しばらくニュースをまとめていなかった。インターナショナルウィークでアーセナルのファンも退屈しているということで、ここしばらく貯めていたアーセナル界隈の話題をまとめていこう。
UEFAヨーロッパリーグ、ラスト8=クオーターファイナルの対戦相手が決まる
いささか旧聞に属する話題ですまない。
組み合わせはご覧のとおり、われらアーセナルはロシアのCSKAモスコウを引いた。
アトレチコを引かなかったことはラッキーだったが、最高の相手というわけでもない。ロンドンからモスクワはとても遠い。というか一番遠い。そして寒い。地理的にはマルセイユ(フランス)かザルツブルク(ドイツ)あたりが当たりだったかもしれない。
UELセミファイナル(ラスト4)予想
早くも次のラウンドを予想してみよう。
まずライプツィヒとマルセイユ。これはライプツィヒ。
アーセナルとCSKAモスクワ。もちろんアーセナル。
アトレチコとスポルティング。アトレチコ。
ラツィオとザルツブルク。たぶんラツィオ。
したがって、ライプツィヒ、アーセナル、アトレチコ、ラツィオが4強。これは当たりそうだ。
ちなみに、ぼくはラスト16においてアトレチコ以外はどこと当たっても同じなんてふざけたことをいってしまったのだけど、先日ライプツィヒとバイエルンの試合を観てぶっ飛んでしまった。ライプツィヒというチーム。クソみたいに強いぞ。本気のリーグ戦で、あの世界最強のバイエルンに勝ってしまった。
強いのはアトレチコだけじゃなかった
なんとなくRBライプツィヒというクラブが最近すごいという評判は知っていたのだけど、まさかここまでとは。思わずYouTubeでもいろいろチェックしてしまった。このライプツィヒの戦術をわかりやすく解説したビデオがおもしろかった。韓国のひとがつくったようだ。前編と後編があるぞ。
4-4-2で中盤のサイド2枚が上に上がって4-2-4で鬼プレス&ショートカウンターをかますという超攻撃的スタイル。なにそれかっこいい。
それとブンデスリーガ公式チャンネルのこれ。「ケイタ・フォルスベリ・ヴェルナー、マジック・トライアングル」。ヤベえやつだこれ。まじヤベえ(語彙力)。ケイタはたしか来季からリヴァプールが決まっていて、フォルスベリとヴェルナーは後述するようにアーセナルのターゲットである。
アーセナルがELを戦うことになってぼくがした事前予想は4強で敗退。アトレチコかライプツィヒを引いたらご臨終である。非常にこの予想が当たる確率が高くなってきたかもしれない。残念だが。
というのはいいすぎか。彼らはブンデスリーガでは現在6位とアーセナル同様に決していい成績を残しているわけではない。超攻撃的スタイルゆえに、中盤での強烈なプレッシングをうまいことかいくぐればアーセナルがつけ入るスキも十分あるだろう。
ラツィオはどうなんだろう?
アーセナル移籍ニュース
この流れで、まずはフォルスベリの話題から。
ライプツィヒのフォルスベリにはオファー済みだった
Arsenal had a bid turned down for RB Leipzig attacking midfielder Emil Forsberg last summer. [@honigstein] #afc pic.twitter.com/suARNlpvzQ
— afcstuff (@afcstuff) 2018年3月20日
アーセナル情報で信頼できるソースのひとつである@afcstuff氏によれば、昨夏にアーセナルはRBライプツィヒのAM、Emil Forsberg、エミル・フォルスベリ(フォルスバーグ)にオファーを出して断られていたとのこと。ハイライトビデオなんか見ると、逃した魚は非常にでかいという気がするな。
ふたつ前のエントリで書いたように、ジャックが夏にクラブから退団してもいいよといわれていたという事実と合わせて考えると、このフォルスベリ、ジャックの後釜だったのかもしれない。
すでにラカゼットもオバメヤンもいるので、アーセナルがヴェルナーにいくとは思えないが(ラカゼット退団ならありえる)、フォルスベリには夏にも再オファーがあるんだろうか。
フォルスベリがどんな選手なのかWhoScored.comよりざっくり。何この緑。アーセナル的にはラムジーやジャックとばっちり競合するタイプである。キミがほしい。ラムジーかジャックがいなくなるなら。
バイエルンがマルコムから手を引く
アーセナルとToT、そしてバイエルンが狙うといわれているボルドーのマルコム。バイエルンのボス、ユップ・ハインケスが「彼のプレイは観たこともない」とマルコム獲得の噂を否定した。高齢のロッベン・リベリーの後釜にというのはもっともらしい理由だったけれど。
Jupp Heynckes: Bayern Munich have no interest in Malcom | Goal.com
そして、なぜこのタイミングでという感じで、本人はバイエルンでプレイするのが夢とかいってる。
Bordeaux’s Malcom calls Bayern a ‘dream’
こいつプレミアリーグでプレイするのが夢とかいってなかったっけ?
