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アーセナルがイーサン・ワネーリとの新契約を発表! 2030年まで

ようやくこのニュースがやってきた。

BBFのMLSに遅れること約2ヶ月。メディアで契約合意が伝えられてから3週間。ついにイーサン・ワネーリ(18)の契約延長がアーセナルから発表された。

公式には発表されていないものの、各所で2030年までの5年契約と伝えられている。

2022年に15才でPLデビュー以降もアーセナルで順調に成長をつづけたイーサン。24/25シーズンにはファーストチームでの露出もぐっと増えたことで、彼にとってはブレイクスルーのシーズンともなった(P37 G9 A2)。

そしてひきつづき、このプリシーズンでも、チームで抜群の存在感を発揮している。

そんな彼で、さらにアーセナルでの現行契約が残り1年になっていたこともあり、この新契約が成立するまで国内外のクラブから多数の引き合いがあったとも云われるなか、本人は最初からアーセナルしか眼中になかったという。子どものころから家族ぐるみのアーセナルファン。

これでアーセナルはマイルズとイーサンという、ふたりの未来のビッグスターをチームに留めることに成功。この夏のアーセナルは、積極的な補強でひさびさのビッグサマーとなっているが、このふたりを維持したことも間違いなくビッグサマーの重要な一部。めでたし。



イーサン・ワネーリがアーセナルと2030年までの新契約にサイン!

AFC公式サイトより引用しよう。

イーサン・ワネーリがクラブとの長期契約にサインしました

8才からここにいる、最高に才能あるわれわれのアタッキングMFが、クラブとの将来にコミットした。彼はヘイルエンドアカデミーからファーストチームへ、目覚ましい成長をとげている。

2022年、イーサンは、最年少でわれわれのファーストチーム入りした選手として歴史をつくった。また英国フットボールにおいても、15才181日という年齢でトップフライトでプレイした最年少選手にもなった。昨シーズンは、イングランドU-21で新しいレベルに達した。

彼はシニアレベルでは最初となるフルシーズンで37試合出場、16スタート、9ゴールを記録。彼の最初のゴールはリーグカップのボルトン・ワンダラーズで、つぎのラウンドのプレストン・ノースエンドでもスペクタキュラーな距離からのショットを決めている。そのあと11月には、ノッティンガム・フォレストでPLでの初ゴールも決めた。

1月、イーサンはPL史上3人めとなる18才以前に3ゴールを決めた選手に(オーウェン、ルーニー)。そのすぐあとにはCLジローナでもゴール。そのゴールはGoal of the Monthアウォードに選ばれ、2月はアーセナルのPOTMに選ばれた。それは、彼もゴールを決めたマンシティを5-1で破った月でもあった。

多くのアカデミーコーチや選手たちとの取り組みで、イーサンはユースグループのあいだで急速に成長していき、18才の誕生日だった5月にはイングランドU-18デビュー。2025年6月にEuro U-21を優勝したチームにも選出された。

アーセナルとの新契約を喜ぶイーサン・ワネーリ「クラブにトロフィとハピネスをもたらしたい」

AFCメディアがインタビューを行っている。5分ほどのインタビューを訳してみよう。

(イーサン、新契約おめでとう。この契約はキミにとってどんな意味がある?……)

ワネーリ:ありがとう。感無量だ。サインできてとてもうれしい。ここが自分がホームだと感じる場所。これからもここで成長をしていくつもりで、準備もできてる。

(デビューしてから3年、選手としてどう変わった?……)

たくさん変わった。PLの要求に応えなきゃならなかった。フィジカリーに変わったと思うし、メンタリーにも変わった。ケガとかセットバックへの対処についても、間違いなく強くなったと思う。

(ブレイクスルーシーズンとなった去年のハイライトは?……)

たくさんあるけど、最初の2ゴールかな。それとマンシティでのゴールも。CLのスタートデビューもあった。それらすべてが自分にとっての大きなマイルストーンになっている。すごくうれしいし、今後もつづけていきたい。

(昨シーズンは多くの時間を右サイドでプレイし、中央でもプレイできる。チームで自分の強みが活かせるのはどこだと思う?……)

ミッドフィールドだと思うけど、ぼくはとてもヴァーサタイルな選手だから。フロント5のどこでもプレイできる。マネジャーの要求に応える準備はできているよ。

(ここ数年、大人になるにつれて自分のプレイングスタイルは変わった?……)

