こんにちは。殺人的暑さ。
さて、この夏の移籍ウィンドウでも注目選手のひとりといえば、ニューカッスルのAlexander Isakですよね。
アルテタが彼の熱心な崇拝者であり、アーセナルのドリームターゲットとも云われていたひとり。しかしながら彼らの一貫した非売品スタンスから、アーセナルもひとまずは獲得を断念せざるを得ず。
その後、アーセナルがストライカーのメインターゲットをRBライプツィグのSesko、あるいはスポルティングCPのGyokeresのふたりに絞った経緯はご存知のとおり。そして、現在はもちろんGyokeresとの交渉が大詰めを迎える重要な局面となっている。
そんななかで、いまからちょうど一週間前、リヴァプールがIsakに動いたとオーンステインが伝えたときは、アーセナル界隈にも激震が走った(それは大げさか)。
🚨 Liverpool make approach to sign Alexander Isak from Newcastle United. #LFC say no formal bid + well aware #NUFC stance has always been: not for sale. But communicated interest in deal for 25yo Sweden international worth in region of £120m @TheAthleticFC https://t.co/qffFlyq9w3
— David Ornstein (@David_Ornstein) July 15, 2025
折しも、アーセナルはGyokeresの獲得でスポルティングと長らく交渉をつづけている最中であり、ここに伝えられているとおり仮に£120mのような金額で取り引きが成立するなら、アーセナルとて黙ってはいられなかったかもしれない……。
というような流れから、今回はAlexander Isakの移籍の件について少し。
結局リヴァプールもIsakはあきらめた?
彼らも動こうとしていたとはいえ、もちろんその後にリヴァプールもニューカッスルの頑なな拒絶にあったということで、結局彼らはIsakの代替となるであろう、フランクファートのHugo Ekitikeを総額£79mの巨額で獲得したのだった。ちょうど昨日ロマーノがHere we goしている。
彼らはこの夏すでに、レヴァークーゼンのFlorian Wirtzを含めて、現時点までに£200m近くを選手補強に費やしていることもあり(※ここまで売却が50mくらいあるようだが。まだNunezも売れていない)、そのうえEkitikeを取って、ここからさらに本気でIsakに向かうとは考えにくい。
Isakの代理人とアーセナルが面会?
ということは、ほかの彼に興味を持っているビッグクラブを含め、やはり今夏Isakに動きはないのか?と思われていたところ、@AFCAMDENが、とても興味深いことを述べていた。
Understand Isak’s representatives made contact with Arsenal in recent weeks. Not sure it changes anything as we are probably too far down the line with Gyokeres/NUFC unlikely to sell. Isak’s preference has always been Arsenal if a move was possible. Liverpool his second choice.
— AFCAMDEN (@AFCAMDEN) July 19, 2025
ここ数週間のあいだに、Isakの代理人がアーセナルと接触しているとみられる。すでにわれわれはGyokeresの件がかなり進んでいるし、NUFCも売りそうにないため、それで何かが変わるかはわからない。
もしこの移籍が可能になれば、Isakの希望はつねにアーセナルだった。リヴァプールは彼のセカンドチョイス。
このひとは、去年夏アルテタとズビメンディの約束を知っていたインサイダー系アカウントのひとりと考えると、この情報もなかなかばかにできないように思われる。
ニューカッスルの思惑はともかく、アーセナルサイドと水面下で接触しているという選手側の思惑はいかなるものか。
その後、彼の代理人のコメントも伝えられている。※このコメントはほかのどこでも観ていないので信ぴょう性は不明
Isak代理人:われわれは、われわれのオプションについてよく考え、分析しているところだ。そして、選手のためのネクストステップには完了に近づいているのかもしれない。移籍の詳細についてはなにも明かせないが。
これが意味することはなにか。ニューカッスルとの契約延長か、あるいは彼の望むクラブへの移籍を志願するか。アルテタが来年夏を待てとすでに説得済みか。
Isakについては、彼を欲しがるクラブに対するニューカッスルの態度が終始一貫して頑なであり、クラブも来年のCLを得ているため、この夏の彼の動きは現実的とは思われていなかったが、ここへ来て、少々ざわつき始めた感がある。
「混迷を極めるAlexander Isakの移籍劇。何が起きているのか?」by Miguel Delaney
Isakをめぐるこういった現状で、昨日づけでThe Independentにこのような記事がアップされていた。筆者は、Miguel Delaney。アーセナルファンのあいだではそこまで信頼度の高いジャーナリストではないものの、この記事はArsenal VisionのCliveがRTしていて、ぼくも知ることになった。
What’s going on with Isak and what happens next?
