個人的な関心から、フットボーラーの名前の発音について「スチェスニーじゃなくてチェズニーって聞こえない?」的な話題をこのブログでもたまにしているが、そのことについて気になっているのはじつは日本人だけじゃない。
自分たちが属している言語圏以外の地方の選手の名前の発音に戸惑うのは世界共通なのである。
移籍情報・選手情報サイト「Transfer Market」に選手名発音機能
今日このことについて書こうと思ったのは、おなじみのTransferMarketで選手ページに選手名の発音機能が実装されていることに気付いたからだ。いつからだったろう? 全く気付かなかった。選手写真の下にある「Pronunciation」がそれだ。再生ボタンで音声が再生される。
ご丁寧に一度再生するとダウンロードボタンまで現れる。MP3の音声ファイルが取得できるが、いったい何に使えというのか(笑)。
「ヴォイチェフ・シュタンスニー」が正しい発音らしい。どこに「タン」があるのか。たぶんポリッシュなんだろう。YouTube等でハイライト系動画を確認すると、英語実況では「チェズニー」、イタリア語実況では「シェズニー」に聞こえる。
このプレイヤーの左端にあるインフォアイコンをクリックすると、
https://internationalassociationfootball.wordpress.com/nameproject-uefa-euro-2016/
「Name project UEFA EURO 2016」というプロジェクトのページに飛ぶ。説明を読むと、国際大会でも選手やコーチ名のスペリングをよく間違えたりしていたという問題があって、そういったことを改善するためのプロジェクトのようだ。TransferMarketと相互にリンクしていることから、共同のプロジェクトなのかもしれない。
地域によって呼び方の違うのは当たり前
二重国籍などで生まれと育ちが違う場合に、地域によって呼ばれ方(発音の仕方)が異なることからふたつの異なる発音を当たり前のものとして認めているのもおもしろい。その場合は両方を載せるようだ。
日本人の感覚だと世界中どこへいっても「浅野拓磨(タクマ・アサノ)」と呼んでほしいところだけど、現地オリジナルの読みも受け入れるのが当前という。ヨーロッパ内で言語は違うとはいえ、ほとんどの地域でアルファベットが採用されていることと無関係ではないと思う。
たとえば、Hector Bellerinを「エクトル・ベジェリン」と発音するのは、彼の生まれであるバルセロナの本拠、カタルーニャ地方での呼び方、「ヘクター・ベレリン」はイングランドやその他地方での呼び方として定着していて、本人も英語では「ベレリン」で通しているので、つまりそういうことなんだろう。いずれにせよベレリンをベジェリンと呼ぶのは、カタラン人と日本人だけだ。知らんけど。
気になる選手名を確認してみよう
と思ってさっそくTransferMarletで「Kelechi Nwakali」を検索してみたら、発音機能はなかった。メジャーな選手でもけっこうないものが多い。南米や日本人も全滅ぽい。くだんのページによればEURO2016本選に出場しているチームは全部あるようだ。今後増えていくのかもしれない。
→ エンゴロ・カンテ(アフリカ系で子音を伴わずNやMから始まる名前は多い。ヨーロッパでは強調するようにエン~とかエム~と発音するけど、アフリカではもしかしたらン~と発音するのかな)
→ エクトル・ベレリン(2回発音されているがどちらも同じにしか聞こえないのが悲しい)
→ アントニ・マルシアル
→ エムレ・チャン(ジャンというのも聞いたことあるような)
→ モーガン・シュナイデラン
→ メスト・オジル(オはウムラウトのOでオの口の形でエと発音するので、オとエの中間くらいのはずだけど、強引にカタカナにすればオジルのほうが近い。カタカナ表記の限界ですな)
→ ハテム・ベン・アルファ(ベナルファとも聞こえる。気になるのが「ハ」をちゃんと発音していることで、となるとフランス語読みじゃない? 何語読みなのか)
→ グラニト・ジャカ(英語実況だと濁らないシャカ発音もわりと聞く)
街いく女子たちにサッカー選手の名前の発音をしてもらった
期待を裏切らないおれたちのヴォイチェフ。
知らない/できないを笑うという日本のTVなんかでもおなじみの構図。