昨日からアーセナル界隈は多幸感につつまれていますね。ピンク色のふわーんとした空気が見えるようだ。
#Eze10。もう彼にナンバー10シャツが与えられるのは当然という流れ。
そして、現地時間木曜夜(日本時間今朝)は、クリスタル・パレスのコンファレンスリーグの試合があり、Ezeはそれがパレスでの最後の試合になると思われていたら、なんと病欠。
というか、ToTとの契約締結が遅れたのは、Ezeがその試合でプレイするためというのが理由じゃなかったのかよー。これがいわゆる表向きの理由ってやつか。これには大笑い。もちろん、彼をこの試合に関与させなかったパレスの判断(病気なんて誰も信じないよな)も納得できる。ここで彼にケガでもされたら一大事であり、そもそもUEFA ECLのプレイオフなんて、EPLクラブにしてみれば楽に勝てる試合だったろう。実際パレスは彼不在でも1-0勝利でお仕事完了。おめでとう。
いろんな意味で、Eze to AFCは避けられなかった運命だったということだな。いやあ、ゆかいゆかい。彼が、週末のエミレーツでのリーズ戦スクワッドに含まれるという噂はマジだろうか?
そうそう、昨日はつい興味本位でr/coysを見に行ってしまったが、まさに地獄という感じだった。ぜひアーセナルファンの皆さんには、このサブを保存していただければと。もし辛いことがあったときに、ここに戻ってくれば自分よりもっと辛い人たちがいるんだなと、慰められること請け合いですから。
まあ、こうやっておもしろおかしくやつらをからかってはいるんだけど、これが逆の立場と思ったら背筋凍るよね。いちおう同じホモ・サピエンスとしては、お気の毒さまでしたと云っておこう。エイメン。
さて、そんなこんなでここ数日はアーセナルニュースが目白押しだったなか、例のトロサールの新契約について、それを報じたgunnerblog氏がその謎について説明する記事をアップしていた。アーセナルの意図が不可解すぎて、問い合わせが多かったのかもしれない。
Why Arsenal adjusted Trossard’s contract and what Havertz injury and Eze mean for Belgian
それと、ハヴァーツのケガが起きたのはこの新契約が彼に与えられたあとであり、始めからこうしてEzeが来るとわかっていれば、もしかしたら昇給もせず、トロサールはこの夏に売りたかったかもしれないから、なんだかおかしなことになってしまっている状況もある。
今回はこの記事を紹介しよう。
「アーセナルがトロサールに新契約を与えた理由。そして彼にとってハヴァーツのケガ、Ezeの加入が意味すること」by gunnerblog
※トロサール新契約の経緯についてご存知ないかたは、まずはおととい当ブログにもアップした記事をご覧あれ
以下に要約す。
なぜアーセナルはトロサールに昇給だけの新契約を与えたか?
- 最初に言及すべきは、トロサールの新契約はハヴァーツのケガとは無縁ということ。それはPLシーズンが始まる前にはすでに合意されていたから
- トロサールのそれまでの契約は、2023年のクラブ加入当時にサインした2027年まで+1年延長OP
- 加入以来トロサールは、クラブで期待されていたよりもずっと貢献度が高かった
- この2年半でPLで92試合プレイし、21ゴールと18アシスト。当初スクワッドプレイヤーのはずだった彼が頻繁にファースト11に選ばれている
- 彼のこうしたパフォーマンスレベルもあり、トロサールはかねてより契約の改善を求めていた
- アーセナルもそれに納得していたが、今年12月には31才になる高齢から契約延長をする気はなく
- そしてクラブは、いずれは彼の重要性が反映されるよう評価を見直す用意があると示唆していた
- 彼の昇給の決断は、その約束を果たすためでもあり、またほかのシニア選手たちの契約と彼の契約を近づけるためでもあった
なぜこのタイミング?
- この昇給は、The Athleticでも今年5月に報じたとおり、もうしばらくのあいだ話されてきたことだった
- それが8月までずれ込んだのは、彼がこの間にエイジェントを変えたことも理由にある
- また一方では、クラブはトロサールの契約期間の延長には消極的であるため、選手も移籍市場での機会を模索してもいた
- アーセナルはレフトウィンガーを補強したかったため、ふさわしいオファーがあればトロサール、マルティネリの売却にも前向きだった
- しかし、トロサールの決断には期限があった。PLのルール上、契約延長を伴わない契約内容の更新はシーズンが始まる前に行う必要があった(Section T.26 of the Premier League handbook)
- そしてトロサールにもマルティネリにもふさわしいオファーが来るきざしがないため、アーセナルとトロサールは新契約に合意。シーズン初戦のマンUの前にこの契約変更はPLに承認された
- これはトロサールにとっては考えるまでもなかった。長期契約は魅力的だが、短期的には給与アップが保証される。それにフリー移籍まで2年しかないことも
- アーセナル目線では、長らくの懸念事項が解決させることができ、また選手の価値を認め満足させることができた。アーセナルは、選手が貢献を認めてもらえると実感できる、やる気ある選手たちを求めている
- またアルテタにとっては、これで攻撃オプションが確保されたことになる。彼はトロサールを高く評価し、重要な戦力だと確信している
ハヴァーツのケガ、Ezeの加入でトロサールはどうなる?