Frankfurt have been frustrated with slowness of Ekitike talks
Arteta loves Isak, but he’s already pushed Arsenal to extend the budget
Newcastle are hardline on not selling but big Q is does Isak agitate?https://t.co/c42EtKjyzj
— Miguel Delaney (@MiguelDelaney) July 21, 2025
これが、いまの彼をめぐる状況(アーセナルの状況も)をいろいろ説明しているように感じたので、ざっくり紹介したいと思う。小見出しは訳者による。
Isakの去就についてニューカッスルで深まる疑念
- ニューカッスルはAlexander Isakを非売品だと主張しているし、Eddie Howeも「彼はシーズンスタートにはここにいる」と自信を持っている
- しかし、クラブのなかではそれよりもっと不確実性があり、心配しているものも少なくない
- クラブの移籍市場での不満によって、Isakの気持ちが離れてしまうのではないかというフィーリングは増している(※訳注:NUFCのここまでのメジャーなサインは€61mのElangaのみ)
- この25才はプライムイヤーズに入っており、すでにCL出場だけでは十分でなくなっている
- Howeがなんと云おうが、セルティックとのプリシーズンフレンドリーから「(移籍の)憶測があるため」彼を「自宅へ帰した」ことで励まされるはずもない。いまの状況からしてもこれは奇妙で怪しい決断だ
- チームメイツのなかには、彼の将来にまったく関心がないものすらいる
- Howeのコメントではほかにも注目すべきものがある。「Isakはニューカッスルでハッピー」「わたしは選手のキャリアを尊重する。それがいかに短いか」
問題はIsak本人の意向
- 問題はニューカッスルのスタンスではなく、Isak本人が実際どれほど移籍を望んでいるかだ。これまでは彼の性格からしても、そんなことはあり得ないとほとんどの人が思っていたものの、それは以前ほどの自信を持ってそう云われているわけではなくなっている
- 同時に移籍ウィンドウには異なる力学、あるいは予想もしなかったことがもたらされることがある。テーブルの上に金が置かれたとき、ものごとは劇的に変化しうる
- もしかしたら、Isakはそれをもっと早くはっきりさせておくべきだったかもしれない。それはもう遅すぎると考えるものもいる
- 去年の時点で、Isakの周辺にいるものたちは彼の将来は明確ではないと主張していたし、この夏はビッグサマーになるはずだとも
- 議論もあるニューカッスルの無尽蔵に裕福なオーナーシップからすれば、彼らは誰よりも売却を必要としていないかもしれないが、そこにいたくない選手を必要とするスクワッドもない
- つまり、これはIsakの気持ちが実際どれほど移籍に傾いているかにかかっているのだ
Isakを求めるビッグクラブたち
- こうした話には、それでもまだ大きな警告がある。予想される金額の大きさだ。Isakにはじつに£150mもの価値があり、ニューカッスルはそれ以下では検討すらしない
- Isakを欲しがるクラブのなかでも、それを賄えるクラブはかなり限られる。今夏では片手で数えられる
- まず、レアル・マドリッドはスクワッドに空きがない。彼のポジションでは売却が必要であり、彼らはMFを優先している
- バルセロナにもニーズがあるが、予算がない。Marcus Rashfordのローンに向かっていたことからもわかるとおり
- PSGは注目すべきクラブのひとつ。彼は新しいCLウィナーにフィットする。しかし、彼らはほかのエリアに注力している
- バイエルンには明らかにその予算に近いものを持っているし、ニーズもある。Florian WirtzあるいはLuis Diazのために£100mあたりの予算を検討していたほど。彼らはIsakが行きたいクラブとして言及されていないというに過ぎない
- これらすべてを除き、ニューカッスルにとって苛立たしいのは、PLのライヴァルが彼を狙っているということ
- マンUとToT。少なくとも彼らはここで言及する価値はない
- チェルシーは、co-ownerであるBehdad Eghbaliの選手取引への情熱があるが、Isakの加入は給与総額での調整を余儀なくされるし、いまのところ彼らがなにか起こす兆しもない
- マンシティは1月以来すでに£350mを使っており、PSRの余地をほとんど使ってしまった
- リヴァプールがシティの金額に達するには、今年さらに£120mを出せるが、それは彼らがこの夏を見越してこれまでいかに支出に慎重だったかを示している
リヴァプールとIsak
- みんながこの件でつぎに何が起きるのかに注目している。そして、フットボールではほんとうのダイナミクスを理解できるものはいないのだ
- リヴァプールはIsakに関心を持っていたが、ニューカッスルに接触さえ拒否された
- 一部関係者によれば、実際接触はあり、多層戦略の「パワープレイ」があったとされる
- リヴァプールはIsakの状況を悪化させようと、ニューカッスルのターゲットだったHugo Ekitikeをターゲットにしたという説が広がっているが、それが事実なら、彼らが実際にフランクファートにオファーすることはないだろう。彼らは真剣にべつの取り引きを進めている
- その交渉に近い関係者が云うには、交渉は早く進んでいない。そしてフランクファートはその進捗に不満だという
- こうしたことが、HoweがIsakをフレンドリーに出さない決断をした理由であり、興味をそそられるのだ
Isakのアーセナル移籍は現実的?