ここ数年ではもっとダイレクトになったと思う。ゴールを決めるようになった。だから、これからどうなるかは自分でも楽しみ。何が起きるか期待している。

(ヘイルエンドでもっとも学んだことは?……)

忍耐だね。目標をしっかり持つこと。ヘイルエンドにいれば次の目標はコルニーだから。コルニーへ行き、U-21に入り、そしてファーストチーム。

だから、我慢強くやること。毎日ハードワークして、長期のヴィジョンを念頭に持つ。機会が来たら準備ができていること。

(キミは次世代のインスピレイションになっている……)

観られていることで、いいプレッシャーがあるね。だから、彼らには正しいことを示す必要がある。

いまや若い世代が自分を観ているというのは、大きな意味がある。ぼくもその年齢では、ヘイルエンドの卒業生たちや、ファーストチームの選手たちにあこがれていたのだから。

(つまりその責任感に自分もまた触発されている……)

100%。間違いなく触発されてる。

(ここに来るまでにたくさんの人たちに助けられたことは感謝している?……)

そうだね、ここに来るまでにはかなりたくさんの人たちに助けられた。とても感謝している。

(ヘイルエンド時代を思い返して誰にもっとも触発された?……)

リース、ブカヨ、エミール…… たくさんの選手たち。エインズリー・メイトランド・ナイルズも。もっと若かったとき、そういう選手たち全員にあこがれていた。

(キミにあこがれる若い選手たちがその足跡をたどることが重要……)

100%。彼らはいるべき場所にいるし、いまいる場所に努力して来たんだから。

(キミの弟Emersonもアカデミーにいる。彼のここまではどう?……)

彼もとてもよくやっている。庭でいっしょにプレイしていたときでも、彼はどんどん強くなっていったし、バトルを挑んできた。彼が今度どう成長するか楽しみ。

(彼はどんな選手? キミに似てる?……)

そういうところもあるかな。でも、彼はもっと守備寄りだ。ボックスからボックスに行けるし、ハードワーカーでボールを持ってプレイしたがる。とても賢い。いい選手だよ。とても優秀。

(将来いっしょにプレイできそう?……)

もちろん。それはいつも話している。お互いの目標だ。そうなればいいね。

(家族からの支援について……)

ぼくがデビューをしたときから、家族はつねにぼくに地に足をつけさせようとしていた。いいスタートだし、それはよかったが、ワークに戻る必要があると。集中させようとしていたんだ。

だから、家族にもお返しをしなきゃならないことがたくさんある。

(困難なとき家族がしてくれたこと……)

ケガをしたときには、助けてもらった。フィジカルなことはほとんどできなかったとき、読書のために本をくれたり、メンタリーに自分をテストできるものをくれたり。

だから、家族は今日のぼくになるための成長の大きな部分を担っている。

(子どものころからの親友MLSと時間を共有すること……)

とても特別。ヘイルエンドにいたころも話していた。U-12とかU-13。そして、ついにここまでたどり着いた。ことばもない。

(新シーズンは新ナンバーでファーストチーム登録。どれほど興奮している?……)

とても興奮している。ぼくは、これがファーストシーズンだと観ている。更衣室でスクワッドの一員になる。だから、自分がチームに何をもたらせるか、チームを助けられるかワクワクしている。

(今年の目標は教えられる?……)

個人的なものは頭のなかにある。シーズン終了時にそれが叶えられているかどうか(にやり)。

(キミはすでに最年少選手として記録をつくった。長期的にクラブで成し遂げたいことは?……)

できるだけたくさん勝ちたい。そしてクラブに幸福と栄光をもたらしたい。

(世界中のサポーターにメッセージを……)

すべての応援に感謝します。ぼくもハードワークする準備はできているし、クラブにはトロフィと幸福をもたらしたいと思います。

以上。イーサンが笑った!? いや、冗談ぬきでMLSのときも思ったけど、18才とは思えない落ち着きだなあ。

ヘイルエンド時代のあこがれだった選手たちの名前を聞いて目頭が熱くなったよね。もうブカちゃんしか残ってねえ。

やりとりのなかで出ている弟のエメルソン・ワネーリは2010年生まれだそうで、イーサンとは3才違い。先月には15才にしてU-18スクワッドにも含まれたということで、ヘイルエンドでも期待のひとりのようだ。15才ということはダウマンと同年代か。

兄弟(ワネーリ)とか双子(ティンバー)がプレイするチームになってほしい。

古巣のヘイルエンドアカデミーを訪れるイーサン。

ワネーリ契約延長の舞台裏。プレイ機会の保証?

