16/17 EPLの4位争い
マンシティが昨夜のクリスタルパレス戦に勝利したおかげでリヴァプールが得失点差で4位に後退。ついにリヴァプールも本格的に4位争いに巻き込まれたかっこうである。
勝ち点だけを見ると6位のアーセナルを4位争いグループに入れるのははばかられるが、じつは3位4位チームより消化試合数が2試合少ない。
(7位のエヴァートンは勝ち点こそアーセナルと2差しかないが、アーセナルよりも消化試合が3試合も多い。実質的には6位のアーセナルまでが4位争うクラブとなるだろう)
アーセナルが35試合まで残りを全勝したと仮定すると、3位と6位の差はぐっと縮まる。その差は勝ち点3。たった1試合分である。
今シーズンの残り3試合はマンシティ、リヴァプール、マンU、アーセナルともに絶対に負けられない試合となるし、このなかでも下位に位置する2チーム、アーセナルとマンUはすべてに勝利したうえでなおマンシティとリヴァプールの取りこぼしを期待するよりない。
なお、アーセナルは4位を争うクラブと勝ち点で並んだところで得失点差で勝てない可能性が高い。したがって、どうしても勝ち点で上回らねばならない苦しい立場だ。前節TOT戦の敗戦がいかに痛かったかがわかる。
ポイントとなる残り試合
この4位フィニッシュを争うクラブの残り試合がなかなか興味深い。
アーセナルの4位フィニッシュ
前節のToT戦に負けたアーセナル。本日(5/7)行われる「アーセナルVSマンU」という世が世なら優勝を争う大一番であってもおかしくないカードでアーセナルの命運は決するだろう。5位と6位の対戦とは隔世の感がある。
勝てばギリギリ4位争いに踏みとどまるが、負けあるいは引き分けなら事実上4位争いから脱落となる。
イブラヒモビッチの欠場やミッドウィークにELを戦って疲弊しているマンUをホームに迎える試合ということで、アーセナルにとってポジティブ要素はあるにせよ、なぜかいつも勝てないのがマンU戦である。
もしマンUに勝つようなことがあっても、残り試合の対戦もアーセナルにとっては厳しいものとなる。苦手なサウサンプトン、ストークのアウェイマッチが続き、最終節の相手は7位エヴァートンだ。いまのチーム状態でこのすべてに全勝できるとはとても信じられない。4位力もここまでなのか。
マンチェスター・ユナイテッドの4位フィニッシュ
マンUも残り試合は厳しいものとなっている。マンUと同じく4位フィニッシュを目指す直接のライバルであるアーセナルとのアウェイ戦はもちろん、優勝を争うToTとのアウェイ戦を残す。
アーセナルのファンとして認めたくはないが、いまのToTは強い。彼らが現在のマンUに劣る要素が見当たらない。
マンシティとリヴァプールの4位フィニッシュ
この2チームは4位以内を目指すというよりも、CL本選ストレートインの3位フィニッシュを目指して戦うという意識のほうが強いはずだ。残り試合の対戦相手を見るに、マンシティがやや有利だろうか。ラニエリ更迭から好調を維持するチャンピオン、レスターとの対戦を残しているがそれもホームゲームだ。
いずれにせよ、マンシティ、リヴァプールのほうが、マンU、アーセナルよりも比較的楽な残り試合といえる。彼らが格下相手にやらかさない限りは、4位フィニッシュは順当だろう。
鍵を握るサウサンプトン
EPLの4位フィニッシュの残りフィクスチャーを見てもらうと、サウサンプトンとの対戦カードが3試合もある。つまりマヤ吉田率いるサウサンプトンが今季の4位争いのカギを握っている。
サウサンプトン自体は現在12位で、ELにも届きそうもないしもちろん降格圏内でもない。できるだけ上位でフィニッシュしたいという以外は、とくに現時点での目標のないクラブであるが、このタイミングで彼らの立ち回りが4位フィニッシュを目指すクラブの最終的な順位に影響を及ぼすというなかなかおもしろいポジションにいる。
つまり今季EPL終了までの吉田麻也に注目である。
※画像はSouthampton公式より
アーセナルはサウサンプトンが苦手
アーセナルとサウサンプトンの対戦成績(過去10年)
Arsenal football club: record v Southampton
アーセナルにとって2012年以来サウサンプトンとの対戦成績は、12戦5勝4敗3引き分け。ほぼ半分しか勝てていない。とくにアウェイに限れば5戦でたったの1勝、それも勝ったのはカップ戦(今年のFAカップ)でリーグ戦での勝利はない。ほとんどアーセナルキラーといっても過言ではない。
4位争いの最終順位予想
3位 マンシティ (残り試合3勝) 予想勝点 78
4位 リヴァプール (残り試合2勝1分) 予想勝点 76
5位 マンU (残り試合2勝1分1敗) 予想勝点 72
6位 アーセナル (残り試合2勝2分2敗) 予想勝点 68
アーセナルの予想成績がわれながらリアルすぎてつらい。
勝ち点68あれば、過去多くのシーズンでEPLトップ4に入れていたということから、今季がいかに上位争いが熾烈であったかがわかる。