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アーセナルにジャック・ウィルシャーは必要か

ジャックはアーセナルを放出されるならACミランに行きたいのだそうだ。

なんでもローンでボーンマスに行く前から興味があったとのことで、デビッド・ベッカム氏の推薦だという。ジョー・ハートからもセリアAの評判を聞いて心が動いている模様。

www.dailymail.co.uk

ACミランといえば、綺羅星の如くトップ選手たちプレイする往年の姿はすでに見る影もなく、若手選手が多くプレイする過渡期のチームであり、ジャックのような25歳という年齢に見合わない経験、人気や知名度を考えれば、これからグローバルで成り上がろうというミランが獲得を希望してもおかしくはない。

中国の投資家がクラブを買収するということでいささか混沌とした状況であるが、ビジネス的にもスター選手の獲得は必須といったところだろう。

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ベッカムがアーセナルに練習参加していたときの写真。今となってはすでに懐かしい3ショットである。

アーセナルはウィルシャーを獲得しない

すでに2週間ほど以前の記事になるが、この報道があってから、こちらのESPNの記事を思い出していた。

「アーセナルは契約がなかったらウィルシャーを獲得するか? 現時点ではノー」。

www.espnfc.com

ジャックに関してはいま戻るか戻らないかが取りざたされているけれど、そもそもアカデミー生え抜きとかローン移籍した選手としてではなく、ウィルシャーが単純に他クラブの選手だったとして今アーセナルは彼の獲得を希望しているかどうか、ということを問うた記事である。

タイトルで結論が出ているが、この記事を要約しよう。

  • もしもウィルシャーがボーンマスの選手だったらアーセナルは新規に獲得を検討するだろうか?
  • 純粋に彼がボーンマスの選手だったら今季の活躍はどう評価できるのか
  • 13/14シーズン以来フィットしたシーズンを送るウィルシャーだが、マンU戦などのビッグゲームでスタメン落ち
  • エディ・ハウは「戦術上の理由」と説明
  • ウィルシャーがボーンマスで今シーズンここまで残している実績は2アシストのみ(0ゴール)
  • 11月はアザールやマタよりもキーパスを出したが、チームは6連敗の真っ只中だった
  • ウィルシャーがベンチに落とされてからチームは持ち直した
  • 悲しいけど現段階ではアーセナルはジャック・ウィルシャーを獲得しないはず
  • これはローンから戻さないという意味じゃない。長らくクラブにいた選手という別の価値があるから
  • アーセナルはカソルラを失ってからシッチャカメッチャカ。ウィルシャーが戻ったとしてもシッチャカメッチャカが増えるだけになるかも
  • ウィルシャーは代表チームに入りたいからローン移籍を希望したが、今回の代表ウイークには呼ばれていない
  • 今季終了後にアーセナルがウィルシャーを放出すれば、代表チームにも呼ばれなくなるかもしれない

以上。

アーセナルは本当にウィルシャーが必要か

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アーセナルというチームが先入観抜きで本当にジャック・ウィルシャーが必要かどうかを考察するには、よい視点の記事だったと思う。

今シーズンフィットしているとはいえ、フットボーラーとしては当たり前で、この程度の活躍では現在のアーセナルの選手と入れ替えるだけの説得力に乏しい。もちろん、異なるプレイスタイルのチームや慣れ親しんだチームでならさらなる活躍ができる可能性は否定できないが、今季のボーンマスでの実績だけで判断するならそれは非常に疑わしい。まだ25歳であるとはいえ、もう潜在的な才能云々で片付けられる年齢ではないのだ。

アーセナルのCMに必要なのは、ある程度はどんなプレイスタイルでも順応できる、あるいは中盤に影響力を与えるほどのキャラクターを持った「強い」プレイヤーだ。理想はヴィエラのような選手だ。現在のOxやラムジー、ジャカやエルネニーがこういったキャラクターを備えているとはいい難いが、少なくともそういった意味で彼らが今のジャックより強度が格段に劣っているとは思えない。

ジャックはエジルの後釜にふさわしいか

エジルが今シーズン終了後に移籍するかどうかはまだわからない。てっきり彼のなかでは決まっているものと思い込んでいたが、これまでのコメントから察するに本当にまだ決め兼ねているのかもしれない。

もしエジルが移籍する場合、ジャックをNo.10に据えるというアイディアは妥当なんだろうか。

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パッサーとしてのエジルとよりペネトレイトを好むジャックでは、実際プレイの見た目はかなり異なるが、シュート意識やシュート精度、パス志向といったゴールを前にしたときのプレイ傾向はだいぶ似通っているといえる。

WhoScoredのキャラクター分析的にもたしかに両者のプレイスタイルは近いものがあり、攻撃のタクトを振るう役割としてはエジルの代役は務まるかもしれない。

だが、理想をいえばアーセナルのNo.10には得点やアシストといったより直接的なゴールへの関与が求められる。今季エジルは得点力を上げてきた代わりにアシストを極端に減らしている。直近ではもちろん、今季前半の好調なエジルであっても、本来アーセナルが期待するNo.10には足りないのだ。

非常に残念なのはそんな状況でありながらも、得点関与の部分でジャックがエジル以上の貢献ができるという予感がまったくしないことなのである。

もしジャックがNo.10でデレ・アリ並の活躍(EPL今季ここまで14ゴール3アシスト)をしようものならアーセナルは優勝してしまうだろう。



セントラル・ミッドフィールドのジャック

現在のアーセナルならば、No.10候補というよりはむしろCMのほうが現実的だが、こちらはこちらで不安が残る。

というのも、CMでのペアのコンビネーションがもしかすると個々の選手の実力以上に重要であることが、ここしばらく指摘されるようになってきたからである。コクランが急に活躍できなくなったのはカソルラ不在の影響をもろに受けているのは明らかだ。数年もまともにアーセナルでプレイすらしていないジャックを攻守のキモになるポジションに据えるのは勇気がいる。

あるいは、ここ数試合で何度か試している4-3-3の3センターのコンビネーション。ジャカをアンカーに置いて、OxとラムジーをBox to boxにした形で、ラムジーをジャックで置き換えるというのはアリかもしれない。

一番の問題はとくにジャカとのコンビネーションでジャックがどういった働きができるかだ。

ジャカは批判も多いが、大金を投じた選手をベンチに置いておくようなことは考えづらく、フィットしていれば今後もアーセナルの中盤で起用されていくはずだ。4-2-3-1でも4-3-3でも、ジャックがCMで起用されるならジャカとのコンビネーションは避けられない。パッサーのジャカとボールを持ちたがりのジャック。このふたりがどういう化学反応を起こすのか。あるいは足を引っ張りあうのか。よくも悪くもまったく予想がつかない。意外にいいコンビになるかもしれないと考えるのは楽観的すぎるだろうか。

まとめ

ジャックの週給は9万ポンドといわれており決して安い選手ではない。 アーセナルは、同じサラリーを払うなら怪我がちなジャックよりも、より若く有望な選手に投資したいと考えてもおかしくはない。

ジャックに来季アーセナル復帰のチャンスがあるとすれば、それはヴェンゲル続投に加えてヴェンゲルが復帰を希望したときだけかもしれない。皮肉なことに、現況に反して非常にありえそうなシナリオである。

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