勝った勝った。ネガティブな面もあったが、今回はポジティブな面がそれを上回っているだろう。ホームで13連勝はエミレーツ記録とのこと。もちろん継続中だ。
選手たち自身も気力が充満していたようで、後半に交代のカードを誰に使うか観ているこちらも悩んでしまうくらいだった。逆転も納得の一戦。もう1点か2点は追加点を入れていてもおかしくなかった。
アーセナルのスターティングイレブン
※画像はWhoScored.comより
予想どおりのスターティング。AOL(Alexis、Ozil、Lacazette)は今回もエヴァートン戦に引き続き同時スタートとなった。3CBのメルテザッカーがムスタフィの代わりに入っている以外はアーセナルの現在のレギュラースコッドだ。
先制はされたものの、結局交代枠をひとつあまらせるなど、ほぼ全員が及第点以上の動きを見せた。その分、コラシナツと交代で入ったホールディングが見せたいくらか不安定なプレイが悪目立ちしていて彼にはちょっと気の毒ではあった。
アーセナルvsスウォンジーの論点
やっぱりスウォンジーは苦手
EPLでも下位に沈むスウォンジー相手に同点弾を入れるまではかなり手こずったといえる。エンケティアを投入したいくらい。最初の得点までにもっと時間がかかれば、ホームチームのプレッシャーは大きくなり、チャンスは作れど得点できないというストーク戦の二の舞いになりかねない試合展開ではあった。
結局、アーセナルは格下が相手であっても、先日のエヴァートンのような中途半端に攻撃マインドを持ったチームが相手ならうまく対処できるが、今回のスウォンジーのように最初から自陣スペースを消してカウンターを狙ってくるチームは非常に苦手だ。また、どういうわけか、いつも10本打って1本入るかどうかというカウンターをきれいに決められてしまう。そんな気がしないだろうか? 今回もベレリンが裏を取られたとはいえ、いうほど簡単なシュートではなく、チェフの股をきれいに抜かれた美しいゴールだった。ウォルコットなら絶対はずすやつである。
余裕ぶっこき問題
それとこのスウォンジー戦に限らないが、残り15分で余裕を見せてワンタッチでパスを延々と回すなど、すでに勝った気でいるようなプレイはいただけないと思った。ガナーズが格下相手にリードしたときにやりがちなプレイであるが、2-1という最小の得点差の場面で最後まで気を引き締めなければならなかったし、実際に危ない場面も作られた。
コラシナツがヒーロー
Sead Kolašinac’s game by numbers vs. Swansea:
92% pass accuracy
3 crosses
2 chances created
2 tackles won
2 shots
1 assist
1 goal— Squawka Football (@Squawka) 2017年10月28日
そこはトラックじゃなくて戦車だろう。。
Never give up, the only thing that matters in football is winning! 🚀💪🏽#AFCvSCFC @Arsenal #SeoKol pic.twitter.com/WPEg0HRVzo
— Sead Kolašinac (@seadk6) 2017年10月28日
ネヴァギバップ。1ゴール1アシストのセアド・コラシナツ。当然MOM。
このところ、あまり動けておらず開幕当初に見せていた縦横無尽のパフォーマンスはなりを潜めていたように思えたが、そんなときでもこうやって活躍できるのは、彼がフィジカルが強いだけでなくテクニックに優れているからだ。ファビアンスキのスーパーセーブで得点こそ逃したが、サンチェスに出したヒールパスはヤバかった。
それと屈強なフィジカルばかりが注目されがちであるが、コラシナツのもっとも優れているのはとっさの判断力ではないだろうか。ボールを持ってボックスに侵入すればいつも危険なクロスを供給するし、チャンスとあらばシュートをためらわない。今回の同点弾もラムジーへのアシストもグレイトだった。このチャンス局面での落ち着きこそ特筆すべきものだ。ぼくは先日イウォビがとっさの判断力に欠けると書いたが、まさにそこがコラシナツの美点であり、イウォビが学ばなければならないものだと思う。
コラシナツはこの試合ヒップの故障ということで途中交代となった。ボスのコメントによれば大きな怪我ではないようで交代は念のためとのことだが、来週のマンシティ戦に間に合うかどうかが気がかりだ。
ところでボスはコラシナツのことをあんまりバーゲン、バーゲンていわないほうがよいと思わないか? コラシナツがフリーで手に入ったのは、彼がシャルケの契約延長オファーを拒否したおかげで、そのままそっくり今のサンチェスやエジルの状況と同じなんだから。まるでフリーで放出せざるを得なかったクラブに対してリスペクトがないみたいだ。「サンチェスみたいな選手をフリーで放出してくれる愚かなクラブがあるらしい」なんて、来季自分たちがいわれるってわかっているんだろうか?