まず、契約締結前のワネーリにちょっかいを出していたクラブとして、チェルシーの名前が取りざたされていたが(Maduekeの取り引きに彼を加えたがっていたとか)、そういったクラブのなかでBVBことボルシア・ドルトムントも彼の動向を注視していたクラブのひとつと云われていた。

興味深かったのが、一部で報じられていた、彼らがワネーリに「Jude Bellinghamルート」をオファーしようとしていたこと。BVBからRMに巨額移籍を果たしたBellinghamのサクセスストーリーは広く知られるところであり、そのようなキャリアプランを、Bellinghamと同じく将来有望な若き英国人である彼に提案することでワネーリの気を引こうとしていたのだとか。

契約にサインしたいまでこそ、彼がアーセナルにコミットしたのは当然と思われてはいるが、こういった一部報道があったこともあって、一時は万が一の事態を心配する声もあったりもした。

しかし結局、ワネーリはノースロンドンで生まれ育ったアーセナル一筋の少年なので(彼はエミレーツ・スタジアムから2マイル=約3kmも離れていない場所で生まれたそうで)、その勧誘は効果がなかった。まったくけしからんやつらである。

それと、当初アーセナルとワネーリの契約延長交渉にあたっては、彼のサイドが求めている「プレイタイムの保証」が障害になっていると、もっともらしく取りざたされていたが、先月なかばのオーンステインのリポートによると、交渉において彼らがそのようなことをクラブに求めた事実はなかったとのこと。

ただ、彼のプレイ機会については24/25シーズンのブレイクがあったとはいえ、新シーズンの彼にどの程度の時間が与えられるかは今後もやや不透明なところはある。少なくともレギュラーとは思われていない。

基本的にはRWかRCMが彼のポジションで、現状でもRWにはサカとマドゥエケ、RCMにはキャプテン・オーデガード、もしかしたらEzeもいる。あるいは、このふたつのポジションではマックス・ダウマンとの競争だってありうる。

彼のサイドがある程度のプレイ機会の保証を求めるのも当然と思われた。

だが、もしそうでないのなら、それもたいしたクラブへの信頼っぷりだと思う。プレイ時間の保証などしなくとも、うちのイーサンにしっかりチャンスを与えてくれるでしょう?という。

インタビューで「忍耐」について語っているのも新シーズンの成り行きを暗示しているようで興味深かったが、彼があまり長く忍耐が必要になるような状況にならないことを祈りたい。

25/26シーズンのイーサン・ワネーリ

さてどうなりますかね。

昨シーズンのサカ不在時のRWでは、彼はネリよりもトロサールよりも優秀に見えたが(そうじゃない試合もあったのは認める)、アルテタもゆくゆくは彼のポジションはMF(8/10)だと考えていることもあり、そうなれば彼が実際どれほどオーデガードのポジションでチャンスをもらえるかがカギになりそうだ。

いまのスクワッド全体を見ればオーデガードのバックアップは彼になるはずで、それはプリシーズンの起用法にもあらわれていた。レギュラー固定化&酷使の傾向が強いアルテタが、どれだけワネーリにチャンスを与えるか。

ところで、これだけスクワッドが充実してくると、新シーズンはアルテタのスクワッドマネジメントも確実に問われるでしょうね。ビッグガビが離脱しました、じゃあキウイで。がいつもうまくいくはずもなく。

レギュラーチームの万が一に備えて、普段からバックアップの選手たちにもチャンスを与えておくことが重要だろうし、それでレギュラー選手にかかる過負荷を抑制すればケガ予防にもなる。また、そうしたロテイションが実行できるデプスあるスクワッドにもなってきた。積極的な選手補強によって、レギュラーチームとベンチのクオリティ差は着実に縮まりつつある。

だから、むしろワネーリのチャンスはもっともっと増やすべき。なむなむ。

異例の15才デビューとなった彼ももう18才。18才くらいの年齢だと、シニアフットボールで存在感を放つ選手も少なくないし、アーセナルのようなチームでも重要な役割を担ってもおかしくない。すぐそばにはMLSのような例もある。

彼がトップレベルでコンスタントにプレイする準備ができているか。どんどん試してもらいたい。

 

今日は最後のフレンドリー、アスレティック・ビルバオ。ワネーリのプレイを楽しみにしておこう。

 

おわり



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