いずれにせよ、バイエルンが彼に動かないなら強力なライバルがひとつ消えたことになる。アーセナルとToTでどちらがマルコムを欲しがっているか。ぼくはアーセナルではないかと思っている。ウォルコットやサンチェスが退団したことで、いまアーセナルのファーストチームには純粋にウインガーと呼べる選手がいない。リース・ネルソンはもちろん将来性はあるが、即戦力という意味ではまだまだ信頼性が足りない。
ストライカーの後ろにずらりとゲームメイカーが並ぶようなアーセナルはやはり時代遅れ感が強い。マルコムじゃなくてもいいけど、アーセナルに足の早くてテクニックのあるウインガーはいてほしい。
ところでマルコムの実績について、「デレアリがもっともイケてるヤングタレントなのか?」というSKY SPORTSの非常にどうでもいい記事を眺めていたら、マルコムの名前がいくつか出てきていたのでグラフィックだけ拝借しよう。
17/18シーズン、21才以下の選手でもっともゴールに絡んだ選手。マルコムは第5位。トップはエンバッペ。さすが。
同じくもっともチャンスをつくった選手。1位がマルコム。34.7分に一回チャンスクリエイト(アシスト+アシスト未遂)。やるな。
ナビール・フェキルの代理人が、フェキルがこの夏にリヨンを離れる可能性があるとコメント
Arsenal consider £45m bid for Nabil Fekir as agent reveals he could leave Lyon
代理人のJean-Pierre Bernesのコメント。
バーンズ:今季終了後に決断はくだされるだろう。(OLの)オラス会長と相談して正しい解決策を見つけるよ。
リヨンをリスペクトしている。ケンカ別れする気もない。
ナビールはビッグ・フレンチ・クラブにいるんだ。最大ではないけどね。
いくつかのことはあなた方もよく知っているだろう。退団については質問できるかもしれない。
この決断は知的に、プロフェッショナルとして、とくに興味を持ってくれているすべてのクラブに配慮して行われるだろう。
アーセナルは45Mポンドで獲得に向かうというが。
フェキルのOLでの今季成績は、リーグとカップ戦合わせてここまで34試合で21ゴール6アシスト。ほとんどストライカー並の成績である(ときにCFもやる模様)。ほしいキミが。
ジョニー・エヴァンスのリリースクロース
エヴァンスはいまももちろんアーセナルのトップターゲットのひとりと思われている。ところでぼくは最近知ったのだけど彼のリリースクロースには、「ウエストブロムが降格したら3Mポンドの移籍金で移籍できる」というものがあるそうだ。
Jonny Evans has £3m relegation release clause in West Brom contract
そして、もちろんWBAは、現在プレミアリーグでダントツの最下位なのです。真っ赤ですわ。
降格圏内脱出にはあと10ポイントを巻き返さねばならないので、アーセナルがトップ4に入る(13ポイント)よりは簡単だが、まあほぼ無理だろう。真っ赤だし。
ボーンマス戦に惜しくも敗れたWBA。キャプテンのエヴァンスによればドレッシングルームで泣く選手もいたという。。カワイソス。
West Brom: Players cried after Bournemouth defeat – Jonny Evans
だから、この夏にエヴァンスを獲れるとなると、結果的に20Mだか30Mだかの評価額だったので、かなり大きな節約になったことになる。もちろんその半年が命取りになる世界なので、褒められたものではないものの、ファンには気休めくらいにはなるだろう。
アーセナルがデッドラインデイに12Mポンドでオファーを出してあっさり断られたことはだいぶ叩かれていたけれど、半年後に3Mに値下がりする選手だということがわかっていたなら、妥当な金額だったのかもしれない。デッドラインデイで処理する時間がなかったというWBAも、もしかしたらタイミングが合えばその金額で手放していた可能性はある。その差たった9M(900万)ポンドというけど、これ日本円にすると13億5000万円ですからね?
残り契約1年のラムジーにチェルシーやマンUが興味
Chelsea eyeing another raid on Arsenal – with regular starter in their sights
チェルシーはこのところよくアーセナルの選手を狙っている。チェンバレンの獲得には失敗したがジルーは成功した。そして今回のラムジーである。
ラムジーは来季いっぱいでアーセナルの契約が切れる(2019年6月まで)ということで、いくつかゴシップが出てくるようになった。
そしてマンUがラムジー獲得に動くという噂もある。しかしこちらはどうだろう。いまマンUサポーターの粕谷秀樹氏が嘆くほどモウのマンUはグダグダで、このままモウリーニョの守備的なやり方が続くようだと、クリエイティブ系のプレイヤーから総スカンを食らうのではないかという記事もあった。彼の驚異的なスタミナと神出鬼没なプレイスタイルはマンUにとっても魅力的かもしれないが、CMでありながら極端に前掛かりになる、彼のある種ケイオスなプレイスタイルをモウリーニョがそのまま許すとも思えない。自由を与えないと輝けない選手がいるのはマンUはサンチェスで目の当たりにしているところだ。
肝心のアーセナルとの契約更新についてラムジーは、ACミラン戦のあとに「いまはまだ何もない。彼ら(アーセナル)もその他の契約なんかでいろいろ忙しいんだろう」と、若干の苛立ちとも受け取れるようなコメントを残している。われわれにしてみれば、非常に既視感のある状況となっている。またかよという感じ。
Lampard: Ramsey can go to next level and Arsenal can build around him
フランク・ランパードがラムジーを称賛している。アーセナルは(テクニックよりも)力強さとパワーを優先し、彼ら英国人を中心にチームを組むべきだとも。
アーセナルがエルネニーに新契約を準備
Arsenal plan new deal for another midfielder as Wilshere saga takes fresh twist
この件、わりと賛否両論があるみたいだ。というか、うれしいことならさほど話題にもならないと思うので、うれしくないと思うひとが多いんだろう。たしかに、彼はアーセナルにとってはだいぶ中途半端な選手ではある。攻撃でも守備でもチームへの影響力があまりなくて、平均的な選手というか、悪い意味の普通(©久米田康治)というか「ダメなアーセナル」を象徴するような存在でもある。彼を語る際に、褒めるひとでも「バックアッパーとして」という枕詞を忘れない。
とはいえ、ぼく個人は彼のゆるやかな進化を感じていて、今季の彼のパフォーマンスを見ていると、紆余曲折はあれど、アーセナルのなかでは珍しく成長している選手のように思っている。だから、まだ2年契約を残す彼に、契約更新をオファーするのは間違えていないと個人的には思う。逃げ切りたいときに使うクローザーや、レギュラー選手のバックアップとしては非常に使いやすい選手だ。そしてもちろん、彼がこのまま成長してレギュラーに名乗りを上げるようなことがあればなおよい。
その他のアーセナルニュース
メルテザッカーのインタビューの反応
先日このブログでもサンチェスのことで少しだけ触れたように、メルテザッカーのインタビューというのが先週くらいに話題になっていた。
Mertesacker opens up on secret physical and mental battles ahead of retirement
これは彼がドイツのメディアに答えたもので、あまり詳しくは読んでいなかったのだけど、プレッシャーに耐えられなくてゲロはいちゃうとか、試合に出るのが怖いからベンチとかスタンドから観ていたいとか、引退できることでホッとしているとか、そういう自分のこころの弱さを吐露したわりとショッキングな内容を含んでいて、いくぶん議論を起こすようなものだった。
これについてディトマー・ハマンやローター・マテウスといったドイツ人ご意見番らが、クラブキャプテンのくせにプロにあるまじき態度だと批判的に反応していて、それもまあそうだよなと思いつつ、今度はドイツフットボール協会のプレジデント、Reinhard Grindelがメルティの擁護にまわって、これもまたそうだよなあと思わせるものだった。
グリンデル氏いわく、「わたしは弱さを認めることも強さだと思う。彼のインタビューは若い選手にもオープンになるための力を与えるものなのがうれしい」。
ぼくがこのグリンデル氏の擁護コメントを支持したいのは、このメルティのインタビューでは、うつ病のすえに自殺した元チームメイトで友人のロベルト・エンケのことも触れられていたようで、普段われわれが気にすることもないようなフットボーラーの心の問題にも焦点が当たっていたから。
つまり彼らも何かあれば心を病んでしまう普通の人間であると。ワールドカップウィナーだって特別じゃないんだと。
フットボーラーが試合に出るのが怖いなんていえば、当然批判されることも予想できただろう。だからメルテザッカーのこのインタビューはそういった批判を覚悟で発表されたもので、本人にとってもかなり勇気のいるものだったのではないかと思うのだ。誤解されることや批判されることを恐れずに届けた、おれたちのキャプテン、メルティからのメッセージというわけだ。
メンタルヘルスのようなセンシティブなことを隠さずにいえる空気が大事なのはスポーツ界だって変わらないだろう。フットボールに限らずメルテザッカーのメッセージに救われるスポーツ選手たちがいると思うと、彼を称賛したい気にさせられるのである。
オバメヤンがガボンを選んだ理由
Arsenal Playerに語った。
‘Why I chose Gabon over France and Spain’
(キミはフランス生まれでお母さんがスペイン人、でもガボンを選んだね。どうして?)
オバメヤン:若かったときに決めたんだ。選手はもっと時間をかけてじっくり考えるものだと思うけど、ぼくの選ぶ道は明らかだった。父さんの足跡をたどりたかったんだ。彼は昔(ガボンの)ナショナルチームのキャプテンでね。
スペインかフランスも選べた。フランスのU-21でプレイもしたしね。でも早い段階でぼくのハートは父さんに倣いたいと思ってることに気付いたんだ。
おお、ガボンかあワールドカップがんばれよー。って、ガボン出ないのかい。ズッコケた。
ゼラレムが来季の躍進を誓う
非常にお久しぶりというか。どこにいたのかと思ったら彼は怪我をしていたようだ。プレシーズンに向けていい準備をしているという。
彼は数シーズン前は日本のファンにすら大きな期待を持たれていたのに(ぼくも埼スタで彼を観た)、今ではすっかり過去の人?になってしまった。アーセナルに居場所があるのかどうかはわからないが、がんばってほしいものだ。
以上
今回すごく長くなってしまった。読みにくかったら申し訳ナイ。