hotいま読まれているエントリ

Arsenal, Opinion, Transfer

アーセナルの2018夏の移籍市場に期待してはいけないわけ

ウナイ・エメリのアーセナルでの最初のサインということで、ステファン・リヒトシュタイナー(34)獲得の発表があった。

Stephan Lichtsteiner to join the club

インタビューでの彼のコメントを読んでいたら興味深い一節があった。それはアーセナルの「プロジェクト」についてのものだ。

AFCの来季の目標についてちょっと考えていたところだったので、ああそういうことかと腑に落ちたような気がしている。



アーセナルは目標を「CL出場」に絞った(PL優勝じゃない)

(アーセナルに惹かれた理由はなんですか? ロンドンに行きたいと思わせたもの、アーセナルとプレミアリーグに行きたいと思わせたものは?)

リヒトシュタイナー:プロジェクトがある。チャンピオンズリーグに復帰するというプロジェクトがね。アーセナルみたいなクラブがチャンピオンズリーグを戦わないなんて、ちょっと想像できないことだと思うんだ。選手たちを見てごらんよ。クラブ、ステイディアム…… それがプロジェクトだよ。最高のレヴェルに戻るビッグチャンスだ。

プロジェクトというのは、要するにクラブが見ている今後の展望、自分たちのクラブがどういう将来像を掲げているか、それを実現するためにどういうプランを持っているか、そういったものだろうと思う。当然、獲得しようとしている選手にもまっさきに共有されるものだ。プロジェクトとはつまりクラブの野心(アンビション)そのものである。

ここで、リヒトシュタイナーははっきり「アーセナルのプロジェクトはCLに戻ること」だといっている。

ヴェンゲルは毎年シーズンの始まりにはPLのタイトルを目指すと公言していた。もはや妄言みたいにも思えたし、とくにここ数年はシーズンが進むにつれいってる本人がトーンダウンしてしまうことも珍しくなかったが、どんな悪いシーズンでもヴェンゲルは自分たちの目指すところはあくまでもPLのタイトルだといってはばからなかった。

それがどうだ。ぼくもすべてのコメントに目を通しているわけじゃないけど、たぶんガジディスもエメリもプレミアリーグで優勝するなんてことは今回公の場では一言もいっていないのではないだろうか。せいぜい「ウィン・トロフィ」くらいだろう。

2シーズン連続でCL出場を逃し、チーム状況はよくない。選手たちも自信を失いかけている。CLに出場できないことでの経済的ダメージもあったはずだ。だから、まずはCLに戻ること。それが最優先であると。アーセナルは来季に向けてそうターゲットを設定した。

なぜAFCの移籍市場での動きはぱっとしないのか

そう考えると、限られた補強予算の件も移籍市場での鈍い動きも納得できるように思えた。

リヴァプールがフィルミーノ、マネ、サラー、ファン・ダイク、ケイタ、ファビーニョといった20代なかばの本物のトップタレントを次々と補強しているときに、なぜアーセナルはソクラティス(16Mポンド/30才)やリヒトシュタイナー(フリー/34才)なのか。なぜフェライニ(フリー笑/30才)なのか。なぜこのインフレしたマーケットのなかで、予算を50Mポンドに制限したいのか。

とりあえず来季はプレミアリーグで優勝する気がないからだ。

戦力として計算できる即戦力=安価なロートルでできる限りリスクを抑え、まずはCLに復帰する。

そこから○カ年計画があるかは知らない。が、外部に明かされていないPLタイトルに向けたロードマップがきっとあるはずだ。3年くらいだといいな(笑い)。

とにかくいまは助走期間であって、要するに本気を出してないだけ。そういうことである。本気出すタイミングはいずれやってくる。それが今年じゃないってだけだ。

IRS(ガジディス・サンレヒ・ミズリンタット)ならきっとAFCを変えてくれるはずだと喜んだのに、この期待はずれ感はなんなんだと憤っているグーナー諸君。夢を見るのはやめよう。少なくとも今年の夏は。

だったらなおさら若手に行けよ問題

や、タイトルを取るつもりで補強してやっとトップ4に入れるかどうかってレベルじゃないのかとか、数年後の成功を想定しているなら、それこそ今から数年後に向けてヤングプロスペクトを獲得しておくべきじゃないのかといった意見もわかる。後者に関してはとくにミズリンタットはそういう人材を見つけてくることに長けているといわれていたわけで。

でもそれでもあえてロートルに行くということは、即戦力のベテランに比べて若手の獲得はリスクが高いからだろう。いうほど安くもないのかもしれないし。

また『マネー・ボール』の話しで恐縮だが、ソクラティスやリヒトシュタイナーといった面々の獲得は、ちょっとビリー・ビーン的発想に近いようにも思える。おそらくコスト以上の効果をもたらす何かしらの裏付けデータがあるのだろう。

短期的なコストパフォーマンスだけで判断するなら、結果的にロートルばかりが集まってしまったとしても不思議はないかもしれない。それを見て外野は呆れたりやいのやいのと騒いでいる。ほら、メジャーリーグでビーン・メソッドが理解されるまで時間がかかったのと似ているじゃないか。本領発揮はこれからなのだゾ☆(白目)。

AFCには成功に向けての中長期的な戦略があるはず(信者脳)。だったらわれわれファンはIRSとエメリを信じようではないか(ふたたび信者脳)。

 

……とかなんとかいってウスマン・デンベレ(130Mポンド)連れてきたら笑えるよね。

以上



※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

One Commnet on “アーセナルの2018夏の移籍市場に期待してはいけないわけ

  1. シティとの勝点差を見たらよっぽどのアホでもない限り「優勝目指す」なんて言えないと思います。たとえ建前でも。
    今じゃない。そのうち本気出す。まじで。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *