破竹の勢いでポイントを積み重ねているマンチェスター・シティがついにアーセナルの連勝記録を追い抜いた。時間の問題だとは思っていたが、改めてそうなるといくらか寂しいものがある。まだリーグ無敗優勝の記録が残っているが、現在の彼らの勢いを考えるとマンシティなら今季の無敗優勝も夢じゃないように見える。

リーグ1位のマンチェスター・シティは現時点で、17戦16勝1分0敗。得点52失点11、ゴールディファレンス41。ポイントは49で、まだ半分も終わっていないというのにここから全敗しても昨年だとリーグ8位に入れる勝ち点だそうである。

今マンチェスター・シティのファンになればあなたは必ず幸せになれる。

強すぎるマンチェスター・シティ

ついに15連勝、BBC SPORTSが掲載したマンチェスター・シティに関する記事。「数字で見るマンチェスター・シティの記録破りの軌跡」。

Premier League: Man City’s record-breaking run in numbers

マンシティがアーセナルの記録を抜いて15連勝。が、アーセナルの14連勝は2シーズン連続だったので、これを超えるかどうかもまた時期が来れば注目されるだろう。

17試合終了時点でのポイントもマンシティが歴代1位。

グアルディオラについて

ちなみにグアルディオラは、2011年のバルセロナで16連勝、2014年のバイエルンで19連勝もしているそうである。化物か。

現在のマンシティは当時のバルセロナやバイエルンに比べたら、選手のクオリティや名声も幾分か下がるといえる。メッシもシャビもイニエスタもレヴァンドフスキもロッベンもリベリーもいないのだから。彼らに比べられるとしたらせいぜいアグエロくらいだろう。

ぼくも当初、グアルディオラは豪華な選手たちに助けられただけの過大評価された監督だと思っていて、マンシティでもそう簡単に成功できるわけがないと思っていた。懐疑派だった。

実際、就任初年度の昨シーズンは大したことなかった。GKからのビルドアップにこだわるなど、やりたいプレイと選手のクオリティがちぐはぐに見えて滑稽ですらあった。それがどうだ。今季ほしい選手を次々に獲得したらもう無敵である。MUTEKIである。自らの理想とするフットボールを実現できるコマが揃った途端に、魔法のように記録破りのチームにしてしまった。スペイン、ドイツに続いて厳しいリーグといわれるイングランドでも。もう彼は本物だと認めざるをえない。本物の天才、本物のフットボール・マネージャーである。

EPLも一強時代へ突入か

ぼくが知っている範囲でプレミアリーグも、2強、4強、6強みたいに強いチームが変わってきている。そのなかにいつもアーセナルも入っていたのだけど、ついにイングランドも、ドイツやフランス、イタリアのような最強の1クラブだけが勝ち続けるリーグになったのかもしれない。もちろん最強はもはや異次元としかいえない強さを誇るマンシティである。強いクラブも弱いクラブも誰も彼らに勝てないのだから最強だ。

世界一人気があるというイングリッシュ・プレミアリーグの魅力を語るときに、ほかのリーグと違い「タイトルの本命がいない」＝「リーグ内で上位から下位までクラブ格差が少ない」、ゆえにコンペティティブである、などということが指摘されがちであるが、マンシティがこれだけ強いと、もう今後プレミアリーグにクラブ格差がないとはいえなくなってしまう。

マンチェスター・シティ以外に優勝できるクラブが存在しないリーグ。これでプレミアリーグはただのラフでフィジカル勝負を求められる、つまらないリーグに成り下がるのである。

つまり、マンシティが勝ち続けるとリーグの価値を毀損する。FAは一刻も早く対策を考えるべきである。

もしも

ウエストハム戦を見ながら思っていたのは、もしもグアルディオラが今のアーセナルを率いていたらということ。もちろん、アーセナルではシティのような大胆な補強はできなかった可能性はあるので、いまのシティのような状況になっていたとはいえない。しかし、少なくとも未来に希望を持ったチームにはなっていたかもしれない。

攻撃が好きでボールを持つことが好きで理想（美）を追い求めるという意味では、ヴェンゲルもグアルディオラも同じタイプのマネージャーにカテゴリー分けできる。グアルディオラを見ているとヴェンゲルが持ちたいと願ったマネージャーとしての資質をすべて兼ね備えているのではないかと思えてくる。

 

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