ヴェンゲル監督がアーセナルFCと2年間の契約更新。公式発表になった。ファンに対するメッセージも含まれるインタビュー映像がビデオで公開されたが、”Let’s be together”という言葉にどれだけのグーナーが共感できただろうか。
もちろんベンさんもファン界隈での批判的な空気は読んでいただろうし、このインタビューでもあらたに契約を更新したビッグクラブの監督にしては、ほとんど厳しい表情を崩していない。アーセナルというクラブをどげんかせんといかんという気持ちを彼が世界で一番強く持っているんだと信じたいものである。
そんななか、毎度ゴシップ満載のMetroが珍しくそうだそうだと思える記事「ヴェンゲル続投ながらいまだ答えられていない5つの疑問」を投下。
軽く紹介してみたい。
ヴェンゲル続投決定。まだ答えが出ていない5つの疑問
ていうかまじ誰が責任を取るんだよ。
1 なんでこんな長いこと決められなかったの?
アーセナルCEOのカジディスはQ&Aでうまくかわしたとはいえ、ヴェンゲルの去就が決まらないことで大事な時期にチームに与えた影響は小さくない。いったい誰がこの責任を取るんだろうか。
移籍マーケットではスアレスやカンテといったビッグネームを逃すなど近年失態が続いている。ヴェンゲル続投についても経営陣は間違った判断をしないか。
2 アーセナルは構造的な改革をするつもりがあるのか?
一部報道にあったようなヴェンゲルがフットボール・ディレクター(director of football)と組むという件は棚上げになったみたいだ。ヴェンゲル本人はまったく興味をもっていないようだし。
この件は3つの小さい問題をはらんでいる。
・アーセナルの責任者はいったい誰なんだ?
・ヴェンゲルが全責任を追うのか?
・移籍マーケットでうまくやれていないのにも関わらず、なんでヴェンゲルは頑なに誰の助けも得ようとしないのか?
アインシュタインはこういっている「狂人は同じことを繰り返しなが違う結果を期待する」。
アーセナルはこの失敗モデルから構造的に脱却する必要がある。だらだらと4位に毎年入るというぬるま湯すらももう保証されないのだ。
3 ヴェンゲルの後継者はどうするつもりなのか?
ヴェンゲルがアーセナルを諦めてくれさえすれば、誰か来てくれるかもしれないというグーナーの淡い期待は、ボードの無能さを再認識する結果に終わった。
数ヶ月前にはもしかしたらマックス・アッレグリが来るかもしれないという噂はあったが、結局ヴェンゲルと交渉をしていたのならもしそれがダメになったとしてその短期間にいったい誰をヴェンゲルの代わりに連れてこれただろうか?
ヴェンゲルの新契約が2年となり、彼がつぎの監督人事に首を突っ込もうが突っ込まなかろうが、19/20シーズンにはつぎの監督が必要になるのだが。
4 実際ヴェンゲルはどうやったら解任されるのか?
ヴェンゲルはエミレーツ・スタジアムに来て以来、最低の得点数で4位以内をキープしてきた。まるで優勝するよりも4位以内で終わることがプライオリティみたいだった。
最悪のシーズンをFAカップでチェルシーを破るという試合も含め10試合中9勝という好成績で終わったものの、リーグ後半戦の壊滅的なフォームの言い訳をできるものではない。
結果的にアーセナルは来季のUCL出場を逃しクラブの財政面でも打撃を被った。ヴェンゲルの唯一の拠り所であったものすら手に入れることに失敗した。来季もUCLを逃したら? UELにも出られなかったら?
アーセナルのファンのもっとも気に入らないことといえば、彼のポジションがアンタッチャブルであるということだ。クラブの野心やビジョンは明確であるべきだったし、そうであればヴェンゲルの立場もまた予測できなかったはず。
5 選手たちの契約更新はどうなる?
ヴェンゲルの去就が決まらなかったことは、明らかにサンチェスとエジルの去就にいい影響は与えなかった。いまアーセナルはふたりを引き止めることができるのだろうか?
30ゴール13アシストのサンチェスは置き換えができない選手だ。ヴェンゲルは彼を休ませることすらできなかった。
世界一になれるタレントがいたとして、ヴェンゲルはもう安易にはアーセナルで成功できるとか、バルセロナやレアル・マドリーに行くよりは成長できるとか説得できなくなっている。それがノースロンドンに必要な人材なら、サンチェスやエジルとともにプレイできるということで惹きつけられたのだけど。
アーセナルは彼らふたりが残留しないのならどうするのか考えなければならないし、ファンはそれを知る権利がある。
以上。
そうだそうだといいたくなる記事ではないか。
とくにヴェンゲルとの契約更新をこんなに引っ張った理由がいまだにわからない。アーセナルのボードが秘密裏に後任監督との交渉を行っていたというのがもっともらしい理由であるが、新契約を受け入れるか受け入れないかという選択がヴェンゲル監督に委ねられていたという報道を見るに、そのようなことはじつはまったく行われていなかったのかもしれない。
ボードが無能であるのはまあいいとして、ヴェンゲル監督自身はオファーを受けながら契約更新を決断できないでいるあいだ、いったいどのような心境でいたのだろうか。
今季アーセナルの後半の失速と停滞がほんとうにヴェンゲル監督の去就が影響しているというならば、ごめんなさいで済まない問題である。ていうかばかじゃなかろうか。
ヴェンゲル監督のそういった態度が問題を引き起こした可能性はあるにせよ「構造的な問題」を抱えるアーセナルにおいて、これらの問題の根幹はやはり経営サイドにあるのは間違いない。
アーセナルの株30%を持つというウスマノフ氏が買収に動いているというが、経営陣にもそれくらい大きな動きがないことには、ビジネスマンが跋扈するエミレーツ首脳界隈では今後も大胆な構造改革は望めないのかもしれない。
そんなことも憂えなければならないなんて、まことに嘆かわしいよ。おれたちはただスポーツを楽しみたいだけだというのに。まじがんばれよアーセナル。