- とはいえ、トロサールの今回の契約調整は彼の退団を完全に退けるものでもない
- しかし、現時点ではクラブのなかでも彼は売却するより残留する可能性が高いと思われている
- そして、とくにアルテタはハヴァーツのケガがあったことでトロサール残留を喜んでいるかもしれない。アーセナルはハヴァーツの離脱期間を心配している
- ハヴァーツのケガ後、アーセナルは内部で補強可能性について議論をしていた。9、CAM、左サイドのアタッカー
- ただクラブはハヴァーツとヨクレスに大きな投資をしており、もうひとりのストライカーを確保することは困難
- それに、ハヴァーツがケガが長引かないという希望もあり、ジェズースの復帰も見込まれる
- そこでEzeに白羽の矢がたった。彼は左サイドあるいは中央のアタッキングMFとしてプレイできる。そして彼は、ハヴァーツの不在中、トロサールやメリーノが緊急時のストライカーになることを助ける
以上
この記事のナイスな部分はここだろう。
“Arsenal want a motivated group of players who feel their contribution will be recognised.” 選手がちゃんと活躍を評価されて、クラブがそれに報い、選手たちにやる気が出る。アーセナルは、そういうやる気に満ちた選手たちのグループがほしいんだと。
そういう意味では、気前がよすぎるみたいに見えた今回のトロサールの契約調整は、ほかの選手たちに与える心理的影響は想像以上にあるかもしれないね。選手も励まされる。いい話である。
さて、トロサールの件でもっとも気になるのは、昇給までして報いた彼に今シーズンどれくらいプレイ機会があるかということだと思うが、この記事ではそのあたりは触れられていない。アルテタが彼に信頼を寄せているのはわかるし、緊急事態もあるだろうシーズンを通してスクワッドの総合力という意味では確実に貢献してくれると信じられるが、いまのような平常時はどうなるのか。
先週末のマンUでのベンチを観ても、ノーガードやキヴィオールのようにすでに9人の枠から漏れる選手も出はじめているのが現状で、セカンドGKやフルバックなど外せないサブの選手を考えると、トロサールやワネーリはベンチでも当落線上にいるという気がする。
とくに多くのファンが期待しているように、EzeがLWでスタートするようなことがあれば、残念ながらトロサールのプレイ機会はけっこう減ってしまうんじゃないか。現在のチームのなかでEzeにもっとも近いタイプの選手はオーデガード、つぎにトロサール。ふたりとも本来はNo 10タイプ。したがって、Ezeが来る影響をもっとも受けるのがトロサールと想像できる。どうだろう。
それとストライカー役については、トロサールのフォルス9の機会もどれほどあるかわからない。9のペッキングオーダーとしては、きっとトロサールよりもメリーノのほうが上だろう。昨シーズンあれだけうまくやったメリーノなのだから。
だから、もしハヴァーツのケガがなくEzeもアーセナルに来ていなかったとして、その場合とくらべると、トロサールをめぐる状況はいまのほうがもっと中途半端になってしまったと思う。そこは予期せぬ事態だったとはいえ、彼にはすこしかわいそうではある。今回のもろもろは、アーセナルも予定がやや狂ったというのが本音ではないか。
昨シーズンのアーセナルは、ケガやレッドカードにだいぶ悩まされた。シーズン後半には、ベンチにシニアアタッカーがひとりもいないみたいな試合すらあった。あのとき、どれほどスクワッドデプスの拡充を願ったか。ここ数シーズンのアーセナルでは、ビッグクラブとしてのスクワッドデプスはつねに課題だった。
しかし、デプスが充実すると、今度は十分な戦力にも関わらず、ベンチにも入れない選手が出てくる。バックアップとしてでも、買ったばかりのノーガードがベンチにも入れないとは。ハヴァーツがもし軽症なら(※この二週間で手術が必要か判断すると昨日のBild)、さらにもうひとつベンチ枠が減る。
スクワッドマネジメントの難しさを思わずにいられませんね。
でも、今年はそれだけチームがレジリエントだということでもある。誰かになにかあっても、それをカヴァできる選手がいる。バックアップの選手たちにはタフだが、ビッグクラブとはそういうものか。
アーセナル的には、ギリギリでなんとかなると思って、結局なんとかならなかったこれまでの反省もあるかもしれない。
おわり