それにしてもセオ(Seo)という愛称ぜんぜん広まらねえな。
ラムジーがアーセナルで50得点
ラムジーはここしばらく好調が続いている。とくに攻撃面での貢献が顕著である。怪我をしていないのも大きい。この試合の得点は彼にとってはハードワークのご褒美のようなものだろう。
Ramsey – How it feels to reach 50 goals
ラムジー:アーセナルのために50得点できてすごく光栄だよ。願わくば、もっと取りたいね!
今日この試合で勝利したチームの一員であることがうれしいんだ。クオリティのあるチームだよ。前半は難しかった。でも選手が一丸となった。自分たちのクオリティにも自信があったしホームだしね。ホームで勝ち続けていることもうれしいよ。
ラムジーとサンチェスの仲は結局どうなんだ
ラムジーといえば。エヴァートン戦でもお互いパスが乱れたりチャンスをふいにしたことで文句をいい合っていたように、ラムジーとサンチェスが仲悪いんじゃないか説というのがある。じつは結構以前から噂はあって、それに気づいて以来、知らず知らずのうちに彼らがピッチ上でお互いに対してどんな振る舞いを見せるか注意深く見てしまうようになってしまった。
今回はラムジーが得点したときのセレブレーションにはサンチェスは控えめに輪に参加していた(もっとも移籍話が出て以来サンチェスはチームメイトと喜びを分かち合うようなシーンはあまり観られない)。
それと、ボックス内でこぼれ球という絶好のチャンスにふたりが反応して、結局一瞬だけ早く追いついたラムジーがシュートを吹かしてしまったというシーンがあったが、とくにサンチェスは怒りのジェスチャーは見せていなかったと思う。
自分が小心者なせいもあってチームの人間関係もついつい気になってしまうのだけど、こんなのはやめてほしいんだよな。プロフットボーラーだから、別に仲良しグループになる必要はない。ただ、フットボール以外の部分で仲が悪いというのはマジでやめてほしいなと思う。本当にふたりがそういう関係かどうかは知らないけどね。ああ、なんかカソルラの笑顔が見たい気分だ。
エジルのパフォーマンス
全体的にはゲームを支配したという感じもない試合だったが、エジルの積極的な守備がちょっとした驚きだった。ボールを失っては走って追いかけたしタックルでボールを奪うなんて珍しいシーンも見られた。
最近エジルはアーセナルに在籍していることやオーナー連中がいまだに新しい契約を諦めていないなんて報道に対してポジティブな発言をしていたようだが、おれは彼が契約を更新するなんてぜんぜん信じていない。彼がいまいい動きをしているとしたらそれはただの就活である。アーセナルでハッピーというのも就活。在籍中のクラブを悪くいう選手なんてそもそもろくなもんじゃないから。ここでできるだけ活躍して新しいクラブとの条件交渉を有利に進めたい。それだけである。
ボスが800試合目を勝利で飾る
めでたいよ。COYG.
Congratulations, Arsene Wenger! 800 #PL matches and counting for the @Arsenal boss pic.twitter.com/artxaDZ1AZ
— Premier League (@premierleague) 2017年10月28日
次の試合は、木曜日(日本時間金曜深夜というか早朝?)のUEL、ズヴィズダー(レッドスター・ベオグラード)をエミレーツに迎える。
そして、日曜はアーセナルにとっては大一番、マンチェスター・シティのホーム、エティハド・ステイディアムに乗り込むEPL第11節。
先週くらいまでは、マンシティ戦はジャイアンに睨まれたのび太のような気持ちでいたけれど、ここへ来ての上り調子で少なくともギッタンギッタンにやられるということもないんじゃないかなんて淡い期待を抱いてしまっている自分が怖い。
こんばんは。いつも楽しみに見ています。
スワンズにはミチュが在籍していたときにチンチンにされた悪いイメージがあったので勝ててホッとしました。ツルズベ戦では上手くローテーションして貰い敵地でシティに一泡吹かせてやりたいものですね!次の記事も楽しみにしております^^
こんにちは。ミチュすでに懐かしいですね!
いやあぼくはシティ戦がやってくるのがまだちょっと怖いですねー。築きつつある自信が叩きのめされるのではないかと……