)
  • Chelsea: 49 goals; 19 set pieces (39%)
  • Arsenal: 58 goals; 22 set pieces (38%)

今シーズンもずっといわれているアーセナルのセットピース依存。そもそも存在しない問題でアーセナルはスケイプゴートにされている(Tom Canton)。

それと、今回は驚くべきことにアーセナルにとって9試合ぶり(8試合コーナーからのゴールなし)のコーナーからのゴールだったそうで、ひとつの試合で2ゴールがセットプレイからだったからといって騒いでいるアンチが滑稽すぎるという。

こうした事実がありつつ、BBC Sportのようなメディアさえも、このような記事を書く。

Arsenal: Ugly or a tactical masterclass? Gunners set-pieces prove decisive again

先日リヴァプールがコーナーから3ゴールだか4ゴールだか決めた試合では彼らのことをSet-piece kingとまで書いて称賛したのに、アーセナルの記事にはuglyの文字。この違い。どうかしている。

 

「アーセナルはセットピースでホールディングやファウルをすべてやってるダークアーツFCだ!」

今シーズンここまでのアーセナルは、フェアプレイテーブルでもベストチーム。

まあこんなことを云っても、ヘイターにとってはレフリーを買収してるSame old Arsenal always cheatingなので、なにを云っても無駄か。

ゲイムキーパー、ダヴィド・ラヤ

今シーズン、毎試合のように重要なセイヴをやっているラヤ。そのうちの4試合で、彼がセイヴによってアーセナルの僅差リードを守ったらしい。ドロウを免れた。

4試合でリードを守ったということは、8ポインツ分。

いまもタイトル争いが出来ているのは、彼の貢献が非常に大きい。

 

ところでこの件。ズビメンディの悪いバックパスをあわててクリアした場面、ボールを蹴ったあとに不自然にうしろに転んで、またcheatとか云われているわけだが。

これ観れば観るほど、彼にシミュレイションの意図はないよねえ。

バランスをくずして、へんに着地して足をぐねらないように、とっさに受け身(柔道)を取ったように見える。GKがトレイニングでよくやってる動きみたいに見えるし。そもそもシミュレイションの意図があるなら、こんなあからさまにはしないでしょ。ラヤをばかにしすぎ。

このTWには、ラヤはその後もファウルをアピールするしぐさもないし、クリップ全体を見ろという文句のリプライもある。

GK経験者の意見もとむ。

 

この試合については以上

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

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