- 最後に、アーセナルだ。彼らは長らくIsakのもっとも有力な移籍先候補と見られており、選手もまた以前から関心を示していたクラブ
- アーセナルはFWを買うために熱心に動いているが、いまだにGyokeresを確保できていない。彼らは、大きなチームになろうとしている。アルテタのIsakへの愛情はよく知られているし、彼にとりIsakは理想的なFWだ
- だから、突然の心変わりも理解できる…… もっとも、それも数字の純粋なロジックに直面するまでだが
- アーセナルには現時点ではIsakに行く予算はない。クラブは、Gyokeresの件で£5mの差額を争っているといわれる。それが突如£70mの増加がありえるか?
- 興味深いのは、アーセナルにはPSRで余裕があるということ。だから、それはオーナーシップがどれほど金を使うことを許可するかによると考えるものも多い
- クロンキが好むのは、財政的にリスクを負わず、完全に責任を取れるクラブであること。それをあまりに保守的と云うものもいるし、そうした倹約があってもなお、クラブには歴史的になるようなことをやれる大きなチャンスがある
- たとえばアーセナルの給与総額は、最近までシティはもちろん、リヴァプールのそれよりも£60mも少なかった
- そうしたことがフラストレイションになっていることも知られている。アルテタは、この夏の予算に関してはかなり強くプッシュし、議論に勝ってきた。しかし、だからこそ彼らがそれ以上を散財することになるとはかなり考えにくいと関係者は云う
- しかし、それがいま栄光を掴みとるかどうかの違いになるのかもしれない
- アルテタなら、Isakをアーセナルを変身させるタイプの選手にできるだろう
ひきつづきIsakの将来は不透明
- アルテタがサー・アレックスにならい、この選手ならすべてを変えることができるとボードを説得すべきだと思わずにいられない。彼こそが計画変更をする理由になる
- チャンピオンのリヴァプールが彼を獲得するかもしれないいま、その思いはいっそう強くなる。重要なのは、なにをするかだけではない
- ニューカッスルの内部でも当然このような議論を見ているものは多く、そして唖然としている。彼はまだ彼らの選手であり、まだ移籍にはだいぶ遠いはずだから
- しかしながら、間違いなく同意せざるを得ないのはHoweの発言「100%はっきりさせることは難しい」
- 市場の性質からして、IsakがシーズンスタートにいるというHoweの考えは正しいだろう。しかし、ウィンドウの最後にはどうなっているか? 市場はまだ劇的に変わる
- 土曜に起きたことがより混迷を深めている
以上
リヴァプールとEkitikeの件は、よくわからなかったな。
これはたぶんEkitikeのリヴァプール行きが決まる前に書かれたものだろうということはわかるが、そもそもIsakがほしいなら、ニューカッスルに彼の代替を買ってもらうほうが話が進みやすかったんじゃないだろうか。彼らのFWターゲットを奪ってしまったら、よけいにIsakを手放せなくなるんじゃ。彼らの補強の邪魔をしてIsakをがっかりさせるためにやったってこと?
そのあたりの論理はよくわからないが、ほかの部分はけっこうおもしろかった。
アーセナルがここで、GyokeresからIsakに心変わりしてもおかしくないというくだりはちょっと笑ってしまったが。ぼくは、この記事を昨日のアルテタの会見を見たあとに読んだので、アルテタがほとんどGyokeresの移籍を認めるような発言をしていたから、そのようなことはまずありえないと思ったのだ。
この件で、今後もっとも注目すべきはIsakのニューカッスルとの契約延長でしょうな。彼らが熱心にオファーしているというそれを彼が受け入れるなら、こうした移籍の憶測はかなり鳴りを潜めるだろうし、そうでなければ今後もっと騒がしくなっていくはず。
いまもニューカッスルは彼との新契約を望んでいるし、Isak側はそれに応じていない。現行契約は2028年までなので、本来ならまだ焦る必要のないタイミングながら、こういう状況でやきもきしているという。
最近の移籍案件のいろいろなケイスを見ていると、移籍が確実と思われる選手がRCを加えて新契約に応じるというのがけっこうあるように感じる。Seskoもそうだったし、マンUが買ったCunhaもだっけ?
だから、もしIsakがニューカッスルとの新契約に応じるとすれば、将来の移籍が現実的になる条件を入れようとするんじゃないか。RC £130mとかそういう。いま彼がクラブへのコミットメントを決めかねている状況を見るに、あそこに骨をうずめる覚悟があるようにはとても見えず、やはりいずれ希望のクラブへ行きたいというのが彼の本心。そういう本音がちらちら見えてしまっているから、ニューカッスルの皆さんも不安になっているのだろう。
あ・ゼントルマンアグリーメントはやめたほうがいいね。オーナーとかプレジデントとの口約束の紳士協定なんてなんの意味もないから。信じるから裏切られる。
ズビメンディじゃないけど、アルテタの「来年必ず迎えに行くから待っとれ」があったらいいなと思う。IsakはGyoともNTのチームメイトだしな。ふたりがフロントラインにいるのはかなり強力。夢がふくらむなあ。
おわり